夏目漱石のレビュー一覧

  • それから(漱石コレクション)

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    「もっとシャキとしたら?」とあまり好きになれない主人公です。
    でも、ストーリーを彩る文章の美しさや、秘められた意図等々、何度も何度も読み返したくなる作品です。

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    2015年10月24日
  • 夢十夜 他二篇

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    読んでいる最中も読み終えた後も運慶が明治まで生きている理由を考えているが、とんと分からない。
    そも、この夢を見た主は、本当に分かっているのかさえ、だんだん疑わしく思われてくる。

    よく、夢を見る。
    夢を見て、その中でものを思い、天啓を受けたような、閃光を目の当たりにすることがある。
    けれど、果たして夢から覚めてみれば、いったい何に合点が行ったのかさっぱり分からなくなっていることがほとんどだ。
    時々覚えていることもあるのだけれど、夢の中で得たような「あっ!」というひらめきはもう消えていて、改めて検討すると「あぁ…?」というがっかりが残る。
    いや、夏目先生のことだから、しっかり考察するだろうけれど

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    2015年10月07日
  • 【語注付】明暗(漱石コレクション)

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    未完作ですが、とてもいいところで終わるので、いやがおうにもその後の空想が止まりません。夫婦を中心としたその周辺の人間たちの会話がベースなので非常にテンポがよく軽快です。例えが下手ですがタランティーノ映画の無駄話シーンだけでを編集でつないだ感じ?しかしその会話の裏ではものすごい権謀術数が渦巻いており、その圧倒的な質量こそが主題であると感じました。そのおかげ(?)でだいたいの登場人物にムカつきましたw

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    2015年08月14日
  • 坊っちゃん

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    言わずと知れた名作だけれど。
    本当にちゃんと内容を知っている人が、どれだけいるだろう。
    縁あって松山に行くことが多いが、今回改めて読んで、あまりにイメージと違いすぎていて仰天した。
    何かと見かける坊ちゃん団子などのイラストから、勝手に「坊ちゃんとマドンナは良い仲」なんて思い込んでいた。
    全然違う。
    松山が坊ちゃんを推すから、てっきり松山で面白おかしく嫌な教師をやっつける話と思っていたのに。
    全然違う。
    むしろ、なぜ松山は坊ちゃんを推す気になったのか、不思議でならないくらいだった。
    そして何より、あとがきと又聞きによると、この話で坊ちゃんがしたことの中には、作者の漱石自身が実際にしたことも含まれ

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    2015年08月08日
  • 彼岸過迄

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    オモシロイ。ほとんど、あだち充さんのマンガの世界です。後半は。
    ほんっとにドキドキものの心理劇、恋愛劇、サスペンス。
    「幼なじみ」、「いいなずけ」、「恋のライバル」、「出生の秘密」…。
    後半は…、なんですけどね。

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    「それから」に引き続いて、久々の、多分25年ぶりくらいの夏目漱石さん。

    夏目漱石さんの長編小説は、どれもこれも昔読んだ時から大好きで、本当に熱狂的に好きだったんです。

    なんですが…。若い頃に読んだ時も、「面白かった順位」で言うと。

    「坊ちゃん」
    「それから」
    「明暗」
    「行人」
    「こころ」

    このあたりまでがトップクラスで。

    「三四郎」
    「道草」
    「草枕」

    そし

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    2015年07月04日
  • 二百十日・野分(新潮文庫)

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    ネタバレ

    本書は最近の活火山の活発さのニュースで二百十日という天候が荒れやすいとされる日のことと夏目漱石がその名で小説を書いていることを知ったのをきっかけに読んでみた。当時の書き方を表記を現代の新仮名遣いに改めていても独特の言い回しで読みにくかったが明治も40年が過ぎ当時の日本の先行きが見えない状況は今21世紀にも通じるところがありそういう視点で読むと先人の考えは参考になりところもあり面白いと思う。

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    2015年05月12日
  • 行人

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    何回目の再読か覚えていないけど、相変わらず良い。
    暴風雨の夜のくだりは有名ですが、いつも『彼岸過迄』と取り違えていて、読み始めてそうだった、そうだったと思い出す。
    まぁそれはどうでも良いのでさておき、あまりに急な展開は確かに構成上の問題はあるのかもしれないけど、そこに主眼を置くのではなく、あくまで一郎とそれを取り巻く人々の無声の交錯に注意を注ぐだけでこの本の読み応えは十分にあるかと。誰にでも身に覚えのあるような振る舞いだけで、かつ、現在のようなどぎつい設定・描写もなく読ませる、漱石ってよく人を見ているし、上手いなと感心します、毎度ながら(って文豪に対して傍若無人な態度ですか)。
    ところで暴風の

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    2015年05月06日
  • それから

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    ネタバレ

    とても漱石らしい感じのした話でした。

    主人公の代助が颯爽と登場する冒頭は、なんとも滑稽でちょっと微笑んでしまうような感じだったのに、三千代に対する思いを自分で改めて認識してからは、とても痛々しくて哀れだった。

    まぁ、金持ちの坊ちゃんで、その割に変な理屈を捏ねるちょっと変わった人物ですが、この小説を読むと、無職の主人公でも好感がもてる。

    家族に勘当され、友人とも絶交されてでも、愛を貫き通そうとするには、昔も今も変わらないんだな~って思う。

    二人がやっとお互いの気持ちを分かり合えたのに、3年の間で作り上げた障害はとても大きすぎるだけに、二人の愛は昔以上に深まってるような気がする。

    3年前

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    2015年03月27日
  • 樋口一葉 たけくらべ/夏目漱石/森鴎外

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    やっと読み終わった。長かった!!!
    樋口一葉の『たけくらべ』
    夏目漱石の『三四郎』
    森鴎外の『青年』
    たけくらべは、川上未映子氏の現代語訳版です。初めて読んだ気がします。
    あまりにもおっさんが読むには時期を逸しているようで、あまりにも幼いころの話でありそういう感受性は失われていることを認識しました。
    三四郎と青年は続けて読むと、非常によく似ており
    その雰囲気や情緒が感じられ面白かったと思います。
    本当に忘れていたのですが、『青年』は昔昔、大学の1年か
    2年の時に読んだことがあることを思い出しました。
    その時は、自分の年代とあっていたこともあって
    とても感銘を受けたことを思い出しました。その時の

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    2015年03月22日
  • 三四郎

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    漱石前期3部作の第1作目。
    題名から「坊ちゃん」と似たような、所謂痛快な作品というイメージで読み始めた。
    読み進めていくと、確かに痛快さは感じられるものの、文学としてまたさらに一歩先へ進んだ作品に仕上がっていた。

    このレビューは「それから」「門」の3部作全て読み終わった段階で書いているのだが、
    そこまで繋がっているようには思われない。残り2作は合わせて読むといいと思うが、
    「三四郎」は漱石による1つの青春文学として、読み進めた方が良いと思われる。

    そしてそのように読んでみると、当時における若者というのは、こんな感じだったのかと、現代とのギャップがまず面白い。
    男女関係が現代よりも遥かに尊ば

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    2015年03月12日
  • 三四郎

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    ネタバレ

    「人間はね、自分が困らない程度内で、なるべく人に親切がしてみたいものだ。」という名文はこの本に出てくると知って嬉しかった。迷える子羊という言葉にとても考えさせるものがあった。次は「それから」を読みたい。

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    2015年01月03日
  • 草枕

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    ネタバレ

    【本の内容】
    山路を登りながら、こう考えた。

    智に働けば角が立つ、情に棹させば流される。

    ―美しい春の情景が美しい那美さんをめぐって展開され、非人情の世界より帰るのを忘れさせる。

    「唯一種の感じ美しい感じが読者の頭に残ればよい」という意図で書かれた漱石のロマンティシズムの極致を示す名篇。

    明治39年作。

    [ 目次 ]


    [ POP ]
    『国家の品格』いわく文学・哲学・歴史・芸術・科学といった、何の役にも立たないような教養をたっぷりと身につけていることが真のエリートの条件の一つという。

    ならば、役に立たない教養を身につけているだけではなく、役に立つことはしない百けんは超エリートでは

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    2014年11月22日
  • 思い出す事など 他七篇

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    いや久しぶりに読んだけど、もう異様な古びなさだね、これは。さすがは文豪の代名詞。
    死に対して徹底的に透徹した視線は圧巻で、「僕もちょっと死んでみるかな」と思わされるほどで。
    『硝子戸の中』もそうだけど、漱石はエッセイにその真骨頂があるように思う。

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    2014年10月11日
  • 夢十夜 他二篇

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    不思議な夢から怖い夢まで。文鳥は悲しくなりますね。夏目さんの日常は周りにいろんなひとがいるので飽きないです。

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    2014年10月09日
  • こころ

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    彼の有名な「こころ」、読みづらかった(笑)でもこれが記念すべき初の日本の有名文学への挑戦だった。次は「草枕」に挑戦してみたい!

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    2014年09月12日
  • 吾輩は猫である

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     夏休みの課題図書に勝手に指定した恐るべき猫の物語。『坊っちゃん』を愛読してるくせに初めて全文読んだ。本文516ページはかなりの教養がないとサクサクとは読めない(現代人には無理?)。
     ただ、注釈を確認しながらも明治社会や漱石自身を含む教養人の生態を勢いのある文章で味わえる。「オタンチン・パレオロガス(189p)など“乾いた”ユーモアで笑える一方、「とにかく人間に個性の自由を許せば許すほどお互いの間が窮屈になるに相違ないよ(500p)など100年後の現代を予見するような記述にドキッとさせられる。恐るべき猫の最期は、“らしいな”と思った。

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    2014年08月17日
  • こころ

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    夏目漱石「こころ」に触れ

    朝日新聞で100年ぶりに連載されたことをかなりたってから知った。
    明治時代の大学生、勿論家庭もそれなりに裕福であろう。しかし、どうしてもその時代の大学生は、自分の生きざま、思想に陶酔しているように感じてしまう。
    文学者であれ、芸術家であれ自分は特別な存在として身を置いているようだ。
    それが、現代の若者と似ても似つくさない、ある意味とても魅力的に写る時代背景、ロマンを感じることができる。
    明治、大正の堅物であるが故の純粋な恋心が伝わる。

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    2014年07月14日
  • 道草(新潮文庫)

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    本作は、けっしてつまらないわけではないのだが、ビッグ・イヴェントなどもなく、ただ淡淡と日記のように物語が進行してゆく。それもそのはずで、解説などによれば、本作は漱石の自伝的小説であり、登場人物も周辺の人物と同定されるモデル小説でもあるそうだ。しかし、だとすれば、漱石の人間性には軽蔑を禁じ得ない。本作の主人公・健三は、漱石を投影したと思われる人物であるが、コレがまたどうしようもない人間なのである。妊娠中の妻に対しては、あまりにも無神経な発言を幾度となく繰り返し、いっぽうでしばしば金を無心に訪れる島田という男に対しても、強い態度で追い返すことはできず、けっきょくいつも言いなりになって金を渡してしま

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    2014年05月05日
  • 三四郎

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    本作は漱石にとって分岐点となる作品ではないかな?
    青春小説だけど、どこか風変りな空気を纏っている感あり。その意味では中途半端とも言えるし、極みに達しているとも言える。
    美禰子に翻弄され続けるが、何がその理由なのか三四郎には分かっておらず、かつ、漱石自身も読者にその説明は行わない。
    いずれにせよ後期漱石作品への入門編でもあり、かつ、初期漱石の総決算でもある本作、読むべしかと。

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    2014年04月29日
  • それから(漱石コレクション)

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    どう感想を述べてよいのか、わからない。

    こころ、坊っちゃんなど漱石作品をかいつまんできたが、これまでと違って物語の結末にはただ物語の結末があるだけで、その結末に接することで自分が大きく動かされるものは何も無かった。

    ただ物語は高潔なまでに時に鋭く、時に儚く、美しく語られていた。

    その表現の力の巨大さのみが、自分のなかに強く認められた。

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    2014年03月24日