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長篇の合い間をぬうようにして書かれた小品とよばれる一群の短篇がある。小品とはいうが、しかしその存在は大きく、戦後の新しい漱石論は『夢十夜』の読み直しからはじまったと言っても過言ではあるまい。ここには荒涼たる孤独に生きた作家漱石の最暗部が濃密に形象化されている。『文鳥』『永日小品』を併収。 (解説 阿部 昭)
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Posted by ブクログ
本書には、「夢十夜」「文鳥」「永日小品」の3つの小品がおさめられています。 「夢十夜」 人間の深層心理をえぐっているような、とても怖くてゾクゾクするもの(第三夜)もあれば、漱石の芸術観が表れていて興味深いもの(第六夜:運慶の彫刻)もあります。何度も読み返したくなる文章です。さすが!と思いました。 ...続きを読む 「文鳥」 漱石が執筆するときの“さらさら”というペンの音。文鳥の“千代々々”の声。静かな場面を演出していました。文鳥の観察がとても細やかで、文鳥を“淡雪の精”と表現しているのが素敵でした。漱石のちょっと不器用な一面や、もの悲しさが感じとれました。 「永日小品」 漱石の人柄を垣間見ることのできる随想集。題材は、子供のころ、ロンドン時代、東京での日常生活。おもしろくて笑えるもの、ちょっと不気味なもの、悲しさが伝わるものあり。 私が好きなのは “柿”→喜いちゃんと与吉のやりとりが笑えました。 “猫の墓”→悲しさの直接表現はないけれど、漱石の子供の行動を通して伝わりました。 “山鳥”→ある青年にお金を貸す話。漱石の人の良さが感じられ、多くを語らずして心情に訴えかけるものがありました。他の本で、漱石が正岡子規に金銭面での援助をしていたことを知りました。漱石は、人柄を見てお金を貸していたと思われます。
現代文で読んだ作品をもう一度読みたくて読みました。「夢」ということもあってか、幻想的で美しいです。ただ、よく考えてみたらこうした夢は見られそうで見られないかもしれません。「夢」ですから。
こんな夢を見た・・・というフレーズで始まる不思議な話し。全体的にホラー要素が強かったように思える。夢というのはあいまいで、だからこそ面白く。その無軌道な進行が物語に奥行きを持たせ、さらに不思議な迷宮の中をさ迷うような感覚を再現するのだ。特に、3夜の子供を背負う父親の話しが好みだった。後半、いきなり百...続きを読む年前に盲人を殺した話しになるのが怖い。7夜の行先不明の船旅行の話しは、明治時代の人たちの時代背景をよく表していると思った。
こんな夢を見た。 そこから始まる夢のお話を10話。 夢のお話なので摩訶不思議。ここに何か意味やメッセージがあるのか、よくわからない世界です。
正統派ブンガク かかった時間は…こまぎれに読んだのでわからない 「夢十夜」「文鳥」「永日小品」が収録されている。まあ購入したのは「夢十夜」でも読んでみるかな、と思ったからだが、「永日小品」がものすごくよかった。 思えば私にとっての夏目漱石は「吾輩は猫である」が始まりだった。小学生の自分にとってさ...続きを読むえ、作品全体に流れる、なんとなく対象と距離をおく視点や、逆に対象に没頭する視点、そして日常や光景の切り取り方にユーモアのようなものを感じ取ったことを覚えている。 「永日小品」はまさに、その「吾輩」の面白さと相通ずるものであると思う。それぞれの断片が、どこかもの悲しく、というか皮肉めいて描かれながら、そういうもの悲しさや皮肉めいた現実への愛というか、そこから面白さや美しさを同時に切り取るスタンスというか。 今更ながら、名作に出会ったと思う。これは折に触れて再読したい。
面白い。想像したよりも面白かった。 個人的には一夜と三夜の話が好き。 これは漱石自身の夢をもとに書かれたものらしいけど、本当にこんな様々にみたのかね? ロマンチックだったり、怖かったり、滑稽だったり。 それにしてもどれもたんたんとしていて、それでいてドラマチックなのが流石。
山のシューレで能楽師の安田登さんが演じたものが、この夢十夜のオマージュ(物語内のいくつかの話が混在している)だったと知って読んでみました。 夏目漱石はあまり読んだことがなかったけど、これはすごく好き。曖昧さの極致を表現してると思う。
第一夜の夢が好き。 白い百合ってとこがいい。百年も待ち続けて百合って。 なんとなく、小泉八雲の「怪談」を思い出しました。
追記 表題作「夢十夜」について学部で読書会を行なって随分理解が深まったので追加。 夢十夜はそれぞれを漱石が見た夢と考えてもいいが、よく読んでみると技工の優れた点や、後の作品の片鱗、漱石らしい主張などなど様々なものが盛り込まれている。 第一夜は、死や土の匂いなど負の要素が確かにあるのにそれを全く...続きを読む意識させない美の連続、流麗な文章の巧みさは漱石ならでは。特に白い肌の色から白百合への色の流れの美しさと輪廻の象徴は脱帽。 他にも七夜八夜が表す英国文化に迎合する日本批判は十夜の庄太郎に見える「それから」の代助の片鱗などなど。たった数ページの文章でも読めば読むほど深みが知れて底が見えない作品でした。 漱石先生可愛い 表題作の夢十夜はずいぶんと暗示的で理解するのが難しいです。 ですが、一緒に収録されている文鳥と永日小品はとても面白い。 漱石先生がロンドンで道に迷ったり、道に迷ったり道に迷ったり。 先生の他愛も無い日常を垣間見るのは明治の世の人と今の人とが同じ「日本人」であることを感じられとても面白いです。
「夢十夜」。 黒澤明監督「夢」の元となった、「こんな夢を見た」で始まる(実際には前半のお話だけだけど)不思議な十篇の物語。 「文鳥」。 細部にわたる情景や心情などのうつろいの描写に感嘆した。ひょっとしたら初めて夏目漱石の偉大さにふれたかもしれない。 「永日小品」。 随筆とも短編ともつかない、落語...続きを読むの小噺のようで、それでいて漱石の身の回りを語ったものもあり、お話が詰まったショートショート。漱石の才能に振り回される。 ページ数は少ないが、声に出してみるようにゆっくり読むのがおすすめ。 正直、教科書から出ることなくなじめなかった漱石のイメージが、変わった。
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