夏目漱石のレビュー一覧

  • 草枕

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    ネタバレ

    「世間には拙を守るという人がある。この人が来世に生まれ変わるときっと木瓜になる。余も木瓜になりたい。」

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    2013年12月27日
  • 坊っちゃん

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    今からおよそ百年前の小説。
    でもこの瑞々しさ。感性も分かるし、共感も出来る。

    ゆえに、名作なんでしょう。

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    2013年11月09日
  • 明暗(新潮文庫)

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    ネタバレ

    漱石未完の長編。

    実は未完だというのは本を最後まで読むまで知らなかった僕。
    それくらい先入観なしで読んでいたのがある意味奇跡かも。

    漱石の小説は結構すきなのね。
    なんかニヒリズムがどの主人公にもあるような気がして、
    津田もそういう類の人間だ。

    自分が本当に好きな女性と結婚できずに、
    堕落をしてあげく親の金が支給されないとなるととんでもないことだと言わんばかりの感じ。
    一応真面目な僕からすると働けって。

    各々の登場人物が非常に特徴あるように描写されていて、
    文章の美しさは三島由紀夫ほどではないけれども、
    いつも漱石の小説に惹かれるものがある。
    たぶん感情移入しやすいのだろうか。そうでもな

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    2013年10月26日
  • 二百十日・野分(新潮文庫)

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    ネタバレ

    いまさらの夏目漱石ですが、これは読んだことなかった。
    すーごーくー、良かった!
    たしか、何年か前の姜尚中の著作『悩む力』で、彼が夏目漱石を絶賛していたように記憶していますが、ほんと、今のこの時代にこそ読まれるべき。
    私は、頭の中がすっきり整理できました。
    当分、夏目漱石を読み続けることになると思います。

    夏目漱石が「明治の青年たち」に向けて書いた作品。
    次の時代の扉を開く青年の一人であった志賀直哉や武者小路実篤らは、『野分』により強い感銘を与えられたそうです。

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    2013年10月08日
  • 虞美人草(新潮文庫)

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    登場人物のキャラがしっかり立っておりあとは自然に物語が進んでいく。

    前半とくに詩的だか仏教的だか何れにせよ難解な文章が挿入されており、それは飛ばした。

    「僕が君より平気なのは、学問の為でも、勉強の為でも、何でもない。時々真面目になるからさ。なるからと云うより、なれるからと云った方が適当だろう。
    真面目になれる程、腰が据わる事はない。真面目になれる程、精神の存在を自覚する事はない。天地の前に自分が現存しているという観念は、真面目になって始めて得られる自覚だ。
    真面目とはね、君、真剣勝負の意味だよ。遣っ付ける意味だよ。遣っ付けなくっちゃいられない意味だよ。人間全体が活動する意味だよ。口が巧者に

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    2013年09月23日
  • 坊っちゃん

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    道後温泉に行ったので読みたくなった。
    子どもの頃読んだ時きりなので、単に面白い記憶しかなかったが、改めて読むと奥の深い話だった。

    正義感の強い単純で一本気な「坊ちゃん」、社会に出て、正義を通したようで教職員間では孤立、結局のところ解決策は暴力で、教師という高給な職を辞めた。
    社会に適応できない男の話、世の不条理を書いた物なのか。

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    2017年02月07日
  • 虞美人草(新潮文庫)

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    最初は非常に難しくて、あまり面白くなかったんですが、最後の1/4くらいは、一気に読んでしまいました。誠実と現実の打算。たぶん簡単には言えないのだろうけど、最後に奔走する人物の言葉一つ一つに引き込まれました。おすすめです。

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    2013年06月26日
  • 草枕

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    草枕は眺めるように読む小説である。

    主人公は日常の生活圏から逃げ、自己に沈静しながら、現れてくる世界をただ眺めようとする。それは「おのれの感じから一歩退く」ためである。漱石自身が苦しみに対処するためにそれが必要だった。

    草枕は漱石が「自分の屍骸を、自分で解剖して、その病状を天下に発表」した小説である。余と那美さんは二人とも漱石の分身だ。漱石は自分の屍骸を美しい言葉で綴る。それが彼が苦しみから逃れるための方法だった。

    読者はそれを眺める。しかし、漱石の言葉が美しすぎるがために、読者は自分が読んでいるものが彼の死骸だとは思わないのである。

    漱石の病跡には諸説あるようだが、この小説に現れた病

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    2013年06月08日
  • こころ

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    最初に読んだのは高校生の時分でした。
    その時は一歩退いて、物語だけを追いかけていた記憶しかないけど、今回は若かりし「先生」の視点で読めました。
    で、感想。ちょっと、先生、自己中入ってません?身勝手な人。

    10年、20年先は「先生」の視点から眺めることができるのでしょうか。
    100年前の話が今の感覚でも読むに耐えるってすごいですね。

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    2013年05月17日
  • 吾輩は猫である

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    これは名作です。
    間隔をあけて読む毎に違った印象を受けるくらい、多様な思考が詰まっているように思います。
    しかも、皮肉がおもしろい!

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    2013年04月28日
  • 明暗

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    夏目漱石未完の遺作。
    津田とその妻お延を中心に展開される物語。登場人物それぞれの心理描写が本当に素晴らしい。夫婦間の心理戦とも言える裏のかき合いや、親戚たちや小林というダーティーな友人との心理戦などは、読んでいてハラハラドキドキして物語にどっぷり引き込まれる。さらに、津田が結婚する前に思いを寄せていた清子が登場し、いよいよ佳境!ってところで物語が終わっている。気になって仕方がない!
    個人的にはお延に幸せになってほしい。解説で大江健三郎が書いていたみたいに最後には津田とお延が顔を見合わせて微笑してほしいと願う。

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    2013年04月13日
  • 門

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    前期三部作と言われる三作の中では世間的評価が最も低いかもしれないが、それはこの作品が恋愛成就後の現実を描くからだろう。
    二人は共犯者としての過去を共有するが、その罪をそれぞれに見つめた結果、ある意味最も遠い存在同士になってしまう。
    それでも人生は容赦なく回り続けるため、その現実を受け入れ、慣らされていく(そして時に過去に慄く)。
    この作品は決して諦めを描いているのではなく、生きるということの本質を抉りだそうと漱石がもがいているのだと思う。

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    2013年04月12日
  • 吾輩は猫である

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    漱石の作品群の中での評価という意味も含めて★4つ、単品なら★5つでも良いかと思う。
    非常に独特の空気をもっており、これに続き並び評される作品はそんなにないと思う。
    ただ漱石好きの当方の感想は、やはり「デビュー作」であるということ。
    異様なまでのテンションなど才気に満ち満ちているのだが、詰め込みすぎで脱線のきらいもある。
    良い意味での乱雑さとその後の作品にて徐々に洗練されていく変化を作家の成長・成熟と見るか才能の枯渇と見るかは正直好みの問題だと思うが、当方は前者の立場。
    でも良い作品、これは疑いようもない。

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    2013年02月18日
  • 坑夫(新潮文庫)

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    お坊っちゃまの社会科見学シリーズ土方派遣編。

    いつになっても始まらない小説だが、曰く「小説ですらない」のだから仕方ない。
    道中も穴の中の出来事もきっとどうでもいいし、
    結局どちらにしろ実りはなかったんだからどんなバランスだろうと構いやしないんだろう。

    人に薦められるかっていうとかなり厳しいが、
    程度は様々あれど同じような落ちかけ寸前の若者(?)は多くいるだろうから読んどけばいいんじゃないか。虚しさがしみる。

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    2013年02月03日
  • 明暗(新潮文庫)

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    夏目漱石は昔から好きだった。何十年ぶりかで読んだけど、夏目漱石の本は好きだな~。人間の心理をうまく描写されていて、これはこれでいい感じで終わってるのでは?と思った。

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    2013年01月21日
  • 夢十夜 他二篇

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    すこし星新一を思い浮かべながら読んでた。
    夏目漱石っぽくなくて、でも理屈っぽいとこはやっぱそうか、とかいろいろ。

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    2013年01月07日
  • 夢十夜 他二篇

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    改めて、文章が上手い。嘆息…。
    漱石の文章は、ふとした感覚が、的確に美しく表現されているのがすごい。
    夢十夜の異様性たっぷりな美しさ、文鳥と永日小品での日常続きの描写、良かったです。

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    2012年12月04日
  • 門

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    『三四郎』『それから』に続く、いわゆる三部作の締め。もっとも、前2作とは打って変わって、筋立て上ではドラマチックな展開はほとんど無い。むしろ、『それから』にも通じるような道徳上の「不義の愛」が、いつまでも宗助と御米の人生を暗くし続けている。その描写が手を変え品を変えなされる。『それから』同様に、「自然」とも「運命」とも称される、自我を超越した何らかの力が生活に働きかけているとしか思えないような出来事を、宗助も御米も体験してしまう。この繰り返しは、生活上の小康状態を得た最後のシーンでもなお予感されている。「またじきに冬になるよ」という言葉は、「自然」「運命」の力の強大さを表して余りあるものではな

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    2012年11月22日
  • それから

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    『三四郎』『門』との内容的関連から「三部作」と称される小説。前作『三四郎』が青年の自己形成を主題としたBildungsromanの趣が強いのに対して、本作の主人公・長井代助は物語の開始時点で高等教育を修了し、父や兄からの経済的援助のもとに高等遊民的な生活を送っている。その生活が、平岡とその妻三千代の登場によって撹乱される。三千代への愛、平岡との友情、家族との関係など、様々なファクターを考慮しつつ、代助は自己内省を深めていく。その末に到達した結論は、合理性(ここでは父の薦める通りに見合い結婚をすること)ではなく、三千代への愛を貫くことだった。しかし、それによって家からは勘当され、平岡との友情も破

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    2012年11月21日
  • 三四郎

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    ようやく読み終えた!
    思ってた以上に切なくて、焦れったくて、どうしようもなかった。
    また読みたい。

    特に印象に残ったところ
    ・「ああああ、もう少しの間だ」
    ・「あなたはよっぽど度胸のない方ですね」
    ・「可哀想だた惚れたって事よ」
    ・「あなたに会いに行ったんです」
    ・「そう。じゃ頂いて置きましょう」「ヘリオトロープ」
    ・ヘリオトロープの壜。四丁目の夕暮。迷羊。迷羊。空には高い日が明かに懸る。
    ・「われは我が愆を知る。我が罪は常に我が前にあり」

    以下は雑感。

     『三四郎』を初めて読んだ。なかなか印象深い作品で、学生時に読んでいれば、また違った感想を抱いたかもしれないなとも思う。
     『三四郎』

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    2012年12月25日