夏目漱石のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ幻想的な夢の物語
一貫して繋がりはないが、どれもそれとなく不気味な感じを覚える
第一夜:亡くなった女性の墓で女性が戻ってくるのを100年待つ話 いつのまにか100年と言う長い時間が経っていた
第二夜:お侍が悟りを得る話
第三夜:盲目の子供の話 子供の言うことをそんなような気がすると間に受ける話
第四夜:縄が蛇になる話 お爺さんはうわ言を言いながらどこまでも水底へ進んでいく
第五夜:捕虜の話 走れメロスのような恋焦がれた女が鶏のなく前に自分に会いにくる話結局娘は天探女に騙され、会うことなく崖下に落ちていく
第六夜:明治時代まで仁王を作る運慶の話 運慶は眉や鼻を作っているのではなく木の中から掘り出していると言う考えから自分も掘ろうと思ったができず、明治の木のせいにする話
第七夜:陸につかない船の話 疲れて船から飛び降りようとするが、後悔する話
第八夜:床屋の鏡を通して世を見る話 庄太郎の登場
第九夜:旦那の帰りを待つ女の話 いくら祈っても旦那は浪士のため殺されていた話
第十夜:庄太郎が女に攫われる話 豚をステッキで払って追い払う話 -
Posted by ブクログ
ネタバレ高校生の時教科書に載っていて、唯一先が気になって自分で読み進めた記憶がある。
ずっといちから読んでみたいなと思ってやっと読めた。言葉の言い回しが難しくて一回挫折したけど読み切れてよかった。先生の遺書からはサクサク読めた!
大正時代に書かれたものだけど恋愛だけではない人の卑しいところとか言葉にしにくい微妙な気持ちとかを端的に現してる作品だなと思う。今に通ずるものも多くて、先生みたいな気持ちになったことある人は多いんじゃないかなと思う。
1番気の毒だと思ったのは先生の奥さん。そこまでして手に入れたんだから絶対幸せにしてよ。自分の殻に閉じこもっている方がKに対して失礼ではないかと思う。子どもだって奥さんが望むならそうするべきだし、最後殉死したのだって奥さんは自分のせいって思うかもしれない。最初から最後まで利己的ではないでしょうか?
先生と私では先生がやたら意味深な事を言いすぎてちょっとくどいというか構ってちゃんの要素があるなと感じた。
Kについてもものすごく極端な人だと思った。覚悟についてはお嬢さんのことをどうするのではなく、精神的に向上心のない自分を許せなかったから、というのもあるのかなと思った。
それでも先生のやり方は間違っていたと思う。
Kが死んでしまった時、世間体を気にして保身にまわってしまう、そんな先生を他人事のように思えなかった。大なり小なり自分にもそんな部分があるし自分も普通の人間だけど急に悪人になりうると思った。
人間の卑しい部分をよく知れる作品だと思う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレとても面白かったです!
特に、平岡が主人公と妻の不貞に勘付いていて、問い詰めるシーンは、思わず「すごおおお!」と言いながら聴いちゃいました。こういう煮え切らない、ずるさが前に出てきてしまう人間のドロドロした部分を描きだせるのが素晴らしい。
全体を通して、封建時代の人々の雰囲気が感じられました。結婚はお見合いで、「家」の体裁を気にかけて、親孝行を徹底する。今の時代から見たらとても窮屈に見えるんだけれども、これはこれで家にいろんなことを決めてもらえるわけで、良さがあったんだろうと思います。
ちょっと話はずれますが、この「家」を守る感覚は、現代政治の保守派の感覚を理解する上でも、重要だと思いました。保守派の主張の中には、家の固守こそ、国体の維持につながるというものがあります。これは、夫婦別姓や同性婚への反対意見の中でよく見られる主張です。
この家やその体裁を守ろうとする行動は、「それから」の主人公の周囲がとっている行動でもあります。伝統を守ろうとする主人公以外の家族と自由を貫こうとする主人公。保守派の感覚は前者の人々に近いのだと思います。
家を守るという行為は、それまで続いてきた伝統を守ることにも等しく、逆も同様で、家を気にせず自由に動くことは、伝統を壊し、消滅させることにもつながります。きっとこの向こうみずで、過去の伝統を重んじない姿勢こそ、保守派が恐れるものなのだろうなと思いました。何を守るべきか、という選別は必要だと思いますが、伝統や歴史へのリスペクトは忘れずに生きたいものだとも思わされます。大分脱線しました。