夏目漱石のレビュー一覧

  • マンガで読む名作 三四郎

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    原作に忠実。
    それにしても、目を伏せて意味ありげな言葉、それも聖書的な、を呟いて去る女って、いやーねー。

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    2018年03月12日
  • 虞美人草(新潮文庫)

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    ネタバレ

    跡継ぎ問題、結婚問題、それぞれに色んな思惑があり、それぞれの主観を聞くと分からなくもないなと思える言い分ばかりだが、人間関係のすれ違いが続くのは読んでいて苦しくなった。
    知っている者が知らない者を馬鹿にする世の中は淋しい。
    藤尾の情念にあてられたようなところがあるが、屈辱と怒りで理性を失いつつある女の静かな凄みを、怖いもの知らずでもっと読んでみたい。藤尾が、屈辱の場面や台詞を繰り返し思い出して怒りを増幅させていくところなんかは、自分の中からも感情が沸々としてくるようだった。
    そういう時代なのだから仕方ないとは思いつつも、結婚の自由さが無く、男達に決められていくのがどうも腑に落ちなかった。すべて

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    2018年03月09日
  • 彼岸過迄(新潮文庫)

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    彼岸って言っても今どきいつ頃のことだか良く分からんし、むしろ島なのか?丸太は持ったのか?って感じになるし、彼岸島迄?って思う人もいるしいないしで、まぁでも吸血鬼は出てこない平和な話だった。
    でもっていつもの昔の文学に出てくる、ぶつぶつと面倒くさい事ばっかり言って何もしないニートがぶつぶつ言ってるわけなんだけども、そんなぶつぶつ言ってるだけなのに、女の子がしっかりついてくるという、またこれか!って言わずにはいられない展開。そしてその展開がどうなったのか分からないまま終わってしまうという、このモヤモヤをどうしてくれようか。
    あと鎌倉在住者として、鎌倉近辺がめっさ田舎というか、スラム漁師村的に語られ

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    2017年12月22日
  • 坊っちゃん

    購入済み

    松山旅行の前に

    松山旅行に行く2日前に思い立って読んでみました。『坊ちゃん』の登場人物が観光名所の至る所に居たので、知らないで行くよりも楽しさが倍増しました。

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    2017年11月18日
  • 虞美人草(新潮文庫)

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    捻くれてはいたけど、藤尾は小野に一途な様に見えたし、このラストはちょっと気の毒に感じた。宗近の「天地の前に自分が嚴存しているという観念は、真面目になってはじめて得られる自覚だ。」は至言

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    2017年10月14日
  • 道草(新潮文庫)

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    ダラダラと長い坂道を登るように怠い、その癖良い展望も望めない。「門」と違って脱世間的ですらない。生々しい人間関係とお金に縛られながら苦悩する夫婦の物語。
    道草を読むと、漱石が奥さんに対して相当な独りよがりの態度を取っていたことがわかる。その態度に共感してしまったのも、読んでいて何となく辛かった原因だったのかもしれない。
    本作品に限らず、漱石の小説は現代文の問題で棒線が引いてあって「このときの登場人物の心情を述べよ」なんていう問題が付きそうな文章があると、すぐ次の文章で漱石先生が勝手に答えを解説しだすような部分が多々ある。想像力を働かせたい読者には余計なお世話かもしれないが、自分には寧ろこれくら

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    2017年10月14日
  • 彼岸過迄(新潮文庫)

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    ネタバレ

    印象に残っているのは宵子の死の場面。漂う線香の煙が見えるようだった。骨を拾う時の、もうこれは人じゃないという感じがリアルで、市蔵の言葉があまりに冷淡で少し気になる。
    読み進めていくうちに市蔵に対するイメージが変わり、次第に共感を覚えるようになっていった。空虚な努力に疲れていた、という一文が刺さった。

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    2017年10月09日
  • 明暗(新潮文庫)

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    この小説は、当時の新聞に掲載された連載ものである。
    そして漱石の絶筆作品であったことは言うまでもない。
    ある日突然連載されなくなり、楽しみにしていた読者を残念がらせたという。
    だから巻末には「未完」と書いている。
    仮に漱石自身が生き永らえたとしても、この作品の真価は未完のままのような気がする。
    何故なら気着点を見出すことが出来ないのです。

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    2017年08月17日
  • 坑夫(新潮文庫)

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    久しぶりに漱石を読もうと思い読み易そうなこれを買ってみた。あとがきに寄ると急遽執筆することになった作品とのことで、特にこれといった筋立てもなく追憶として語られる青い煩悶の反復が特徴的。個人としては斯様に悩む時期は専ら過ぎているので強い感心は惹かれず。
    主人公の過去と符合するらしい虞美人草を読んでいたらもう少し他の感想もあったかも。

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    2017年08月15日
  • 吾輩は猫である 上

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    ピントのずれた人たちの、日常の何気ない事件を仰々しい表現で面白おかしく表現したお話。
    最初の方は面白かった。雑煮事件など笑いそうになった。
    しかし、だんだん辛くなる…何が辛いって、笑わせる手法が同じような感じで、笑えなくなってくる。
    誤字は多い。勘違いも多い。
    あと、猫は毛穴から汗は出ない。
    文章全体の印象から、夏目先生、割と無神経な人間と見える。

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    2017年08月01日
  • 吾輩は猫である 下

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    猫目線が少しずつ薄らいでいった感があるけれど面白さは増していくばかり。
    男衆が寄ってたかって駄弁っているのが楽しかったです。
    いいなあ。

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    2017年07月31日
  • 吾輩は猫である 上

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    人間は他の生き物をちょっと下に見る傾向があるけれどそれは他の生き物も同じなのかもしれない。
    人間自身が気づかない可笑しさを猫に気づかされるとは。
    なんたる不覚。

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    2017年07月23日
  • 行人

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    後期三部作の2冊目。修禅寺の大患を挟んで書かれたもの。構成上の問題もあるが、とても難解な印象。とくに嫂の心情が明確に描かれていないことが難解さに拍車をかける。とはいえ止まらない面白さは相変わらず。

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    2017年05月02日
  • 吾輩は猫である

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    朝日の連載終了。子どもの頃読んだ記憶はあったけど、ほとんど内容は覚えていなかった。こんな話だったっけ?と言うより、この内容は子どもの頃は半分も理解できなかっただろうな、と思う。今回の連載では分かりにくい語句の説明もあり、ときどき時代背景だとか、漱石やその周辺の人物の解説もあってより分かりやすかった。寒月君が理学博士取るために珠を磨いていることとか、実際そういう分野に足を突っ込んでみた人間としては良く分かる。猫が語るというより、途中から、西欧近代(当時の現代)社会とそれに近付く日本社会への思いだとか批判だとか、そう言ったものを登場人物たちに語らせているというお話になっていて、新聞連載らしい社会性

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    2017年03月28日
  • 彼岸過迄

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    後期三部作の1作目。短編を繋げて長編に仕立て上げるという構想のようだが、全体を通じて一貫する物語がないので消化不良感があった。

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    2017年03月27日
  • 坑夫(新潮文庫)

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    題材もストーリーも漱石らしくない。面白くないかと言えばそんなこともないけど、シーンの一つ一つがやたら長くて冗長なので長さの割に飽きてくる。異色作ってのは確かにそのとおりだと思う。

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    2017年02月12日
  • 門

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    p.167
    大風は突然不用意の二人を吹き倒したのである。二人が起き上がった時は何処も彼所も既に砂だらけだったのである。彼らは砂だらけになった自分たちを認めた。けれども何時吹き倒されたかを知らなかった。

    思ったより平易で読みやすかった。平和で静かで、少し気後れしがちな夫婦の家庭に落ちている陰の理由がだんだん明らかになっていく。結局核になっているものは夏目漱石の作品は同じテーマなのか、という感じはするけれど、崖の上と下等何かとつけて対比されている坂井家と描写や物語の進み方と明かし方といった手法が分かりやすく、そして意識的で良かった。

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    2016年12月31日
  • 坊っちゃん

    購入済み

    原作パワー

    まあまあ面白かったです。
    と言っても元々の原作が良くできているからだと言えばそこまでですが、文章で読むのが嫌な人には良いと思います

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    2016年12月24日
  • 明暗(新潮文庫)

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    レビュー書くの忘れてた。
    母が持っていた明暗をがめてきてものすごく時間をかけて読んだ。母が学生時代に古本で買ったと言ってて、(角川文庫なんだが)文学部のある大学の近く?の古本屋?だから多分おなじよーにゼミでやった過去の学生の書き込みが脈々と…
    「変な書き込みあったで。レポートのメモみたいな」
    「それあたしやないで」
    「これは違うと思うけどおかんの字の書き込みもあったで」
    という会話をした。

    しかしリュックに入れてるときに台風に遭ってふにゃふにゃにさせてしまったのはわたしです。お詫びにグラシン紙かけときました。

    内容はね…あんな駆け引きしかしてないよーな会話ばっかりしよったら日常生活パンクし

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    2016年12月11日
  • 行人(漱石コレクション)

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    ネタバレ

    男女関係(夫婦関係)は今も昔も悩むところは同じ・・・

    男は手に入れるまでは熱いが、手に入れると冷める。
    女は手に入れられてから情を持つ。

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    2016年10月29日