夏目漱石のレビュー一覧
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文体も主題もそれぞれ違う短編集の中でも、一際鮮やかかつ濃い存在感を放つのはやはり表題作?の一つである倫敦塔。過去の風景がまるで今現在見聞きしているかのように描かれる様は、その内容の凄惨さと相まってより艶やかに、湿り気のある感を読者に抱かせる。決して読みやすくはなかったけれど、過去の空想を現在形の文章で表す手法は面白かった。幻影の盾、一夜、薤露行は文体が読み慣れないせいかそもそも意味がよく分からなかったし、カーライル博物館、琴のそら音、趣味の遺伝は、漱石の小説としては少し物足りない感じが、、、でも現代の小説でもそんなの腐るほどあるよなあ。この全体的に薄暗い短編集を、吾輩は猫である、坊ちゃんと同時
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ネタバレ 購入済み
キチガイ、下等、田舎者・・・。
学生時代にとりあえず有名な小説だからと読んだ。ただ。その時の記憶は「読んだ」こと以外ない。内容も感想も記憶が曖昧で、読了したかどうかすら定かでなかった。
一方で。漱石は学生時代に読むのと漱石と同じ年代になってから読むのとでは感想が変わってくるという評論家の話も頭の片隅にずっとあって。。。たまたま鬼のように暇な時間が出来た&今やスマホで&&タダで読める!とうい時代になったので再度じっくり読んでみた。
読んでみて記憶にあったのは冒頭の数ページで。ある意味新鮮に楽しめた。
どこが新鮮だったかというと。タイトルにあるとおり。とにかくやたら「気違い」「~だから田舎者は下等である」「教養がないから仕 -
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私小説と言われているようですが、夏目漱石本人がモデルと思しき健三がひたすら親戚面々から金を無心される話です。えーなにこれー!
いい加減にしろと呆れながらも何だかんだ都合をつけてやる健三に、私も妻・お住と同じように苛立ちが募ってしまいました。
漱石って夢十夜とか三四郎の美彌子とか、儚く透けてみえるような幻想的な女性を描いてるイメージが強くありましたが、お住は地に足の着いた芯のある女性。
当時はまだまだ亭主関白な夫に三歩下がって付き従う妻、という夫婦観だったのでしょうが、夫にお小言もぶつけるし、気に入らないことがあればガンガン言い返して諍いを物ともしない強さが素敵でした。
「単に夫という名前がでて -
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夏目漱石の最後の大作、そして未完の作品。漱石の小説の特徴でもある、登場人物の心理描写がかなり詳しく描かれている。また漱石お得意の、仕事をしないでふらふらしている人も出てくる。
明治時代の、若く結婚半年の夫婦と取り巻く家族や友人の物語。未完なのでテーマは想像するしかないが、夫婦であってもお互いを理解しあい、信頼しあうのは簡単ではないということだろうか。
夫の津田は、延子との結婚の前に付き合っていた女性がいたが、その女性が突然他の人と結婚をしたため、津田もすぐに延子と結婚した。延子は夫の自分に対する愛情に自信が持てず、持ち前の勘の鋭さでその女性の存在に気が付く。津田は手術後の療養の名目で温泉に行く -
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小野は学問に優れた男で、東京帝大の銀時計を授与されるほどだが
性格は優柔不断で、人の意見や雰囲気に流されるばかりだった
宗近は呑気でいいかげんな性格のために、軽く扱われがちだ
しかしその実、有言実行の男でもある
甲野はいつも深刻な顔で超然ぶっており、周囲の反感を集めるが
それは財産を独占しようとする母親への、愛と不信に引き裂かれてのこと
藤尾は甲野の妹、美人で、才気走ってて、高慢
クレオパトラに自らを重ね、男を意のまま支配することを愛情と信じる
糸子は宗近の妹で、家庭的な女
詩情を解さないとして、藤尾からひそかに軽蔑されているが、気にしない
小夜子は小野の恩師の娘にあたり、暗黙のうち -
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大学進学のために上京してきた三四郎が、構内の池のほとりでひとめぼれした女性との顛末と、その周囲の人々との学生生活を描いた青春小説。
美禰子という女性の知性的でミステリアスで、落ち着いた魅力に三四郎のみならず私まで惹かれてしまった。魔性感を感じさせない魔性の女だ。三四郎の気持ちにも気づいていたのは言うまでもなく、なんなら美禰子も三四郎のこと好きだったんだと思うけど、ああいう将来を選んだのは何故なのか。ストレイ・シープ。なんたる思わせぶりで危うげなことか。ヘリオトロープの瓶。四丁目の夕暮。ストレイ・シープ。
偉大なる暗闇とか、哲学の煙とか、ほかにも印象的な言葉がいくつかでてくる。
全体的に遅々とし -
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ネタバレ跡継ぎ問題、結婚問題、それぞれに色んな思惑があり、それぞれの主観を聞くと分からなくもないなと思える言い分ばかりだが、人間関係のすれ違いが続くのは読んでいて苦しくなった。
知っている者が知らない者を馬鹿にする世の中は淋しい。
藤尾の情念にあてられたようなところがあるが、屈辱と怒りで理性を失いつつある女の静かな凄みを、怖いもの知らずでもっと読んでみたい。藤尾が、屈辱の場面や台詞を繰り返し思い出して怒りを増幅させていくところなんかは、自分の中からも感情が沸々としてくるようだった。
そういう時代なのだから仕方ないとは思いつつも、結婚の自由さが無く、男達に決められていくのがどうも腑に落ちなかった。すべて -
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彼岸って言っても今どきいつ頃のことだか良く分からんし、むしろ島なのか?丸太は持ったのか?って感じになるし、彼岸島迄?って思う人もいるしいないしで、まぁでも吸血鬼は出てこない平和な話だった。
でもっていつもの昔の文学に出てくる、ぶつぶつと面倒くさい事ばっかり言って何もしないニートがぶつぶつ言ってるわけなんだけども、そんなぶつぶつ言ってるだけなのに、女の子がしっかりついてくるという、またこれか!って言わずにはいられない展開。そしてその展開がどうなったのか分からないまま終わってしまうという、このモヤモヤをどうしてくれようか。
あと鎌倉在住者として、鎌倉近辺がめっさ田舎というか、スラム漁師村的に語られ -
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松山旅行の前に
松山旅行に行く2日前に思い立って読んでみました。『坊ちゃん』の登場人物が観光名所の至る所に居たので、知らないで行くよりも楽しさが倍増しました。
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ダラダラと長い坂道を登るように怠い、その癖良い展望も望めない。「門」と違って脱世間的ですらない。生々しい人間関係とお金に縛られながら苦悩する夫婦の物語。
道草を読むと、漱石が奥さんに対して相当な独りよがりの態度を取っていたことがわかる。その態度に共感してしまったのも、読んでいて何となく辛かった原因だったのかもしれない。
本作品に限らず、漱石の小説は現代文の問題で棒線が引いてあって「このときの登場人物の心情を述べよ」なんていう問題が付きそうな文章があると、すぐ次の文章で漱石先生が勝手に答えを解説しだすような部分が多々ある。想像力を働かせたい読者には余計なお世話かもしれないが、自分には寧ろこれくら