夏目漱石のレビュー一覧

  • 作家と猫

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    さまざまな作家たちによる猫づくしのアンソロジー。
    猫とともに生きることの喜びをあらためて感じて、ほっこりする作品ばかり。

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    2021年09月11日
  • 文豪怪奇コレクション 幻想と怪奇の夏目漱石

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    ネタバレ

    新潮文庫で読み、ちくま文庫全集で読み、これで三度目。
    ちくま文庫でいえば第2巻(初期)と第10巻(小品)を並べ直したようなセレクト。

    ■鬼哭寺の一夜 ……新体詩。女人幻想。
    ■水底の感 ……藤村操「女子」(!)について。
    ■夢十夜 ……まあいつもの。
    ■永日小品(抄) ……蛇/猫の墓/暖かい夢/印象/モナリサ/火事/霧/声/心 ……二度読んだあと、ポッドキャストやCDやで何度聞いても、憶えられず、そのうち眠ってしまうのが、こちら。このままの付き合い方を続けたいとも思う。
    ■一夜 ……確かに「だからどうした」という感想。とはいえ「草枕」の萌芽があるとも感じる。「猫」や奥泉光の諸作でも度々感じる

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    2021年08月31日
  • 道草(新潮文庫)

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    漱石の文学は一面的に読むものではない、この小説でも多面的に考えさせられる。

    このことがひどく気になった。

    主人公「健三」は大勢のきょうだいの末っ子で生まれてすぐ養子に出され、それが「健三」の精神的放浪になり、行き場所を失うのにつながり、本人が悩むとはなんてことだろう。

    昔は家名を残すために養子縁組が多かっただろうし、子どもがない夫婦が寂しさのためもらい子しただろうが、「健三」の養子先は将来めんどうを(働いて)みてもらうがためもらったのだ。それでは子どもが道具ではないか。

    養家先の不都合で9歳ぐらいの時に実家へ帰されたけれど、籍は養家先に20歳過ぎまであり、吝嗇な養父、養母の後難を恐れ、

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    2021年08月29日
  • 文豪怪奇コレクション 幻想と怪奇の夏目漱石

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    夏なので幻想怪奇系積読消化するぞのじかんです。
    これは最近買った本だからそんなに積読じゃないけど、積む予定だったから読めてよかった。
    幻想怪奇かとゆーとそこまでではなかったけど、「琴のそら音」とか面白かった。
    「薤露行」は、わたしはアーサー王伝説をぜんぜん知らんので、Wikipediaとかで調べながら読んでたよ。擬古文しんどかったけど、話に合った文体やとおもた。

    あと、夏目漱石てやっぱり「人というのはこういうものだから」ていうのを描写するのがものすごくうまいというか、今まで意識してなかったようなそういうのを分かりやすく言語化してスーンと納得させてくれるよね。

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    2021年07月15日
  • 乙女の本棚8 夢十夜

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    夏目漱石夢十夜を受け継いだと言われる内田ひゃっけんの東京日記が好きで、遡ってきました。
    何度でも咀嚼したくなるような文章です。庄太郎さーーーーーーーん!!!!!!!

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    2021年06月07日
  • 彼岸過迄(新潮文庫)

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    主人公敬太郎は、大学を出ても定職に就かず、ふらふらしている。
    しかし人生にどこか浪漫を求めており、波乱万丈な生活を送る友人森本の昔話に憧れている。

    いくつかの章に分かれているこの作品は、主に敬太郎の周りの人の語りによって進んでいる。

    特に市蔵と千代子の幼なじみ同士の恋愛話はかなり現代っぽいのめり込める内容だった。
    お互い素直になれない、少しひねくれた性格で、でもあえて素直になるのも今更何か違う…というもどかしい気持ちになる。
    市蔵の、自分自身のことについて考えすぎてしまう性格はその出生の秘密からきている、という展開はかなり気の毒で苦しい気持ちになった。

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    2021年04月14日
  • 乙女の本棚8 夢十夜

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    夏目漱石は、読みやすい。
    夢十夜は有名な話で、ずっと前に読んだその印象とは全く違う本になっていて驚く。
    夢十夜は、第一夜は美しいのだが、それ以外は恐ろしい印象だったが、
    素敵なイラストが付き、美しい話に生まれ変わった感じ。

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    2021年04月08日
  • 硝子戸の中(新潮文庫)

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    公人、私人の差
    作品と随筆の中身
    飯のタネ 理想と現実
    本音 建前
    売れなくなったタレントのヌード集 
    凋落作家の愚痴

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    2021年03月22日
  • それから

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    ネタバレ

    きょうから、それから、が朝日新聞で再連載開始。
    「三四郎」「それから」「門」の三部作のうち、
    昨年、「門」を再読しました。
    「三四郎」は、先日終わった再連載で再読。
    で、また再連載を読むのが何か気が重かったので、
    今日、「それから」を再読しました。

    40年前に購入した真っ茶色の文庫。
    朝日の再連載は岩波文庫の「それから」を基準にしているらしいが、
    私が高校生の時に読んだのは角川文庫でした。

    破れないように、ページをめくる時に少し気を遣いつつ。
    あんまり読みにくいので、タブレットに青空文庫からダウンロードして読んでみる。ただし、バックは茶色くして。(^_^;)

    さすがに漱石、というか、相変

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    2021年03月17日
  • 門(新潮文庫)

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    ネタバレ

     主人公、宗助は、大学生の時、親友の安井を裏切り、その妻であった御米と結ばれた。そのような罪を犯した負い目から、大学も卒業出来ず、親元に帰ることも出来ず、親の遺産相続も叔父の意に任せ、妻と二人、隠れるように、地味に、倹しく暮していた。
     叔父の死により、弟小六の学費を打ち切られても、積極的解決に乗り出すこともなく、諦めの中に暮している。
     そんな中、ひょんなことから裏に住んでいる家主の坂井から、安井の消息を聞かされ、心を乱し、救いを求めて、禅門を潜るが、何日かの修行の結果分かったことは、
    「彼は門を通る人ではなかった。又、門を通らないで済む人でもなかった。要するに、彼は門の下に立ち竦んで、日の

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    2021年02月23日
  • 吾輩は猫である

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    ネタバレ

    言わずと知れた名著。読んでみたかった作品。
    思いの外コメディ寄りというか、登場人物のやり取りに結構くすりと笑えた。
    個人主義に関する件などは、どことなく今と通ずるところを感じた。
    ただ、主人の女性観など、時代を感じる部分は当然あった。

    個人的には「こころ」の方が好み。

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    2021年02月17日
  • 二百十日・野分(新潮文庫)

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    「二百十日」は阿蘇へ登る途中道に迷う二人の様がかなりリアルで怖く、二人の話す世の中の厳しさの暗喩として効果的。飄々とした二人の友情も心地よい。 
    「野分」の先生夫婦のやりとりや状況は「道草」等漱石の作品ではおなじみだが、漱石の思うところをここまではっきり語らせるのは珍しいのではないか。中野君の描写に、皮肉や冷笑より私は漱石の人を信じたい気持ちが感じられる気がした。

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    2021年02月04日
  • 門

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    ネタバレ

    前期三部作、三作目…
    三四郎、それからと大きく違うのは、最初から夫婦である、と言う点である。
    ただ、略奪愛という面では、それからの流れを汲んでいる。

    弟の進学問題など色々ありながらも、二人で慎ましくと暮らす夫婦。彼らには"罪"があり、あることがきっかけで夫は禅に救いを求めるが、結局上手くいかずに戻ってくる。そして…という。

    夫婦の日常生活の描写がとても綺麗だなと思った。
    ただ単に、仕事に行ったり食事をしたりとか、その辺をぶらぶらしたりとか、ありがちな生活を送っているだけなのだが…。

    多分だけど、夫は元々、禅とかそういうのは興味がなかったんだと思う。
    だけど、自分が親友

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    2021年01月16日
  • 三四郎

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    ネタバレ

    前期三部作。ちゃんと読むのは実は初めてだったが…いいねいいね、これはいい。
    自分の学生時代を何となく思い出した。
    勿論、こんなに多彩な人たちが、周りにいた訳ではないが、いつの時代も青春ってこんな感じだよなぁと思った。

    三四郎の美禰子に対する言動が、段々と積極的になってきたところで、突然現れた紳士と結婚してしまう。
    ただ…美禰子の方も、三四郎を憎からず思っていたのではないだろうか…と言うのは、短絡的過ぎるだろうか。

    9月11日から授業が始まるから学校に行ったのに、誰もいない。学生課へ行って「いつから授業が始まるのか」と聞くと、9月11日からだと言う。でも、授業がやっていないと言うと、「先生が

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    2021年01月10日
  • 吾輩は猫である

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    いうまでもなく大文豪の処女作にあたる。えんえんとつまらないようなことを繋げている、というのが今の感想。風刺?なのか。

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    2024年07月22日
  • 道草(新潮文庫)

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     かつての養父と出会ってしまうところから物語は始まるのであるが、どうして健三は彼の出現を不安に思うのかが徐々にわかってくる。さすが夏目漱石、配偶者、幼い養子から見た養父と養母、姉とその夫比田、兄、それぞれの描写は凄いと感心させられる。
     健三はたいした稼ぎもないのであるが、その健三にお金をせびる人達と健三はそれを断りきれない。貨幣経済が進展した明治時代の世相が透けて見える。

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    2021年01月02日
  • 文鳥・夢十夜・永日小品

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    全体的に、なんとなく物寂しい雰囲気。
    秋とか、雨の日とか、黄昏たい場面のお供におすすめです。

    古い文体ですが、短いお話ばかりなので無理せずに読み進められます。

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    2020年11月09日
  • 彼岸過迄(新潮文庫)

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    夏目漱石の前期三部作を読み終わったので、後期三部作へ。前期のモラトリアムな高等遊民の話から一歩進んでいる気がする(それでも臆病な自意識が邪魔をして、女の子と上手くいかないのですが)。
    話も工夫していると漱石が言うだけあって、蛇のステッキの話から探偵まがいの話など興味を引く小話がうまくつなぎ合わされて千代子との話に流れていき、飽きずに読めた。

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    2020年08月16日
  • 坊っちゃん

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    ★★★☆☆ 3.6
    夏目漱石の中でこころの次に好き。爽快な坊ちゃん。友達にはなれなさそうだけど、好きな人間。

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    2020年08月06日
  • 行人(新潮文庫)

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    夏目漱石の作品は、作品ごとにかなり好き嫌いが出てしまう。これまで読んだ中では、一番『門』が好きだったけれど、これも読むまではドキドキしていたくらいだ。

    行人は、二郎を主人公としたストーリーで、何か大きく突き動かされるような内容ではなかった。しかし、当時の情景や習慣が、夏目漱石という作家によって上手に表現されていて、あたかもその時代に生きているかのような感覚にさせてくれる。

    そういう点では『キレイな』小説だなぁという印象は残っている。

    友人の入院、下女の結婚、兄の病気という日常の中で二郎が生きていく姿は、見ていてリアルな感じがするけれど、あまり没入できなかったので、この点数とした。

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    2020年08月05日