夏目漱石のレビュー一覧
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夏目漱石の短編集。
「幻影の盾」「薤露行」「一夜」はただただ美しさにうっとりする。
美文調は正直何を言っているのかわからない部分もあるが、短編なのでさほど苦痛にならず、美しい絵をただ眺めるような気持ちで読める。
漱石の戦争観を垣間見ることができる「趣味の遺伝」は面白い。
主人公は戦死した友人にたびたび思いを馳せる。戦死の場面(あくまで想像)は白黒のショートフィルムを見ているよう。「塹壕に入ったまま上がってこない」というシンプルな表現が繰り返されることで、明るく平和な日常生活の中、サブリミナルのように戦場と死がちらつく。
遺された者たちの思いが清らかで切ない。
畳みかけるようなラストひと段落 -
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なんで今更「坊っちゃん」であるか?
私は通勤の際、iPod でPODCASTを聞いている。
その番組の中に「ラジオ版 学問のすすめ」ってのがあって、先日のゲストは作家・評論家の関川夏央であった。
正岡子規の話が中心だったけど、同時期を生きた作家の中に夏目漱石も居る。
明治時代、文学で生計をたてられる人なんてそう多くはないので、作家連中は自然と集まり交流があったんだそうだ。
今、壊滅的な状況にある政局の中で必要なのはリーダーであり、エリートが育たない時代だ。
現総理の次は誰がよいかなんて、誰がなっても大同小異であろう事は誰もがそう思ってるだろう。
しかし、正岡子規達が生きた時代、帝国大学( -
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■ Before(本の選定理由)
言わずと知れた、夏目漱石の前期三部作のひとつ。
初めて読んでみよう。
■ 気づき
なんと煮え切らない、鼻もちならない主人公!
親の金で暮らしながら友人の妻を愛してしまう体たらくにイライラしたが、同時に明治も令和もヒトなんてそんなものだろう、と感じた。現代なら芥川賞的な話。
■ Todo
文明は我々をして、孤立せしめるものだ。
狭くて効率的な借家に人々が暮らし始めるのを見てそう感じたそうだ。いま私達が、70年代の団地乱立を見る感情とまったく同じでは無いか。きっと令和のタワマンも40年後には笑い種なのだろう。知らんけど。 -
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ネタバレ夢十夜が読みたくて一読。背表紙の紹介文観て文鳥も気になって読んでみた!
文学知識は皆無に等しいけど、夢十夜の各夜、文鳥それぞれ違う印象…
---ネタバレありめも---
「夢十夜」
個人的に第一夜、第七夜、第九夜、第十夜が好き。
第一夜
→十夜の中でも1番好き。神秘的でめっちゃ綺麗…雑な説明だけど、これから死ぬ女性を土に埋めるのに、なんでこんなに描写キレイなんだろう…
第七夜
→大きな客船の話。どこに向かってるかわからない、船内の賑やかな乗客とも雰囲気合わない、なんで乗ってるんだろう。いっそのこと死んでしまいたいって船から海に飛び込んだけど、足元離れた瞬間に命が惜しくなる。でも時すでに遅 -
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ネタバレ『文鳥』
「次の朝は又怠けた」p18とあるように毎日のように忘れられる文鳥が不憫でならなかった。解説には「生きることのはかなさと、その裏返しとしての残酷さを彷彿する」p325とあった。淡々と語られる文鳥の死は悲しみとも違う胸がきゅっとなる感覚になった。
『夢十夜』
どれも不思議な夢だった。第一夜が特に気に入った。第七夜も好き。第三夜は怖かったけどどこかで読んだことがある気がした。
『思い出す事など』
序盤は面白かったけど、途中からは所々つまらないところもあって内容が入ってこないこともあった。
『変な音』
夏目漱石は生と死についてよく考えていたんだろうなと改めて感じた。