夏目漱石のレビュー一覧

  • 門(新潮文庫)

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    題名『門』の意味を考えながら読んでみましたが、どうも題名は他者に依頼して命名された
    ようです。ストーリーにちょっと唐突感があり、戸惑う感じです。
    『三四郎』『それから』と共に三部作をなし、そのしめくくった作品のようですが、遡って前二作を読んで、本作品を眺めてみたいです。

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    2024年03月27日
  • 草枕(新潮文庫)

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    人の世に疲れた主人公の非人情の旅ということで、あまり接点はないが、彼女に振られた悲しみを別の形に変えるべく70キロ自転車を漕いで大阪から滋賀まで行った当時の一人旅を思い出したりした。

    正直かなり難しかった…
    那美さんとの会話は自分も心地良くて、楽しかった。

    読むにあたって文体そのものにも苦労したけど、1番は自分の頭の中に当時の様な情景を補完できる元のイメージがなさ過ぎる所。
    頭で情景を組み立てながら読んでいるから、当時の日本の資料や写真だったりでイメージを作ってから読むのがいいかもしれない。

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    2024年03月24日
  • 道草

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    入院中に自宅の本棚から供給してもらった。何年か購入してあった著書だ。
    本著は純文学にカテゴライズされるだろうか、このジャンルを読むのは久しぶりだ。
    本著は私小説としての議論があるようだが、今回は小説として十分に愉しめたとおもう。主人公とその細君の世の中の見方の違いが主人公の独白を通じて語られるところがいい。水と油のような性格の違いがある、例えば、娘に対する愛情のあり方にもその性格の違いを細君に語らせている。しかし、小説中で3人目の娘が誕生することから夫婦の関係が破綻的なものではないことがうかがわられる。この時代の夫婦関係なのか、こんな関係も面白い。そして最後に主人公が養父にお金を工面して関係を

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    2024年03月04日
  • 三四郎

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    基本的に淡々と話が進むが、美禰子と接する時のみゆっくりと感じる。細かな所作の描写が多いためだと考えた。
    262ページ、初めて踏み込んだ主人公と美禰子の対応がリアル。
    美禰子が主人公に惹かれてるのも主人公目線の描写により分かりづらいが解説ページで確信を得た。

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    2024年02月20日
  • 乙女の本棚8 夢十夜

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    ネタバレ

    「こんな夢を見た」から始まる、十の美しい夢の世界。夢だからすべてに理由なんてないし、ちょっと怖い。でもこんな夢の話ならいつまでも聞いていたい。
    お話としては一、三、七が好み。
    しきみさんのイラストは第一夜の百合が儚い雰囲気で良かった。
    ページごとに文字や背景の色の変化があって、飽きずにするすると読める。美しい本だった。

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    2024年02月08日
  • 草枕(新潮文庫)

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    冒頭を覚えたくて読みました。
    最後まで見ましたが読めませんでした。といったのが正直なところ。
    知識不足で会話がある部分しか理解が追いつかなかったので解説やあらすじ(Wikipedia)を見ながら一応こういう話だったのねって感じで終了

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    2024年01月27日
  • それから(新潮文庫)

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    又吉さんの新書「夜を乗り越える」を読んで、読んでみたくなった本。序盤はなかなか難しい表現や知らない単語も多く理解が困難でしたが、後半一気に話が加速して少し読みやすくなりました。どうやら3部作の2作品目らしく1作目「三四郎」3作目「門」も読まないとなと思います。

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    2024年01月11日
  • 明暗(新潮文庫)

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    当時は延子の様な女性は人気が無かったのだろうか?現代に生きる自分には延子は自分の思いをストレートに表現出来、端々に可愛さが滲み出てくるいじらしい女性と感じるのだけれど、どうも主人公にとっては(また漱石にとっても)、魅力的に映っていない様である。

    片や清子だが、主人公は彼女の何に惹かれたのか?書かれている文章からでは、取り付く島のない、KY気味で、自主性にも欠ける様な女性に思える…となると、結局は美人だったからなのか?だとしたら非常に残念……

    考えてみれば、漱石の作品に於いて、女性は大きな役割を持っているものが多いし、恋愛を扱うものも多いのだけれど、女性の描かれ方や在り方について、何故だか違

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    2023年12月21日
  • 坊っちゃん

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    ネタバレ

    坊ちゃんを読んでみた。
    むかーし読んだけど、読み直してみた。


    ……言葉が難しい。
    内容はテンポよく進んでいて読みやすいはずなのだけど、言葉が…んー。うーーん。と思いながら、読んでみた。



    読み直して、思ったのは……やっぱり『難しい』という事。
    内容が難しいわけではない。坊ちゃんの話が軽快にテンポよく進んでいく。

    ……これ、現代の言葉で軽く読みたい。と思った。

    キャラクターも判りやすくて、面白いのだけれど……。
    主人公の坊ちゃんのキャラクターは判りにくいなと…分かりにくいというか、『冗談が通じない』『言葉を言葉のままに受け取る』キャラっぽいので……、勝手に「これはこうだよね(赤シャツ

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    2025年05月04日
  • 乙女の本棚8 夢十夜

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    夢十夜は、最初に“こんな夢を見た”とされ、、多少の理不尽や非合理性は、許してね、ということになる。その絵を描くというのはあまりに許容範囲が広すぎて難しかったでしょうねと思います。

    第一夜
    死んだ女が百合の花に転生する夢。
    愛する女を失った男の夢。
    「もう死にます。百年 私の墓の傍で待っていてくださいね。」
    星の破片の墓石、その破片の丸み、苔むす様子などから、長い時を演出する。
    女の死から再生の百年は、男にとって幸か不幸か、読む人によるかなあ。
    百年経って百合となる。

    第二夜
    侍が悟りを得ようとする夢。
    入室参禅で無を追う。
    夏目漱石は鎌倉円覚寺で参禅していて、その経験は、小説「門」となる。

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    2023年12月09日
  • 悪魔 乙女の本棚作品集

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    乙女の本棚シリーズでお馴染み、イラストレーターのしきみさんがこれまで手掛けてきた作品の中から、ご本人が厳選したカットを一冊にまとめたイラスト集。
    ずいぶん前に読んでいたものをこうして見返すと、イラストの素敵さにまた溜め息がでるよう。
    萩原朔太郎「猫町」の、可愛いながらも妖しく奇妙な世界観。
    坂口安吾「桜の森の満開の下」の綺麗な女性と、般若の老婆の恐ろしさギャップ。
    この二作は特にお気に入りです。
    また、描き下ろしで芥川龍之介「悪魔」も収録されている。赤い瞳に赤い髪をもつ悪魔の悲しさが、普段よりも大きなページにとても美しく表れている。

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    2023年12月05日
  • 草枕

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    ちゃんとした純文学を久々に読んだ。冒頭の「山道を登りながら、こう考えた。智に働けば角が立つ。情に棹せば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。」はあまりにも有名。
    想像と妄想を重ねながら芸術を追い求める絵描きの話。芸術は自由の開放である…みたいな話はモームのサミングアップに準ずる。夏目漱石の漢文、英語など各文学への造詣の深さが窺える

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    2023年12月04日
  • 夢十夜 他二篇

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    夏目漱石はとても暗い作家とは聞いていたが、その暗さが存分に味わえて面白い。
    自己嫌悪?とも取れる過去の恥や綺麗なものを目の前にした時の醜い自分など…丁寧に描き出されて引き込まれる面白さがある

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    2023年11月30日
  • 門(新潮文庫)

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    ネタバレ

    それからを読んだ後に読んだせいか、「あれ?もう終わり?」が一番の感想だった。社家族からも、友人からも、社会からも見捨てられた宗助と御米の暮らしはずっと暗くて楽しいのだろうかと思った。
    2人の世界には2人しかいなくて、小六が入ることさえ好まなかった。お互いに依存してるんだなと思った。安井と鉢合わせするかハラハラしていたが、結局しなくて少し残念だった。それからのインパクトが強すぎたため物足りなかったが、御米が熱を出した時の宗助の慌てようが面白かった。

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    2023年11月30日
  • 彼岸過迄

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    読みにくかった。短編をつなげて長編のような物語にするって構想らしいけど、それぞれに繋がりがあんまり感じなかった。須永と千代子の恋模様のところが一番読み応えあったけどそこも須永の心の変化は読み取りにくかった。松本が雨の日に紹介状を持った人の面会を断るところは実際の漱石の経験に基づくものらしい。最初の森本の話いるのかな

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    2023年11月29日
  • 虞美人草(新潮文庫)

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    ネタバレ

    漢語調の絢爛な文体は漱石の領分といっても過言ではないでしょう。東京帝大の講師を辞め、専業作家となってから書いた初の小説とだけあって、眩暈がするほど難解かつ華麗な文章からは、並々ならぬ覚悟が伝わってきます。

    大学卒業のとき恩賜の銀時計を貰ったほどの秀才・小野清三。彼の心は、美しく裕福だが傲慢で虚栄心の強い女性・藤尾と、古風で物静かな恩師の娘・小夜子との間で激しく揺れ動く。彼は、貧しさから抜け出すために、一旦は小夜子との縁談を断るが…。やがて、小野の抱いた打算は、藤尾を悲劇に導く。

    「潺湲(せんかん)」「瀲灩(れんえん)」「冪然(べきぜん)」「窈窕(ようちょう)」等々、これは正気の沙汰なのか?

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    2023年11月16日
  • こころ

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    開始: 2023/11/1
    終了: 2023/11/8

    感想
    もう少し人が弱いことを知っていれば。周りの人も自分と同じように煩悶し踠いていると気づけば。そうすれば先生も世間に顔向けしていたのに。

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    2023年11月08日
  • 倫敦塔・幻影の盾(新潮文庫)

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    初期短編集(明治38〜39年)。言文一致の現代書き言葉ではない作品もあったりする。近代日本文学直前のプロトタイプ集とでも呼びたくなる。作品ごとに変化するチャレンジングな表現が面白い。個人的には「趣味の遺伝」のサイコパスすれすれのユーモアがツボだった。

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    2023年10月28日
  • 門(新潮文庫)

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    略奪しちゃったとは言っても、恋に落ちちゃったんだったらしょうがないじゃんね。いっそ、正々堂々としてたらこんなにぐだぐだ思い悩まないんだろうけど、そうはいかないもんだね。宗助の心の門が開く日が来るといいね。

    解説読んだら、そうばっかじゃないんだな。てっきり宗助は安井や世間に対しての負い目を感じてるから暗いのかと思ってたけど、もはや安井から御米を奪った時から既に情熱は冷めてしまったんだな。

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    2023年10月28日
  • 乙女の本棚8 夢十夜

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    ヨルシカの「第一夜」を聴いていたら、ふと読みたくなって手に取った。
    夏目漱石×しきみで、とってもイマドキな感じに仕上がっている。
    こんなイラストと組み合わせても、全く色褪せないのは、やっぱり文豪夏目漱石だからなんだろうな。
    夢の中の話というだけに、つかみどころがない感じがするけど、読み手によって様々な解釈ができるという気もする。
    10編の中ではやっぱり「第一夜」が好きだった。

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    2023年10月04日