夏目漱石のレビュー一覧

  • こころ

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    国語の教科書に載ってた印象があり、大人になってみてから読むとどのような感想を持つのだろうと思い読んだ。
    読む前の印象に残っていたのは、先生とKとお嬢さんの三角関係の物語だと思っていたが、想像以上に重々しく哀愁的な作品だった。印象に残っていた話が登場するのが、三部の「先生と遺書」だったので、一部と二部の内容は飛ばしてもよいくらい薄く感じた。
    先生の人柄が今で言う引きニートで、コミュ障であるゆえのもどかしさが生んだ悲劇だとも思ったが、時代的な側面を知ると少しは気持ちに寄り添えるのかもしれないと感じた。
    遺書を受け取った「私」や妻が、この後、どのような行動をするのか考察してみたい。
    解説を読んで、海

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    2023年09月26日
  • 草枕(新潮文庫)

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    とんでもなく難解。当時の人達は、注釈なしに読むことができたのでしょうか。軽い作品を読みたくて、薄めの本作を選んだのですが、これが全くの見当違い。本文と注釈を行ったり来たりしながら、ゆっくりゆっくり読み進めることになりました。
    最初はなかなか入り込めなかったですが、徐々に波長が合ってきて楽しく読めるようになってきました。この作品は登場人物の「余」と同じように、「非人情」の心持で相対するのが良いのではないかと思いました。
    ところどころにすごい描写がありましたが、特に印象に残っているのが那美が風呂場に現れる場面。これはとんでもないです。すさまじい語彙量におぼれそうになる感じが、「余」の驚きとも同調す

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    2023年09月16日
  • 行人(新潮文庫)

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    夏目漱石作品によくある高学歴ニートの話、ではなかった。近代的自我に芽生え、感情と理性との狭間で苦悩する様を描いた作品。
    現代人にも共感できる部分はあると思う。

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    2023年09月02日
  • 私の個人主義

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    夏目漱石は講演も上手かったというのは知らなかった。特段尖ったことを言っているわけではなく、普遍的に大事にされるべき価値観を述べているので、そこまで大きな発見はなかった。しかしこれが約100年前に語られた内容で、現代にまで通じていることからも、説得力・妥当性が評価されて、本書が語り継がれているのだと思う。

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    2023年08月17日
  • 草枕(新潮文庫)

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    電車に揺られながら、こう読んだ。無理くり席に座れば角が立つ。流れに任せれば乗換駅を誤る。意地を通して突っ立っても窮屈だ。とかくに通勤電車は住みにくい。

    住みにくさが高こうじると、家賃が高い所へ引き越したくなる。どこへ越しても住みにくいと悟さとった時、詩が生れて、画えが出来る。

    世は両面を兼ね備えており、陰影が濃いほどまた光が際立つ。かと言うて1枚に世の光と影、哀れに愉快、全てを詰め込むのは難しかろう。難しいから画家は放浪し、湯治をし、飯を食って屁をする。その中で発見せし一瞬を映すこそが画家なのだろう。

    と思った本でした。

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    2023年08月04日
  • 彼岸過迄

    匿名

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    裏の、言い換えると実質的な主人公は須永ということになろう。漱石のしたかったことは成功したのかもだが、それだけに留まる作品でもある。

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    2023年07月30日
  • 満韓ところどころ

    匿名

    購入済み

    日露戦争後、満州・韓国を訪れた作者による随筆である。漱石と満鉄総裁の中村是公とが学友であったのは改めて記すこともないかもしれない。

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    2023年07月30日
  • 夢十夜

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    まだまだ理解出来てない部分が多い
    短いのに内容が詰まりすぎてる
    もっと夏目漱石の作品を読まないと理解できないんやろな

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    2023年07月27日
  • 乙女の本棚8 夢十夜

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     乙女の本棚シリーズから、夏目漱石さんとしきみさんのコラボ作品「夢十夜」です。なんとも、ステキな表紙とこのタイトルに期待は大きく読み始めました!

    こんな夢を見た…それが第一夜から第十夜までで、夢だからってこともあるけれどあまりにも現実離れしすぎてて、幻想的といえば幻想的なんだけれど、だからつかみにくいかなぁ~と感じてしまい、一度はスルーしてしまおうかと思ってしまったほど(^-^;)だけど、なんとか、読み切ることができました。

     印象に残ったのは第一夜と第九夜…、第一夜は臨終を迎える女性と100年後に再会する夢、第九夜は戦地での夫の無事を願い幼子を連れてお百度参りする妻の夢…。でもトータ

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    2023年07月16日
  • 道草

    ネタバレ 購入済み

    骨の髄まで

    愛着障害の本でおそらく愛着障害であった漱石のたとえとしてこの本が引用されていていて読みたくなった。
    漱石の子供時代の愛情不足はこの本から読み取れる。
    島田のヒモ根性もいやらしいほど伝わってきる。
    漱石の周囲には金に困った人しか寄ってこないのか、胃に穴を開けてしまうほどだったのだから、頑張ったんだなとしか言いようがない。

    #ドロドロ

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    2023年07月13日
  • 草枕(新潮文庫)

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    智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。

    なんかの本に引用されてた冒頭がかっこよすきて読んでみた。
    親しみない言葉もでるから読破にめっちゃ時間かかったけど、なんか気になって最後まで読みたくなる作品。

    ちょくちょく出てくるどストレートな本音めっちゃ面白い。
    作品の設定も綺麗だなぁ~

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    2023年07月12日
  • 彼岸過迄

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    いや〜長かった^^;
    でも時々没頭して読めた。
    結局は恋愛小説で結果はやはり書かれてない。
    消化不良だなぁ。。。

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    2023年07月04日
  • 行人(新潮文庫)

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    理想を追い求めるあまり、周りとうまくいかない男の苦悩の話。

    語り手は二郎くん(弟)なんだけど、主人公は一郎さん(兄)。このお兄ちゃんがなんかめっちゃ考え過ぎてて、「崇高な俺の考えが理解されない。低俗な人間どもに馬鹿にされる!」って周りに(特に奥さんに)当たり散らしてる印象。お兄ちゃんだけ異質なんだよなあ。周りはお兄ちゃんに敬意を払ってると思うんだけど。一郎さんの考えは高尚だと思うけど、生きていくってそんなことばかりでなくて、一郎さんは自分で自分を苦しめてて、そのせいで周りも引っ掻き回されて、何だかなあ…って感じの話でした。

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    2023年06月17日
  • 「心」広告文

    購入済み

    なかなか良い

    本編も読んでみたい。

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    2023年06月05日
  • 倫敦塔・幻影の盾(新潮文庫)

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    夏目漱石の短編集。

    「幻影の盾」「薤露行」「一夜」はただただ美しさにうっとりする。
    美文調は正直何を言っているのかわからない部分もあるが、短編なのでさほど苦痛にならず、美しい絵をただ眺めるような気持ちで読める。

    漱石の戦争観を垣間見ることができる「趣味の遺伝」は面白い。
    主人公は戦死した友人にたびたび思いを馳せる。戦死の場面(あくまで想像)は白黒のショートフィルムを見ているよう。「塹壕に入ったまま上がってこない」というシンプルな表現が繰り返されることで、明るく平和な日常生活の中、サブリミナルのように戦場と死がちらつく。
    遺された者たちの思いが清らかで切ない。
    畳みかけるようなラストひと段落

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    2023年05月22日
  • 吾輩は猫である

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    一本の物語が大動脈としてあるのではなく、主人公の家にやってくる友人知人との珍妙なやり取りが描かれる。スパイシーな日常系小説(失礼)である。

    日露戦争の時代の日本人風刺、社会風刺を通じて、当時の人間や暮らしを垣間見ることができる。人間はいつの時代も変わらんのやなというところもみられる。

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    2023年05月16日
  • 坊っちゃん

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    なんで今更「坊っちゃん」であるか?

    私は通勤の際、iPod でPODCASTを聞いている。
    その番組の中に「ラジオ版 学問のすすめ」ってのがあって、先日のゲストは作家・評論家の関川夏央であった。
    正岡子規の話が中心だったけど、同時期を生きた作家の中に夏目漱石も居る。
    明治時代、文学で生計をたてられる人なんてそう多くはないので、作家連中は自然と集まり交流があったんだそうだ。

    今、壊滅的な状況にある政局の中で必要なのはリーダーであり、エリートが育たない時代だ。
    現総理の次は誰がよいかなんて、誰がなっても大同小異であろう事は誰もがそう思ってるだろう。

    しかし、正岡子規達が生きた時代、帝国大学(

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    2023年05月01日
  • 乙女の本棚8 夢十夜

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    10の夢によって構成される夏目漱石による幻想的な奇譚。

    第三夜の盲目の不気味な我が子を背負って歩く話が好き。
    子から明かされる自身の過去によって感じる罪悪感と子の重さが比例しているように感じた。

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    2023年04月18日
  • それから

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    ■ Before(本の選定理由)
    言わずと知れた、夏目漱石の前期三部作のひとつ。
    初めて読んでみよう。

    ■ 気づき
    なんと煮え切らない、鼻もちならない主人公!
    親の金で暮らしながら友人の妻を愛してしまう体たらくにイライラしたが、同時に明治も令和もヒトなんてそんなものだろう、と感じた。現代なら芥川賞的な話。

    ■ Todo
    文明は我々をして、孤立せしめるものだ。
    狭くて効率的な借家に人々が暮らし始めるのを見てそう感じたそうだ。いま私達が、70年代の団地乱立を見る感情とまったく同じでは無いか。きっと令和のタワマンも40年後には笑い種なのだろう。知らんけど。

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    2023年04月18日
  • 文鳥・夢十夜・永日小品

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    ネタバレ

    夢十夜が読みたくて一読。背表紙の紹介文観て文鳥も気になって読んでみた!

    文学知識は皆無に等しいけど、夢十夜の各夜、文鳥それぞれ違う印象…

    ---ネタバレありめも---
    「夢十夜」
    個人的に第一夜、第七夜、第九夜、第十夜が好き。

    第一夜
    →十夜の中でも1番好き。神秘的でめっちゃ綺麗…雑な説明だけど、これから死ぬ女性を土に埋めるのに、なんでこんなに描写キレイなんだろう…

    第七夜
    →大きな客船の話。どこに向かってるかわからない、船内の賑やかな乗客とも雰囲気合わない、なんで乗ってるんだろう。いっそのこと死んでしまいたいって船から海に飛び込んだけど、足元離れた瞬間に命が惜しくなる。でも時すでに遅

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    2023年04月17日