夏目漱石のレビュー一覧

  • 門

    Posted by ブクログ

    『それから』の「それから」の話が、『門』に繋がっていくのかと改めて思った。罪がどんなものか、詳細が語られていないのが謎で、少し難しい話だった。

    0
    2020年07月07日
  • それから

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    代助が父のお金で優雅に生活しているところは良くないと思ったが、三千代に思いを告げたところは不倫であっても良かったと思った。

    0
    2020年07月06日
  • それから(漱石コレクション)

    Posted by ブクログ

     ビブリア古書堂から。奥さんを取っちゃう話と紹介されていたけど、解説を読んで、見え方が変わった。明治民法の家族制度を知ってると理解がここまで深まるとは。
     序盤は30にもなって有閑貴族のように過ごす代助が、仕事をしていなければ、味わえないものを味わっているんだと言うのに、真っ向から否定できないなと思った。でも、だんだん仕事につかない・結婚もしない代助にイライラもし始めている自分もいて。今だったらもう少し周りも寛容かもしれないケド、でもいわゆるニートだから……。
     後半から一気に動き出す三千代との関係は昼ドラのよう。そして最後の赤に終わるのは良い未来が見えてこない。

    0
    2020年06月30日
  • 文鳥・夢十夜・永日小品

    Posted by ブクログ


    装丁に惹かれこちらの角川文庫を選択
    (このシリーズの装丁好きだなぁ…)



    注!)ネタバレ有り

    【京に着ける夕】
    正岡子規と本当に仲が良かったのだなぁ
    漱石は本当に子規のことが好きだったのだろう
    至る場所で子規のことに触れて、子規と行った時の京を偲んでいる
    子規のいない京で尋常ではない寒さを表現しており、悲しみの痛みがじんじん伝わる
    切ないのだが、ちょっと羨ましいくらいの友情だ…


    【文鳥】

    漱石の教え子である三重吉に
    文鳥をお飼いなさい
    と勧められ、その気にさせられ、相当待たされてとうとう買わされる(飼わされる)

    文鳥のはかなげで小さく壊れもののような描写が良い
    …まぶたの周りに

    0
    2020年06月05日
  • 硝子戸の中(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    (個人的)漱石再読月間。小説15作品と短編集3冊。これにてファイナル。

    漱石先生の亡くなる前年に書かれたエッセイ集。病床から外を眺める静かな諦念。思い起こす面倒だったあの人も恋しい母も懐かしい幼なじみももはや亡い。

    2020年4月から5月。特別な時間の中で、「いつか、気力的体力的もしくはその他の理由で本が読めなくなる時が来る。その前にこれだけは再読しておきたい。そうすれば読書人生に悔いは残らない」とぼんやり考えていた計画を、いきなり実行に移す時が来てしまった。家にこもってただひたすらに読書読書の日々。

    これでほぼ達成。なんとも言えない充実感。
    プルースト先生、埴谷先生、漱石先生、ありがと

    0
    2020年05月21日
  • 道草(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    (個人的)漱石再読月間の14。
    残すは未完の『明暗』のみ。

    「小説として発表された自伝」とされている。非道い親族たちで、何故漱石が、お金がなくてツライ話ばかりを書いているかが明らかになる。楽しいことのひとつもない話。


    漱石先生が神経症でひどい人だったということはよく知られていることではありますが、
    親族、家族、胃潰瘍、神経衰弱の問題なしに、長生きしてもっとたくさん書いてほしかった。
    ここまで再読してきて本当にそう思う。

    せめて、明暗はもう少し先まで読みたかったなぁ。大好きなんですよ、『明暗』。読み返すの何回目だろう。

    0
    2020年05月16日
  • 坑夫(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    (個人的)漱石再読月間の7。15作品の半ばまで来ました。

    異色作。
    地獄のような最底辺の話で、「それから」の高等遊民の世界が好きな私にとって、これは胸つき八丁。
    後半の地底も辛いが、そこに到着するまでの山越えがキツい。主人公がまだ今までいた世界と別れる踏ん切りがつかないところがその要因かと。

    この後は何回も読んだ作品群なので楽勝かと。

    0
    2020年05月08日
  • 道草(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    現代小説とは違うので当たり前だが、話の流れに大きな変化はない。ざっくり言うと夫婦の日常生活を描いただけの作品。だけもも主人公の言葉で、日頃の自分を振り返ってみたくなるようなものがあったり、親戚付き合いとの中で主人公と似たような経験があったようにも感じた。自分が立派な社会人となり、人付き合いが増えるようになった時にもう一度読みたい作品。

    0
    2020年03月29日
  • 門

    Posted by ブクログ

    漱石の前期3部作にあたる最後の作品。
    表紙に書いてあるあらすじが割とネタバレだった。まだ読んだことのない人は見ない方がいいかも。

    一度道理から外れたことをすると、それを一生背負い続けなくてはならない。因果関係のない不幸も、その過ちを原因だと考えるようになる。そういうこともあるんだなと考えさせられた。

    0
    2020年03月16日
  • 硝子戸の中(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    漱石晩年の随筆集。
    幼少期の思い出から生と死に関する話題まで、39の随筆が収録されている。
    他人の日記を読んでいるようで面白かった。
    私が漱石の作品に対して抱く肯定的な感情が、文章に滲む彼の思想への共感なのか、はたまた100年も昔の生活に対する擬似的なノスタルジーなのかよくわからないなと思う。
    1つ1つの内容が独立していて文量も少ないので、漱石の美しい文章を手軽に楽しめる作品だった。

    0
    2020年01月07日
  • 吾輩は猫である 下

    Posted by ブクログ

    夏目漱石のユーモア、知識の豊富さが表れていたように思う。これが処女小説なので流石という印象。


    Wikipediaより抜粋
    ===
    第7話
    吾輩は運動し、公衆浴場をのぞき見る。
    第8話
    落雲館中学校生徒が苦沙弥宅の庭に野球ボールを打ち込み、苦沙弥は激高する。
    第9話
    迷亭の伯父である牧山が苦沙弥宅を訪れる。
    第10話
    古井が金田の娘に恋文を送り、退校処分にならないかと心配して苦沙弥宅に来る。
    第11話
    寒月は珠磨をやめ、故郷で結婚した。独仙、苦沙弥、寒月、東風らによる夫婦論、女性論。来客が帰ったあと、吾輩は飲み残しのビールに酩酊し、水甕のなかに転落して水死する。
    ===

    0
    2020年01月03日
  • 吾輩は猫である 上

    Posted by ブクログ

    猫の視点から人間の暮らしを切り取る作品。メタ的に人間を考察する文体に興味を覚えた記憶がある。


    Wikipediaより抜粋
    ===
    第1話
    「吾輩」は薄暗いところで出生したが、まもなく書生に遺棄され、教師の家に住み込む。人間について車屋の黒から、わがままで不人情で泥棒も働く不徳者であると聞き知る。
    第2話
    家に、寒月、迷亭、東風などが訪問し、好き放題のでたらめを言う。三毛子が死去し、吾輩は恋に破れる。
    第3話
    金田の妻が寒月のことを訊きに来て、寒月が博士にならなければ娘の富子と結婚させないという。
    第4話
    鈴木が金田の意向を聞いて、寒月の様子を探りに来る。
    第5話
    苦沙弥宅に泥棒が入る。吾輩

    0
    2020年01月03日
  • 坑夫(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    学も富もある立場から一夜にして坑夫という最底辺に堕落した主人公を通し、人間の内面を描く。時代設定は100年以上も昔になるが、自らの置かれた環境の有り難みが感じられる。

    0
    2019年10月29日
  • 二百十日・野分(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    二百十日は弥次喜多みたいで楽しく読めた。
    悪天候時の山登りは危険。

    野分は日常会話部分はすらすら読めても、頻繁に登場する漢文を下地にしたような文章が難しくてつっかえつっかえしながら読んだ。
    まず、世俗的な考え方の人として描かれた道也先生の奥さんやお兄さんだけれども、その言い分ももっともだと思った。自分達を不幸な方向へ向かわせないと文学って書けないものかね?
    また、道也先生や高柳君からすれば金持ちの中野君は対立的な立場の人なわけだけど、中野君みたいに自分のことを大事にして気にかけてくれる友達を高柳君は大事にせんといけんよ。「金持ち喧嘩せず」を体現している。
    高柳君のラストの選択はだいぶ検討違い

    0
    2019年10月14日
  • 吾輩は猫である

    Posted by ブクログ

    先生と仲間たちと奥さんと猫…。
    面白い人間には面白い人間が集まる。
    相乗効果が見事である。
    肩の力を抜いて、ボンヤリした状態で読むととても気持ち良く読める。お酒のお供にしたい。
    夏目漱石の他の作品を読もう思う。

    0
    2019年09月27日
  • 吾輩は猫である 上

    Posted by ブクログ

    小学生の時に難しくて断念した小説。
    大人になって改めて読んでみた。
    猫を主体として人間観察をして、ユーモアと知識溢れる先生やそれを取り巻く人々。
    時折、理解するのが難しい場面も多々あったが、最後まで読むことができた。
    また何年か経過して読んでみると味がでそうな気がする。
    さらに、漱石の博学知識の多さに驚きました。

    0
    2019年09月19日
  • 硝子戸の中(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    漱石晩年の随筆集。朝日新聞に連載されていたようで読みやすかった◎

    両親や母のことを書いているところがよかった。

    自分は両親の晩年に生まれた子で、2回里に出されたが事情があり家に帰ってきたこと。だからずっと両親のことを祖父母だと思っていたこと。ある夜、女中さんがこっそり「あの2人はあなたの祖父母でなくて両親ですよ」と教えてくれたこと。それがうれしかったこと。その事実ではなく、女中さんが親切にもそれを教えてくれた事実がうれしかったこと。

    夢でうなされたときに母が助けにきてくれて、安心して眠れたこと。

    私も、大きくなって夢でうなされてたしか「助けて!」って叫んだら隣の部屋からお父さんが「どう

    0
    2019年09月15日
  • 門

    Posted by ブクログ

     宗助の必死の、しかし逃避的な行動に自分が重なり、後半は読み進めるのが辛かった。漱石はどういう視点と言うか心持ちで本作品を書いたのだろう。自らの内に観たのか、当時の社会から抽出したのか。

    0
    2019年08月18日
  • 道草(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    『こころ』の後に執筆され、漱石の自伝的小説とされる。妻とのすれ違い、親族からの金の無心などが綴られ、個人的には読むのにやや忍耐を要す。一方で妻と感情の行き違う折々の場面については、我が身に照らして身につまされる。。

    0
    2019年07月21日
  • 生れて来た以上は、生きねばならぬ―漱石珠玉の言葉―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    漱石著作のアンソロジー。ほとんどの作品は読んだが、それが高校生だった頃なので、内容を覚えていない。結構世の中を風刺しているところが、明治がまだ自由に発言できる時代だったのがわかる。男性にとって、女性が現代以上に掴みどころが無い、不可解な存在に映っていたというのも興味深い。2019.7.20

    0
    2019年07月20日