夏目漱石のレビュー一覧
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『神様のカルテ』の主人公、一止先生がいつも読んでいる『草枕』が気になって、読んでみた。
『神様のカルテ』に草花の描写が多い理由がわかった。『草枕』の影響だなと。作者の夏川草介さんも夏目漱石が大好きで、一止先生と同じように『草枕』ばかり読んでいたに違いない。
『草枕』は、画家の目を通して語り、絵画のような小説だった。椿の描写は特に美しく、印象に残った。
私は、夏目漱石の『こころ』がめちゃくちゃ好き。一方で、夏目漱石の作品はほとんど読んでいない。『坊ちゃん』は登場人物もストーリーも知っているけれど、いつ本を読んだのか、全く記憶にない。読んだのが、子供の時だったから記憶にないのかもしれない。『 -
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ネタバレ1ヶ月ほど読むのにかかった。昔の小説は読むのに時間がかかる。表現の仕方、古語を理解するのに時間がかかるし、一つ表現するのに十かかるくらい丁寧に書かれているからだろうか。こころは特に先生の手紙に重点を置いていた。夏目漱石自身、その先生に心を通わせたのだろうと思う。愛情と友情、金銭欲、人間の心の部分に深く迫る作品だった。金の為に自分を利用しようとした経験を持つ先生が愛情の為に友を自殺にまで追い込んでしまう。心優しい先生は、自分のせいだと自分を戒めた。その罪悪感を誰にも伝えられず、私という新たな人物との繋がりから先生を見せる事により、読者に想像を膨らませる書き方は素晴らしい。芥川もそうだが、昔の偉大
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亡くなる約五年前に関西近畿を巡り講演した時の内容を書き記したもの?原稿?とにかく、
一回目の明石講演「道樂と職業」、
二回目の和歌山講演「現代日本の開化」、
三回目の堺講演「中味と形式」、
四回目の大阪講演「私の個人主義」、
以上四篇を収録。
メモ
第一篇「道樂と職業」
p.23
「……開化の潮流が……進むほど……職業の性質が……分かれるほど、我々は片輪な人間になつてしまふ……。……商賣が……專門的に傾いてくる上に、生存競爭のために……その方だけに時間と根氣を費やしがちで……、お隣り……や一軒おいたお隣の事が皆目分からなくなつてしまふ……。……吾人の社會的知識が狹く細く切り詰められるので、 -
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「私はきわめて高尚な愛の理論家だったのです。同時にもっとも迂遠な愛の実際家だったのです。」という有名な一文がある。
この一文は、一文だけで読む方が、小説のまま読むよりも趣深い。
なぜならこの小説の文脈からして、この「愛」は愛でも何でもなく、ただ「社会が要請するので妻を娶りたい」という衝動に性欲の毛が生えたようなものであって、現代的に言って「高校生の初恋」ぐらいの重さしかないからだ。
むしろ小説を通して、いかに「私」がお嬢さんのことを愛していないかをページを尽くして説明してくれた。
「こころ」は現代の感覚からすると、「私とお嬢さんの恋愛」を描いた小説でも、「私とお嬢さんとKの三角関係」 -
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ネタバレドラマ「舟を編む」を見て、辞書編集者が言うんです。「あの遺書長すぎだよな!」と。「こころ」って小学生くらいに教科書に掲載されていたような気がするんだけども、今はどうなんでしょう。
先生の遺書以外のところを知らなかったので、新鮮に読めました。夏目漱石の名作なんだろうけど…
これが好きな人はどんな感想なんだろう?というところが気になります。私はやっぱり「遺書長い…」という感想になりました(すみません)。
以下は気になった文の引用です。
「「いまに私の家の方へは足が向かなくなります」先生はこう言って寂しい笑い方をした。」
「しかし……しかし君、恋は罪悪ですよ。わかっていますか」
「よくころりと死 -
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ネタバレ読むの大変だったけど面白かった。
正直言うと少しBL展開があるって聞いて下心ありきで買いましたすみません。でも全然そんなことなく,先生と私(上中の語り手)のせつない空気の漂う関係性が良かったなって思う。
Kと先生の関係もBL要素ないし何故これがBLだと言われているのか不思議。
下の話の,先生はやり場のない感情がずっと残り続けたまま生きてきて最後に自殺する…という展開がすごく良かった。好きな人を取られるのではないかと一人で焦って,自分のしたことで大切な人を死なせて…。親族に裏切られて腹を立ててるのに,自分は友人を欺いて裏切ってしまう…これも先生の気持ち想像しただけで辛い。遺書見つけたとき,真っ先