夏目漱石のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレとても面白かったです!
特に、平岡が主人公と妻の不貞に勘付いていて、問い詰めるシーンは、思わず「すごおおお!」と言いながら聴いちゃいました。こういう煮え切らない、ずるさが前に出てきてしまう人間のドロドロした部分を描きだせるのが素晴らしい。
全体を通して、封建時代の人々の雰囲気が感じられました。結婚はお見合いで、「家」の体裁を気にかけて、親孝行を徹底する。今の時代から見たらとても窮屈に見えるんだけれども、これはこれで家にいろんなことを決めてもらえるわけで、良さがあったんだろうと思います。
ちょっと話はずれますが、この「家」を守る感覚は、現代政治の保守派の感覚を理解する上でも、重要だと思いまし -
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Posted by ブクログ
大正4年(1915)に描かれた小説。金を巡る話。
「みんな金が欲しいのだ。そうして金より外には何にも欲しくないのだ。」
イギリスから帰ってきて金が無いのに、突然育ての父親がやってきて金をせびる。イギリスで金を借りた優しい先輩からは直ぐに督促状まで送られまた別の友達に借金をする。妊娠中の妻とは気が合わず、ヒステリーと癇癪をぶつけ合ってる。
金がないと余裕もないよな、わかる。
「離れればいくら親しくってもそれ切になる代りに、一所にいさえすれば、たとい敵同士でもどうにかこうにかなるものだ。つまりそれが人間なんだろう」
(金に困り、主人公の外套を着ていった妻の父に対し言った「でもよく着られるね」 -
Posted by ブクログ
ネタバレ三部作の中で1番モヤモヤと謎が残る作品だった。
あらすじに「親友である安井を犠牲にして成立した宗助とお米の愛。」と書いてあるが、その過去が明かされるのはしばらくしてからなのでこのあらすじを読んでいなければ序盤は献身的なお米と宗助が仲良くささやかに暮らしているようにしか見えない。私はあらすじを読んでいたのでその部分が気になって仕方なく、先入観を持って前半部分を読んでしまった気がする。このあらすじ合っているのか?と思っていた。
過去が明かされる場面に入ってからぐっと面白くなる。過去を明かすシーンでの、お米と宗助の閉鎖的で共依存な関係を表すための文章が豊かで印象深い。「彼らの命は、いつのまにか互 -
Posted by ブクログ
新年1冊目。
夏目漱石はやっぱり風景描写が豊かだなと思った。空、木、街並み、ありふれたものを鮮やかに書いている。その描写が心情とリンクしているのが凄い。
大層難しい話なのかと身構えていたが、実家を出て上京した者が実家と今を異世界に感じ、狭い世界で生きていたなと達者になりセンチメンタルになる話じゃないかと気づいてから読みやすくなった。難しい恋でもなく、淡い恋で終わった。
原口が美禰子の絵を描いている時に言っていた、「心が外へ見世を出しているところを描く」という言葉が何故か印象に残っている。
『それから』と『門』も購入したので、読むのが楽しみ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ授業で取り上げられた部分はほんの一部で、手紙がめちゃくちゃ長いと聞いていたので、確かめたくなって読んだ。たしかにめちゃくちゃ長かった〜〜!でも読みやすくてずんずん読めた。
不思議な先生の過去が次々と明らかになりまるでミステリーみたいで、しかも先生のずるさも明らかになって、人間って...と思わされる。流石にずるすぎやしないか。でもあんなに嫌悪していた叔父と同じだと気づく場面はぐさっと来て、誰しも同じ側面があるんだと突きつけられているよう。
唐突に終わってしまったのが残念。これから妻は大丈夫なんだろうか。そして私はお父さん放ってきちゃって本当に後悔しないのか...
ぶっちゃけ、なんでこんなに名作と -
Posted by ブクログ
『こころ』を再読することがあったので、それを機会に後期三部作を読んでいこうということで読んだ。
裏表紙の「愛する妻が弟の次郎に惚れているのではと疑い、弟に自分の妻と一晩よそで泊まってくれと頼むが…。」を見てから読んだせいで、「そんなエンタメ的な話なのか…?」と疑い疑い読むことになった。
話の要所要所にある三沢と娘さんの挿話や父の語る目が見えなくなった婦人の挿話、貞の結婚、仲の良い岡田夫婦といった多様な男女の仲が出てくるが、それが一郎の内省にどう響いてるのか…?
また、二郎視点で進んでいくため、二郎を主人公として読んで、二郎の元気がだんだんなくなってくると雲行きが怪しくなってくるようで、読んで