夏目漱石のレビュー一覧

  • 倫敦塔・幻影の盾(新潮文庫)

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    漱石が小説家として初期に発表した短編を集めたもの。
    紀行文やイギリス的散文詩、近代小説と様々な性格の作品が、漱石に原石として記されている。
    ここから伸びていって様々な名作を生む。
    「趣味の遺伝」がおもしろかった。
    「幻影の盾」と「かい露行」は正直何について描いてるのか未だに分からない。
    ちと難しかったです。


    08/12/28

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    2009年10月04日
  • 行人

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    8月?

    理智のみをその心棒とし、
    家族、妻さえも信用できない兄の一郎。

    それぞれの心模様が丁寧に描かれていて
    圧巻。

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    2009年10月04日
  • 行人

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    <女性というものに哲学的な懐疑をもつ一郎は、弟に対する妻の愛情を疑うあまり、弟に自分の妻と一と晩他所で泊ってくれと頼む。知に煩わされて、人を信ずる事の出来ない主人公の、苦悩と悲哀と、寂莫と、それにさいなまれる運命的生活が描かれる。漱石の実人生と作品との交渉が問題にされる作品。大正元―2年作。>一郎の友人のHさんの手紙にはかなり心を打たれた。Hさんの登場は物語の後半部分なので、そこを待つまでが長いなあと思ってしまうかもしれないけれど、ほんとそこまで頑張って読む価値がある。上のあらすじを読むといかにも難しそうでなかなか手が出しがたいかんじがするけれど、読んでみると全然そんなことはない。漱石さんの文

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    2009年10月04日
  • 彼岸過迄

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    『それから』を再熟読したいがために『三四郎』、『門』を手にしたときと同質の動機で、『こころ』を味わいためにここから始めた。所謂後期三部作の一作目である。
    ぼくが漱石の作品に寄りかかるときの最大の理由は「文章」が持つ可能性の最高到達点を確認するためである。物語に身をゆだねるというよりも言葉の力を体感したいからである。
    この作品は「嫉妬」の心理状況をわれわれ読者に露呈してくれる。重厚かつ深遠な文章だけでは到達しえない嫉妬心のリアリティは、軽薄かつ浅薄な人間の性質を知り尽くした漱石の業によってのみ文章化可能である、と敢えて断言させていただく。

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    2009年10月04日
  • 門

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    人生で2回目の夏目漱石。1回目は昔授業で読まされた「こころ」。

    この作品が「それから」の続編と言われていることも、「三四郎」とあわせて三部作と言われていることも知らずに読んだ。だから、ただ静かに愛し合う夫婦の物語として読んだ。

    この夫婦の、特に宗助のあり方を見ると、明治と平成の間に隔たりは感じない。明治という時代は直接現代に繋がっていると強く思った。素晴らしい文章で綴られた、古くささなんて感じない作品。所謂、「名作」や「古典」というものは敬遠しがちだったけど、目を開かされた。漱石、面白い。

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    2009年10月04日
  • 明暗

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    漱石の作品中最長にて未完の作品。その心理描写がものすごく細かく、ついつい引き込まれていってしましました。このように人は考えを巡らすのだろうか、と思う程に書かれていたのですが、もしかしたら私も知らぬうちに即座にいろいろな思いを馳せて人と接しているのかもしれないと思いました。大人になったら、人間関係がめんどくさそうだと思いました\(^o^)/テキトウ

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    2009年10月04日
  • 坑夫(新潮文庫)

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    だらだらだらだら長い小説。うーん淡々としすぎていて、文章は確かに漱石らしさであふれていてで面白いんだけど、他の作品に比べるとつまんなかったですねー……しかし安さんとのシーンはすごい感動しましたよ。あとしっとりホラーだったのがなんか意外……ジャンボーが葬式って解ったところはほんと怖かったです。あと南京虫とか微妙にグロ。いろいろいいたいことはあるけどもこういうのが漱石作品の中に紛れていてもいいと思う。

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    2009年10月07日
  • 二百十日・野分(新潮文庫)

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    かための文章でわりと読むのはきつかったけど、二百十日は会話中心でテンポよかったし圭さん碌さんのコンビがいい感じだった。野分は道也先生と高柳の不器用な生き方にじれったくなりながら、道也はかっこいいと思いました。高柳はラストの言動が超ナイス。ラストは急にこしらえちゃった大団円みたいな感じらしいですがこれはこれでアリ。めちゃくちゃアリ。すっげー面白でした。むしろ問題は虞美人草にあるでしょう虞美人草好きだけどね

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    2009年10月07日
  • 二百十日・野分(新潮文庫)

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    特に「野分」では拝金主義の世の中を痛切に批判するという点において、漱石の考えが力強く盛り込まれていたのではないかと思う。道也先生の演説は素晴らしく格好よく印象的である。漱石自身の考えがギュッと凝縮された作品。

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    2009年10月04日
  • 草枕

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    2006年09月03日 
    どうしても寝付くことができなかった夜に、これなら副作用の心配がない最高の睡眠薬だろうと思って読み始めたのに、案外引き込まれてしまって結局その夜は寝れなかった、という本です。
     決して大事件が起きるわけでもないし、複雑な人間関係が織り成されることもないのですが、作者の文章の巧みさだろうか、あるいは教養の高さだろうか、どうしても気になって読まざるを得ない小説でした。

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    2009年10月07日
  • 門

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    歳喰うにつれて、三部作内の好みも三四郎→それから→門と移り変わり。給料もらう身の物思いとか、昔も今も変わらないのね、って感じで笑えます。漱石は大御所の顔してるくせに、ちょくちょく落語的風景を落とし込んでくれるから好き。文体も今の現代文の基礎となったような人なので、実はものすごく読みやすかったりします。エラソーではないので読まないと勿体ない気がする。そしてエラソーな本だと教えるのは読書的に逆効果のような気がしてならない。

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    2009年10月04日
  • 倫敦塔・幻影の盾(新潮文庫)

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    とにかく読みにくい読みにくい。字はちっちゃいわ文体は難しいわ、はっきりいってとっつきにくい!でもでもでも、それを気にさせない(はずの)漱石の文章の面白さ!「カーライル博物館」は紀行文だけど、「倫敦塔」はちょいと違うかんじ。「幻影の盾」「薤露行」では他の作品では絶対に拝めない中世ヨーロッパファンタジーのような叙事詩的散文、「琴のそら音」「一夜」はこれからの漱石(三四郎とか)に繋がる文章、そしてラストの「趣味の遺伝」が一番おもしろかったりしましたよ。
    これに収録されている短編はどれも漱石の初期のころなので、一度は読んでおきたい(はず)

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    2009年10月07日
  • 倫敦塔・幻影の盾(新潮文庫)

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    アーサー王物語などに題材をとった短編集。幻想的な雰囲気の表題作「倫敦塔」が特に秀逸。倫敦塔を訪れる漱石の「現在」と、伝説当時の「過去」が違和感なく交錯する。丁寧な描写から生まれる悲壮で静謐な雰囲気は流石である。文体は比較的重厚で「猫」や「坊ちゃん」などから受けるような飄軽な印象はあまりない。

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    2009年10月04日
  • 二百十日・野分(新潮文庫)

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    一人坊っちは崇高なものです、とさ。
                                                                                                    誰かと違うことをするなら、誰もやったことのないようなことをするなら、ほかの人からどう見られようとも気にしちゃいけないのよ。

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    2009年10月04日
  • 彼岸過迄

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    2006. 春〜12. 09.
    ようやく連載小説のなんたるかが分かってきました。
    つまりは作者自身も書いててどうなるかわからないのですね。
    おもんないから放置していたら
    千代子に対する市蔵の感情の告白から俄然盛り上がった。
    これはちょっと我ながらビックリした。

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    2009年10月04日
  • 門

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    『三四郎』『それから』に続く、三部作最後の作品。ぱっとみ個々の物語は完結したようにも見受けられますが、まだ根本的な解決には至っておらず、将来的にも影を残したまま物語が終わります。

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    2009年10月04日
  • 行人

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    心と現実世界が乖離していく先にどのような結末があるのか。『こころ』における結末とは異なる可能性があることを感じられる作品です。

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    2009年10月04日
  • 彼岸過迄

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    短編が連なって長編をなすという形式の作品で、いわゆる新三部作の第一作目。
    物語の視点が何度が変わるものの、基本的には須永君の恋愛物がメインにあります。
    嫉妬に関する部分が個人的には印象に残っています。

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    2009年10月04日
  • 坊っちゃん

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    最初に読んだのは小学生の時。今回再読。”親譲りの無鉄砲でこどもの時から損ばかりしている。”この出だし以外ほとんど内容忘れていた。lastそこで終わるのー!?と思わずつっこみたくなる。もっとマドンナや赤シャツ野だとの決戦後について話は盛り上がるかと思っていたらあっさりめだったから・・。でも文章や登場人物に勢いがあって、何よりあっけらかんとしていて好きだ。

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    2009年10月04日
  • 行人

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    漱石の精神が衰弱していた頃に書かれたといわれている作品。人の何を疑い、何を信じれば良いのか。この作品こそ人間本来の姿を描いているのではないだろうか?その心理描写に圧倒されます。“自分は女の容貌に満足する人を見ると羨ましい。女の肉に満足する人を見ても羨ましい。自分はどうあっても女の霊というか魂というか、いわゆるスピリットを攫まなければ満足ができない。それだからどうしても自分には恋愛事件が起こらないのだ。(行人より)”

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    2009年10月04日