夏目漱石のレビュー一覧
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大学の教授が「最近は夏目漱石や森鴎外も『古典』扱いで、若い人はどうも取っつきにくいと感じているようだが、そんなことは無い。日本語表現の勉強にもなるから是非読んで欲しい」と講義で仰られていたので、意識してこれら「古典」作品も読むように心がけてます。
実は私は夏目漱石の作品をこれまで一度も読んだことがありませんでした。
いくらなんでも『吾輩は猫である』『こころ』くらいは読んだことがあるだろ?と言われそうですが…本当なんです。
あ、でも『吾輩は猫である』は中学の時にチラッと読んだことがあるようなないような…。
でも全然ストーリーを憶えてないので読んでないのと同義ですね。(苦笑)
というわけでこの -
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初期の漱石の、ちょっと幻想のかほりのする作品を集めた短編集。夢十夜だけじゃなくて文鳥も永日小品も面白いよ。と書きつつ、今回はまだ読んだことのなかった「京に着ける夕」と「倫敦消息」と「自転車日記」だけを読みました。あと誕生日に夢十夜。
「京に着ける夕」は、特にこれといった事件もない淡々としたエッセイでしたが、いかに漱石が子規のことを大事に想っていたかというのが非常によくわかる小品だなあという印象。かつて京を共に旅した時のことを頻繁に回想して、寂しくて冷たい京で、ひっそりと、もうこの世にはいない友人を想う。漱石の孤独感が伝わってきたわー。うん、そして漱石は子規のこと好き過ぎw
「倫敦消息」は前々か -
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また一冊の御伽噺読み終わったね。 この間鴎外先生の本も拝読してるので、少し妙な気もする。 漱石先生と鴎外先生、果たして真に火と水の如しかしら(笑) まあ、二人とも外国語堪能、哲学好み、自然主義に反対であったのは確実だけど。 今度も面白いこと満載、中世期のユーロストーリはいつもロマンチック染めた小舟のように心を揺らせる。 中にも「一夜」とゆ意識流の小品、訳分からない三人揃って、訳分からない言葉を交わして、幻か真実かともかく清美の上に一理ある。 それに「趣味の遺伝」も随分面白かった。 めちゃ変わった愛情観点を示しても、ただ諧謔で滑稽なんぞとは言えない程度、さすが漱石先生。 次は我輩は猫であるを買い
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<女性というものに哲学的な懐疑をもつ一郎は、弟に対する妻の愛情を疑うあまり、弟に自分の妻と一と晩他所で泊ってくれと頼む。知に煩わされて、人を信ずる事の出来ない主人公の、苦悩と悲哀と、寂莫と、それにさいなまれる運命的生活が描かれる。漱石の実人生と作品との交渉が問題にされる作品。大正元―2年作。>一郎の友人のHさんの手紙にはかなり心を打たれた。Hさんの登場は物語の後半部分なので、そこを待つまでが長いなあと思ってしまうかもしれないけれど、ほんとそこまで頑張って読む価値がある。上のあらすじを読むといかにも難しそうでなかなか手が出しがたいかんじがするけれど、読んでみると全然そんなことはない。漱石さんの文
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『それから』を再熟読したいがために『三四郎』、『門』を手にしたときと同質の動機で、『こころ』を味わいためにここから始めた。所謂後期三部作の一作目である。
ぼくが漱石の作品に寄りかかるときの最大の理由は「文章」が持つ可能性の最高到達点を確認するためである。物語に身をゆだねるというよりも言葉の力を体感したいからである。
この作品は「嫉妬」の心理状況をわれわれ読者に露呈してくれる。重厚かつ深遠な文章だけでは到達しえない嫉妬心のリアリティは、軽薄かつ浅薄な人間の性質を知り尽くした漱石の業によってのみ文章化可能である、と敢えて断言させていただく。