夏目漱石のレビュー一覧

  • 文鳥・夢十夜(新潮文庫)

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    「文鳥」目当てで読んでみた。「思い出すことなど」「手紙」も好み。小説というよりエッセイとか日記とかみたいな文章。当時の雰囲気を感じられておもしろい。「手紙」のその後が気になる。

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    2025年07月02日
  • 坊っちゃん

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    四国旅行に行く前に読んだ。
    何年か前に二宮くん主演でドラマをやっていて、登場人物の顔をそのドラマの俳優さんの顔をそのまま思い浮かべて読んだ。
    夏目漱石が楽しく勢いよく文章を書いていることが伝わってくる。実際に解説で短期間で書き上げたことを知り、やっぱりなと思った。

    わたしの中で夏目漱石といえばロンドンでの留学生活で打ちひしがれて帰ってきたという印象が強い(某裁判ゲームのせい)。
    その中で近代化の恐ろしさ、危機感、土着の文化への愛おしさが培われたんだろうなと思った。その視点で『坊っちゃん』を振り返ると、坊っちゃんの「難しいことはわからないが気に入らないからぶっ飛ばす」という単純さが、漱石が近代

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    2025年07月01日
  • タナトスの蒐集匣 -耽美幻想作品集-(新潮文庫nex)

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    総題の漢字よし。
    収集箱じゃつまらない、蒐集函なのだ。
    カバーイラストも素敵。
    新潮文庫nexというレーベルで、ヤングアダルトにこの作品たちを差し出した編集部、GJ!

    ■坂口安吾 桜の森の満開の下
    既読を再読。

    ■芥川龍之介 影 ★
    初読。
    芥川といいえばドッペルゲンガーなのでそういうことかと中盤で思わせておいて、ラストなんと映画だった? 夢だった? というオチ!
    しかもそれすら真実かどうか不明な放り出し方。凄い。
    しかし、「歯車」でも感じたことだが、狂気に飲み込まれそうな感覚を、それでも作品化「しちゃえる」ことが、逆に悲劇だったのかもしれないと考えたりもした。

    ■江戸川乱歩 芋虫
    既読

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    2025年06月24日
  • 虞美人草

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    うひー、ドロッドロ。『こころ』もそうだけど、夏目漱石の愛憎劇って容赦なくていたたまれない。小野はそこまで良い男には思えなかったけども。王子様っぽい優柔不断な優しい男は何だかんだで良く見えるんだろうか…

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    2025年06月05日
  • 坊っちゃん

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    昔の小説っていうものはどこか堅苦しいつまらない文章であるという固定概念があった。けど坊ちゃんは捻くれた奴で不器用な男でこんな人物像が昔に描かれてたんだーって思った。思ったよりも面白いし彼なりの正義感というものも垣間見れて応援したくなる。継母だっけ??との優しさに包まれた関係も良い。授業で読んだ。

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    2025年06月03日
  • こゝろ

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    ひたすら語り口調で人の心情の動きが緻密に描かれており、終始暗雲の雰囲気だが、すらすらと頭の中に入ってくるのは、上中下という物語の構成が面白く、そして流れるような文章によるものなのだろうか。

    話しは共感できなくはない。心の動きがそのようになるのも良く分かる。でも、最初から最後まで私、先生、そしてKの視野が狭いように感じてしまうし、あまりに生真面目に思い詰めすぎに感じる。
    時代の影響なのだろうか。当時の方たちはそれほど高尚だったのだろうか。
    読みながら、誰も悪くないよ、人間ってそんなもんだよと言ってあげたくなった。

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    2025年06月03日
  • 道草(新潮文庫)

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    坊ちゃんの痛快さや、こころの男心のナイーブさを味わった上でこれを読むと、話の飛躍さにビックリする。
    育ての親から金をせびられ、それで終わりかと思うと知人を名乗る者たちまでもが金を恵んでくれと擦り寄ってくる。
    まるで乞食のようだ。

    完全なフィクションではなく、夏目漱石の実体験に基づいているとすれば、彼はなんと複雑な人達のいる環境で育ってきたのだろうか。
    養子として迎え入れた子供が大きくなると、育ててあげたと恩着せがましい態度をとる養父母たちに嫌悪感を抱く。
    人を変えて金をふんだくろうと策略する養父がいちばん嫌いだが、細君が病んだことに腹を立て、自分本位に振る舞う主人公にも嫌気がさした。

    あれ

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    2025年05月29日
  • 硝子戸の中(新潮文庫)

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    漱石がこれまでにあったことや考えたことを、つらつらと書き綴るエッセイです。

    講演の謝礼の話は、拗らせていますねぇ。言わんとしているとはわからなくはないですが、本当に面倒くさい。こうして本で読む分には楽しいですが、実際相手にすると疲れるでしょうね。

    岩崎弥太郎の話も面白かった。不愉快だといいながらも、どことなく友情を感じるんですよね。実際に所はどうなのかは分かりませんが。

    ヘクトーや飼い猫の話は、漱石のツンデレ加減が笑えます。「文鳥」でもそうなんですが、動物に対してすら素直に心を開けないところが、ある意味かわいらしさを感じます。

    「道草」を陰とすると、「硝子戸の中」が陽のような感じを受け

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    2025年05月18日
  • 乙女の本棚8 夢十夜

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    これは読む人の年代で評価は大きく分かれそう。絵が若い人向け。
    漱石の「夢十夜」を初めて読む人にはいいのか。いや、よくないようにも思えるな。もっと美しかったり、不気味だったり、ユーモラスだったりするもんな。

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    2025年05月06日
  • 坊っちゃん

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    けっこう真っ直ぐで突き進む教師坊っちゃん。山嵐や赤シャツなど、さまざまな登場人物がいたがやりとりが面白かった。夏目漱石はこちらの小説をものすごいスピードで書き上げたらしいが、そういう感じはする、小説に勢いがあるので。

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    2025年05月03日
  • タナトスの蒐集匣 -耽美幻想作品集-(新潮文庫nex)

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     耽美とは何なのか未だ理解できていないが、収録作から思うに愛憎、背徳、情念、倒錯、フェティシズム、幻想、狂気etcが入り混じったものか。そこにタナトス≒死への衝動が加味された、名だたる文豪らによる10編。

    「桜の森の満開の下」(坂口安吾)や「瓶詰地獄」(夢野久作)は本書のコンセプトをまさに体現している作品か。作家のフェチ全開「刺青」(谷崎潤一郎)、美しくニューロティックな幻想「夢十夜」(夏目漱石)、サスペンスからの意外な結末「影」(芥川龍之介)もそこに沿ったものかと。
    "美"という点では泉鏡花の「浮舟」、折口信夫「身毒丸」なのだろうが、個人的には独特の文体含め作品世界にハ

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    2025年04月25日
  • 明暗(新潮文庫)

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    「明暗」の題名は(意)。漱石が小説執筆中に芥川龍之介と久木正雄に示した漢詩のなかの語「禅家で用ひる熟字」と説明された「明暗双々」の解釈を中心に論議されてきた。たとえば小宮豊隆はいわゆる「則天去私」と結びつけて、「私の世界」とそれを超越した「天の世界」と明・暗と考え、禅語との関りに消極的な荒正人は、登場人物各自の立場や状況に応じた価値観の「明と暗の交錯」に題意を求めている。昼の世界と夜の世界、日常と非日常、現実と異界など、明と暗を分つ説は従来ささまざまだが、人間関係・因果関係に視覚的問題も加えて、見える(と思っている)ものと見えないものとの別を措定することも可能だろう。諸説それぞれに異同はあって

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    2025年04月20日
  • タナトスの蒐集匣 -耽美幻想作品集-(新潮文庫nex)

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    なかなか手を出すのを躊躇ってしまう、私にとってはハードルが高いと思ってしまう文豪たち。
    こういったテーマに沿ったアンソロジーは、手を出しやすく助かります。
    江戸川乱歩の「芋虫」と、太宰治の「駆込み訴え」が好きでした。

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    2025年04月15日
  • 夢十夜 他二篇

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    「夢十夜」
    もう何度も読んでいるけれど、やはり第三夜の印象は強い。
    この気味の悪さ、リアルな夜の手触り。
    自分もその静けさに包まれているかのように感じる。
    第六夜もよく覚えている作品。
    子どものときに読んで、いや、木に埋もれているわけではないだろう、と、笑った記憶がある。
    なんとなくただよう気味の悪さの裏に、人間の感情や情念がちらちら見えて、正しく夢のかけらを集めたかのような作品群だと思う。

    「文鳥」
    美しい文鳥と、それに対する心の動き・流れが、水のように流れ込んでくる、そんな文章だった。
    文鳥を死なせてしまったときの彼の心が、そのしんとした行間からあふれてくる。
    「あふれる」という表現では

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    2025年04月09日
  • 坊っちゃん

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    読もうと思いつつも積読を続けていたが、ふと思い立ち読むことにした。夏目漱石の代表作とあっては期待したが、紙面びっしりの文字と、古めかしい言い回しには苦戦した。赤シャツの性格が非常に狡猾であったことが印象に残った。この作品が名作たる所以は一体何であろうか。機会を見て再読し、この問いを解決するのが良いだろう。

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    2025年03月14日
  • 坊っちゃん

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    主人公が竹を割ったような性格で読んでいて大変爽快だった。話の筋も勧善懲悪ものでよい。
    赤シャツ、野だみたいな人はどこにでもいるよね。

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    2025年03月13日
  • 作家と猫

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    猫好きにしかわからないお話の数々

    うんうん、そうだよね〜という話もあれば
    えっ?そんな猫がいるの?という話も。

    猫の魔力に引き寄せられた作家さん達の短編集

    特に印象的だったのは

    佐野洋子さん、伊丹十三さん、三谷幸喜さん。

    続編もあるので読んでみたいな

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    2025年03月10日
  • 門(新潮文庫)

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    ぼやかして書いてある部分が多いものの、結構内容は深刻な感じ。漱石はやはり一度読んでわかるようなものではないかもしれない…。

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    2025年03月09日
  • 夢十夜 他二篇

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    夢十夜は暗めだけど、やはり漱石の文章はいいな。ただ文鳥は、時代が時代なのは分かっているけど、動物虐待だよ…と悲しくなった。永日小品が良かった。

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    2025年03月06日
  • 三四郎

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    大学生の風変わりなスローライフが、森見登美彦作品感あって好きだった!

    途中から与太郎は小津と思って読んでた、笑笑

    また、好きな人と結ばれないオチも良いよね〜
    (結ばれるより、よっぽど深みがある)

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    2025年03月02日