夏目漱石のレビュー一覧
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新年1冊目。
夏目漱石はやっぱり風景描写が豊かだなと思った。空、木、街並み、ありふれたものを鮮やかに書いている。その描写が心情とリンクしているのが凄い。
大層難しい話なのかと身構えていたが、実家を出て上京した者が実家と今を異世界に感じ、狭い世界で生きていたなと達者になりセンチメンタルになる話じゃないかと気づいてから読みやすくなった。難しい恋でもなく、淡い恋で終わった。
原口が美禰子の絵を描いている時に言っていた、「心が外へ見世を出しているところを描く」という言葉が何故か印象に残っている。
『それから』と『門』も購入したので、読むのが楽しみ。 -
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ネタバレ授業で取り上げられた部分はほんの一部で、手紙がめちゃくちゃ長いと聞いていたので、確かめたくなって読んだ。たしかにめちゃくちゃ長かった〜〜!でも読みやすくてずんずん読めた。
不思議な先生の過去が次々と明らかになりまるでミステリーみたいで、しかも先生のずるさも明らかになって、人間って...と思わされる。流石にずるすぎやしないか。でもあんなに嫌悪していた叔父と同じだと気づく場面はぐさっと来て、誰しも同じ側面があるんだと突きつけられているよう。
唐突に終わってしまったのが残念。これから妻は大丈夫なんだろうか。そして私はお父さん放ってきちゃって本当に後悔しないのか...
ぶっちゃけ、なんでこんなに名作と -
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『こころ』を再読することがあったので、それを機会に後期三部作を読んでいこうということで読んだ。
裏表紙の「愛する妻が弟の次郎に惚れているのではと疑い、弟に自分の妻と一晩よそで泊まってくれと頼むが…。」を見てから読んだせいで、「そんなエンタメ的な話なのか…?」と疑い疑い読むことになった。
話の要所要所にある三沢と娘さんの挿話や父の語る目が見えなくなった婦人の挿話、貞の結婚、仲の良い岡田夫婦といった多様な男女の仲が出てくるが、それが一郎の内省にどう響いてるのか…?
また、二郎視点で進んでいくため、二郎を主人公として読んで、二郎の元気がだんだんなくなってくると雲行きが怪しくなってくるようで、読んで -
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ネタバレ純文学は芥川と太宰はよく読んでいたが、夏目漱石は有名作品すら知らなかったため、まず初めにこころを手に取ってみた。
一人称で書かれている男がこの物語の主人公ではなく、先生と呼ばれている男がメインの話となっている。
この先生、読めば読むほど自己中心的な人間で、まず人を信用しない理由として信頼していた叔父に裏切られたことがトラウマになったと言っているが、幼く無知であった自分が財産全てを叔父に託していたことが原因でもあるし、友人を死なせた理由もあまりに身勝手。
下宿先にkを招く前に、奥さんは少なからず予感して止めたいたにも関わらず強引に呼び込み、挙げ句下宿先の娘を好きになったと告白したkに焦って、今 -
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『神様のカルテ』の主人公、一止先生がいつも読んでいる『草枕』が気になって、読んでみた。
『神様のカルテ』に草花の描写が多い理由がわかった。『草枕』の影響だなと。作者の夏川草介さんも夏目漱石が大好きで、一止先生と同じように『草枕』ばかり読んでいたに違いない。
『草枕』は、画家の目を通して語り、絵画のような小説だった。椿の描写は特に美しく、印象に残った。
私は、夏目漱石の『こころ』がめちゃくちゃ好き。一方で、夏目漱石の作品はほとんど読んでいない。『坊ちゃん』は登場人物もストーリーも知っているけれど、いつ本を読んだのか、全く記憶にない。読んだのが、子供の時だったから記憶にないのかもしれない。『 -
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亡くなる約五年前に関西近畿を巡り講演した時の内容を書き記したもの?原稿?とにかく、
一回目の明石講演「道樂と職業」、
二回目の和歌山講演「現代日本の開化」、
三回目の堺講演「中味と形式」、
四回目の大阪講演「私の個人主義」、
以上四篇を収録。
メモ
第一篇「道樂と職業」
p.23
「……開化の潮流が……進むほど……職業の性質が……分かれるほど、我々は片輪な人間になつてしまふ……。……商賣が……專門的に傾いてくる上に、生存競爭のために……その方だけに時間と根氣を費やしがちで……、お隣り……や一軒おいたお隣の事が皆目分からなくなつてしまふ……。……吾人の社會的知識が狹く細く切り詰められるので、