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さあ、きょうからおれも一人前の先生。張り切って着任した中学校だがまわりの教師が何だか変だ。臆病だったり、嘘つきだったり、小うるさかったり、いったい誰がまともなんだい――? 正義感あふれる主人公が、同僚の婚約者を汚い手を使って奪い取ろうとする教頭を徹底的に懲らしめるまでの顛末を痛快に描く。漱石の作品中、もっとも愛読されている一冊。
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Posted by ブクログ
夏目漱石が「坊っちゃん」を発表して、今年で120年になるのだそうです。 それを記念して、先頃、新潮文庫から愛媛県イメージアップキャラクター「みきゃん」の特別カバー版が期間限定で発売されました。(ここではお示しできなくて残念) キャラものが好きなわたしが飛びつかないはずもなく、見るなり購入しまし...続きを読むた。 で、いつ振りだか分からない再読をしました。 世の中が大きく変わったせいか、今読むとコンプライアンス的にどうなんだろうという出来事満載ですw これも再読の妙というものかもしれません。 自他ともに認める無鉄砲な坊っちゃんは、父の死後、兄から600円をもらって物理学校に入り、1年で200円ずつ使って3年後に卒業し、四国の中学校の数学教師になります。 そして、いろいろな出来事に巻き込まれて(巻き込んで?)いくわけですが、赴任早々の職員室のシーンで面白い指摘がありました。 「授業はひと通り済んだが、まだ帰れない。三時までぽつ然と待ってなくてはならん。 ~中略~ いくら月給で買われた身体だって、あいた時間まで学校へ縛りつけて机と睨めっこさせる法があるものか。」 で、それを同僚の山嵐に訴えたら、山嵐はこう言います。 「君あまり学校の不平を云うと、いかんぜ。云うなら僕だけに話せ、随分妙な人も居るからな。」 山嵐先生としては、同じ数学教師仲間として、坊っちゃんと他の先生方との間に立ってジレンマを感じていたことでしょう。はい、ヤマアラシのジレンマですw 現代人のわたしとしては、明治時代から、こういう会話が存在してたんだぁ~、と嘆息しました。 みなさんは、どう感じられるでしょうか? と、いうわけで、「みきゃん」のカワイイ特別カバーで読んでみませんか♡ 本屋さんで見つけたら、ぜひ、お手にとってご覧ください♡
面白い。 最近自分の中で漱石ブームが再来しているので読み返しているが、『坊っちゃん』は漱石作品の中でも群を抜いてユーモアに溢れている。 中学生の頃に読んで、内容はまったく覚えていなかったが、こういう本があったから漱石を読んでいたのだと思う。 主人公の「坊っちゃん」は、非常に素直、健康、ワンパクな青...続きを読む年であり、そして何より「江戸っ子」である。この健やかな精神をもった主人公がまず読者を惹きつける。読者は彼に、俗的で欺瞞まみれの世界をぶち壊す、ジャンプのヒーローのような活躍を期待しながら眺める。この作品のユーモア的な、俗的な世界を描きながらもどこか快活なところは、ひとえにこの主人公の確たる人格あってこそであり、読んでいて非常に面白く、魅力的な人物である。 主人公はひょんなことから愛媛の数学教師に雇われる。そこで出会ったのは、校長の狸、教頭の赤シャツ、相棒の山嵐、生真面目なうらなりくん、ズル賢い野だ、数多引く手あるマドンナ等々。大部分は「坊っちゃん」によってネーミングされたあだ名であり、文字通りの「愉快な仲間たち」である。 こうしたあだ名は、登場人物の人となりを、ユーモア的、風刺的に、そして的確に表す「代名詞」になってる。本書は江戸っ子の「俺」によって語られる一人称小説ではあるが、「俺」自身も題である「坊っちゃん」という代名詞を、例外なく有していると考えられる。 最後に内容について、一見この小説は古き良き「勧善懲悪」的なテーマをもっており、外部からやってきた主人公や山嵐は手を組んで、裏で権力濫用、悪事を働かす赤シャツや野だを打倒する話である。しかし読み終わってみると、この小説が真の意味で「勧善懲悪」であるとは言い難い。最後に主人公たちが赤シャツたちに下した制裁は、社会的なものでもなく、個人的暴力的な、ただの腹いせである。(もっとも、山嵐はともかくとして、こうした腹いせが「俺」には最も似合う制裁であり、逆説的に成り立っているように見えるところも、面白い) 本書末尾の「解説」を読んでみると、この「勧善懲悪」の不完全さについても指摘されていて、それによると、「坊っちゃん」は漱石の持つ前近代(的価値観)を象徴しており、近代のもつ欺瞞に対抗しつつも、最終的には「前近代の敗北」なのであるという。これには読んでいてなるほどと思わされた。また、中学生の頃はここまで考えるはずもなく、再読の醍醐味を改めて感じた。
テンポがよく、夏目漱石の小説としては珍しく一気読みできた。 世の中に対する悪口を言う天才だなと思う。 ストーリー性があり、最後は一応スカッとする。 清が、プリズンホテルの清子と被った。偶然なのかもしれないけど、無償の愛=清、という字が相応しいのだろうか。
楽しかった 坊っちゃんの生き様には惚れる 夏目漱石の凄さも改めて知れた 人間模様をここまで表現できるってすごい
坊ちゃんの裏のない単純な性格にスカッとさせられる。山嵐や坊ちゃんのようにカラッとしているような人間には田舎は向かない。先生たちのあだ名が面白かった。山嵐、赤シャツ、たぬき、野だ、後半三人には悪意がありそうだけど、山嵐はいい意味のあだ名に思えた。 清のことを手紙の長い婆さんだ、少しのお金で家が持てる...続きを読むと思っているとか、色々言ってるが、坊ちゃんは本当に清が好きなんだな、と思った。
近代文学で唯一5回も読み直した作品。 自分も坊っちゃんほどではないが自分の信条にそぐわない物事に折れない主義であり、生きづらさを感じることもあるがそれは自分の好きなところでもある。曲げずに生きようと思う。
50歳を過ぎて遅ればせながら読み始めた夏目漱石の読んだこと無くてもタイトルは知っていた本書。 アガサ・クリスティのタイトルが好きな私には『坊っちゃん』というタイトルに興味を惹かれなかったという阿呆みたいな理由で未読でしたけど、なんとなく想像していた内容であろうはずもなく、主人公は、なんて危なっかしい...続きを読む思考回路でそれでいて憎めない主人公なんだ。読み始めたら止まらない人物描写の嵐。私のような単純な人間は、やっぱり清が好きになるし、赤シャツと野田に怒りと憎しみを感じるし、山嵐には、ごめんって思う。そんな風に感情移入を余儀なくされるのである。 きっと、数多の素晴らしい感想が生まれたであろう名著に未熟な読者の感想なんておこがましい話です…。 ただ、新潮文庫の紙の本で読むと巻末に夏目漱石氏の年表もありまして、夏目漱石氏が養子に出されて、最終的に夏目家に戻る流れが淡々と年代と共に書かれているのを読み、その家族の移り変わりを子供時代に見てきた事はどれ程の観察力を培ったのだろうと考え深い。
夏目漱石『坊っちゃん』新潮文庫。 何度目かの再読となる。最近、関川夏央と谷口ジローの共著『『坊っちゃん』の時代 』を第一部から第五部までを再読し、後書きと解説で関川夏央と川上弘美が揃って『坊っちゃん』は哀しい小説だと評していたのを読み、内容を再確認したくなった。 因みに最初に『坊っちゃん』を読ん...続きを読むだのは小学校低学年の頃である。父親が会社帰りに毎月1冊ずつ刊行の度に購入してくれた世界の文学なる分厚い全集に収録されていたのだ。子供向けの全集なので、平易な文章で書いてあったと思う。その後は何度か文庫本でも読んでいる。 主人公の坊っちゃんは、兎にも角にも何処までも一本気で融通の効かぬ反骨精神の塊のような青年である。両親にも兄にも疎まれ、『親譲りの無鉄砲』と言い訳しながら後先を考えぬ行動ばかりをする坊っちゃんは自分の気質を理解していながら、行動を改めることが出来ないのだ。そんな坊っちゃんの唯一の理解者は下女の清だ。清は事あることに坊っちゃんを褒め、影に隠れて自分の給金で菓子やら足袋やらを買い与える。 坊っちゃんは両親を亡くし、兄にも半ば見捨てられ、勢いで物理学校を卒業するなり、清に別れを告げて、四国に中学の数学教師として赴任する。東京に比べれば明らかに田舎の四国では生徒たちに行動を監視され、彼らの稚拙な悪戯に閉口し、校長や教頭、仲間の教師ともなかなか馴染めないままに見知らぬ地で孤軍奮闘する坊っちゃん。 やがて反骨精神の塊の坊っちゃんも、周囲の愚劣、無気力などに反撥し、職をなげうって東京に帰る。『坊っちゃん』は、一本気で不器用であることが故に滑稽に見えるのであり、余りにも正直過ぎて、普通に生きることが下手な男の哀しい敗北の物語を絵がいているのだ。 勧善懲悪、正義は勝つと言うのはテレビドラマや映画の中だけで、何時の時代も悪者が得をし、しぶとく生き残るのだ。清く正しく生きる精神は大昔から培われて来た日本人の美徳であるが、哀しいことにそれが得とはならないのだ。坊っちゃんはそれを知っていながらも敢えて一本気な不器用な生き方を選択しているようにも見える。 本体価格310円(古本100円) ★★★★★
話が早速本題から逸れるが、「ちょっと」を「一寸」、「つもり」を「積り」と表記しているのが特徴的。「失敬千万」は云いたくなる言葉。 はじめて全体を通して読んだが、田舎というか大人の社会の闇を痛烈に批判する、極めて風刺的な内容に受け取れた。夏目漱石自身の実体験にもとづいているため、本人も人間不信で義理堅...続きを読むく不器用な面があったんだろう。「坊っちゃん」というのは、実家に仕えていた奉公人(侍女)である「清」が主人公を呼ぶときに用いた呼称。自分が唯一心の底から敬愛し心を許せる存在が彼女であり、その言葉は彼を彼たらしめるアイデンティティーであり、江戸っ子としての矜持だったろう。純粋さや素直さ、正直さは「子供」「剛情っ張り」と否定され、子供に正義を説き教育を施す当の教員は言行不一致。本音と建前、矛盾、虚勢、虚偽、謀略、陰湿さと狡猾さに満ちている。そういった社会のダークサイドを、江戸から四国への旅、いつもコソコソしている「赤シャツ」「のだいこ」との激闘、「山嵐」との共闘、そして四国からの里帰りと「清」との束の間の再会で鮮烈に描く。「のだいこ」に卵をぶん投げたシーンが印象的だった。完全な勧善懲悪、信賞必罰かと思えば、お人好しの「うらなり」こと古賀先生は「赤シャツ」にNTRれた上日向延岡に飛ばされるという悲劇を迎える。主人公も古賀先生も義理人情を全うするが、真っ直ぐすぎる奴は出し抜かれ騙され損をするといういたたまれなさがこの物語を支配している。読んでいて終始ムズムズイライラした。「乗ぜられぬよう用心せよ」という忠告は、「出る杭は打たれる」日本社会を如実に言い表している。
とても読みやすい。親譲りの無鉄砲で子供の時から損ばかりしている、とお馴染みの文言から始まる。 彼の根底にあったのはきっと清の存在だと思う。清がいつも褒めていてくれたから、彼は横道に逸れずに愚直すぎるくらいに生きられたのかなと。 そして中で描かれる人間模様は今にも通ずることばかり。親切そうな人がそうで...続きを読むはなく失敬な人が意外に理解者であったりする。上に媚びへつらうもの、自分の地位にふんぞりかえる人。うらなすこと古賀くんが何を思っていたのか知りたい、マドンナも。どれも第三者からの描写しか得られない。
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