夏目漱石のレビュー一覧

  • 道草

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    ネタバレ

    【概要・粗筋】
    健三の前に十五、六年前に縁を切った養父・島田が再び姿を現した。第三者を通してまた付き合いを持ちたいと頼まれた健三は、内心では嫌がってはいても、断る理由がないため承諾してしまう。健三は、島田の出現により親族間のゴタゴタに巻き込まれていく。1915年発表の夏目漱石の自伝的小説。

    【感想】
    神経衰弱で頭でっかちな健三とヒステリックな妻御住のチグハグですれ違い続ける夫婦関係が可笑しい。腹の中ではいろいろ思っているくせにお互いそれを語らず、相手の悪いところばかり見てしまう冷え切った夫婦関係とも云えるのに、子作りはちゃんとしているのがさらに可笑しい。私は家庭喜劇として読んだ。

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    2011年06月26日
  • 門

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    横町の奥の崖下にある暗い家で世間に背をむけてひっそりと生きる宗助と御米。「彼らは自業自得で、彼らの未来を塗抹した」が、一度犯した罪はどこまでも追って来る。彼らをおそう「運命の力」が徹底した映像=言語で描かれる。

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    2011年07月28日
  • 二百十日・野分(新潮文庫)

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    野分の主人公の理想主義者,白井道也は文学者としての理想を貫くべく,現実から背を向けた生活を送る.あまりにも潔い生き方.この人物を漱石はある肯定感を持って描いている.(彼からみると,私などは現実に妥協を重ねる卑怯な生き方をしている人間ということになるのだろう.)その理想は美しく力強いが,一方でそれは生活という現実と関われない,明治の知識人の特有の不健全な精神とも現代の目からは感じられてしまう.
    漱石の自筆原稿の細かい神経質な字が何度も目に浮かんだ

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    2011年06月14日
  • 草枕

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    難しくて理解できなかった本は久しぶりである。

    非人情の旅を目指し放浪する画工の話。
    旅先で出会うミステリアスな女性那美さん。彼女がこの物語のトリックスターであるのは間違いないが、あまりにミステリアスすぎる。

    ラストの爽やかさは名状しがたい、二三度読むか、あるいはもう少し成長してから読むべき作品だったかもしれない。

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    2011年05月09日
  • 坊っちゃん

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    ちゃんと読んでいなかった名作一気読み。実家本棚で茶色く変色した昭和25年初版の文庫。文字フォント小さく、旧仮名遣い。坊ちゃんて、こーゆー話だったのか。

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    2011年04月30日
  • 吾輩は猫である

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    有名中の有名とでも言うべき、夏目漱石の代表作のひとつ。今まで読んだことがなかったので読んでみたが、ストーリーらしいストーリーはない。作品全体を通して訴えたいことといった、主題らしいものも読み取れなかった。猫の目を通して人間社会を批評しているといった感もあるが、ささやかな冷笑程度の批評にとどまっているように思える。
    読み終えて、あまり心にのこるものはなかった。

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    2011年04月29日
  • 草枕

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    筋を追っていくと辛いが、細部に目を凝らしてみると文章が美しい。
    青味を帯びた羊羹の描写、那美さんが鮮やかな振袖を着て行きつ戻りつする描写、深山椿の艶然とした毒婦の描写が印象的だった。
    画工が云うように適当に開いて文章を眺めてみるほうがいいのかもしれない。

    55,78,86,125

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    2011年04月03日
  • 草枕・二百十日

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    俗世間を逃れて旅をする青年画家の前に、那美(なみ)という美女が現れる。俗世を離れた「非人情」を描いた物語。

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    2011年01月09日
  • それから

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    夏目さんの主人公ってみんなそっくりだね。
    これはBUNGOじゃなく原作でいつかは読まなくては、と思った。恥
    漫画じゃ表現しきれてない何かを感じたので。

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    2011年01月03日
  • 坊っちゃん

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    星は三つだけど
    清に危うく涙しそうになった。
    坊ちゃんがちゃんと清を大切にしてくれて良かった。
    私はこういうキャラに弱い。

    ストーリーとしてはシンプルで特に目立ったことはないのだけど、
    夏目漱石は文章がきれいで読みやすい。
    そして作品全体に品があって美しい。
    流れている時間が違う。
    最近のインパクトばかりをウリにしている本を読んで
    「本好き」を自称している人に読んでいただきたい。

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    2019年01月16日
  • 坊っちゃん (新装版)

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    借本。
    小学生の頃読んだ事があり、感想の違いを感じたくて再読。
    当時の感想と、今の感想が逆転したのには驚いた。
    まだ未読の方は、面白いので是非!

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    2012年12月29日
  • 坑夫(新潮文庫)

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    女がらみの問題で家を飛び出した青年が、ポン引き屋につかまって坑夫になろうと炭坑へ行き、そこで最下層の現実を見る…というお話。物語の筋として面白いかと言われると微妙だが、次々と変わる自分の心情に語り手としての自分が突っ込みを入れていく感じはちょっと面白かった。心情の克明な描写には漱石らしさがあると思う。「坊っちゃん」みたいな戯作風の語り口調も、まあ嫌ではないかな。

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    2010年09月10日
  • 三四郎

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    普段目にしない難解な言葉は多く出てきたものの、時代は違えど、小説の面白いものであるということを学ぶいい機会となったように思う。

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    2012年10月25日
  • 三四郎

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    始めに「それから」を読み、面白かったので三部作の第一部であるこの「三四郎」を読んだ。

    今だったらもっとウジウジした内容になりそうだけど、どっかのほほんとしているのは漱石ならではなのでしょうか?

    正直ストーリーとしては普通だと思いますが、所々に出てくる文にハッとさせられます。

    これから読む「門」が楽しみ。

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    2010年05月28日
  • 坊っちゃん

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    江戸っ子である坊ちゃん(主人公)は、真っ直ぐで誠が正義であると信じて疑わない好漢。彼が四国の中学校に赴任してから東京に帰ってくるまでの話。

    周囲の人物との人間関係や事件に飛び込んで(巻き込まれ?)いき、悪の赤シャツと取り巻き野だを懲らしめ、ようようと東京に帰る部分で終わっているので、快い勧善懲悪ものに見える。
    しかし、坊ちゃんの真っ直ぐすぎる気性やら信念やらが無教養とあいまって、正しさのなかに滑稽さが見えました。

    面白かったですが(^^)

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    2010年03月08日
  • 倫敦塔・幻影の盾(新潮文庫)

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    授業で用いた作品が入っていたため。

    もともと「アーサー王物語」が好きだったので、登場人物などの予備知識は前もってあったものの・・・やはり文語は難しい!
    しかし漱石持ち前の文章の流麗さはさすが輝きを失くさない。うつくしい日本語の流れが、そのままわたしの頭の中に流れ込みながら古の緑深いイングランド潤すせせらぎとなっていくように感じた。この漱石版と本場のアーサー物語は、なにか奥ゆかしさや古めかしさといった共通した雰囲気をまとっているように感じられてならない。

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    2010年03月06日
  • 坊っちゃん

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    ネタバレ

    2010 2 12

    古典文学でも読もうと思って挑戦!
    人から泣ける話だと聞いて読んでみたけど、何だかんだで泣けるというよりかは坊ちゃんの性格が笑えるなと思った。

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    2012年02月20日
  • 草枕

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    リアリズムという方向から芸術を捉えている人との初めての出会いで、戸惑いました。
    この時期ちょうど岡本太郎を読んでいて、彼の爆発という言葉で表現されるような、力強さや情熱が、夏目漱石のほっそい線から感じることができなくて、こういうのって芸術というんだろうか、と認識のレベルで考えてました。

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    2010年11月04日
  • 坑夫(新潮文庫)

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    昔よりは漱石が読めるようになってた。
    でも、やっぱり、読みにくかった!うわー!

    人間の性格が身体と同じようにまとまってると思ったら大間違いだぜ!って考え(無性格論)には同意できるけどね。

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    2010年01月19日
  • 二百十日・野分(新潮文庫)

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    二百十日…圭さん碌さんのユーモアのあるかけ合いがとても楽しい作品。野分…漱石の小説にはしばしばあることだけれど、過去の自分(享楽)、現在の自分(悲壮)、こうなりたい未来の自分(泰然)の像が現われる。この作品にはその三像全てが現われていたのが印象的でした。

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    2009年12月02日