夏目漱石のレビュー一覧
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明治33年10月より2年間漱石は英国に留学した。どこに行っても日本人がうようよ状態の現在と違って、当時は海外で生活する日本人は少なく、とても心細かっただろうと想像される。
元々神経質だった漱石は「英国人全体が莫迦にしている。そうして何かと自分一人をいじめる。これほど自分はおとなしくしているのに、これでもまだ足りないでいじめるのか」と思い詰めるほどの神経衰弱にかかってしまい、周囲の者に心配を掛けていたという。
しかし、この外国生活は作家としての漱石に大きな影響を与えたのは間違いない。 というのも、漱石は明治38年一月の「ホトトギス」に「吾輩は猫である」の第一編を発表して小説家としての第一歩 -
Posted by ブクログ
漱石の三部作よりも、こっちの作品の方が気楽に読めますね。『坊っちゃん』みたいな痛快なストーリーではありません。
『吾輩は猫である』『坊っちゃん』に次ぐ、
夏目漱石初期の作品ということです。
かなり難しい言葉が並んで、注釈の量も膨大でした。
それでも読んでいて面白かったですねぇ。
はっきりした筋があるわけでもないんですが、
かえってその方が小説の中の世界の広さを感じました。
>智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。
>兎角に人の世は住みにくい。
と1ページ目から、世間に対して嘆息のような断じかたを
している主人公ですからね。
そういった窮屈さから逃れた小 -
Posted by ブクログ
ネタバレ【概要・粗筋】
健三の前に十五、六年前に縁を切った養父・島田が再び姿を現した。第三者を通してまた付き合いを持ちたいと頼まれた健三は、内心では嫌がってはいても、断る理由がないため承諾してしまう。健三は、島田の出現により親族間のゴタゴタに巻き込まれていく。1915年発表の夏目漱石の自伝的小説。
【感想】
神経衰弱で頭でっかちな健三とヒステリックな妻御住のチグハグですれ違い続ける夫婦関係が可笑しい。腹の中ではいろいろ思っているくせにお互いそれを語らず、相手の悪いところばかり見てしまう冷え切った夫婦関係とも云えるのに、子作りはちゃんとしているのがさらに可笑しい。私は家庭喜劇として読んだ。