夏目漱石のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
過去に何度か投げ出したが、今回は何とか通読できた。
別に大文豪の作品にケチをつける気はないが、最後まで読み通すのにかなり苦労した。さして意味のあるとは思えぬ饒舌、皮肉。ユーモアがあるという人もいるが、今の時代ではいかんせん古臭い。時代で仕方ないのだろうが、女性蔑視的な箇所が間々出てくるのも気になる。
人間と社会の洞察に深みを感じるところもあるが、やはり、この小説、猫の視点から人間を見たおかしさ、バカバカしさに尽きる。
この作品、中高生に勧める教師も多いのかもしれないが無理がある。それなりの人生経験を積んでからの方が、挫折しないし味わえる。 -
Posted by ブクログ
「気をつけろったって、これより気の付けようはありません。わるい事をしなけりゃ好いんでしょう」
赤シャツはホホホホと笑った。別段おれは笑われるような事をいった覚はない。今日ただ今に至るまでこれでいいと堅く信じている。考えて見ると世間の大部分の人はわるくなる事を奨励しているように思う。わるくならなければ社会に成功はしないものと信じているらしい。たまに正直な純粋な人を見ると、坊っちゃんだの小僧だのと難癖をつけて軽蔑する。それじゃ小学校や中学校で嘘をつくな、正直にしろと倫理の先生が教えない方がいい。いっそ思い切って学校で嘘をつく法とか、人を信じない術とか、人を乗せる策を教授する方が、世のためにも当人 -
Posted by ブクログ
この小説は恐らく約40年ぶり2度目。敬太郎の同宿者・森本が語る過去と失踪事件、敬太郎が謎の人物を追う探偵談は夢の中の懐かしい!出来事のようで、読み返しても面白かったが、むしろ敬太郎の友人・須永が実質的には主人公であって、主客が代わるところが不思議な小説構造だと感じる。須永の深い悩みはいかにも漱石の世界。幼い日から母が願う結婚を意識してきた従妹の千代子。高木なる魅力的な若い男性が登場し、千代子との言葉に出さない緊張感!結婚するかどうかを決めかねているのに、所有欲?から嫉妬する知識エリートの醜さ。そこに罪として自己認識するかどうかは別として須永の葛藤がある。敬太郎が謎の人物を待ち受ける小川町交差点
-
Posted by ブクログ
ネタバレ戦前の小説は、「難しい」というよりも「まわりくどい」。なので読むのに時間がかかる。
本書は『こころ』のような悲壮感はあまりなく、呑気な雰囲気で読みやすかったが、終わり方は良くない。ついでに恐れ多くも文豪の小説に突っ込むのなら、最初の森本のくだりはいらないんじゃないかと感じた。
この話は須永夫人、田口夫人、松本の3姉弟を中心とした松本家の物語。日本の家庭制度は表向きは男系で男が嫁をもらい親の名前を継ぐ。しかし現実は女系。親戚付き合いは母親の親族と係りが深い。現代はそうだが、漱石の時代もそうだったのかと思わされた。
自分の子どもが生めないばかりに夫の愛人の子どもを育て、自分の妹の子どもを一緒 -
Posted by ブクログ
大変有名な冒頭で始まる作品。
「非人情」を掲げて主人公が田舎へ旅をする物語である。
確かにそのテーマ通りに物語が進んでいく様に思われるが、正直私には意味が理解出来ないところが多すぎ、読むのには少し早かったかなと思った。笑
ただ、所々私の普段考えていることを、的確に表している。また夥しい程の比喩には流石夏目漱石。
一つ、nice表現!と思ったものを上げる。
「元来何しに世の中に、顔を晒しているか、解しかねる奴がいる。(多少、違っているかも笑)」普段からその様に思う事があったのだが、今後はこの様に表現しようと思った。笑
もう少し年をとってから、読み直そうと思った作品です。 -
Posted by ブクログ
田舎から上京して、都会での学生生活に胸を踊らす三四郎の生活、周りの人から受ける刺激、妄想のなかでの淡い初恋を描く。
非常にピュアですがすがしい。当時の学生生活ってこういう感じだったのだろうか。文学部の三四郎、理学部や哲学科の友人たち、さぞかし優秀だったのではなかろうか。
田舎から出てきて変わってゆく部分、変わらない部分と三四郎の人間としての成長を描いている。単純なハッピーエンドではないところも良い。
登場人物が少なく、数人といつもばったりと出会う。交通機関も発達しておらず徒歩の生活圏は狭い。
漱石の文体はやや分かりづらいところもあるが、総じてさわやかで品が良い。