【感想・ネタバレ】吾輩は猫であるのレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ 2021年10月20日

毎晩スタバで少しずつ、3ヶ月以上かかってやっと読み終えました。

(私にとっては2021年の読書10冊目)
(読もうと思ったキッカケは、内田百閒先生が心酔していたから)
(夏目漱石の作品なので、岩波を選んだ)

全体の印象としては、登場人物ご一同さ、皆さん饒舌というか、多弁で、まぁよく語ること語...続きを読むること。
そのおかげで、だいぶ語彙が増えた気がします。

明治38年(1905年)から翌年にかけて書かれた作品だから、勝ったばかりの日露戦争に関連して色々な単語が出てきます。
(旅順が落ちたので市中は大変な景気だとか、征露2年目とか、乃木希典、バルチック艦隊、東郷平八郎とか)

特に印象に残ったのは、禅語とか仏教用語が、登場人物の口からいっぱい出てくること。
そして、ネコの飼い主、苦沙弥(クシャミ)先生の口からは、古代ギリシャの哲人とか学者さん達の名前やエピソードが、次々と出てくる。
漢籍(中国から入ってきた古典作品)の数々からの引用も多くて、夏目漱石の博学さに驚きました。

ゲーテのファウストやウェルテル、熊坂長範、楠木正成、ナポレオン、アレクサンドロス大王、その辺は大丈夫。
だけど、ニーチェとか漢籍とか、さらには落語からも引用してるみたいで、その辺は本当にいちいち1つ1つググっていったので、ものすごく時間がかかった。
ただただひたすら、Wikipediaと日本国語大辞典で調べまくりの3ヶ月間だった気がする。

10代の多感な思春期にこの作品を読んで衝撃を受けたという、内田百閒先生や芥川龍之介。
彼らの頭脳と感受性、どちらもマジですげぇわ。

次に何を読むか、なんだけど……
漢籍の数々をこの年齢から次々と読破して行くのはハードルが高い一方で、禅語はちょっとかじってみたいなぁと。
でも、友達がいない私には、禅語とか仏教に詳しい知り合いもいない。

漢籍と禅語をある程度おさえておくと、小津映画も理解が速くなりそうな気がする。
色々な本を読めば読むほど、あちこちで引用されてますよね。
本来なら、古事記や日本書記、イリアスやオデュッセイアや、旧約聖書や新約聖書と同じレベルで、まず最初にそっちを読んでおくべきなんだろうな。

今までろくすっぽ読書してこなかった人生を反省させられた1冊となりました。

0

Posted by ブクログ 2021年04月16日

ラストにやられました。
波があるようで波がない。猫視点の日常です。
どう終わるのだろうと思って読んでいたら、驚きました。

猫が可愛いです。猫が悟りを開いている感じです。

少し分厚いので、薄い本が好きな人は少し読むのが大変かもしれません。

ちなみに、私が初めて読んだ文学作品でもあります。

0

Posted by ブクログ 2020年02月19日

若い時に何度か読んだのでエピソードそのものはだいたい覚えているのだが、言い回しとか例えとか、文のスピード感などといったディテールが面白く、味わい深い。
また、この最近の岩波文庫版はとても読みやすい。漢字の開きも、雰囲気を壊さない程度にとどめてあるし、読みの難しいものにはほぼ必ずルビがふってある。注も...続きを読む多めかつ簡潔で気になったものだけちょっと見て理解して先に進める。
昔、新潮文庫で読んでいて億劫になって挫折してしまったことがあったのだが、問題はこの読みやすさ、だったと思う。新潮文庫の、漢字はほぼ開かず原文どおりという方針はとてもいいのだが、字が小さく行間がつまっていて圧迫感があって読んで入り込むまでに時間がかかるのと、注がちょっと少な目で気になった言葉がわからないとそこでつっかえてしまって途中で止めがち、ということが問題だったのではないかと今にして思う。新潮文庫さん、ぜひ漢字はそのままにして、読みやすいスタイルと注の充実した新版へのリニューアルをお願いします!

0

Posted by ブクログ 2019年01月28日

この小説のはじめあたりで、吾輩が「言語道断」を「言語同断」と言っているのです。
最初、誤植かと思いました。漱石ともあろう人が何故?
やがて、ある時、腑に落ちました。
これは猫が語っているのですよね、だから、これでいいのですね。

0

Posted by ブクログ 2016年04月29日

漱石のユーモアとトウェインのユーモアって似てる気がする。相手の主張をあえて受け入れてシニカルに考察するところとか。

0

Posted by ブクログ 2015年05月02日

名著、間違いなく名著。楽しく読めてしまうのにすごく深い内容。西洋の思想が入ってからの日本人の変化についての考察は本当に考えさせられた、というか烏滸がましくも同じようなことで悩んでいただけに、妙な感慨が…

0

Posted by ブクログ 2014年12月18日

夏目漱石といえば・・・
と聞かれたとき、私は間違いなくこの作品を掲げるでしょう。

猫視点で描かれる本作品は、当時非常に斬新でその後同形式の作品が多数出たという。
私はそのような意味で本作品をお勧めしたい。

時代に新たな風を吹かせるということは、ごく限られた人物にしか可能たらしめない。

特に学生...続きを読むさんにお勧めしたい作品です。

0

Posted by ブクログ 2011年01月04日

漱石のデビュー作。
意外に分量、内容ともにどっしり感が強かった。
とはいえ娯楽小説なので、あまり難しいことは考えず、サザエさんでもみる気持ちで読むのが一番面白いと思います。

0

Posted by ブクログ 2010年12月13日

誰もが知っている日本近代文学の代表作。
正直今まで読んだことがなかった自分がとても恥ずかしくなるほど面白く、唸らされる作品でした。
近代日本社会を「猫」の視点から風刺した作品です。

いつの時代でも生きている人にとって矛盾や問題はいくつもあります。
もし現代社会に我輩(猫)が存在しているとす...続きを読むるなら何と言うでしょうか?
それをゆるく描く漱石の筆の巧みさにただただ圧倒されます。
まだ読んだことのない方は是非!

0

Posted by ブクログ 2023年10月09日

 吾輩は猫である。名前はまだない。

 この有名な書き出しは知っていても、読んだことはなかった。伊集院静さんの『ミチクサ先生』を読んで、この小説をどうしても読みたくなった。
 思ったよりもずっと分厚かったけれど(岩波文庫515ページ)、漱石のユーモア、風刺を交えた文章に引き込まれた。電車で読んでいる...続きを読む最中に、面白くて思わず吹き出してしまうことも。例えば、「ダムダム弾」をめぐる攻防。
 あくびを「鯨の遠吠のよう」と書いているのも面白い。

 日常を「猫」の目から見た物語ですが、人と人とのやりとりが面白かった。しかし、あのような結末になるとは思いもしませんでした。そういうことになるとの予想はつくものの、まさか本当にそうなるとは思わず、でも、その結末もユーモアがありました。

0

Posted by ブクログ 2021年01月26日

誰もが知る超名作。人間の営みや世の真理に隠された明暗を純然たる猫の視点から解き明かすという甚だ興味深い作風。諧謔性の暴力ともいえるほどの極めてユーモラスな文体にはついつい笑みがこぼれてしまう。圧倒的会話量を以ってして迫真性を突きつけ、凄まじい熱量を感じた。細部に渡るディティールで稀代の滑稽味とリアリ...続きを読むティを紡ぎ出す漱石のメソッドには感服の念が絶えない。日本随一の文豪の源流を肌で感じ、ますます敬愛が深まった。

0

Posted by ブクログ 2020年07月04日

意外と面白かった。
まさに明治のサザエさん一家っていう感じだった。
短調でそんなに長く引っ張る必要あるのかなぁっていう場面も所々あったが全体的に苦沙弥先生や迷亭、寒月、細君らのやり取りがおかしかった。
特に泥棒に入られた時のエピソードはコントを観ているようだった。
ただ最後はちょっと残念だった。せめ...続きを読むてもっと苦しそうじゃない死に方でも良かったんじゃないかと思った。

0

Posted by ブクログ 2019年11月15日

初めてまともに夏目漱石を読んだかも。
結構読みにくかったなぁ。
でもこれは猫が語り手となっているところが持ち味なのだろう。
確かに猫が軍隊を作るみたいな妄想のところは面白かった。

0

Posted by ブクログ 2018年10月07日

夏目漱石の処女作。小学生低学年のうちの子が知っていたこともあり、氏の著作で一番有名な作品だと思います。
主人公は英語教師の苦沙弥先生にひょんなことから飼われることになった一匹のネコ。
「吾輩は猫である。名前はまだ無い」という有名な書き出しの通り、吾輩などという不遜な一人称の妙に堂に入ったネコ君の目か...続きを読むら、苦沙弥先生やその仲間たちの滑稽な会話や、ネコ同士の交流、そして不合理極まりない人々の生体をネコの視線から風刺した作品になっています。

基本的に読みやすく、クスりとくるシーンもあったのですが、冗長なところもあり読みづらさを感じる時もあります。
人々の日常の描写がネコの視点から語られており、物言わぬネコから人の行動の滑稽さや愚かしさをユーモラスに語られるところが本作の特徴です。
児童文学のような設定ですが、子供でも読みやすいような、ライトに読めるような作品ではないと思います。
有名な作品にもかかわらずちゃんと読んだ人が少ない原因は、恐らくそういったギャップによるところではないかと思います。
本作は結構ページ数もあり、内容も冗長で難解な箇所もあるので、個人的には漱石の入り口としては「坊っちゃん」をおすすめします。
もちろん日本文学としては比較的読みやすい作品で、日頃から文学に触れている方であれば楽しく読める作品ですが、そういった方はまず間違いなく読んでいると思うので、「吾輩は猫である」をこれから読もうとする人、つまりは普段文学作品を読まない人に向けては、いの一番に進められる作品ではないと思います。

本作の発表当時はまだ日本の自然主義文学は黎明期なのですが、本作は自然主義とは明確な違いが感じられました。
また、夏目漱石の文学は、後に氏が自ら低徊趣味と呼称していましたが、処女作である本作もその雰囲気が感じられました。
実験牧場的な自然主義とは異なり、ただ登場人物がおりそれを観察するネコがいるだけのストーリーで、物語中出来事はありますが、それによって劇的に場面が変わったり思い悩むようなことはなく、淡々と、というよりは悠然と日常が、ネコによって描写されるのみとなっています。
作中では主人公のネコが恋に落ちたり、苦沙弥先生の家に泥棒が入ったり、いろいろのことが起きるのですが、それは舞台設定に投げられた事件というよりもただのエッセンスと呼ぶべきで、「そういった内容があったのだ」で続く物語となっています。
先が気になる話というよりは、楽しくってページを捲ってしまう、そういう小説だと思います。

0

Posted by ブクログ 2013年04月28日

これは名作です。
間隔をあけて読む毎に違った印象を受けるくらい、多様な思考が詰まっているように思います。
しかも、皮肉がおもしろい!

0

Posted by ブクログ 2012年08月28日

個性的な面々による会話は軽妙かつ人の真相心理をついていた。今も昔も考えることは同じなのでと感じさせられた。一方で会話以外の説明は冗長かつ表現が古く読むのに多少苦労した。また、それぞれのエピソードが完結していなく、もう少し結論が知りたい点もあった。
 全体的にはさすが文豪の作品だけのことはあった。猫を...続きを読む主人公とした軽いタッチの作品ではあるが、その裏に世相への批判、人間のおぞましい心理など巧みに表現されていた。多少長いが一読する価値はある。

0

Posted by ブクログ 2012年02月14日

猫の視点で飼い主である自分自身を痛快に自虐してくとこが面白い。猫のシュールできまぐれな視点が個人的に好き。

あと、登場人物がみなちょっとふざけているとこもいいです。

0

Posted by ブクログ 2011年09月07日

22歳にしてようやく「吾輩は猫である」を読んでみる。
漱石の本は「こころ」についで2作目。

レビューなんてのは全く自分の無知蒙昧を広めるだけのものであると思うけれども、せっかく読んでみていろいろ思うところがあるので書くことにする。


やはりまず第一に感じたのは、猫に語らせることの妙である。
人間...続きを読むではなく、猫自身が語ることで、社会科学的に言えば、漱石自身の鋭い観察眼及び人間のバイアスをより鮮明に対象化することに成功していると思う。皮肉も人間が語るよりもずっと効いてくる。正直、ギャグ漫画を読んでいるような心持であった。

クライマックスで、人間どもに一種の漱石的講義(?)を語らせ始めたかに見えた時は、漱石の社会に対する鋭い指摘・観察眼に大いに感心しながらも、興ざめしながら読んでいたが、最後にやはり「人間同士の嘲笑を猫が嘲笑する」という本書の面白さをしっかり押さえて終わっていた。


また、明治初期の日本は封建社会から資本主義社会への大転換を迎えていた。物語のクライマックスで語られていたような諸個人の自由・不自由の新たな発現から、多数の人々と同様、彼自身も逃れることができないことを感じていたに違いない。そして、自身をも一人の登場人物として対象化し、当時の日本社会における人間的状況をより一層浮き彫りにすることを猫に託したのではないだろうか。


と、無知をさらけだすことの恐怖。。。
だがそう思ったのでそう書いておくことにする。

とりあえず面白かったが、500ページを超えてて非常に長い。つかれた。

0

Posted by ブクログ 2011年07月27日

再読。やっぱ本家は面白いなー。
一回目に読んだときは幼すぎて気づかなかったけど、現代から考えたら女性蔑視とも取れる女性論も書かれていたんだなぁ。
迷亭君みたいな友人がほしいです。

0

Posted by ブクログ 2011年03月30日

冒頭の文章はみんな知っているのに、最後の結末は知らない。衝撃のラストだからかな?
感想としては、とにかく長い。意外とダークな内容だし、現代では差別的とされる言葉もどんどん出てくる。道理で学校で詳しく教えないはずだ。
風刺された内容は現代を予言しているかのようだ。

0

Posted by ブクログ 2011年07月28日

捨て猫の「吾輩」(名前がない)は、英語教師苦沙弥(くしゃみ)の家に住み着く。主人をはじめ家族や友人たちを観察し、彼らを痛烈に批判する「吾輩」だが、最後には酔って水瓶に落ちて死んでしまう。

読もうと思っていた矢先に、国語教師にオチを言われてしまったので、自分も堂々とネタバレします(笑)
言わずとも知...続きを読むれた風刺小説です。猫可愛いよ猫。

0

Posted by ブクログ 2010年10月11日

猫から見ると、ほんとに人間っていうのは煩わしいな。
そんでなんか面白いんだよね。
猫が可愛くて仕方がないです。

0

Posted by ブクログ 2010年07月05日

夏目漱石なあ…と思って読まなかった自分に激しく後悔とまではいかないけども、面白い本でした。ヴァイオリンのくだりはバスの中でにやにやするのを抑えるのに苦労しました。最後は知ってたけど、ちょっとツーンときてしまいました。

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年02月17日

言わずと知れた名著。読んでみたかった作品。
思いの外コメディ寄りというか、登場人物のやり取りに結構くすりと笑えた。
個人主義に関する件などは、どことなく今と通ずるところを感じた。
ただ、主人の女性観など、時代を感じる部分は当然あった。

個人的には「こころ」の方が好み。

0

Posted by ブクログ 2017年03月28日

朝日の連載終了。子どもの頃読んだ記憶はあったけど、ほとんど内容は覚えていなかった。こんな話だったっけ?と言うより、この内容は子どもの頃は半分も理解できなかっただろうな、と思う。今回の連載では分かりにくい語句の説明もあり、ときどき時代背景だとか、漱石やその周辺の人物の解説もあってより分かりやすかった。...続きを読む寒月君が理学博士取るために珠を磨いていることとか、実際そういう分野に足を突っ込んでみた人間としては良く分かる。猫が語るというより、途中から、西欧近代(当時の現代)社会とそれに近付く日本社会への思いだとか批判だとか、そう言ったものを登場人物たちに語らせているというお話になっていて、新聞連載らしい社会性のあるお話だったのだと気付いた。最後に吾輩が酔っ払って甕に落ちて死んでいくところは何となく覚えていたような気もするが、連載終了というのと合わせて突然で寂しい終わり方です。南無阿弥陀仏。

0

Posted by ブクログ 2015年12月13日

過去に何度か投げ出したが、今回は何とか通読できた。

別に大文豪の作品にケチをつける気はないが、最後まで読み通すのにかなり苦労した。さして意味のあるとは思えぬ饒舌、皮肉。ユーモアがあるという人もいるが、今の時代ではいかんせん古臭い。時代で仕方ないのだろうが、女性蔑視的な箇所が間々出てくるのも気になる...続きを読む

人間と社会の洞察に深みを感じるところもあるが、やはり、この小説、猫の視点から人間を見たおかしさ、バカバカしさに尽きる。

この作品、中高生に勧める教師も多いのかもしれないが無理がある。それなりの人生経験を積んでからの方が、挫折しないし味わえる。

0

Posted by ブクログ 2013年07月18日

思ったより面白くてスラスラ読める。
貸し出しの都合で最後まで読む前に返しちゃったから途中までしか読めてないけど。

またちゃんとゆっくり読みたい。

0

Posted by ブクログ 2015年04月20日

「無理を通そうとするから苦しいのだ。つまらない。自ら求めて苦しんで、自ら好んで拷問に罹っているのは馬鹿げている」
「猫」に人間の滑稽さをさんざん暴かせ、そしてようやくこのシーンへと到る。
こころで漱石が「先生」に委託した事と同様だが、やはり唐突さは否めない。

0

Posted by ブクログ 2011年12月27日

子供の時にも一度読んだことがあったのですがまったく覚えておらず新鮮に再度読むことができました。今読んでみると昔読んだときこんなの理解して読んでたとはあまり考えられないので記憶に残っていないのも納得。今になって詠んでみると吾輩かわいいし先が気になるしでとても楽しめました。

0

Posted by ブクログ 2011年04月29日

有名中の有名とでも言うべき、夏目漱石の代表作のひとつ。今まで読んだことがなかったので読んでみたが、ストーリーらしいストーリーはない。作品全体を通して訴えたいことといった、主題らしいものも読み取れなかった。猫の目を通して人間社会を批評しているといった感もあるが、ささやかな冷笑程度の批評にとどまっている...続きを読むように思える。
読み終えて、あまり心にのこるものはなかった。

0

「小説」ランキング