【感想・ネタバレ】樋口一葉 たけくらべ/夏目漱石/森鴎外のレビュー

あらすじ

吉原の廓の隣町を舞台に、快活な十四歳の美少女・美登利と、内向的な少年・信如の淡い想いが交錯する、一葉「たけくらべ」(新訳・川上未映子)。
東大入学のために上京し、初めて出会う都会の自由な女性や友人に翻弄される青年を描いた、漱石「三四郎」。
謎めいた未亡人と関係を重ねる作家志望の文学青年・小泉純一が、芸術と恋愛の理想と現実の狭間で葛藤する、鴎外「青年」。
明治時代に新しい文学を切り開いた文豪三人による、青春小説の傑作三作を収録。

【ぼくがこれを選んだ理由】
明治になって社会の重心は若い人たちの方にシフトした。いきなり未来を預けられた青年たちの戸惑いを漱石は「三四郎」に書き、鴎外は「青年」に書いた。「たけくらべ」の色調は江戸期への郷愁だが、その一方でこれはモダニズムの都会小説でもある。(池澤)

【新訳にあたって】一葉が今「たけくらべ」を書いたら絶対にこうなったにちがいないと信じきって&あの匂いあの話し声あの時間に持てるすべてを浸しきって、全力全愛でとりくむ所存です。(川上未映子)

解題・年譜・参考資料=紅野謙介
解説=池澤夏樹
月報=高橋源一郎・水村美苗

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Posted by ブクログ

たけくらべ読み終えたところ。樋口一葉を読んでいなかった(日本文学をなんとなく敬遠していた)自分の愚かさを呪う。なんだこの瑞々しさ。おっとりした、それでいて景色のわかる気持ちの持っていかれる文運びと表現(これは現代語訳の賜物かもしれないが)。あー、、、、とにかく今日読めてよかった。

三四郎読み終えた。NHKの100分de名著の漱石特集を観てうっすら冒頭は知っていたけども、そこからの印象とは違くなっていって。とても良かった。これも繰り返し読みたい。三谷幸喜さん演出の漱石を題材にした演劇、ベッジ・パードン(野村萬斎さん主演)を思い出しつつ、漱石自身の思想はどこかと想いつつ。

青年、終えた。森鷗外という人は頭のいい人だったんだなあ。初めて読んだ。いやあ、よかったな。ちょっとお風呂にでも入ってゆっくり考えてみたい。話の筋そのものではなくて(失礼)、何に惹きつけられるのかについて。

夏目漱石にしてもまあみんなそうなのだかもしれないが、この時代の若者はよくモノを吸収し、考え、悩み、自分なりの答えを出していることに改めて感服させられる。一言が、一単語が、自身から出てきていて、深く読んでも私などが自分の言葉で表現しえないだろうことを含んでいる。

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2021年02月14日

Posted by ブクログ

いやはや、これは。
はぁぁあ。
なんとも。

いいっ!

カーソン・マッカラーズの「結婚式のメンバー」のあとがきで、「たけくらべ」を思い出した。だなんて村上さんが書いてたもんだから、気になって気になって文庫をペラペラとめくってみたんですが、原文はもとより、口語訳でさえなんだかちんぷんかんぷんと思ってたところ、池澤夏樹編の日本文学全集で、川上未映子が訳してるって聞いて、そりゃぁ好きだわきっとと思い、このかわいいピンクの全集を手にしました。
それがほんとに私にしっくりピッタリ!だって川上未映子の「乳と卵」も、「先端で、さすはさされるわ…」も面白いねと思ってたから、そりゃもう楽しめたし、好きだったし、これ読む前に川上未映子の普通の小説も読んでおこうと思って「ヘヴン」も読んだとこだしで、しっくりハマりすぎました。

なんて繊細で、生き生きとした物語がえっといつの時代ですか?これは江戸ですかね?一葉が書いたのは明治ですかね?まぁとにかく大昔に、私の大好きな青春文学の世界が繰り広げられていたとは…

大黒屋の軒先で信の鼻緒が切れて、声もかけられない切ない美登利のあの姿、あれを知っているのはやはり「ガラスの仮面」で読んだからですけどもww

いやぁ、美登利は、「悲しみよこんにちは」のセシルだったー!!

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2018年08月19日

Posted by ブクログ

2016/10/22
たけくらべ

これまで、樋口一葉がなぜお札に載っているのか不思議だった、という以前に気にもとめてこなかったのだけれど、たけくらべ、面白すぎて一気読み。文体が軽快でリズミカル。読んでて気持ちがいい。そして何より、思春期の登場人物の心の内を表す文章は秀逸で、それはもうかゆくてかゆくてたまらない背中をピンポイントでさすってもらったかのように、私の胸にストンと落ちた。今回は川上未映子さん訳で楽しんだが、また違う翻訳でも読んでみたい。

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2016年10月22日

Posted by ブクログ

現在社会と作品の時代とを比べながら、いろいろ考えて読んでました。昔の人と現代人を比べると追求心や学問に対する姿勢、人付き合いというものが全く異なると感じた。文章中に所々読みづらい箇所があったが、深みもあって勉強になった。青年はもう少し時間が経ってから読み直してみます。

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2022年11月22日

Posted by ブクログ

お目当と言えばおきゃんな未映子がおきゃんな美登利をどう描くか興味津々だった「たけくらべ」、しかしながらやはり原作が原作だけに大きく崩すわけにもいかず無難にまとめたかなの印象。
などと偉そうに言うものの実は私自身ガラスの仮面版たけくらべしか読んでおらずマヤの演技が「こんな美登利見たことない!」と絶賛されても「どんな美登利?」程度のものでしかなかったのだ。
水仙の造花が切ないしっとりした悲恋の物語を堪能した上での初くらべ、しっくりくるのは亜弓さんではなくやはりマヤだと思うのですが…そうですよね、月影センセw

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2016年02月10日

Posted by ブクログ

川上未映子訳の「たけくらべ」に興味があった。川上未映子訳に対して賛否あるようだが、これはこれで良いのではないかと思う。

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2020年05月18日

Posted by ブクログ

やっと読み終わった。長かった!!!
樋口一葉の『たけくらべ』
夏目漱石の『三四郎』
森鴎外の『青年』
たけくらべは、川上未映子氏の現代語訳版です。初めて読んだ気がします。
あまりにもおっさんが読むには時期を逸しているようで、あまりにも幼いころの話でありそういう感受性は失われていることを認識しました。
三四郎と青年は続けて読むと、非常によく似ており
その雰囲気や情緒が感じられ面白かったと思います。
本当に忘れていたのですが、『青年』は昔昔、大学の1年か
2年の時に読んだことがあることを思い出しました。
その時は、自分の年代とあっていたこともあって
とても感銘を受けたことを思い出しました。その時の
自分の人と群れる感じに対しての嫌悪感や、男女の
関係にての正義感や、潔癖な感じ(本当はその
ころでもずぶずぶだったのですが)。社会や
大人に対しての反発や恐れなんかをもっていたこと
を今再度読んで思い出しました。
その時の感覚は懐かしく、恥ずかしく思いました。

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2015年03月22日

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