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気さくな性格で暢気な高等遊民生活をおくる長野家の次男・二郎。対照的に兄で学者の一郎は常に張りつめた神経を持ち、妻・直と二郎の仲を邪推するまでに精神が追い詰められていた。あるとき彼は二郎に、直の貞操を試すため一夜を共にしてくれないかと言い出す。人を信じ、伸びやかに生きたいと願いながら、出口のない迷宮を巡り続けるひとりの知識人の心理状況を克明に描いた、『こころ』へとつながる「後期3部作」第2弾!
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Posted by ブクログ
「寝られないとどうかして寝よう寝ようと焦るだろう」と私が聞きました。「まったくそうだ、だからなお寝られなくなる」p423 ****以下ネタばれ?アリマス 本書は『こころ/エピソード零』といえるのではないでしょうか。孤独な主人公、長文の手紙、そして死の予感…。「こころ前夜」感、満載です。 なに...続きを読むもそんなことで悩まなくても…。漱石先生のたくさんの主人公たちに言ってあげたくなりますが… 「心のほかの道具が彼の理智と歩調を一つにして前へ進めないところに、兄さんの苦痛があるのです」p452 ちょっと乱暴な言い方をすれば、日本はこのとき〈思春期〉だったのかもしれません。 近代自我確立といわれる明治時代、体(頭)の成熟に心がともなわないもどかしさ…。 その苦しみは、 「死ぬか、気が違うか、それでなければ宗教に入(い)るか。僕の前途にはこの三つのものしかない」p431 と思春期どころではない激しさなのですが…。(この三つの結末は『こころ』『それから』『門』でなんとなく描かれています) **** 「そういう僕が既に僕の妻(さい)をどのくらい悪くしたか分からない。自分が悪くした妻から、幸福を求めるのは押しが強すぎるじゃないか」p466 結婚していても妻とわかりあえず孤独を感じる主人公の苦悩は現代の我々にも通じるものがあるように思います。 本書の帯には【『こころ』より先に現代人の孤独を予言した書】と是非書いてほしいものです。
前半はそれなりに面白く読めたが、後半、特に最後の章は漱石特有のまどろっこしさに読むのが疲れた。 巻末の精神科医の解説が興味深かった。一郎は精神的な病気だと述べているが、現代でも一郎的な人って案外その辺に居そう。むしろHさんみたいな人の方が稀有でないかと感じた。
よくわからなかった。頭悪いからな。でも最後になってお兄さん(一郎)の人柄の謎がようやくわかって、二郎と嫂の関係云々って結局あんまり関係なかったのかなーって。
男女関係(夫婦関係)は今も昔も悩むところは同じ・・・ 男は手に入れるまでは熱いが、手に入れると冷める。 女は手に入れられてから情を持つ。
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