夏目漱石のレビュー一覧

  • 文鳥・夢十夜・永日小品

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    夢十夜目当てで購入したが、やはり夢十夜が一番好きだった。特に第一夜。ロマンチックで切ない。その次に第五夜が気に入っている。あの短い文章で読み手を惹き付けられるのが凄い。どの夜も不思議な余韻が残り、短いからこそ印象深く忘れられない。
    短編ばかりなので色々な角度から夏目漱石の文章を楽しめる。日記のようなものが多いなと思ったら随筆集だった。注釈がかなり多いので、思ったより読むのに時間がかかった。
    永日小品では行列と変化が好き。自転車日記は他と比べて言い回しが難しく読みづらい。しかし自転車に苦戦する様子が面白く、姿を想像してクスッと笑った。

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    2026年02月26日
  • こころ

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    心の中が何も届かない閉ざされた部屋のようであったなら、互いに感じ取れるのは襖の隙間からの溢れ日だけで、大きな声を出しても出されても、きっとその、分厚いこころの壁に邪魔をされるだけなのだと思う。

    そういうこころの部屋は、きっと誰しもが持っているのでしょう。それでも何処かへひとつ、逃げ出せる入り口があれば何か変えることはできたのでしょうか。

    #2026 #9

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    2026年02月26日
  • 坊っちゃん

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     この世の中、正直者が馬鹿を見て、方便ばかり上手なずるいやつがのさばってやがる!!…と、読んでいると、私の心のうちに住む不器用快男児が共鳴して叫びだす。
     四国に行くまでの部分が長かったように感じたが、十一章のうちの一章だけだったので錯覚だった。四国での話が波乱(?)に富んで面白いから短く感じたためもあるかもしれないが、あのはじめの一章に坊っちゃんとキヨの結びつきの強さが込められているから、東京編を色濃く感じたのかもしれない。キヨがいてくれて、本当に良かったね。

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    2026年02月23日
  • 吾輩は猫である

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     有名作だがちゃんと読んだのは初めて(読んだというか、オーディオで聴いた)。抱いていたイメージは、「滑稽もので、他の名作に比べると、そんなに熱心に読む価値は…どうだろ?」といったものだったが、音声コンテンツで別のことをしながら流し聞くにはとても良かった。ポッドキャスト「吾輩通信」アーカイブ全エピソード一気聴取、みたいな感じだった。文字の本では冗長すぎて読みきれなかったかもしれない。  
     スタイルはたしかに滑稽風味だが、達観した猫や胃弱でぶーたれたくしゃみ先生の語る内容は、私は共感できることが多く、当時連載を楽しみにしていた読者の気持ちは、今なら様々なSNSのお気に入りアカウントの更新を楽しみ

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    2026年02月20日
  • 草枕

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    草枕
    著:夏目 漱石
    解説:重松 泰雄
    出版社:岩波書店
    岩波文庫 緑10-4

    智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。

    で始まる有名な小説というか、その冒頭の一言以外は、あまり内容を知らない

    山本七平氏曰く、日本教のテキストにて、日本教を知りたいならば、草枕を読めと、勧めているので、手にとりました

    まず題名がいい、草枕、旅のまくらことばであり、そのおももちは、万葉の昔を彷彿とさせる
    いくらなんでも、すぐに、これは紀行文だということがわかる

    だが、近代小説としては、三十一文字ではなく、十七文字を主にしている
    それに、漢詩あり、Poem

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    2026年02月12日
  • こころ

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    ネタバレ


    友情か恋心か。現代でもよく題材とされるが、自分の心の弱さが故に引き起こされた友の死、恋を果たしても黒い影が常に付きまとう。私がその歳の先生だとしたら違う決断が出来ただろうか考えさせられる物語ただった。

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    2026年02月09日
  • それから

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    ネタバレ

    感想を一言で表すと罪悪感に尽きる。
    平岡に打ち明け、そして兄に責められるシーンで背中にずっしり罪悪感が覆いかぶさり、そのまま終わったためやってはいけないことをしてしまった気持ちを引きずっている。『それから』を考えてしまう終わり方。最初はそうでもないのだが、中盤くらいから代助が三千代に対して明らかに浮かれているのでなお辛い。代助から見る三千代の描写や三千代への言葉に、美しくロマンチックなものが多く、印象に残る表現がいくつかあった。
    前作の『三四郎』と比べるとこちらの方が起伏が分かりやすく面白かった。

    最後赤色が強調されることについて他の方の感想を拝見して、私はどう捉えたか考えたのだが、代助が三

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    2026年02月12日
  • こゝろ

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    主人公の心情と先生の心情について細かく描かれてておもしろかった。高校でやってたから山場は知ってたけど、山場以外も普通に面白かった。他の作品も読んでみたい。感情の移り変わりに共感できるところも多いし、共感できなくても感情が分かりやすかった。

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    2026年02月07日
  • 坊っちゃん

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    ネタバレ

    生徒が教師にあだ名を付けたり、からかったり、いたずらをしたりすることは、漱石の頃も今も変わらないし、教師同士だって、今も昔も、世間のほかの同僚たちと同様、つまらない意地やねたみや欲望をあらわにして、感心しない行動を繰り返すことも多いと思う。漱石は、そうした悪ガキたちや同僚教師たち(以下 彼ら)に対して、主人公「坊っちゃん」をどのような役回りとして描きたかったのか?彼ら「悪者たち」を懲らしめる「善/正義の味方」として描き、留飲を下げたかったのか?
    (本書を採り上げた『100分de名著別冊 特別授業 夏目漱石「坊っちゃん」』(養老孟司著、以下「特別授業」)では、「漱石の作品には、たとえほかの人に知

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    2026年02月04日
  • 明暗

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    水村美苗さんのお勧めの本でした。
    読むのに時間がかかってしまいました(涙)。
    続いて「続明暗」を読んでいきます。
    どんな展開が待っているか楽しみです(笑)。
    「則天去私」学生時代、試験問題で出てきましたが、ちんぷんかんぷんでした(笑)。

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    2026年02月03日
  • 草枕(新潮文庫)

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    「智に働けば角が立つ。情に掉させば流される。意地を通せば窮屈だ。兎角に人の世は住みにくい。」

    冒頭にあるこの有名な句を読む機会があり、読んでみました。
    東京から温泉宿に宿泊した画家とその宿の出戻り娘の出会いを描いた作品。

    自分はストーリーそのものというよりは、夏目漱石独特の人物や情景の描き方だなぁと思いながら、読んでいて心地よい感じがしました。何がと言われてもうまく説明は出来ないのですが。

    とにかく言葉が難しいです。本文はこの文庫で170ページ強くらいですが、注釈は30ページ以上あります。一つ一つ注釈を参照しながら読んだので、かなり読み終えるのに時間がかかりましたし、もし注釈を参照せずに

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    2026年02月01日
  • 二百十日・野分

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    金持ちの禄さんと、貧乏だが腕っ節の強い圭さんが阿蘇山に旅をする話。地の文が少なくて会話文が多いため、テンポ感のある2人のやりとりが心地いい。まるで落語を聞いているようだった。華族や富裕層をシニカルに批判して社会の不条理が浮き彫りになっていく。金持ちがのさばる世の中に苦言を呈する様が爽快だった。登山中に禄さんが体格のいい圭さんに置いていかれたり振り回される場面も愉快で面白かった。

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    2026年02月01日
  • それから(新潮文庫)

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    2026年6冊目『それから』(夏目漱石 著、1948年11月 初版、1985年9月 改版、新潮社)
    漱石前期三部作の第二作。高等遊民の代助が、封建的道徳感と近代的思想の狭間で煩悶する様が描かれた姦通小説。連載は1909年。
    前作『三四郎』にあった青春の匂いは見事に消え失せ、まるで祭りの終わりの様な寂寞さと空虚感が物語を支配している。後半の展開は頁を繰る手も止まってしまうほどに苦しいが、破滅ではなく目醒めを予期させる読後感はむしろ清々しい。

    〈代助は自分の頭が焼け尽きるまで電車に乗って行こうと決心した〉

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    2026年01月31日
  • 吾輩は猫である

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    漱石の本、最初の語りが有名すぎるの多いですね。私には読み続けるためには粘りがいりました。初めて聞く語句が多い。猫の語りの格調の高さ、あっぱれ。

    何度か読みかけて、今回は最後まで読めました。(^^)

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    2026年01月30日
  • 門

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    ネタバレ

    高校時代に読んで以来で、8年振りくらいに再読。
    話の筋は覚えてたけど細部はすっかり忘れてた。
    宗助とお米が結ばれて社会と決別する流れを覚えていなかったのだけど、元々その辺りは詳細に書かれていないから覚えているはずもなかった。
    でも書かれていないおかげで色々想像できた。
    過去の過ちに報いる形でお米が死んだり、宗助が耐えきれず狂ったり、安井との一件を知った坂井が激昂したり、安井と宗助とお米が再会したり…っていう安直な展開にならないのが好き。
    過ちが生活の所々に影を落としながらも時々幸福を感じて細々と命を繋いでいくことが示唆されるラストのやり取りも好き!

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    2026年01月29日
  • 草枕(新潮文庫)

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    注釈に目を通す事が多く、読むのに難義した。字面を追っていただけの感があるが、語彙の豊かさと文章のテンポが良く、花鳥風月の描写は美しく感じた。いつの世も住みづらく生きづらく思うことがあるものだ。

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    2026年01月27日
  • 吾輩は猫である 下

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    猫の目を通した社会風刺
    やっぱり出てくるキャラクター、その語りが魅力的でした^^
    ラストは苦沙弥先生、迷亭先生、寒月君、東風君、独仙君達が明々活々と語り出して盛り上げてくれました。明治の世から見た漱石なりの未来観も興味深いですね

    個人的には、「逆上」のあたりのくだりと、「ヴァイオリン」の秋の日がかんかんと…のあたりのくだりが好きです(笑)

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    2026年01月21日
  • 坑夫(新潮文庫)

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    いやぁ、これはすごいなぁ。漱石の語彙力は半端ないです。他の作品でもそういう面がないわけではないですが、この作品は特に描写がねちっこいです。山を見るだけでも、どれだけの言葉が紡がれるのか。右へ行ったり左へ行ったり、上へ行ったり、下に行ったり、ぐるぐると回りまわって主人公の心の内が描かれます。本当に目が字を滑るような感覚が何度もありました。
    話の筋的には大したことは起こっていません。いやそれなりに起こっているのかな。とはいえ、そういうことではなく主人公の心のうちに起こるちょっとしたさざ波の、その微妙な揺れ方をこれでもかこれでもかと、手を変え品を変え描き出すその執着というか、こだわりというかなんとい

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    2026年01月19日
  • 文鳥・夢十夜・永日小品

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    夢十夜、あまりにも良かった、神秘的とか、恐怖とかいろんな言葉で語り尽くされていると思うけど、この不思議さが心地いいかも、
    まあ、語尾等の表現が昔なのでその分体力を使うのは事実ですが、

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    2026年01月18日
  • こころ

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     主人公である私と、先生や私の家族との交流が描かれる前半パート、そして先生の過去が告白される後半パートに分かれる物語。
     先生が世間と関わりを持とうとしない姿を前半で読んだ際は、これは過去に何かトラウマを抱えているんだろうと思ったが、後半に明かされるその内容は想定以上のものだった。先生は、金によって人が善人から悪人になること叔父から知り、愛でもまた人が大きく変わることを自身から知った。つまり、先生の世間及び人間全体に対する失望感は、他人からの被害的経験だけでなく、己の加害的経験にも起因するものであった。私は前者の要因ばかり予想していたため、後半の物語展開に対してはやはり驚きを感じた。
     
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    2026年01月18日