夏目漱石のレビュー一覧
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この年になり、ようやくはじめて読みました。夏目漱石さんの「こころ」
年内に読み終えれてまずはよかったです。
3部から構成され、
明治という時代に、「先生」を慕う「私」と先生が出会うところから始まり、交流を深めていく中で〝なぜ先生は毎月雑司が谷のお墓にお墓参りしているのだろう〟と、〝それは誰のお墓なのだろう〟と、私が疑問に思うところから物語が始まっていきます。
親と子、喪失、裏切られ、故郷、孤独、立身、男とは、女とは、といった要素もありつつ、最大のヤマ場はやはり3部目の先生の語りであり、若かりし頃何があったのか、先生と友人Kとの間に何があったのか、という感じの本です。
明治という時代性
こう -
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ネタバレ通読するのは2回目になるのかな?前回は確か高校生の時で、ご多分に漏れず教科書で読んで衝撃を受けて通読しようと思ったんだった。たしか。
「私」と「先生」、「若い頃の先生」と「K」の他に、本文に潜む「今の私」が過去の自分の目を通して「先生」をどう見ていたか、またその時の感情を今はどう思っているのかをうまく読み解けると解像度がもっと上がりそうだと思う。つまりこれは2回めが本番、の構図を持つ話だったんだな、と今更気づいた。さすがに高校生の時が初読だと「今回が2度めで本番」とは読めないので、近いうちに読み直したい。
多分、若い頃の「私」は「先生」をとても大きな、あるいは完璧なもの、偶像化するよう -
Posted by ブクログ
ネタバレ「ええ、まあ有難いわ」と三千代は低い声で真面目に云った。代助は、その時三千代を大変可愛く感じた。わかる、急に真面目な態度取るの可愛い。
代助の結婚や未来へのモラトリアムは甘えだけど気持ちはわかる、彼はただ彼の運命に対してのみ卑怯であった。何も選択せずその日暮らしだと確かに楽だよね。
真剣な話し合いの時には酒を飲まない方が誠実だという価値観、この頃もあるのね。
251ページから物語がやっと動き出す感じ、グンと面白くなる。「僕の存在には貴方が必要だ。どうしても必要だ。」ストレートな告白がいいねやっぱり。
夜明けを「世界の半面はもう赤い日に洗われていた。」って表現するのかっこいい。
最後は狂気に向 -
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ネタバレ第一夜が美しすぎる。
一度読んだ後に本を閉じ、余韻に浸りながら眠りました。え? 夏目漱石ってこんな綺麗なの? こんな綺麗なんだ……続きは翌日に。
「こんな夢を見た」
話の切り替わりのフレーズで気が引き締まり、ハッと現実に戻った後、次の夢に入っていく感じがする。
後半はそのフレーズが無いので、夢から覚めずにずっとふわふわと夢を見続けているような感覚がする。
楽しい。
他収録されている作品ですが、
「文鳥」の、文鳥の姿・動き・生きる様子……死んだ鳥の姿勢って、ああだよな、という部分まで鮮明に書かれていて、元鳥飼いとしてはリアルに想像してしまいました。
普通に悲しい。
そのときの感情の動きもとて -
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ネタバレ学生時代に教科書で少しだけ読んだ作品、いつか読もうと思い続けて十数年経ちましたがやっと読むことができました。
「精神的に向上心のないものは、ばかだ」
過去にKが語った言葉は、恋心に悩む今のKにとってはあまりにも残酷な言葉だと感じました。さらにそれを今になって引っ張り出し、念を押すように語った先生の行動はあまりに卑怯な手と言わざるおえませんでした。しかし、人というのは、いざという時には、先生や先生を裏切った叔父さんのように、打算的で邪な考えをもって行動してしまう生き物でもあるということは、私たちも心の片隅に覚えておくべきことなのかもしれません。 -
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こんな夢を見た。夏目漱石が夢からインスピレーションを受けて書いた10編の短編を近藤ようこが漫画に仕立てた。
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「ルームメイツ」を連載時から読んでいる近藤ようこさんが夢十夜を描いたのか。と、大喜びで手に取りました。実は夢十夜は高校の頃以来なのですが、うっすらとしか内容を覚えていないし、夢現のどこにも足がつかないような不確かさが怖かったので再読しようとは思わなかったのですが。それでも、そうそう、こんな内容だった、と思いながら、そして近藤さんの絵がなおのこと夢現の浮遊感を醸し出していて腹の底が落ちつかない感じで楽しめました。漱石の文章と近藤ようこさんの現 -
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読んだのは青空文庫だ。意外に長編だが、筋がある訳でもないのでどこで終わっても良いし、どこまでも続けられる。
当時はどう受け取られたのか知らないが、ユーモア小説であって文学という固さはない。これを崇め奉って文学研究が重ねられているのが不思議。そもそも何故残っているのかも分からない。もっと売れていたものもあったやに聞くが、歴史の篩というのも気まぐれだと思う。いや、面白いんですけどね。
明治の苦悩と現代の苦悩は真っ直ぐに繋がっていて、解決されないままむしろ複雑化して今に至るので、古典に直接答えを求めても無駄ですね。どの時代もその当時には今こそが時代の転換点だと感じるものなのだろう。