夏目漱石のレビュー一覧
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有名作だがちゃんと読んだのは初めて(読んだというか、オーディオで聴いた)。抱いていたイメージは、「滑稽もので、他の名作に比べると、そんなに熱心に読む価値は…どうだろ?」といったものだったが、音声コンテンツで別のことをしながら流し聞くにはとても良かった。ポッドキャスト「吾輩通信」アーカイブ全エピソード一気聴取、みたいな感じだった。文字の本では冗長すぎて読みきれなかったかもしれない。
スタイルはたしかに滑稽風味だが、達観した猫や胃弱でぶーたれたくしゃみ先生の語る内容は、私は共感できることが多く、当時連載を楽しみにしていた読者の気持ちは、今なら様々なSNSのお気に入りアカウントの更新を楽しみ -
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草枕
著:夏目 漱石
解説:重松 泰雄
出版社:岩波書店
岩波文庫 緑10-4
智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。
で始まる有名な小説というか、その冒頭の一言以外は、あまり内容を知らない
山本七平氏曰く、日本教のテキストにて、日本教を知りたいならば、草枕を読めと、勧めているので、手にとりました
まず題名がいい、草枕、旅のまくらことばであり、そのおももちは、万葉の昔を彷彿とさせる
いくらなんでも、すぐに、これは紀行文だということがわかる
だが、近代小説としては、三十一文字ではなく、十七文字を主にしている
それに、漢詩あり、Poem -
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ネタバレ感想を一言で表すと罪悪感に尽きる。
平岡に打ち明け、そして兄に責められるシーンで背中にずっしり罪悪感が覆いかぶさり、そのまま終わったためやってはいけないことをしてしまった気持ちを引きずっている。『それから』を考えてしまう終わり方。最初はそうでもないのだが、中盤くらいから代助が三千代に対して明らかに浮かれているのでなお辛い。代助から見る三千代の描写や三千代への言葉に、美しくロマンチックなものが多く、印象に残る表現がいくつかあった。
前作の『三四郎』と比べるとこちらの方が起伏が分かりやすく面白かった。
最後赤色が強調されることについて他の方の感想を拝見して、私はどう捉えたか考えたのだが、代助が三 -
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ネタバレ生徒が教師にあだ名を付けたり、からかったり、いたずらをしたりすることは、漱石の頃も今も変わらないし、教師同士だって、今も昔も、世間のほかの同僚たちと同様、つまらない意地やねたみや欲望をあらわにして、感心しない行動を繰り返すことも多いと思う。漱石は、そうした悪ガキたちや同僚教師たち(以下 彼ら)に対して、主人公「坊っちゃん」をどのような役回りとして描きたかったのか?彼ら「悪者たち」を懲らしめる「善/正義の味方」として描き、留飲を下げたかったのか?
(本書を採り上げた『100分de名著別冊 特別授業 夏目漱石「坊っちゃん」』(養老孟司著、以下「特別授業」)では、「漱石の作品には、たとえほかの人に知 -
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「智に働けば角が立つ。情に掉させば流される。意地を通せば窮屈だ。兎角に人の世は住みにくい。」
冒頭にあるこの有名な句を読む機会があり、読んでみました。
東京から温泉宿に宿泊した画家とその宿の出戻り娘の出会いを描いた作品。
自分はストーリーそのものというよりは、夏目漱石独特の人物や情景の描き方だなぁと思いながら、読んでいて心地よい感じがしました。何がと言われてもうまく説明は出来ないのですが。
とにかく言葉が難しいです。本文はこの文庫で170ページ強くらいですが、注釈は30ページ以上あります。一つ一つ注釈を参照しながら読んだので、かなり読み終えるのに時間がかかりましたし、もし注釈を参照せずに -
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ネタバレ高校時代に読んで以来で、8年振りくらいに再読。
話の筋は覚えてたけど細部はすっかり忘れてた。
宗助とお米が結ばれて社会と決別する流れを覚えていなかったのだけど、元々その辺りは詳細に書かれていないから覚えているはずもなかった。
でも書かれていないおかげで色々想像できた。
過去の過ちに報いる形でお米が死んだり、宗助が耐えきれず狂ったり、安井との一件を知った坂井が激昂したり、安井と宗助とお米が再会したり…っていう安直な展開にならないのが好き。
過ちが生活の所々に影を落としながらも時々幸福を感じて細々と命を繋いでいくことが示唆されるラストのやり取りも好き! -
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いやぁ、これはすごいなぁ。漱石の語彙力は半端ないです。他の作品でもそういう面がないわけではないですが、この作品は特に描写がねちっこいです。山を見るだけでも、どれだけの言葉が紡がれるのか。右へ行ったり左へ行ったり、上へ行ったり、下に行ったり、ぐるぐると回りまわって主人公の心の内が描かれます。本当に目が字を滑るような感覚が何度もありました。
話の筋的には大したことは起こっていません。いやそれなりに起こっているのかな。とはいえ、そういうことではなく主人公の心のうちに起こるちょっとしたさざ波の、その微妙な揺れ方をこれでもかこれでもかと、手を変え品を変え描き出すその執着というか、こだわりというかなんとい -
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主人公である私と、先生や私の家族との交流が描かれる前半パート、そして先生の過去が告白される後半パートに分かれる物語。
先生が世間と関わりを持とうとしない姿を前半で読んだ際は、これは過去に何かトラウマを抱えているんだろうと思ったが、後半に明かされるその内容は想定以上のものだった。先生は、金によって人が善人から悪人になること叔父から知り、愛でもまた人が大きく変わることを自身から知った。つまり、先生の世間及び人間全体に対する失望感は、他人からの被害的経験だけでなく、己の加害的経験にも起因するものであった。私は前者の要因ばかり予想していたため、後半の物語展開に対してはやはり驚きを感じた。
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