夏目漱石のレビュー一覧

  • 吾輩は猫である

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    ライフワークかと思うくらい、読むのに長い時間がかかった。
    苦沙弥先生の家に集う知識人の会話が滑稽で洒落ていた。
    落雲館とヴァイオリンの話がツボだった。
    終盤の、近代人の個性の肥大化についてはとても読み甲斐があった。

    もう一度読み返したいけど、長すぎて勇気がいる。

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    2026年05月27日
  • こころ

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    平生は皆善人なんです、少なくともみんな普通の人間なんです。
    それが、いざという間際に急に悪人に変るんだから恐ろしいのです。
    だから、油断が出来ないんです。

    先生の叔父は金のために悪人に変わった。
    先生は愛のために悪人に変わった。
    Kは...と考えてしまう。

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    2026年06月09日
  • 吾輩は猫である

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    前に読んだのは確か高校生の頃で、その時はアンドレア・デルサルトとトチメンボーくらいしか記憶に残らなかった。改めて読んでみると、人間に対する強烈な風刺と皮肉が描かれている。「吾輩」の眼を通して、人間はどうしようもなく救い難い存在であることが、生々しく描かれている。

    一方で、これが人間の生きる術でもある。以前読んだ時は、迷亭はただの嫌な奴くらいにしか感じなかったが、改めて読んでみるとこの世の儚さ、その中で目一杯生きることは何なのかを教えられる。

    長編であるが、リズミカルで読みやすい。

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    2026年05月24日
  • こゝろ

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    ネタバレ

    やりきれない、ひたすらやりきれない。

    最初は、妻のことを気遣い、Kへの罪悪感を消化するのであれば、毎月の墓参りを続けつつ、Kの分まで長生きして妻を幸福にするのが筋では?と読みながら感じていた。
    しかしどうも先生の語り口をみるに、Kを自殺させるに至った罪の自覚よりも、そうしてしまった自分の未熟さや浅はかさを恨んでいたり、Kの呪縛から解放されたいように思える。それならば最期に自分でケリをつけるという結論に至っても不思議ではないなと。

    オカルトな解釈をしてみると、Kの幽霊が先生に取り憑いたのでは、という解釈もできる。特に、295ページの「私の胸には〜」から始まる、先生の行動を強制したり、縛りつけ

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    2026年05月24日
  • マンガで読む名作 三四郎

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    自分が若く青春時代に突入しかかった頃は、女性が眩しく、近寄りがたく、どう接して良いか分からない存在だった。その青臭さを忠実に表現している訳ではあるが。それが面白いかと問われたら、はて?となるかも。

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    2026年05月16日
  • 草枕(新潮文庫)

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    智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。

    これまた日本文学史上に名高い名文の書き出し
    さすが漱石先生である
    さすが漱石先生であるが、実際の書き出しは「山路を登りながら、こう考えた。」が正しい
    これに続くのが冒頭の一文
    まぁ世の中そんなもんである

    はい、という訳で早速読む
    『神様のカルテ』のイチ先生が大好きな『草枕』を早速読む

    そしてわいは今からとてもいいことを言うので、耳の穴かっぽじってよく聞きなさい

    だいたいがだな『草枕』に中身なんてありゃしないのだよ
    それをなんか有難がって「よく分からなかった〜私には夏目漱石はまだ早かったかも〜」と

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    2026年05月13日
  • 三四郎

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    漱石の作品は坊っちゃんに次いで2作目。純文学って結局なんなの?と思っていたけど、この誰にでも経験しうるようなありふれた人生をサンプリングしたのが純文学なのかもと思った。すべてにオチがあるわけじゃなくて、世界からすると些細な事件だけど、当人の人生からすると大きな事件にフォーカスしていると思った。
    恋愛面にフォーカスした作品だったのは意外だった。

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    2026年05月10日
  • 道草(新潮文庫)

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    漱石自身の生い立ちや生活を題材に、近代中産階級の酷薄な人間関係と「金しか欲しくない」物神崇拝を担々と書いています。
    「世の中に片付くなんてものは殆んどありゃしない。一遍起った事は何時までも続くのさ。ただ色々な形に変るから他にも自分にも解らなくなるだけの事さ」

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    2026年05月09日
  • 明暗(新潮文庫)

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    漱石未完の絶筆。
    たしかに「則天去私」の境地というより、他者との緊張関係に終始する人間存在の仄暗さを書いているように思います。
    小林「珍らしく余裕が下から上へ流れた。けれども此所から上へはもう逆戻りをしないそうだ。だから矢っ張り君に対してサンクスだ」

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    2026年05月09日
  • 三四郎(新潮文庫)

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    その時代背景を知ると更に理解が深まるのでしょう。

    熊本から東京に出てきた三四郎。出会う人々から刺激を受けて、恋をして、考えて…。

    美彌子の思いは誰へと向かっていたのでしょうか。

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    2026年05月05日
  • 転生したら名作の中でしたシリーズ 坊っちゃん 1巻

    ネタバレ 無料版購入済み

    漱石ですねぇ^ ^;

    冒頭に引用されているのも「草枕」の有名な部分でした。主人公に近しい女性社員がマドンナとして作中に出てきそうです。
    坊ちゃんの本名は出てこないので、本人になっても名前は聞き取れないようでした。出だしとしては十分に良いのだろうと思います。

    #アツい

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    2026年04月26日
  • 明暗(新潮文庫)

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    主人公は痔の手術をして500ページくらいまで寝てるけど、不思議と緊張感のある展開が続く。
    主人公は自分がふわふわしているのに、他人のことは馬鹿にしていて良い感じ。奥さんは例によって(?)重め。吉川夫人の動機が良く分からないまま。
    以前にフラれた女性と温泉宿で会うくらいで、残念ながら絶筆。

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    2026年04月26日
  • 私の個人主義

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    夏目漱石の晩年の講演は、現代から100年以上の時を経ているけれども、社会の根底にある問題は大きくは変わっていないこと、その本質を平易な言葉で丁寧についていることに驚かされる。近代化は二つの世界大戦を経て、情報化社会、AI化社会へと移り変わり、今や巨大テック企業やプラットフォーマーらごく一部のテクノロジー覇権者によるテクノ封建制の様相を呈しているが、ここで説かれた「個人主義」や責任、義務、正義による徳義心のあり方、職業観には勇気づけられるところがあった。

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    2026年04月24日
  • こころ

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    人の心の葛藤と、移り変わりをじっくり書いたものだった。難しいと思ったけど、後半からかなり面白くなる。漢字の勉強にもなります。^_^

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    2026年04月21日
  • 吾輩は猫である

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    あの有名な猫のお話。猫の視点から人間を観察し、痛烈に批評する漱石先生の古典。偉そうに批評するのに、自身は餅で窒息しそうになったり、ネズミを捕るのに大失敗したり、ちょっと残念なのも面白い。人間性の本質を捉えた美しい文章が魅力の作品。ただ前半は読むのに苦労するので注意。

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    2026年04月18日
  • 道草

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    ネタバレ

    お住が良かった。今まで夏目漱石読んできて、女性側に特別強い印象を受けた覚えが無かったんだけど、道草に至っては健三よりも記憶に残っている。ああ言えばこう言うといった場面も多いのでヒステリックだと捉えた人もいるかもしれないが……私には強い女性に見えた。

    「もし尊敬を受けたければ、受けられるだけの実質をもった人間になって自分の前に出てくるがいい。」もなんだけれど、「いくら女だって、そう踏みつけにされて堪るものか」には痺れた。まだまだ女性の地位が低く献身を求められたであろう時代に、この考えを持てるお住はかっこいい。そしてその強い女性を描ける夏目漱石もいい。

    話としては、ずっと平行線。健三とお住は常

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    2026年04月12日
  • こゝろ

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    夏目漱石「こころ」読み終わりました、結構文章が難しかったです‪

    人間はずるい生き物という強い思いが伝わってきました。嘘をついたり、自分が得するために騙したりするけど、そうやって得たものに対して罪悪感で苦しむという、真理をついた物語でした。

    読んでみて、太宰治より繊細では無く、大人っぽく落ち着いた文章でしたが、切なくて悲しい物語でした‪

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    2026年04月10日
  • 行人

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    「恐れない女と恐れる男」「恐れない詩人と恐れる哲人」という三角関係の構図は、「彼岸過迄」を引き継いでいる


    岩波文庫 夏目漱石 行人


    一人称小説なのに、終盤に別の人に視点が入れ替わる驚きの構成だが、入れ替わることで一気に、エゴイズムが 自己を追い詰めて、狂気の世界に変わる 描写は 見事


    追い詰められて狂気に逃げたというより、あえて救いのない狂気を選んだという感じ









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    2026年04月08日
  • 坊っちゃん

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    話が早速本題から逸れるが、「ちょっと」を「一寸」、「つもり」を「積り」と表記しているのが特徴的。「失敬千万」は云いたくなる言葉。
    はじめて全体を通して読んだが、田舎というか大人の社会の闇を痛烈に批判する、極めて風刺的な内容に受け取れた。夏目漱石自身の実体験にもとづいているため、本人も人間不信で義理堅く不器用な面があったんだろう。「坊っちゃん」というのは、実家に仕えていた奉公人(侍女)である「清」が主人公を呼ぶときに用いた呼称。自分が唯一心の底から敬愛し心を許せる存在が彼女であり、その言葉は彼を彼たらしめるアイデンティティーであり、江戸っ子としての矜持だったろう。純粋さや素直さ、正直さは「子供」

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    2026年04月05日
  • 彼岸過迄

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    構成が面白い。序文に3ページ使ったり、一人称小説と思いきや 三人称小説の章もあったり、「結末」という章題も珍しい


    岩波文庫 夏目漱石 彼岸過迄


    出口のない物語といった感じ。三角関係の嫉妬、継母の歪んだ愛、子どもの悲劇的な死、身分意識や知識人階級など 漱石の体験した世界が随所に反映されている


    「恐れない女と恐れる男」という漱石の男女関係像は、嫉妬の意味を表しているように思う。「恐れないのが詩人の特色で、恐れるのが哲人の運命である」とのこと


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    2026年03月31日