夏目漱石のレビュー一覧

  • それから(新潮文庫)

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    「ああ動く。世の中が動く。」
    「僕は失敗したさ。けれども失敗しても働いている。又これからも働く積りだ。君は僕の失敗したのを見て笑っている。(中略)笑っているが、その君は何も為ないじゃないか。」
    「もしポテトがダイヤモンドより大切になったら、人間はもう駄目である」
    重い読後感。代助の不器用さと共に、この時代の「家族」という結びつきの重さを感じた。
    友人平岡との職業に関する議論は現代に通じる鋭さがある。

    #2024 #2024年12月

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    2024年12月15日
  • 文鳥・夢十夜(新潮文庫)

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    初めて漱石の小品を読んだ。『夢十夜』は妖しく、『永日小品』は可笑しく読んだ。『思い出す事など』は、生死をさまよった体験が克明に記されていた。
    漱石の事がよく分かる作品集で実に興味深かった。

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    2024年12月13日
  • 坑夫(新潮文庫)

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    授業で足尾銅山を扱ったばかりだからタイムリーで面白かった。坑夫の生活状況が学べてよかった。
    人間の性格は1時間毎変わるという文にあるように主人公のダイナミックな心情の変化が豊富な語彙で語られてて面白かった。地獄に仏ありと言うが、安さんがかっこよかった。
    漱石先生の話は後半の盛り上げがやはり面白い。

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    2024年11月24日
  • 草枕(新潮文庫)

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    僕の好きな著者である夏川草介は、
    夏は、夏目漱石。
    川は、川端康成。
    介は、芥川龍之介。
    そして草は、草枕(夏目漱石 作)からとっていて、本作に興味を持った。

    生きづらい世の中から煩いを切り離して映すことができるのが画や詩である。この非人情を主人公が求める物語。

    知が働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。そんな生きずらい世の中は現代も同じだなと感じた。本作のテーマは「自分を主観で見るから辛い。自分を詩中や画中のように非人道(自分の利害を棚に上げる、他人事、都合の良いように)にする事で楽になれる。」だと思った。
    しかし、当の主人公が水墨画でなく、絵の具を使った西洋画に拘っ

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    2024年11月17日
  • 草枕(新潮文庫)

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    ほぼ随筆。劇的な物語はないものの、漱石先生の日々感じていることの片鱗が分かって面白かった。やはり文章は文句なしに綺麗。素晴らしかった。ただ、他の作品に比べて少し読みづらかった。

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    2024年11月07日
  • タナトスの蒐集匣 -耽美幻想作品集-(新潮文庫nex)

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    妖しげな姫様(?)の絵が好みでジャケ買い。近代文学史に名を残す文豪たちによる怪作集。「桜の森の満開の下」「芋虫」「夢十夜」は以前読んだことがありましたが、今回も変わらずおもしろくて好きな作品です。個人的には「白蟻」のいい意味で「何を読まされているんや…?」という気持ちになり印象的でした。

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    2024年11月05日
  • タナトスの蒐集匣 -耽美幻想作品集-(新潮文庫nex)

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    改めて読むと、夏目漱石や江戸川乱歩の文章のなんと読みやすいことか。

    個人的には夢野久作の瓶詰地獄が、短編のなかに、考えさせられる構成の工夫があり、謎解きのようで面白かった。
    わかりやすさや時系列がシンプルな今時には見られない昨日だった。、

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    2024年10月27日
  • それから(新潮文庫)

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    ネタバレ

    終わりに近づくにつれてどんどん苦しくなっていく展開でしんどかったです。代助のしていることは自業自得と思いつつ、一人の女性にこだわって家族や友達と絶縁される様子には少し同情してしまった。最後に三千代がどうなったのかだけ気になる。

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    2024年10月27日
  • 10分でおもしろい夏目漱石

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    ネタバレしない程度に紹介してくれているので原作も読もうと思える、入門書としてちょうどいい塩梅。今まで自分が読んだことがある作品にも久しぶりに触れられて懐かしい気持ちになった。
    『三四郎』と『吾輩は猫である』はまだ読破できていないので読みたい。

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    2024年10月23日
  • それから(新潮文庫)

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    最初はなかなかページが進まず時間をかけて読んでいたが、後半の盛り上がりがとても良く手を止めることなく最後まで代助の姿を見届けることができた。前期三部作の中で一番好き。

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    2024年10月14日
  • 思い出す事など 他七篇

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    某所読書会課題図書:夏目漱石の文章は久し振りに読んだが、豊富な語彙と幅広い読書履歴、自分の病気に対する冷静な判断には感心するばかりだ.有名な人、教養のある人が数多く出てくるが、看護婦さんなどの身近な人にも丁寧な対応をしている姿は素晴らしいと感じた.吐血に対する治療法が克明に描写されているのも、事実をしっかり把握する姿勢の現れだと思った.

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    2024年10月10日
  • こころ(まんがで読破)

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    原作は字体や文章表現が古臭くとっつきにくいなと思ったのでマンガで簡単に概要を知るために読んでみた。
    話のあらすじがとてもわかりやすく、明治天皇の後を追って著名人が自害するなど今の時代では理解出来ないような当時の雰囲気を知れたり、若者特有の全能感から自分の器を知って失望に変わる苦しみ。欲望が絡むとどんな人間も心が弱くなり親友や親族でさえ裏切るという、いつの時代も変わらぬ人間の醜さなどが描かれていて共感できる部分も多かった。

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    2024年09月26日
  • 虞美人草(新潮文庫)

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    「愛嬌と云うのはね、自分より強いものを斃す柔かい武器だよ」「それじゃ無愛想は自分より弱いものを、扱き使う鋭利なる武器だろう」
    小野さんは自分と遠ざかるために変わったと同然である。

    わが悪戯が、己れと掛け離れた別人の頭の上に落した迷惑はともかくも、この迷惑が反響して自分の頭ががんと鳴るのが気味が悪い。
    雷の嫌なものが、雷を封じた雲の峯の前へ出ると、少しく逡巡するのと一般である。只の気の毒とは余程趣が違う。けれども小野さんはこれを称して気の毒と云っている。

    真面目と云うのはね、僕に云わせると、つまり実行の二字に帰着するのだ。口だけで真面目になるのは、口だけが真面目になるので、人間が真面目になっ

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    2024年10月22日
  • 吾輩は猫である 上

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    有名な作品。現代人でありながら、それなりに面白く読むことができたのが漱石の凄さだろう。一方で、その奥を探ってしまう。単純に読むだけで、何か足りないのではないかという気になる。

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    2024年09月06日
  • 虞美人草(新潮文庫)

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    ようやく読みきれた『虞美人草』。前半部分は漢文調が続くので慣れるまで時間がかかりました。後半部分になって、登場人物の中でも話の要となってくる人物の正確や様子が分かってきて、徐々に作品に引き込まれていきました。それは男女間のもつれや師弟関係のしがらみがかかわってきているからだと思います。このあたりから人の心にある弱い部分や傲慢が部分が感じられたのもあります。

    また、虞美人草はひなげしのこと。花言葉は「心の平穏」「労り」「慰め」「思いやり」。作品の後半でようやくこのタイトルが登場人物の心の移り変わりを表しているようにさえ思えてきました。

    宗近君が小野君にまじめに生きることを説く部分はすごいと思

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    2024年09月01日
  • 吾輩は猫である

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    猫の『吾輩』からとして描かれている視点が面白く、
    電車の中で何度も吹き出してしまった。
    面白いのだけど、文体の難しさと注釈の多さ、
    字の小ささ笑とでなかなか読み進まない笑

    この時代の人たちは知性がすごい。
    書物や文献•翻訳本などへのアクセスが今に比べて全然乏しかったであろうこの時代、なのに知識量ハンパない。

    後半、この時代の『個』の考え方がわかって面白い。
    最後『吾輩』のラストシーンはじんとくる。

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    2024年08月18日
  • 坊っちゃん

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    現代のラノベの文体だって

    言わずとしれた夏目漱石の初期の代表作である。大家漱石の作品ということで、様々な観点からのうがった解釈も可能とは思うが、単純にユーモア小説として読むのが気楽で良いような気がする。この作品の真の値打ちはその切れの良い短いセンテンスの文体にあると思う。この文体が日本近代文学に与えた影響は非常に大きいと思う。現代のラノベの文体だって、坊っちゃんの子孫かもしれない。

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    2024年08月07日
  • それから(新潮文庫)

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    感想 三四郎からの続編、家と友と愛を渦巻き、過去への後悔と未来への不安を描く心理小説。
    言葉の限りを尽くして内なるものを表現し、能天気な主人公が悲劇の世界を歩み始める対比描写が気持ち悪く印象的だった。
    また中身ではないが、漱石の文の進め方は言葉を尽くし、ニュアンスを言語化する傾向があるということを学んだ。

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    2026年01月12日
  • 草枕(新潮文庫)

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    編集者の松岡正剛氏は、「日本のための5冊」と題したある講演で次のようなことを言った。

    「我々日本人は『草枕』を継承していない」

    本作を通して描かれているのは「幽玄の美」である。つまり、現実なのか夢なのか判然としない曖昧性の高い世界観である。古来、日本人はそうした幽玄の世界に日本特有の美を見出してきたのではないだろうか。だとすると、この世界観を現代で実装するにはどのような手段があり得るか。3DCGやメタバースといった仮想空間は1つの可能性としてあり得るだろう。そんな考えが本書を読んでいる際に頭をよぎった。

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    2024年07月31日
  • 明暗(新潮文庫)

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    ネタバレ

    漱石の死去により未完となった大作。

    勤め先の社長夫人の仲立ちで半年ほど前にお延と結婚し、平凡な毎日を送る津田由雄には、お延と知り合う前に将来を誓い合った清子という女性がいた。
    ある日突然津田を捨て、津田の友人・関に嫁いでいった清子が、一人温泉場に滞在していることを知った津田は、痔の手術後の湯治という名目のもと、密かに彼女の元へと向かった…。

    これまでの漱石の作品には似ていません。大上段に構えるでもなく、飾り過ぎない筆致で描かれる市井の人々の日常ですが、これが滅法おもしろい。
    一応、主人公は津田ではあるものの、彼も数ある登場人物たちの一人にすぎないという点で、かなり相対的に描かれています。

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    2024年07月28日