夏目漱石のレビュー一覧
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ネタバレ先生はいったい何を考えていたのか
Kはどうして死んだのか
私はどうすればよかったのか
そんなことを考えさせられる小説だった。
先生と私の会話はいつみても距離があったように感じる、その距離は近づくこともあるけれど、近づいた分だけ遠ざかる。
先生が過去を少し吐露したあの日が最も近づいた日だろうが、それ以降先生は彼にやはり必要以上に近づこうとはしていなかった。
しかし、これは私だけでなく奥さんにもそうであった。奥さんがお嬢さんになったその日から、先生はきっと今のように過ごしてきたに違いない。そんなことを考えると奥さんには気の毒でしょうがない。
しかし、それ以上に先生が気の毒で哀れでしょうがない。 -
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★5.0
「私」と「先生」、そして先生の親友であるKを中心に、人間の心の奥にある孤独や罪悪感を描いた作品。友情と裏切り、愛とエゴ、そして近代という時代の中での人間の孤独を深く描いた小説。
高校の時教科書に載ってて面白かったから全部読んだ。
人間の複雑な気持ちの変化とか弱さ、孤独、罪の意識とか心の深淵を捉えていて、すごく好き。
昔の恋愛がどんなだったか分からないし、先生とKの恋愛に対する思いの深さは計り知れないけど、恋愛に関しは、行動したものがちだと思ってる。口で言ってたって意味ないんだよ先手必勝。
✍︎精神的に向上心のない者は、ばかだ。
#さとの本棚 -
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説明の必要もない、夏目漱石の代表作。
「先生」が自殺した。先生の遺書には先生と友人Kとの過去のやり取りが書かれていた。
高校生の時教科書で読んで、一部だけだったから他の部分が気になって、本屋に買いに行って一気読みした。それを今回読み直した。
基本私は夏目漱石の明るい話が好きなんだけど、やっぱり「こころ」は名作だ。まず読ませられてしまうストーリー。そして美しい文体。最後には今も人の心に迫る、人類の普遍的悩みを描いたところ。
この話は疑問が次々湧き上がってくる。なぜKは自殺した?お嬢さんは誰が好きだった?先生とKが直接対決してたらどうなってた?先生やKの生い立ちとその後の人生もしっかりリンク -
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ネタバレ途中難しくて話についていけないところがあっても、ラスト付近の『呑気に見える人々も心の底を叩くとどこか悲しい音がする(曖昧)』の一文でとても切ない気持ちになる。
苦沙弥先生や寒月くんや迷亭さん、いつも楽しく盛り上がっててもそれぞれにそれぞれの人生で泣いたり悩んだりもしてるんだろうな。そしてその個人にしかわからない部分にはいくら仲良し同士で盛り上がってても、他人が入り込めない壁が、どうしても人間と人間の間にはあるよね、と思う。
とはいっても苦沙弥先生たちみんな面白くてあの雰囲気とても好きだし、猫の皮肉めいて見てるところも好き(笑)
夏目漱石氏の小説3冊しか読んだことないけど、これからもっと読んでみ -
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私が読んだのは旺文社文庫の昭和44年10月の初版。一覧に出てこないのでこちらで代替。
旺文社文庫は「夢十夜・幻影の盾(他)カーライル博物館・薤露行・思い出す事など・現代日本の開化」というタイトル。
本棚にあったが買った覚えもない。たぶんBOOKOFFの店舗で買ったのだろう。
YouTubeの読書案内で(どの方かは忘れた)で「夢十夜」が名作だと言っていたので、読みたくなって読んだが、むしろ「思い出す事など」という修善寺の大患の前後を漱石自身が記したエッセイの方が面白かった。主観的に大病をした漱石の感じた事が書かれているので年表で読むより実感がこもっていて良かった。
「幻影(まぼろし)の盾」は -
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夏目漱石の代表作にして、個人的にも、高校生の頃くらいより大人になってからも、最も繰り返し読んだ小説。
小説を読む楽しさを本当の意味で知ったといっても過言ではない作品。記憶に残しておきたい多くのフレーズがある。
作者は、明治から大正初期を代表する作家であるが、いまもなお、非常に読みやすい。
全体は、
私から見た先生→私と両親→先生の遺書
の3部構成であり、最後が中心。
前半は、後半に向けていくつもの伏線が見事にはりめぐらされている。
前期三部作の雰囲気とはガラッと変わる。
内容は、友人であるKの自殺により、それを抱え、人生が変わってしまった先生の孤独、淋しさ、ある種の人間への不信が見事に描 -
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ネタバレまず思ったのは、こんなに長い手紙ある?でした。
なんとも言えない後味の悪さは、先生の犯した罪を妻に言わないのは、一貫して妻に翳りを宿したくないから、でした。
でも、真実を伝える勇気がないのを、妻を汚したくないから、にすり替えてるように思えました。
Kはどこまで考えて死に至ったのか。
死ぬ直前までは、友人の裏切りによって、どんな人間も信じることはできないという絶望からで、だけど絶命の瞬間には、友人に一生の呪いをかけることができる、と思ったのではと感じました。
主人公の私は、父の大変な時にそれを上回る告白を受けて大丈夫か?と思いますが、私は若さゆえのしなやかさを感じるので大きく乗り越えていけ -
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この本の感想を書くのは、かなり難しいのかもしれませんが、しかしながら、書かずには前に進まないので、敢えて多少書きます。
漱石先生の全体的な作風は、以前のままなのですが、ひょっとしたら、作品自体が暴風雨アラシの前触れみたいな感じなのかもしれないと思いました。
人生に対して、真っ正面から臨む漱石先生ですから、佳作という事は無いに違いないでしょうが、しかしながら、「何で?」は尽きないのかもしれません。
でも、後期3部作という位ですから、次回作の『こころ』は非常に楽しみです。
途中、ウィットにも富みながら、愛くるしい登場人物に思いを馳せながら、楽しむ事は出来ると思います。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ高校の時に授業で初めて読んだ。その時の現代文の先生の教え方が上手で、こころに隠された細かい心理描写だったり、風景の表現の仕方の工夫だったりを教えて貰った時、ただ読書が好きで本を読んでいたけど、今まで私は表面的にしか物語を受け取ってなかったんだってショックを受けた覚えがある。
先生やKの些細な心の動きに、自分一人で読んでいたらきっと気がつけなかった。面白さに気づかせてくれたからあの時の授業には本当に感謝してる。
1番感動したのは、襖が先生とKの心の壁を表していたこと。襖の開閉がリンクしていることに感動したのを強く覚えている。
こころの単元が終わってすぐに本屋で文庫買った。授業では先生の遺書の部