• ある日の経験

    寺田寅彦らしさ。

    寺田寅彦さんの本は難しいです。
    数式や確率の話だとか、頭を使う文章が多いように感じます。けれどこの文章はとてもわかりやすいです。自分が物事に対してどう思っていて、どうすればよかったのかを淡々と書いていて、共感できる部分もあればクスッと笑える部分もある。
    寺田寅彦さんの人となりがわかる、良い文章です。

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  • 羅生門

    退廃的

    退廃的で粘っこく、気味が悪くて後味の悪い読み物です。
    まるで小説の一部分を無理矢理切り取ったかのような簡潔さも、不気味な雰囲気の一役を担っています。
    読み終えた後も尾を引くモヤモヤ感が堪らないです。

    #怖い #ドロドロ #ダーク

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  • 交尾

    梶井基次郎の魅力

    梶井基次郎の魅力はなんといっても表現力だと思います。
    景色をそのまま切り取って、無駄な部分を削ぎ落としたような趣があります。
    主人公の主観でありながら、映像の中には主人公が含まれているとでも言いましょうか。
    ストーリーはあってないようなもので、文章の表現力を楽しむ作品かと。

    #ほのぼの #癒やされる #深い

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  • 吾輩は猫である

    ある意味では至高。

    猫ちゃんのひとり語りです。
    途中で語るのに飽きてカマキリ狩りに行ってしまったり、自由できままでのんびりな名もなき猫。

    猫の視点から見た、飼い主やその友達は皆んな個性的で、みんながみんな中に生きています。
    難しい言葉選びも多いのですが、一度慣れてしまえばコメディ映画を観ているような感覚で楽しめる作品かと思います。

    #笑える #ほのぼの #萌え

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  • 坊っちゃん

    無鉄砲

    主人公である『坊っちゃん』はとても魅力的です。
    あ、こういう人いるなぁ
    と思わせてくれるような、快活さと優柔不断さと臆病さと勇敢さが一まとめになったような、とても人間らしい主人公だと思います。
    どこにでもいそうな人だからこそ逆に新鮮で、いつまでも読み伝えられている作品なのかもしれません。

    #笑える #アツい #カッコいい

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  • 珈琲の世界史

    コーヒー好きな方へ。

    コーヒーの『植物としての歴史』や『飲み物としての歴史』を著者の視点から分析した本です。
    植物としての歴史は古く、大陸がまだ一つだった頃の話まで遡っています。どんな経緯で世界中にコーヒーが広がっていったのか、詳しく記述しています。

    飲み物としての歴史は、人間との関わりや貿易での役割などです。個人的にはこちらの話がとても面白かったので、ぜひ。

    #深い #タメになる

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  • 愛撫

    妄想。

    作者の妄想を読んでいます。
    全く何にも役に立たない妄想を、まるで気の置けない友人に当てた手紙の様に、止めることなく筆を走らせた…という感じでしょうか。
    正直、面白いのか面白くないのかわかりませんが笑
    それでも「あぁ、この作者はこういう考えを持ってしまう人なんだな」ということが知れたのは面白いということになるんでしょうか。

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  • 桜の樹の下には

    焦燥感と妄想。

    読んでいて焦燥感を感じました。
    理由はわかりませんが、視点主の焦燥感と現実逃避というか、文の内容というよりは書き手の心情が込められている気がします。それだけに、すごく読み応えがあります。
    同じ芸術という意味では絵画に近いような気がします。物語というよりは、美術館で大きな絵を前にしてじっと眺めているような感覚です。

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  • 檸檬

    なんてことない。

    なんてことない一日の中の1シーンを切り取ったような作品です。短いながら、残る余韻は格別。
    ただひたすらに雰囲気が秀逸で、なんだかレモンの香りが嗅ぎたくなります。
    読み終えてとても不思議な気分になりました。
    短いので是非一度。

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  • リリアとトレイズVI 私の王子様〈下〉

    シリーズ最終巻!

    シリーズ最終巻です。
    最後らしく…というよりはあっさりとしたラストですが、それもまた良いのかなと思います。
    劇的ですが劇的すぎず、それでも面白い!と思えるのはさすがだなと感じます。
    ストーリーもよく練られていて、騙される部分も多々あり、それでも王道を崩さない。とても面白いです。

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  • リリアとトレイズV 私の王子様〈上〉

    アリソン大活躍

    リリアとトレイズですが、アリソンとトラヴァスの活躍も沢山描かれていて、色々な視点があって面白いです。
    シリーズのラストのお話ということもあり、果たしてトレイズはリリアに秘密を打ち明けられるのか、というのがテーマでもあります。
    そんな関係にヤキモキしつつ、事件自体もハラハラドキドキです。

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  • リリアとトレイズIV イクストーヴァの一番長い日〈下〉

    緊張感。

    前作からの続きもの。解決編です。
    緊張感のある話です。
    人質をとって立て篭もった犯人に立ち向かうリリアとトレイズ。そして前作のあの人。という感じです。
    そしてラストはとても納得のいく、スッキリとしていながら余韻を残すいい終わり方です。リリアとトレイズシリーズの中では一番好きです。

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  • リリアとトレイズIII イクストーヴァの一番長い日〈上〉

    前作アリソンのキャラが!

    前作の『アリソン』で活躍したキャラが多く出てきます。逆に言うと前作の『アリソン』を読んでいないとわからない部分もあるかもしれません。
    個人的にはベネディクトとフィオナのシーンが多いのはとても嬉しいです。今作のリリアとトレイズの二人が前作のキャラと関わっていく過程がとても面白く描かれています。
    ぜひおすすめです!

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  • リリアとトレイズII そして二人は旅行に行った〈下〉

    リリアが可愛い!

    今作のラリアは、アリソン譲りのおてんばもありながら、アリソンにはない弱い部分があってとても可愛く描かれています。
    逆にトレイズは、前作のヴィルとも違う落ち着きと場慣れ感があって魅力的です。
    この先が楽しみです!

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  • リリアとトレイズI そして二人は旅行に行った〈上〉

    二人の関係性が良い!

    アリソンの続きとして流れで読みました。
    アリソンの物語から色々と経て物語はリリアへ受け継がれています。
    リリアはアリソンとそっくりなところもありつつ、違う魅力を見せてくるています。そしてトレイズは前作にはいなかったタイプの知的さがあり、とても魅力的。
    ぜひ、アリソンを読んだ方はこちらも!

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  • あさのあつこ短編小説 夏を見上げて。

    思ったより短かったけど、素敵

    想像以上に短く、シンプルな物語だった。
    物語というよりは、なんてことない一日の、ほんの一部分を切り取って小説にしたような作品。
    その短さの中に、思春期特有の強がりだとか弱さが垣間見えて、読んでて甘酸っぱい気持ちが蘇る。
    暇つぶしには良いかもです。

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