綿矢りさのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ綿矢りささんのエッセイ。
エッセイというか2020年(コロナ禍)に書かれた日記です。
液体石鹸から固形石鹸に変えたり、安売りされてるオリンピックグッズを見て切なくなったりは共感。
あと遅まきながら五木寛之さんの大河の一滴は読もうと思いました。
あとがきが凄く良かったです。特に最後のところ。
引用。
とりあえず、くつろぐ。難しいけれど、今必要とされるスキルかもしれない。暴風で前髪がぼさぼさになりほとんど前が見えなくても、飲んだ紅茶に風で飛んできた砂ぼこりがいっぱい入ってても、のどかに飲んでいる体を失わずにリラックスする。やせ我慢と紙一重の、のんびりしたひとときだ。一度泣いたらもう立てないと直感で分かる時がある。そんなとき頼れるのはもう矜持しかない。ものすごい強風が吹いている中、優雅に午後のお茶を意地でも楽しもう。
緊急でない事態の、日常の大切さ、得難さを知っているからこそ、世の流れに従いつつ、自分の周りの生活のテンポを見失わずにいたい。
つくろわないで、くつろいで。
忙しすぎると気づかないけれど、無風と思われるときも清々しい風はわずかに吹いている。微かなそよぎを頬に感じながら日々を過ごしたい。
引用したところが特に刺さったので星4。
最後の加藤千恵さんの解説で、タイトルにころな入っているのに気付きましたw
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Posted by ブクログ
最後まで一気に読み切り、解説を読んで、同じことを考えてくれていた人がいて安心した。
これは同性愛の物語ではない、という書評が多かったのは自分も認識している。でも、実際物語の登場人物たちが窮する立場に置かれているのは当人同士が同性同士だからに他ならない。ふたりが同性愛者かどうかと、社会の中で同性同士のカップルであることは、全く別の次元の話ということに気づいている人はまだ少ないのだと感じた。
同性愛の物語ではない、愛の物語なのだと語ってしまうことが、むしろ問題を矮小化してしまう。漂白されてしまう。愛の物語であることは否定しないし、ふたりにとってただ世の中で唯一の関係性なのはその通りだと思う。でも、第三者が困りごとを矮小化することは、その関係性を差別していることに他ならないと思う。 -
Posted by ブクログ
松任谷由美デビュー50周年を記念して、6人の女性作家さんたちが書き下ろしたユーミン曲がテーマのオリジナル小説集。題名見るだけで惹かれるものがあり、即購入。
収録されている話は以下、
・あの日にかえりたい(小池真理子)
・DESTINY(桐野夏生)
・夕涼み(江國香織)
・青春のリグレット(綿矢りさ)
・冬の終り(柚木麻子)
・春よこい(川上弘美)
いずれの曲も知っていたが、あらためて思ったのは、その曲に対する偶像イメージは『人それぞれ』ということ。特にユーミンなどは僕らの年代は誰もが知っていて、その曲に対する絵が脳裏に自然と浮かぶ。
ただ、それをいざ物語化してみたら、作家が描くストーリーが自分とは少し違うのだ。
例えば『あの日にかえりたい』のストーリーは学生運動の渦中であり全くオシャレ感は無く、『冬の終り』は歌詞には一切関係なく女性のパート職場の人間関係の話だった。
まあ当時の僕らがカーステレオで流す音楽の何割かがユーミンやサザンであったように、青春の傍らには必ずユーミン曲が流れていたという象徴のような小説なんだということかな。
『私を許さないで 憎んでも覚えてて』というキラーフレーズが印象に残る『青春のリグレット』は、自由奔放に恋愛をしていた女性が回顧しながら交差点で物思いする話は、僕のイメージに近かったかなあ。『綿矢りさ』だから、女性のしたたかさ?が描かれていてちょっと怖かったな。