綿矢りさのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
最後まで一気に読み切り、解説を読んで、同じことを考えてくれていた人がいて安心した。
これは同性愛の物語ではない、という書評が多かったのは自分も認識している。でも、実際物語の登場人物たちが窮する立場に置かれているのは当人同士が同性同士だからに他ならない。ふたりが同性愛者かどうかと、社会の中で同性同士のカップルであることは、全く別の次元の話ということに気づいている人はまだ少ないのだと感じた。
同性愛の物語ではない、愛の物語なのだと語ってしまうことが、むしろ問題を矮小化してしまう。漂白されてしまう。愛の物語であることは否定しないし、ふたりにとってただ世の中で唯一の関係性なのはその通りだと思う。でも、第三者が困りごとを矮小化することは、その関係性を差別していることに他ならないと思う。 -
Posted by ブクログ
松任谷由美デビュー50周年を記念して、6人の女性作家さんたちが書き下ろしたユーミン曲がテーマのオリジナル小説集。題名見るだけで惹かれるものがあり、即購入。
収録されている話は以下、
・あの日にかえりたい(小池真理子)
・DESTINY(桐野夏生)
・夕涼み(江國香織)
・青春のリグレット(綿矢りさ)
・冬の終り(柚木麻子)
・春よこい(川上弘美)
いずれの曲も知っていたが、あらためて思ったのは、その曲に対する偶像イメージは『人それぞれ』ということ。特にユーミンなどは僕らの年代は誰もが知っていて、その曲に対する絵が脳裏に自然と浮かぶ。
ただ、それをいざ物語化してみたら、作家が描くストーリーが自分とは少し違うのだ。
例えば『あの日にかえりたい』のストーリーは学生運動の渦中であり全くオシャレ感は無く、『冬の終り』は歌詞には一切関係なく女性のパート職場の人間関係の話だった。
まあ当時の僕らがカーステレオで流す音楽の何割かがユーミンやサザンであったように、青春の傍らには必ずユーミン曲が流れていたという象徴のような小説なんだということかな。
『私を許さないで 憎んでも覚えてて』というキラーフレーズが印象に残る『青春のリグレット』は、自由奔放に恋愛をしていた女性が回顧しながら交差点で物思いする話は、僕のイメージに近かったかなあ。『綿矢りさ』だから、女性のしたたかさ?が描かれていてちょっと怖かったな。
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Posted by ブクログ
綿矢りささんの本は初めて読みましたが、ワードセンスが素晴らしいと思った。ギャグセンも高くクスッとなるシーンも多かった。変わった言い回しでも全部イメージが出来る素敵な表現が多い。他書籍も読んでみたい。
主人公のミル子のキャラクターが面白い。
親にも敬語だし、変なあだ名を悪気なく脳内で付けちゃうし。一見変わった人付き合いが苦手な子だけど、ピュアで可愛く、そしてちゃんも恋愛に悩みを抱え、ミル子なりに成長をしていく。
恋愛を通して、「1人で足りている」から」他人と味わう喜びを知っていく」に変わっていくのもアンドロイドから人間になる変化を見た気がして感動した。
周りのキャラも良い。
ズバズバ、ミル子につっこんでいく友達の萌音との絡みが良かった。2人のように、ベタベタしない、さっぱりとした仲の良さに憧れます。
主人公が風変わり、だけど魅力的に描かれる題材でいうと、成瀬シリーズと少し似てると感じましたが私はミル子のふいに発するワードセンスが好き。こちらの方が引き込まれました。