綿矢りさのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ1日で一気読み!
なんとなく母の勢いに為されるがまま業界色に染まってしまうのかと思いきや、母の危機管理能力は素晴らしくて驚いた。愛するトーマを手に入れないことにずっとずっと苦しみながら、若い頃に自ら課した「望んだ人生を自分の力で手に入れる」という強い理想と戦いながら、夕子一色の人生を歩み、そして最後に夕子と散った、幹子の想いはどんなものだっただろうか。強い母、幹子、かっこいい。
そしてその教育のおかげもあり、業界の中でも真っ直ぐな夕子が愛おしくて、悪いものに呑み込まれませんようにと願いながら読んでいた。結局悪いものに呑まれたのも、夕子は誰よりも真っ直ぐ純朴だったからだった。誰かを一途に愛してゆえの行為が、穢いとされる社会ってなんなんだろうなと思った。周りの大人たちは十分優秀でしっかり止めた。だからこそたしかに夕子は「世界一ばかな子」だった。でもひとりの少女が普通に望んでおかしくないことだったはずで、辛い。
中学時代なんかは、多摩のお家にお邪魔した後も「もし泣いてたり悲しんでたりする人を見つけたら、今日の多摩がしてくれたように元気づけられるようになりたい」と思うのも、運動会の全体練習で多摩の隣を代わってもらうのも、マクドナルドで色んな人に受験勉強の邪魔をされても「テレビに出ると話したこともないいろいろな人といつのまにか顔見知りになれていてうれしい」と思えるのも、あまりにも素直で、昭浜の地が治安がいいのだろうなと安心するなどした。
めぐるましい高校生活の最中にいる描写がこっちまでチカチカと疲弊してくる感じがして、表現とても好きだったな。
週刊誌やネットの悪口を見つけてしまってからの夕子の混乱具合も、恋を知ってしまってからの「お熱」で聞かん坊状態、そして落ちて落ちて落ちていく感じも読んでいて辛い。
だからこそ、むしろ映像が流出した直後のみんな茫然としていて逆に「滑稽」で「平和」な状況に拍子抜けしたり。あくまで客観視しているこちらの方がバクバクしてしまう。
めぐるましさに釣られて深夜に勢いづいて読み切ってしまうような小説だった。大袈裟じゃなく「人権」を奪われているようなすべての「業界人」を尊敬する。 -
Posted by ブクログ
京都で暮らす三姉妹。 結婚、恋愛、仕事、上京と、それぞれ違う方向に悩みながら自分の人生を選んでいく。
三姉妹の中なら羽依が好き。 恋愛体質で、時にはほぼキレ芸人。それでも自分の中に一本芯が通っていて、納得できないことにはちゃんと立ち向かう。その強さが気持ちいい。 慎重すぎる綾香には「そこまで気にせんでいい」と言いたくなるし、京都を離れる凜には「正解かどうかなんて行ってみないと分からん」と言いたくなる。 気づけば蛍父さんのような気持ちで三人を眺めていた。
そして、ぼんやり見守っていた蛍父さんが最後にちゃんと父親として格好をつけてくれるのもいい。
相変わらず絶妙な人間観察と、「分かるような気がするのに、その表現は思いつかない」と唸らされる言葉選び。 そこに京都弁と京都の四季が加わって、笑いながら読めるのに文章では何度も立ち止まらされる。
女は強し。 安心して読める綿矢りさの家族小説だった。 -
Posted by ブクログ
男女の友情は信じてない派だけど、やっぱり…って思ってしまった。
しかも、元恋人同士なら尚更。
ジュリエは、優しすぎ。
隆大は何考えてるのって感じ。
他国で育ってたから、価値観が違うのは当たり前(他人という時点で当たり前)だけど、嫌なこと(元カノとの同居生活)をこんなにも我慢して我慢して我慢して…
流石にそこまで我慢する必要ある!?!?!
今カノ(ジュリエ)の事が1番好きで愛してるのなら、今カノが嫌がることはしないのが鉄則でしょう!なんで?!?!
いくらお世話になった人であっても、違う選択肢があると思うけどな。
隆大には理解不能。
2作目の「亜美ちゃんは美人」について、共感できる部分とできない部分があった。
確かに、美人な友達といると誇らしい気持ちになるけど、亜美ちゃんにだけしか目もくれず、亜美ちゃんにだけ可愛いね!!ってされるのはキツイ。自分も経験ある…泣
引き立て役みたいになっちゃうのはごめんだよね。
女子同士の友達では、亜美ちゃんと一緒にいた方が誇らしい気持ちになれるから良いけど、男子が混ざってくると、離れた方がいいのかも…?
仮に意中な男性がいた場合、亜美ちゃんみたいな美人が隣にいると中々しんどいだろうしね。比較対象とされたら嫌だし。
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Posted by ブクログ
ネタバレ久しぶりに、ページをめくる手が止まらない勢いで読んだ!面白かった!
身の回りで起きそうなくらいとても身近なストーリーで、これなら自分にも書けそう!(愚か者)と思ってしまうくらい親近感がある、読みやすくて引き込まれる小説だった。
どこか無意識に相手を見下してしまう気持ちや、それこそタイトルにもある相手を「かわいそう」って思う気持ちを小説内で至る所に散りばめてて、共感の嵐だった(きっと私の性格が曲がってるせいもあるだろうなぁ)
本当に「女」って感じの綿矢りさがとても好き。
Ps. さかきちゃんは、亜美ちゃんに負けないくらい綺麗な「蘭ちゃん」って名前があるのに、最後までずっと「さかきちゃん」であることが心にずっしり残ってる -
Posted by ブクログ
ロリータの整形依存の女性、推しにストーカー紛いのことをしてしまう女性、不倫に罪悪感がない男性、他人の迷惑を顧みず自己主張を決して曲げない綿矢りさ!と女性ライターという、常識を振りかざした人々には白い目で見られがちな人々が主人公。
普段触れ合わないタイプの人々の頭の中をマルっと覗いたみたいでとても面白い!
そしてこの登場人物の周りにはやたらと噂したり介入してくる人物がいる。
SNSでも瑣末なことで喧喧囂囂やってらっしゃるが、自分の人生に影響のある人でもない人のこと考えてる暇があったら自分のこと考えた方が有意義だよ、と言いたい。みんなほんとに関わりたがり。さみしいのかな。 -
Posted by ブクログ
生きてるときの方がひとときの夢だ。
これいいなーて思った。今まで生まれてきて死んだ人全員並べたら今生きてる人のが圧倒的に少数なわけだしそう思うと深く思い詰めなくてもいいけど貴重な時間なわけで
偏見とか同性愛とか差別とか複雑な親子関係とか色々絡まり合ってるのに読みやすかった。
りんたちの年代もめっちゃ平成だし、この世代の人たち特有の元気さみたいなのはこの学生時代から形成されてるんかーて妙に納得した。
道徳の授業の描写とか自分が中学時代に感じてた全く知らないまま話が進んで理解できてないのに感想書けと言われて、先生も答えられないていう現象全く同じだし全国で起こってたんやと答え合わせされた気分。