綿矢りさのレビュー一覧
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600ページを超える長編。
持ち歩くには辛すぎたー。でもよかった。
13歳のときに知り合った久乃と綸。
中学時代の話はわかるなぁ、そんなふうに感じたなぁと懐かしくも共感ができ読みやすかった。
90年代の時代も反映されてて、色んな意味でなつかし!だったのに、32歳の再会は久乃の変貌っぷりに驚き、気持ち悪く感じてしまいちょっと読むのがしんどかった。
かなり気持ち悪い思考なのにたんたんとしてるとこが余計に気持ち悪かったなぁ。
とはいえ、二人が幸せになったらいいな。
清盛はきっと結婚しても変わらないだろうし、ある意味綸の選択は間違ってないんだろうな。 -
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同性同士の恋愛がテーマなのかもしれないが、そこはあまり意識せず読めた。
同性同士故の葛藤は描かれているけれど、自分がリベラルな考えだから気にならなかったのか、綿矢さんの筆力がそう思わせたのだろうか。
同じ経験はなくても、学生特有の心の機微や時代背景は共感するところがあった。
街中で同性同士で手を繋いでいる人たちを見ることが増えたけど、日本人より外国人カップルのほうが多い気がする。(主語が大きいけど)日本人カップルは幼少期に経験した排他的な感覚が、大人になっても残っているのから堂々としづらいのだろうか。
とはいえ、異性カップルが手を繋いでいても何も意識しないのに、同性カップルをみると「あっ」と -
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ネタバレ
あったかくて、辛辣で、眩しくて、痛々しくて、それでもやっぱり暖かい作品だった。
"レズ""ホモ"同性愛者を表現する言葉があるけれど
どこか卑下した言い方というか。
異性愛者が正義だと思っている考え方が浮き彫りになる呼び方な気がして、好きじゃなかった。
作中の久乃と綸は同性に恋をした。
周囲の友達が異性に恋をする中で、同性の親友に恋をする。
自分の気持ちに気付いたときは、葛藤や戸惑いの気持ちに押しつぶされたかもしれない。
けれど、お互いがお互いをきちんと見つめて
自分の気持ちに蓋をしないで、気持ちを通わせたところが
すごく暖かくて、煌めいていて眩しか -
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ぐんぐん加速していった下巻。一目会うことさえ叶わなかった7年をはさんで、二人が一度クロスし、そして再び一本のラインとして交わりあっていく様子が、鮮やかに描かれていた。一方がむかし言っていたことをもう一方がずっと覚えていたり、現在と過去がシンクロしたりと、このふたりの長い年月を読者としてずっと追ってきた喜びが感じられた。
一度固く閉ざされてしまった彩夏の心がほぐされていった直接的なきっかけや、逢衣と両親のその後など、はっきりとは書かれていない。納得いかない読者もいるだろうが、現実って実際はこんなものだろうなと、むしろ自然に思われた。なにもすべてにおいて、はっきりした出来事をきっかけに心が動いてい -
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ずっと読んでみたかった一冊。しっとりねっとりした感じを勝手に想像していたが、現代的でスピード感もありぐんぐん読ませる感じだった。お互い彼氏のいた逢衣と彩夏が付き合うようになった経緯もなかなか急なのでびっくりしたけど、それは読者にとってわかりきった展開なのでこれくらいでいいのかも。とはいえ元彼氏の颯と琢磨があまりに物分かりがよすぎて不憫……。
ところどころ文章が荒っぽい感じがするのに引っかかりつつも、先が気になりあっという間に読み終えた。もともと素朴な印象だった逢衣が、彩夏と一緒にいるうちにどんどんあか抜けていくような様子にわくわくした。女性が女性と交わることではじめて得る気づきが丁寧に綴られて -
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ネタバレ▼メモ
・絃(ゆずる)
▼好きな個所
P136
・この三カ月のあいだ、奈世は常にいなかった。なのに急に、奈世がもう本当に僕から離れてしまっていたのだと実感した。(中略)走るスピードをゆるめずに、道端にあった公衆電話ボックスに入った。走るのに邪魔だから形態は持ってきていない。百円玉を入れ暗記している奈世の携帯電話の番号をプッシュするけれど、つながらなかった。家に帰ったあとも、携帯から何度も何度もかけなおしたけれど、僕の声はどこにも届けられない。
∟同棲してる時は当たり前の環境に、塩対応だったのに、奈世ちゃんの携帯番号覚えてたんだ、内には熱いとこあるじゃん。そして、この人間の変化と一心不乱の時に -
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初版から22年程経っていることを知り、時の流れの速さに愕然としつつ初めて読みました。
長谷川と絹代と、にな川の3人の高校生が、アイドルのライブに行く。出来事はそれぐらいしかない。
高校生活が始まり、少なくとも馴染めているとは言い難い長谷川と友達グループを見つけ活発的な絹代、クラスどころか家族とも馴染めないにな川。
中学とも大学とも違う、狭間の時代。
大人から見ると、不器用が過ぎる2人と、背伸びをしたがる普通の高校生。自己管理はできないが欲情を発散したいと感じていた頃。
私も昔を思い出し、つい当時の後悔と懺悔が頭をもたげそうになる。
当時は史上最年少の芥川賞受賞者ということで、メディアで随分取 -
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綿矢りささんの『かわいそうだね?』、とても面白く引き込まれた。
日常ではなかなか遭遇しない修羅場や出来事を追体験している感覚があり、先が気になってどんどん読み進めてしまった。特に「対女性との関係性の悩み」が的確に描かれていて、自分にも心当たりがある分、読んでいて苦しくなる場面も多かった。
一方で気になったのは、タイトルの「かわいそうだね」という言葉が誰に向けられているのかという点。物語は、周囲に頼らず自分の意思をはっきり持って進んでいく強い女性と、外見や甘え上手さによって人に守られる女性、その二人を対比させながら展開していく。最初は「強く誰にも頼らない女性」に向けた孤独への同情の意味かと思 -
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ネタバレ▼メモ
・江藤ヨシカさんの妄想癖は好き。
・抽象度上げると、綿矢りささん独特の世界観に引き込まれる。
▼好きな個所
・「どうして私のこと“ きみ”って呼ぶの」
イチは私が大好きな、恥ずかしそうな笑顔になった
「ごめん。なんていう名前だったか思い出せなくて」
江藤さんについて聞かせてと言ってきたときのニの顔が思い浮かんだ。江藤さんのこと聞かせて。私が胸に赤い付箋を付けていただけで、私を見つけてくれた人。
・もういい、想っているいる私に美がある。イチはしょせん、ヒトだもの。しょせん、ほ乳類だもの。私の中で十二年間育ち続けた愛こそが美しい。イチなんか、かってにふるえてろ。 -
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初の綿矢りさ作品だけど面白くて一気読み。
綿矢りさの作品って、女にしかわからない独特な空気感をうまく表現してて、本当にリアル。
もしかしたら男性の読者は読んでていまいちピンとこないところもあるのかも?と思ったけど、女性からしたらあの微妙な空気感とか、あるあるすぎる。
表題作の「かわいそうだね?」すごく面白かった。
樹里恵が封印していた大阪弁でまくしたてブチギレれるシーンは痛快で、思わず「よぅ言うた!」と拍手を送りたくなる。樹里恵、スカッとさせてくれてありがとう。
隆大にはアキヨがお似合いですよ。2人ともまじで気色悪。
亜美ちゃんよりも、亜美ちゃんのおまけとしてぞんざいに扱われるさかきち -
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ヒリヒリする美しい文体。
主人公の愛の心と体が分離していると表現していたが、その分離しているところと、かろうじて繋がっている部分の織り交ぜの表現が美しくて鮮烈で、すごく心を刺してくる。
自分を卑下し、相手を特別視し合う関係。
そこを壊してひらいて結んでひらいて。
自分が見る景色を、自分の心に立つ感情を信じたい。
言葉にしないまま持っておきたい感情がある。
整理したくない。
このまま生きていきたい。
でも大事にしてしまうと、それはまた変容してしまう。
なにもわからないまま生きたかったな。
でも今は今でいいのかもしれない。
わかった気にだけはなりたくない。