綿矢りさのレビュー一覧
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とてもよかった。
上巻は他人の人生を傍観してる感じで、人ごと感があったが、下巻からはなんだか応援している自分がいて、不思議と世界に引き込まれていく作品だった。
下巻はつらい場面が続く。
やっと再開できたねラブラブラブ、とはならないところが現実を突きつけられた感じがしてよかった。
かなり後半は営みの描写が描かれていて、でもいやらしいというより、お互いの想いを確かめ合うこれ以上のない会話のようで、「人」と「人」が愛し合うということは、その事実だけが大切で、その他は不要なもののように思えた。
「人」が「人」を愛することはとても素晴らしい奇跡だと改めて思った。
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江國香織さんの「夕涼み」と綿谷りささんの「青春リグレット」が読みたくて手に取った。夕涼みは、夫の行動にゾッとしたし、私だったらそんなズレた夫とは一緒にいられないと思った。「逃げたかったわけではない、が、逃げられないと思わされることは恐怖だった。竦むような、恐怖だった。」という言葉に共感。誰かに自分の選択肢を奪われたり、縛られたり、自分で自分を決められないことを、人は恐怖と感じるんだなと思った。そして誰にもその出来事は話せないことも、夫を含む周りにはいつまでも愛し合っている夫婦だと思われていることも、自分だけがこのザワザワした気持ちに気づかないふりをしていればいいんだと感じるのもわかる。老女たち
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お洒落な表紙、「意識のリボン」なんてファンシーなタイトルだが、その中身はひどく人間らしい感情に溢れている。岩盤浴で見かけた見知らぬ女性二人組の間の歪なパワーバランスを外野から密かに憂慮してみたり、三十歳を迎えた女性が抱く、日に日に老い行く自らへの焦りを何気ない日常と混ぜ合わせながらユニークに表現してみたり。
綿矢さんの小説に出てくる登場人物はとにかく濃ゆい。特にそのキャラクターを表現するための容姿、性格、言動、それらの描写の細かさには毎回舌を巻くものがある。この広い引き出しは一体どこから来るのか。常日頃から人間観察を欠かさずしているのかな。より多くの人間のことを見て、知っていなければここまでは -
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ネタバレ松岡茉優さんが本好きと知ったことが、僕が読書を再開した動機。彼女が主演した今作の映画を昨年の正月に観た。当時から松岡茉優さんの存在を知ってはいたけれど、現在のように熱を上げていたわけではなかった。TV放送を録画して観たので、観終えたら惜しげもなく消去してしまった。いま思うと本当に惜しいことをした。
彼女が出演した映画の原作を複数読んでみたけれど、彼女が演じた登場人物のイメージは原作の物語の中でも、そのまま松岡茉優さんでしたから思い入れが強くなりすぎて、というのがパターン化していたものの、今作の冒頭
「とどきますか。とどきません」
との始まりからして、すっかり活字に夢中になりました。とても楽しく -
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「最悪よりは平凡」島本理生
顔は平凡だけど体がグラビアアイドルなみの魔美は、こんな名前をつける親に育てられたという心の傷と、しょっちゅう男性から誘いをかけられる体質。彼女にとっての幸せな恋愛は?
「深夜のスパチュラ」綿矢りさ
大学生の可那は気になっている男の子に手作りチョコ前日に思いつきあげようとするけど、料理スキルなく、買い物から四苦八苦。オチ秀逸だった。
「フェイクファー」波木銅
主に着ぐるみ作る手芸サークルに入っていた男子の回想。仲間が一人死んだという連絡入る。
「カーマンライン」一穂ミチ
私が五歳の時、母は父と死に別れたアメリカから日本に戻ってきた。双子のケントをアメリカの、父の実家に -
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ネタバレいなか、の、すとーかー
初めは女→男への執着ストーカーのホラー話かと思い、身構えて読んでいたが、途中からいい意味で話の路線が変化していった。果穂の歪んだ愛情も恐ろしかったが、やはり砂原の精神をじりじりと壊させられる、ストーカーらしい嫌がらせが1番堪えるなと思った。果穂は最後、もう主人公の前に姿を現さなくなったとあるが、いつまでも主人公の周りを彷徨く砂原がとても気持ち悪く思えた。
ウォーク・イン・クローゼット
早希の性格がとても好きだった。良くも悪くも自分を客観視して、踏みとどまるところではきちんと踏みとどまる。今まで読んできた小説で考えると、早希は流れで隆史と一夜を共に過ごし大後悔…の流れに