綿矢りさのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
綿矢りささんの本は初めて読みましたが、ワードセンスが素晴らしいと思った。ギャグセンも高くクスッとなるシーンも多かった。変わった言い回しでも全部イメージが出来る素敵な表現が多い。他書籍も読んでみたい。
主人公のミル子のキャラクターが面白い。
親にも敬語だし、変なあだ名を悪気なく脳内で付けちゃうし。一見変わった人付き合いが苦手な子だけど、ピュアで可愛く、そしてちゃんも恋愛に悩みを抱え、ミル子なりに成長をしていく。
恋愛を通して、「1人で足りている」から」他人と味わう喜びを知っていく」に変わっていくのもアンドロイドから人間になる変化を見た気がして感動した。
周りのキャラも良い。
ズバズバ、ミル子につっこんでいく友達の萌音との絡みが良かった。2人のように、ベタベタしない、さっぱりとした仲の良さに憧れます。
主人公が風変わり、だけど魅力的に描かれる題材でいうと、成瀬シリーズと少し似てると感じましたが私はミル子のふいに発するワードセンスが好き。こちらの方が引き込まれました。
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Posted by ブクログ
ネタバレ松任谷由実デビュー50周年記念オリジナル小集。全作書き下ろし。ユーミンの名曲タイトルから6人の女性作家が新たに奏でる小説のハーモニー。令和4年7月1日発行。
小池真理子 「あの日にかえりたい」(1975年)
桐野夏生 「DESTINY」(1979年)
江國香織 「夕涼み」(1982年)
綿矢りさ 「青春のリグレット」(1985年)
柚木麻子 「冬の終り」(1992年)
川上弘美 「春よ、来い」(1994年)
ユーミン世代ではないので、リアルに記憶にあるのは「春よ、来い」くらい。といっても、歌詞なんて気にしてなかった年頃だったので、いまいちよく分かっていない。本当は、曲を聞いて、歌詞を読んでからこの本を読もうと思っていたのだけど、まぁ、積読になってしまっていたので、ひとまず読んでみた。
ユーミン世代のお姉さまたちに読んでもらって、感想と解説を求めようと思う。
NHKのドラマでもやっていたのは知ってたけど、見逃したんよね。
以下、各小説ごとの感想。
「あの日にかえりたい」
1970年代に東京の大学に出てきた女子学生。恋?と友情のあいだで迷い、友情のために嘘をついたのに、気付かれて疎遠になってしまう。でも、年賀状のやり取りは続く。あの日、嘘をつかなければ、ずーっと大人になった今の2人の友情の形は違ったのかな。
「DESTINY」
30歳を過ぎた真面目だけど、マザコンなのでは?という男性の恋。きっとこういう誠実で真面目で、仕事も安定してるけど、恋愛下手な男性っていると思う。女性も然り。
「夕涼み」
結婚して子どももいる姉が、年の離れた妹の結婚をお祝いしつつ、結婚後に起こる、女性が抱える悩み、窮屈さ、夫婦関係の悩み・・・。そんな思いを妹がしなくてもよい結婚を姉は願う。敢えて海外で見た女性たちの様子を例えのように出しているのが、美しいというか、生々しくない。海外でも日本でも、女性が抱えるものは同じなのね。ちょっと切ない。切ないけど、この姉の願いが多くの人に広がって、何かが変わっていくといいな。
「青春のリグレット」
自分の方が相手を好きで好きでたまらなくて結婚した方が幸せなのか。それとも、相手の方が自分のことを好きで好きで大切にしてくれて結婚した方が幸せなのか。
私も思い当たる恋愛があり、んー、と考えてしまった。
「冬の終り」
地方の寂れた?スーパーのフードコートで働く女性。時々シフトが一緒になる女性のことが気になる(恋愛ではない)。ある時ユーミンの曲が店内でかかったとき、その女性と心が通じ合ったような、近づいたような気がして、スーパーの他のおばちゃんたちと深入りしないでおこうと思いながらも、行動は深入りしていて、ちょっとクスッとしてしまった。いいね、女の友情。これは女の友情だと私は思う!柚木麻子さんはこういう話うまいな~。
「春よ、来い」
実は一番よく分からなかった話。でも、私なりに解釈した。
知らない誰かのために、自分に与えられた特別な能力を使って、知らない誰かの幸せを願う。
きっと私たちの世界って、どこのだれか知らないけど、心のなかで「頑張れ!」と応援したくなったり、「この子の優しさがこの子を幸せにしますように」とそっと願いたくなったり、そういう小さな小さな誰かに対する優しい気持ちが集まって、巡りめぐって、自分にも幸運がやってきているのかもしれないと思う。
さて、近いうちに、ユーミンの曲を聞いてみよう。
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Posted by ブクログ
女性同士の恋愛を描いた作品の中で、退廃的にならず人生と未来をまっすぐ見つめるような小説は滅多にない気がする。
涙なしには読めないくらい、自分にとって大きな意味をもつ作品。
彩夏が芸能人という設定のため、ちょっと非日常的な内容にはなっているけど、同性愛者だからという理由に芸能人の恋人だからという理由が重なり、ロミオとジュリエットのような世界観のラブストーリーになっている。お話としてとても素敵だと思ったし、後半のふたりの関係性の描き方がまた素晴らしい。こんなにも描きにくいシチュエーションを、愛をもって、現実を見つめて、丁寧に誠実に書いてくれた人がいるという事実にそれだけで救われる。 -
Posted by ブクログ
綿矢りささんの初のエッセイ。
読み終えて感じたことは宮部みゆきさんの杉村シリーズの読み心地と似ているということ。コロナという事件があって、家族というフェーズもあり、交互に繰り返しながら物語が進む。
作家の生活全部を見せる必要はない。リアルさをそこに求めていないがコロナという不穏さが家庭に及ぼす影響を、作中の記載以上のことを無駄に考えてしまう。
インターネットのおかげでコロナ禍で起きた日常について普通の人々の生活も詳細に残されることになった。
驚いたのが、もうコロナ禍の時期を物語のように読んでいる自分だった。
喉元過ぎれば熱さを忘れるとはよく言ったものだ。怖い。