綿矢りさのレビュー一覧

  • ひらいて

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    利己的で暴力的な愛の行動に嫌悪感を抱くひとは多いだろう。しかし、欲望に忠実で、己の保身を顧みず傷つきながらもたとえと美雪に接触する彼女は、残酷なほど煌めいて見えた。虚しく朽ちていくとわかっていながら、破滅に向かう彼女の姿に目が離せない。若さゆえの危うさと瑞々しいエネルギーに満ち溢れた彼女を追っていると、まぶしくて目眩がする。終盤の怒涛の展開から静謐で叙情的な情景へと移りゆく過程は、心にぽっかり穴が空いたような気持ちになった。桜井幸子さんと真田さんが演じたドラマ『高校教師』の最後のシーンを思い出した。

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    2026年03月09日
  • しょうがの味は熱い

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    我が家の方針は同棲反対だった。
    母曰く、同棲は女に妻の真似事をさせておきながら男の決心を鈍らせるものだそうだ。「同棲するくらいなら結婚しろ」と口酸っぱく言っていた。

    きっと母は同棲に対して苦い経験があるのだろう。
    でも、同棲は相手が自分にとって必要なのかどうか、その先の将来を考える上で重要な期間だと思う。きっと相手は母を選ばなかったのだ。


    「煮え切らない男と煮え切った女」という表現がぴったりな2人。奈世(「なせ」じゃないんかい)のねっとりした、ややテンパった愛情、弦のやや神経質な面倒くさい男感がリアル。

    私も将来結婚するからと努力(転職活動)もせず、後先考えず仕事も辞めたので、奈世の事

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    2026年03月08日
  • 蹴りたい背中

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    特に何がいいたいとかはわからなかった。
    だけど、今まで誰にも話していない、誰からも聞いたことのない話や感情が綴られていて、好感持ちました^_^

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    2026年03月02日
  • ひらいて

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    綿谷りさの作品は必ず後味がある。想定通りのストーリーにならない。人間の醜い部分がどこかあって、後半に目掛けて晒し出される。思春期特有の頭と行動の乖離にずっとついていけてない愛と、育つ中での環境で一足早く大人に近づいてる2人。
    自己肯定感まっくすでと自己中心的な行動を続ける愛と、自分のことには興味がない彼女。愛が変だと思っていた前半、この年齢でこの考え方をする彼女に対して普通ではないと思う。教室にいる地味な男の子を好きになる青春恋愛小説かと思ったが、突然脱線してみるみる堕落していく少女に見入ってしまった。この後味の悪さが綿谷りさを表しているのかと、どんな思考回路してんねんです。

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    2026年03月01日
  • ウォーク・イン・クローゼット

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    「いなか、の、すとーかー」と「ウォーク・イン・クローゼット」
    どちらも主人公が一つの事件をきっかけに自分の生き方を見直す物語
    しかし、それ以外にもう一つの要素が必要だ
    「いなか、の、すとーかー」は仕事
    「ウォーク・イン・クローゼット」は衣服
    最初はあまり共感できないな、と思っていた主人公がラストシーンではすっかり見違えた姿を見せてくれます
    時には滅茶苦茶に重い雰囲気を持つこともある綿矢りさ作品ですが、本書はコメディタッチなところもあり非常に読みやすいです
    (私はその滅茶苦茶に重い雰囲気が著者の一番の魅力だと思っていますが)
    ホラー、ミステリ、冒険活劇など様々な要素が花を添えているのも本書の魅力

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    2026年02月28日
  • ひらいて

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    こな描写は凄いなぁ、と感じ入る場面が多々あった。
    なかなか言語化出来ない感覚というか、感性というか、人の感情や性格的な側面、関係性などを、絶妙な比喩を用いた、うーんなるほど、まさしく、と違和感なく受入れる事の出来る描写が心地良い。
    例えば、心情とは全く異る自分の作られた笑顔のことを「ちょうどいま穿いているソックスの刺繍。表側の真白い生地には、四葉のクローバーの刺繍が施されているが、裏返せば緑色の糸がなんの形も成さず、めちゃくちゃに行き交い、ひきつれているだけ。」とか。
    たとえ君をめぐる愛と美雪の、3人の恋と嫉妬の青春物語は、其々の内面がぶつかり合い183pの小編ながら読み応えがあった。

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    2026年02月25日
  • 生のみ生のままで 上

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    ネタバレ

    ここだけの話、私は一度だけ女の子に恋をしたことがある。別の子には友達として好きという感情しか湧いてこなかったけれど、その子に対しては、仲良くなりたての時から、タイプだと思ってしまったし、たとえ恋愛関係でなくとも、この子がいれば他の誰もいなくていいし、私はこの子と一緒になら生きていけると思った。
    この感情を自覚し始めた時から、このままではだめだ、こんな感情早くどこかへ放ってしまわないと。と思った、その気持ちを思い出した。そして、そんな気持ちこそを放って突き進んだ2人の関係がとても羨ましく感じた。

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    2026年02月22日
  • しょうがの味は熱い

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    同棲中の恋人がいて結婚をしたがっている女である姉から、同棲中の恋人がいて結婚をしたがっている女の私に送られた本。

    主人公のねっとりした視線やポエミーなところがユーモラスというよりも怖い。
    主人公の彼氏の潔癖さや冷淡な部分が誇張しすぎているように見えてリアル。つまり怖い。
    この本はかなり怖い本だった。

    20代後半の主人公は子どもが欲しいかどうか、という点には触れていない。それよりも「同棲したし、次のステップである結婚をしたい」というぼんやりとした理由から結婚を迫る。彼氏の方は「そんなぼんやりした感じで始まって大丈夫なわけがない」と考える。

    そもそも結婚ってなんでするんだろう。
    「好き同士で

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    2026年02月22日
  • 勝手にふるえてろ

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    やっぱイチがいいんだよね、わかるよ。でも、二もイチみたいな存在になるかもしれないから世の中わかんないよね。でもさ、本当にだいすきで思い続けたっていう事実が、自分の人生の支えになったりするよね。そんなことを思った。
    文章のリズムと言葉のチョイスがとってもすき。

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    2026年02月14日
  • 生のみ生のままで 下

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    ネタバレ

    女性同士の恋愛は、許されるのか。それは異常なことで、直されるべきなのか。
    そこで生まれてくる戸惑い、苦悩、ためらい、覚悟、情熱。
    恋愛というのが軸に話は進むが、それを超えた、人生の歩み方に通ずるような、人間の普遍性が散りばめられている。核心を突いた洞察がさらっと出てくるから気を抜けない。

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    2026年02月14日
  • 蹴りたい背中

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    p140
    「川の浅瀬に重い石を落とすと、川底の砂が立ち上って水を濁すように、あの気持ちが底から立ち上ってきて心を濁す」

    この比喩がとても気に入った。ゆっくりじわじわと砂が立ち上ってくるようなそんな気持ちってすごくわかるんだけど、こんな比喩思いつかない…

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    2026年02月14日
  • 私をくいとめて

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    ひとりが好きな私には共感することが本当に多かった。飛行機に乗っている時の描写がリアルで、読みながら私も飛行機に乗った時のことを思い出してひやりとした。

    ひとりでいることは心地がいいし、ストレスもないし、最高だけれど、人と関わることでしか得られないこともある。たくさんじゃなくても色んな人と関係を築いて、なにより1番の味方である私自身のことも大切にしながら生きていきたいと思った。

    映画も気になるので観てみよう。

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    2026年02月14日
  • 生のみ生のままで 下

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    ネタバレ

    7年も愛する人と会えない中で、想い続けられるだろうか
    上巻から続いていた危機的状況は、現実化し最悪な流れの展開で始まった下巻だったけど、ラストは胸熱でした。風の神様に愛を誓うって素敵。

    上手くいきすぎ、リアリティがない
    こんな声もあるとは思う作品だったけど、リアリティ云々より純愛を感じさせてくれた素敵な作品でした

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    2026年02月10日
  • しょうがの味は熱い

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    自分も長く付き合っている人がいるが、所々
    わかる自分もいた。

    二篇で構成される物語の書き方も違うので面白かった。
    綿谷りささんの他の作品も読みたい

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    2026年02月09日
  • 勝手にふるえてろ

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    ネタバレ

    勝手にふるえてろ
    私のお星さまは、イチ。最後まで食べずに残しておいたお皿のうえのイチゴ。でもいま手に入れてすらいないうちに彼を失いつつある。告白してふられたとか彼に彼女ができたとか彼に幻滅したわけでもない、ただ、恋が死んだ。ライフワーク化していた永遠に続きそうな片思いに賞味期限がきた。
    →良い…

    他人の悪意がこわかったのは、どうして彼らがそんなことをするのかまったく分からなかったからだ。でもいまは自分のなかにある感情と照らし合わせさえすれば他人の悪意は十分解釈できる。実行には移さなくても同じくらいの悪意を心のなかで相手に向けることもできる。
    →わかる…

    仲良くしようか
    つらいとき悲しいとき

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    2026年02月08日
  • しょうがの味は熱い

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    読み終わって、胸の奥がじんじんするような感覚が残った。
    とてもリアルで、ヒリヒリする物語だった。

    奈世の弦への愛は、「好き」というよりも依存に近くて、弦がすべてになってしまっている感じが少し怖かったところもあった。
    一方で弦は、関係を客観的に見ていて、考え方に共感できる部分もあった。

    印象に残った言葉
    「あともう少しがんばれば、幸せになれるかもしれない。でも、愛や結婚は、あともう少し、と努力するものなのでしょうか?」

    読みながらずっと頭から離れなかった。
    努力が必要な関係と、努力し続けないと保てない関係は、同じなのだろうか。

    「お互いがお互いを好きだという点が奇妙にも一致しているのだか

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    2026年02月06日
  • ウォーク・イン・クローゼット

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    どちらの話でも人間観察に優れた表現力で、各キャラや掛け合いの感じが小気味いい。

    そういえば著者の男性目線の話読むのはじめてだ。

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    2026年02月05日
  • インストール

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    綿矢りささんの作品を初めて読んだ。
    まず、感情の比喩に当てはめる単語がとても独特だけどなぜかしっくりきました。これを17歳が書いたとは到底思えないほど。
    小学生のかずよしの感性がどこで少しづつ周りと距離をとっていったのか考えさせられます。
    朝子に関しても「何者かになりたい」というような誰もが1度は抱いたことがあるであろう感情をバネに寄り道をして、その世界でコツを掴んだり息苦しさを感じたり、はたまた現実に戻って自分の核心に触れた。
    良い作品でした。

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    2026年02月01日
  • しょうがの味は熱い

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    読後、くるしい。
    奈世の悪足掻きが痛々しいのだけど、痛いほど分かる気もする。
    綺麗すぎない恋愛ものが大好きだ。

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    2026年01月31日
  • 勝手にふるえてろ

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    「ひらいて」が大好きで、綿矢りさ2冊目。めちゃくちゃ面白かった。読みやすさと面白さが両立していた。 最初の数ページの「私にとってのお星様はイチだった」の感情も共感。 「音姫」のところもすごく面白かった。水溶性のトイレットペーパーが頬に張り付く所も、すごくリアルで気持ちが悪くてよかった。日常に起きていて人に言うまでもないけど、悲しいという誰にも伝えられず飲み込む"感情"、それに付随して取ってしまう愚かな行動を言語化するのがお上手だし、これが綿矢りさなんだなあと思った。

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    2026年01月28日