綿矢りさのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ勝手にふるえてろ
私のお星さまは、イチ。最後まで食べずに残しておいたお皿のうえのイチゴ。でもいま手に入れてすらいないうちに彼を失いつつある。告白してふられたとか彼に彼女ができたとか彼に幻滅したわけでもない、ただ、恋が死んだ。ライフワーク化していた永遠に続きそうな片思いに賞味期限がきた。
→良い…
他人の悪意がこわかったのは、どうして彼らがそんなことをするのかまったく分からなかったからだ。でもいまは自分のなかにある感情と照らし合わせさえすれば他人の悪意は十分解釈できる。実行には移さなくても同じくらいの悪意を心のなかで相手に向けることもできる。
→わかる…
仲良くしようか
つらいとき悲しいとき -
Posted by ブクログ
ネタバレ久しぶりに綿矢作品を読んだが、やっぱり好きだと思った。
気持ちを言語化することに慣れた今、改めて感じるのは、彼女の文章のリズムの心地よさだ。
本作では、楽天的で強気な主人公の女性の内心が中心に描かれている。そのせいか、普通なら悩んでぐるぐる行き詰まってしまいそうな出来事も、何でもかんでもピョーン、ピョーンと飛び越えていくような軽やかさがある。文章のまとまりの最後には、必ず一発、インパクトのあるオチが用意されていて、思わず笑いながら手を叩いて感心してしまう。
ただ単に「コミカル」という一言では片づけられない、楽観的でありながら辛口なところがとても好きだ。
特に印象に残ったのは、主人公がコロナ -
Posted by ブクログ
読み終わって、胸の奥がじんじんするような感覚が残った。
とてもリアルで、ヒリヒリする物語だった。
奈世の弦への愛は、「好き」というよりも依存に近くて、弦がすべてになってしまっている感じが少し怖かったところもあった。
一方で弦は、関係を客観的に見ていて、考え方に共感できる部分もあった。
印象に残った言葉
「あともう少しがんばれば、幸せになれるかもしれない。でも、愛や結婚は、あともう少し、と努力するものなのでしょうか?」
読みながらずっと頭から離れなかった。
努力が必要な関係と、努力し続けないと保てない関係は、同じなのだろうか。
「お互いがお互いを好きだという点が奇妙にも一致しているのだか -
Posted by ブクログ
「こういうとき、神経質でプライドの高い人って損する。失敗が怖いから何にも挑戦できない。その点私は面の皮厚蔵だから煙たがられたりもするけど、こういうときは全然へこたれない。」
「良きにつけ悪しきにつけ、結論がもうほぼ出てるのに悩んだりする人って不思議。
大きな仕事のオファーが来て、自分にできるかどうか分からないから一週間ぐらい悩んでたんです〜とかも意味分かんない。
結局やるくせに、しらじらしい。
まだ対外的に演技で悩んでる風に見せるなら分かるけど、今の夫みたいに心から悩むなんて、なんの意味ある?」
いちいち人目を気にしてる自分がバカらしく、心に菖蒲を宿したいな〜と思える一冊でした。メンタル弱 -
Posted by ブクログ
ネタバレコロナ禍以降の社会的空気を色濃く映し出した、四編から成る短編集。整形の告白、推しへの過度な愛着、不倫、老害/若害といった題材はいずれも現代的だが、読後に残ったのは、単なる時事性というよりも、人間の内面に潜む本音そのものだったように思う。
登場人物の多くは、率直に言って人格的に好ましいとは言い難い。倫理的にも感情的にも、共感が難しい場面は少なくない。それでもなお、不思議と完全には突き放すことができなかった。「理解できてしまう」感情が、読者である自分の内側に引っかかり続けたからだと思う。
とりわけ表題作「嫌いなら呼ぶなよ」では、その感覚がより強く意識された。不倫関係にある当事者に非があること