感情タグBEST3
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恋愛に関して色々拗らせたオタク系女性会社員の話。気軽に異性と付き合うことができなかったり、初恋の中学の同級生をずっと慕っていたり、気持ち悪いという感想も見られるけれど、恋愛至上主義に疑問を抱く、今の若い人も共感できる部分が結構あるんじゃないか。「ずる妊娠」には笑ってしまった。けれど、「ワルいが強い」というのは本当で、悪いことをしていたり、失うものがない人間はなんだってできる。「ずる妊娠」だってできる。いい子ちゃんでいると自由に動けずに窮屈になってしまうなら、少しのワルさは大事だなと思った。
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カバーとタイトルのギャップが目を引く一冊
読み終わってから考えるとこのウサギ、怯え方がセクシーなイチを表現してるのかな?だとしたら可愛い。
中学生時代に経験した片想い以外に恋愛経験がない26歳オタク気味な良香が、どうにも好きになれそうにない男性に求愛されて 色んな激しい思い込みをしつつも
理想(片想い相手のイチ)と現実(求愛してくる同期の二)どちらを選ぶのが幸せなのか揺れ動く不器用で妄想力が爆発してる恋愛モノです。
オタク系良香の辛辣な心理描写や比喩表現が斬新かつリアルで読んでて面白かった!
序盤の二の散々な言われよう(笑)
ちなみに自分もイチのような儚い男性に心惹かれるタイプ
だけどやはり結婚するなら二、なのかなぁ…
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まるで自分のことを言われてるかのような衝撃(笑)
運命の人だと勝手に思い込んでしまう、、などなど
読んでて自分が苦しくなってしまうけど、思わず爆笑してしまう
何気に印象に残ったのは、最後の評論?の
妄想したことはそれで満足してしまって叶いにくい
みたいな言葉。笑 耳がいた〜い笑
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オッサンの私には共感できないところも多々あるが不器用で純情なヨシカをオッサンは応援したくなる。
女心はホント難しいけど、こうやって小説で学習できるのはホントありがたい。最後の2人の対決は、むむむ…身につまされる…
最後はうらやましいくらいのハッピーエンド。ニ彼にちゃんと名前がつけられてよかった。
あと綿矢さん相変わらずタイトルが秀逸。
もう一作は綿矢版A Day In The Lifeかな?
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松岡茉優。僕がいま、いちばん好きな人。この本も松岡茉優案件。当然か‼︎ 松岡茉優が本好きと知ったことが、僕が読書を再開した動機。彼女が主演した今作の映画を昨年の正月に観た。当時から松岡茉優の存在を知ってはいたけれど、現在のように熱を上げていたわけではなかった。TV放送を録画して観たので、観終えたら惜しげもなく消去してしまった。いま思うと本当に惜しいことをした。
彼女が出演した映画の原作を複数読んでみたけど、彼女が演じた登場人物のイメージは原作の物語の中でも、そのまま松岡茉優でしたから思い入れが強くなりすぎて、というのがパターン化していたけど、今作の冒頭
「とどきますか。とどきません」
との始まりからして、すっかり活字に夢中になりました。とても楽しく読むことができました。
ヨシカについていろいろ意見があるけれど、なんのなんの、彼女の気持ちや言動も理解できたし、僕なら共存できそう…でも僕なんか、つまらないってフラれるかも。片想いは、しんどいね。
『仲良くしようか』
喰うものと喰われるもの。ぞっとしました。
想像力の稼働率が上がりました。
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表題作「勝手にふるえてろ」すごく好き。他人の音姫の話とか、傘の持ち手のビニールの覆いの喩えとか、共感でしかない。「愛してるなら私のすべてを受け入れて」なんて乱暴だってわかってるけど、そんなロマンを抱いてしまうのが、妄想女子の性。
「仲良くしようか」は不思議だった。描写がぞわぞわする。
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綿矢りささんの名前はもちろん知っていましたが、私よりずいぶんお若い作者さんということもあり、きっと世界観が合わないに違いないと決めつけてずっと敬遠していました。
ですが先日ブックカフェに立ち寄った際に、薄めの文庫本でも読ませてもらおうかなと思い、ちょうどよく薄い文庫本だったこちらを手にして読み始めましたところ…
『とどきますか、とどきません。光かがやく手に入らないものばかり見つめているせいで、すでに手に入れたものたちは足元に転がるたくさんの屍になってライトさえ当たらず、私に踏まれてかかとの形にへこんでいるのです。』から始まる約3ページにわたるオープニングの文章から一気に引き込まれてしまいました。
上手く表現できないけれど、この冒頭の部分がなんというか詩的というか…
難しい言葉はひとつも使っていないし、意味も難しいわけではないんだけど、この同じ文章を何度も読みたくなるというか…
不思議な魅力で人を惹きつける文章を書く作家さんだなと感じました。
お話の内容は初恋の相手を忘れられない主人公が、自分を好きになってくれた人へと心を傾けていくストーリーですが、きっと意識的にだと思うけれど、文章にあまり改行がないんですよね。主人公が何かを語り出すと延々とひと段落が続く感じなのですが、それが妙にリアルさを生み出していると感じました。
今作を読んで興味がわいた作者さんではあるのですが、同時収録されていた「仲良くしようよ」のほうはちょっといろいろ理解が追い付かなかったので、読む作品は下調べが必要かな?
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タイトル大好きです。辛口の綿谷節もところどころにあり最高。主人公がいい感じに狂ってる。確か映画の方は主人公が壊れて途中ミュージカルになったりしてて笑った
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面白くてスルスル読めました。
読み進めながら、主人公に共感して寄り添ったり、一転して、それはありえないでしょと外から非難してみたり、心情変化が激しかったです。
最後の展開は、どうしてそうなった?感が強かったです。
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映画を観て絶対原作も読もうと思ってた小説。
他人事とは思えなくて感情移入しながら読みました。
ヨシカの発想や行動力はすごいが、少し違った方向性からのアプローチが奇妙だが面白い。
自分“が”好きな人か自分“を”好きな人か。冷静に考えればどっちも叶えられる人を探せばいいのだが、感情が昂ってる時ってこのどちらか1つを選ばなくては、って思ってしまうんですよね。周りの見えなさというか他者からの意見を聞き入れない感じがよく描かれている。
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オタク女子(私も含む)には少なからず刺さる内容じゃないだろうか。
主人公・ヨシカは、中学時代の初恋の人を十数年たった今も大切に想い続けている。いじられキャラでクラスの人気者だった「イチ」は、本当は潔癖症で人とじゃれあうのが苦手。そんな彼を、陰で密かに見つめていたヨシカだけは理解していた。そして「イチ」もそんなヨシカに気付き、二人は無意識下の絆で結ばれていた……はずだった。
タイトルは、「イチ」と再会したヨシカが心の中で彼に投げかけた言葉だ。ヨシカの名前すら覚えていなかった「イチ」に、「イチなんて勝手に震えてろ」と毒づくヨシカだが、その言葉は、自分自身にも向けられていたのではないだろうか。
ヨシカは自分の欲望には誠実なくせに、他者への思いやりが決定的に欠けている。「イチ」に会いたいがために同級生の名を騙って同窓会を開いたり、出社したくない(しかし仕事は辞めたくない)あまりに妊娠したと偽り、長期休暇を申請する。自分に思いを寄せる「ニ」に対しても、一方的に自分の趣味に付き合わせ、「ニ」が合わせてくれないと不満を抱く。中学時代、「イチ」を王子様に見立てて漫画を描いていたヨシカだが、幼児期の万能感が抜けないようなヨシカの行動は、むしろ自分を王女様とでも思っているかのようだ。
しかし、ヨシカは地味でオタクな自分をちゃんと自覚しているのだ。幼児期の万能感は、成長し現実を知るにつれ、否応なしに消え去るものだが、ヨシカは長年「イチ」との思い出に浸り過ぎて、劣等感と万能感がないまぜになったまま、大人になってしまったかのようだ。「勝手に震えてろ」は、自分の拵えた理想郷から出ようとしない自分へのブーメランに見える。
お星様に手を伸ばすような、自分の愛情ひとつをひたすら研ぎ澄ませるような純度の高い恋を求めていたヨシカは、最終的に「ニ」との、少しずつ育んでいく新たな愛の形を受けいれる。しかし「ニ」の匂いが苦手だったり、キスされる瞬間の唇に「タコの吸盤」を連想したり、それってもう生理的にダメってことではないかと思うのだが、それでも愛は育つのだろうか?まあそうやって、傷だらけになってまた一つヨシカは成長していくのかな。
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「女の人って醜いよなあ」
っていうヤマシタトモコの漫画の一節をずっと思い出しながら読んでた。ヨシカにピッタリだと思ったから。
初恋の人が絶対の1番なのに「ニ」にちょっと寄り道してみるところも、仲良しだと思ってた人に隠しておきたい秘密をベラベラ喋られたことがショックでとんでもない嘘をつくところも、なんか全部が最悪で醜くて、でも全部が超可愛い。
こういう悪魔的でひきょうで青臭くて醜くてでもとびきり可愛いヨシカみたいな女の子、私は大好き。
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オタクな女の子の頭の中を上手く表現していて、非常に面白い。また読みやすい。
しかし、内容自体はさほど濃いものでもないので、やや物足りない感。
巻末のもう一つのお話は、読みづらい上、内容もまるで意味がわからなくて、途中でやめました。
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自分にはあまりハマらなかった。オタク女子ってこじらせると妄想で理想が高くなって、何歳になっても初恋の人と結ばれたい、何十年も片思いしているとかで、現実を見れない人って多いのかな。自分が好きな人か、自分のことを好きな人を選ぶか。愛したいか、愛されたいか。この二択って究極でどちらも正解ないと思うけど、自分は経験も踏まえて前者の方が良いな〜。今23歳だけど、自分もよしかのように、好きだった人を追っちゃう人生になりそうで怖い。とりあえずどっちにしろ行動起こそう。
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イチ彼と二彼がいるという経理課女子OLの1人語りから始まる。隣室の音姫を頼りにし、妙なこだわりから自分は頑なに音姫を使わずに嗚咽するという描写から、癖あり女子だとすぐに勘づくだろう。
理想的な初恋彼イチを心に持ちながらも、俺ってできるビジネスマンじゃん?風なニの押しにまんざらでもないのか、つかず離れずなのが理解できぬ。
興味が通じ合っていても、開通していないと感じるあの心の交流。
自分の純情を大切にして、人の純情を蔑ろにしても良いのか、という文章は心のささった。
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巧みな描写で、新鮮な世界が広がっていく。
読むたび新しいパズルを組み立てている気分になる。
「仲良くしようか」
自傷行為や世の中を渡ってきた大人たちへの負の感情が場面がコロコロ変わりながら描かれ、最後の女の子の登場で光が差したように思った。
食事シーンがなんだかグロテスク。
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最初はニに愛想よくする意味がわからないと思っていたけど、最後の展開でなんか全て納得してしまった。
あれだけ好きだったイチに名前覚えててもらえなかったくらいで幻滅するのかと思ったけど、そんなものか……?
後最後二が名前になるところはほぉっと感心させられた。
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勝手にふるえてろ
江藤良香
二十六歳、B型、池袋にあるマルエイ経理課に勤めておて、顔にはたけができやすい。髪の毛は染めたことなし。アトピー体質でもあり首は年中色素沈着している。恋愛経験ゼロ、おたく系女子。テクノが好き。
イチ彼
一宮。中二で同じクラス。最愛だけどとうてい添いとげられそうになく、彼がおびえがちに微笑むのを私が見ていたいだけの関係。東京で働いている。良香がずっと想いを寄せている。
ニ彼
霧島。私が彼をまったく愛していないにもかかわらず、私が将来結婚するかもしれない相手。良香と同じ会社の営業課。元体育会系いまはビール腹の体格。同期入社。良香に交際を申し込む。
木村
良香の中学時代の同級生。初台在住。
平田
良香の中学時代の同級生。川崎在住。
来留美
良香の会社の同僚。ニのとこを相談していた。
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結構前に読んだんだけど苦手だった記憶あってもう一度読んだ。
でもやっぱり苦手だった…。
綿矢りさの本は大好きなのに、本当にこれだけすごく苦手。
あまり共感できないからだろうか。
産後休暇だったり、想像で二股だったり、こんな人がいるのかと思うとゾッとして、イライラして、読むのをやめてしまう、、。
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巷でたまに、「追う恋」と「追われる恋」の話を聞くことがありますが、それが同時に来た時、「自分のことが好きな人」と「自分が好きな人」、どちらを選ぶのが幸せなのでしょうか。
本作はそんな2人の男性の間で揺れ動く1人の女性の視点から描かれ、生々しさと青臭い痛さがリアルに感じることができる作品でした。
本作の主人公は26歳の男性経験がない女性。あくまで妄想上の話ですが、その女性には彼氏が2人いるという…
1人目の彼氏の名は「イチ」。中学時代からの王子様でその女性がずっと憧れていた男性。とにかく本作では何かにつけて「イチ」を崇めるような高評価の連続で、主人公の溢れる恋心が表現されています。
2人目の彼氏の名は「ニ」。同じ会社で働く同僚で、主人公ヨシカのことが気になり、たびたびデートに誘ってくる男性で主人公に好意を寄せている。とにかく、「ニ」への描写が酷く、妄想上の「イチ」と対比させられ何かにつけて難癖をつけるような描写の連続。
本作の良かった点としては、ただの痛い女が恋愛に必要なモノや心構えを理解し始めて、これまでの妄想から、現実の2人とリアルに向き合う心理的成長が描かれているところが素敵だなぁと思いました。
結局、「追う恋と「追われる恋」のどちらが幸せになれるのかという問いかけに対しては、人生経験の乏しい私では結論が出せませんが、どちらを選ぶにしても人をリスペクトし、人と向き合う精神は忘れずにいたいものです。
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昔、映画は観ていたが、原作を改めて読んだ。痛い女の子である。ただ、自分に正直で世間一般の普通といったカテゴリーの中で生きづらいだけなのかも知れない。絶滅危惧種の女の子。作中にもドードーの件があるが、すごく好き。
今作も非常に楽しめた。
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二とヨシカが結構好きな結末だったので辛酸なめ子氏の解説になんでそんな意地悪言うの!?と思った。でも的を得てるのかもしれない。
原作より前に実写映画観ちゃってたけど映画はわりとオリジナル要素盛り込んでたんだな…
仲良くしようかの方は難しくてよくわからんかった。
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主人公が頭の中で勝手に暴走してやりすぎな言動をとったり、メンヘラな感じがあったりして、あまり共感できず、主人公の目線で読み進めていくのは厳しかったですが、しっとりした文学的な表現は素敵でした。
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最初の方はすごいすごい!こじらせ方がわたしだ!と思って読んでたけど、最後の方向性が自分と真逆だったから「自分の選択は合ってたのだろうか」と不安になってしまった。
エピローグ(?)は私の読解力では読み解けなかったので、いつか読み返した時に理解できるようになってるといいな。
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自分もイチカみたいなスクールカースト最下層だったから、すごく共感した。
相手にとっては些細な記憶にも残ってない出来事が、自分にとっては宝物なのが切ない。その小さなことを何度も反芻して、ずっと心の拠り所にしてしまうのがわかる。
フィクションの世界だったら主人公はイチと幸せになれるんだろうけど、現実は自分は相手にとって取るに足らない存在でしかないのがリアル。
けど、こうやって妥協しながらみんな大切な誰かを見つけてくんだな、と当たり前なことだけどグッときた。
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蹴りたい背中、インストールを読んで以来久しぶりに彼女の作品を読みました。
かなり独特な文章だけど、毒々しさの中に甘さもあって、そんな気持ちになることもあったな、という描写もあった。一方、内面のみならず行動もそんな感じなので、20代後半にしてはあまりに拗らせている。
心理描写や比喩の幅が本当に広く、読んでいて純粋に楽しかった。
Posted by ブクログ
いるいる、こんな男。主人公の気持ちもわかる〜、26歳までくると、結婚に仕事、相手の相性、将来性とか現実的なことと好きな人と一緒になりたいっていう理想的なことがぶつかってぐるぐるしちゃうんだよね〜かといって、恋の火加減は自分でつけたり消したり調節不可能で、恋愛ってめんどくさい。
リズミカルな文章
前半でどのように展開するのか見えてくるのでわくわく感は感じないが逆に安心して読める。
またリズミカルな文章は心地よさを与えてくれて一気に読ませてくれました。