【感想・ネタバレ】勝手にふるえてろのレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

松岡茉優。僕がいま、いちばん好きな人。この本も松岡茉優案件。当然か‼︎ 松岡茉優が本好きと知ったことが、僕が読書を再開した動機。彼女が主演した今作の映画を昨年の正月に観た。当時から松岡茉優の存在を知ってはいたけれど、現在のように熱を上げていたわけではなかった。TV放送を録画して観たので、観終えたら惜しげもなく消去してしまった。いま思うと本当に惜しいことをした。
彼女が出演した映画の原作を複数読んでみたけど、彼女が演じた登場人物のイメージは原作の物語の中でも、そのまま松岡茉優でしたから思い入れが強くなりすぎて、というのがパターン化していたけど、今作の冒頭
「とどきますか。とどきません」
との始まりからして、すっかり活字に夢中になりました。とても楽しく読むことができました。
ヨシカについていろいろ意見があるけれど、なんのなんの、彼女の気持ちや言動も理解できたし、僕なら共存できそう…でも僕なんか、つまらないってフラれるかも。片想いは、しんどいね。

『仲良くしようか』
喰うものと喰われるもの。ぞっとしました。
想像力の稼働率が上がりました。


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2024年01月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

オタク女子(私も含む)には少なからず刺さる内容じゃないだろうか。

主人公・ヨシカは、中学時代の初恋の人を十数年たった今も大切に想い続けている。いじられキャラでクラスの人気者だった「イチ」は、本当は潔癖症で人とじゃれあうのが苦手。そんな彼を、陰で密かに見つめていたヨシカだけは理解していた。そして「イチ」もそんなヨシカに気付き、二人は無意識下の絆で結ばれていた……はずだった。

タイトルは、「イチ」と再会したヨシカが心の中で彼に投げかけた言葉だ。ヨシカの名前すら覚えていなかった「イチ」に、「イチなんて勝手に震えてろ」と毒づくヨシカだが、その言葉は、自分自身にも向けられていたのではないだろうか。

ヨシカは自分の欲望には誠実なくせに、他者への思いやりが決定的に欠けている。「イチ」に会いたいがために同級生の名を騙って同窓会を開いたり、出社したくない(しかし仕事は辞めたくない)あまりに妊娠したと偽り、長期休暇を申請する。自分に思いを寄せる「ニ」に対しても、一方的に自分の趣味に付き合わせ、「ニ」が合わせてくれないと不満を抱く。中学時代、「イチ」を王子様に見立てて漫画を描いていたヨシカだが、幼児期の万能感が抜けないようなヨシカの行動は、むしろ自分を王女様とでも思っているかのようだ。

しかし、ヨシカは地味でオタクな自分をちゃんと自覚しているのだ。幼児期の万能感は、成長し現実を知るにつれ、否応なしに消え去るものだが、ヨシカは長年「イチ」との思い出に浸り過ぎて、劣等感と万能感がないまぜになったまま、大人になってしまったかのようだ。「勝手に震えてろ」は、自分の拵えた理想郷から出ようとしない自分へのブーメランに見える。

お星様に手を伸ばすような、自分の愛情ひとつをひたすら研ぎ澄ませるような純度の高い恋を求めていたヨシカは、最終的に「ニ」との、少しずつ育んでいく新たな愛の形を受けいれる。しかし「ニ」の匂いが苦手だったり、キスされる瞬間の唇に「タコの吸盤」を連想したり、それってもう生理的にダメってことではないかと思うのだが、それでも愛は育つのだろうか?まあそうやって、傷だらけになってまた一つヨシカは成長していくのかな。

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2023年06月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

イチ彼と二彼がいるという経理課女子OLの1人語りから始まる。隣室の音姫を頼りにし、妙なこだわりから自分は頑なに音姫を使わずに嗚咽するという描写から、癖あり女子だとすぐに勘づくだろう。

理想的な初恋彼イチを心に持ちながらも、俺ってできるビジネスマンじゃん?風なニの押しにまんざらでもないのか、つかず離れずなのが理解できぬ。

興味が通じ合っていても、開通していないと感じるあの心の交流。

自分の純情を大切にして、人の純情を蔑ろにしても良いのか、という文章は心のささった。

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2024年02月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

最初はニに愛想よくする意味がわからないと思っていたけど、最後の展開でなんか全て納得してしまった。
あれだけ好きだったイチに名前覚えててもらえなかったくらいで幻滅するのかと思ったけど、そんなものか……?
後最後二が名前になるところはほぉっと感心させられた。

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2024年01月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

勝手にふるえてろ
江藤良香
二十六歳、B型、池袋にあるマルエイ経理課に勤めておて、顔にはたけができやすい。髪の毛は染めたことなし。アトピー体質でもあり首は年中色素沈着している。恋愛経験ゼロ、おたく系女子。テクノが好き。

イチ彼
一宮。中二で同じクラス。最愛だけどとうてい添いとげられそうになく、彼がおびえがちに微笑むのを私が見ていたいだけの関係。東京で働いている。良香がずっと想いを寄せている。

ニ彼
霧島。私が彼をまったく愛していないにもかかわらず、私が将来結婚するかもしれない相手。良香と同じ会社の営業課。元体育会系いまはビール腹の体格。同期入社。良香に交際を申し込む。

木村
良香の中学時代の同級生。初台在住。

平田
良香の中学時代の同級生。川崎在住。

来留美
良香の会社の同僚。ニのとこを相談していた。

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2023年12月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

自分もイチカみたいなスクールカースト最下層だったから、すごく共感した。

相手にとっては些細な記憶にも残ってない出来事が、自分にとっては宝物なのが切ない。その小さなことを何度も反芻して、ずっと心の拠り所にしてしまうのがわかる。

フィクションの世界だったら主人公はイチと幸せになれるんだろうけど、現実は自分は相手にとって取るに足らない存在でしかないのがリアル。
けど、こうやって妥協しながらみんな大切な誰かを見つけてくんだな、と当たり前なことだけどグッときた。

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2023年04月22日

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