あらすじ
私には彼氏が二人いる──中学時代からの不毛な片思いの相手と、何とも思ってないのに突然告白してきた暑苦しい同期。26歳まで恋愛経験ゼロ、おたく系女子の良香は“脳内片思い”と“リアル恋愛”のふたつを同時進行中。当然アタマの中では結婚も意識する。しかし戸惑いと葛藤の連続で……悩み、傷つき、ついにはありえない嘘で大暴走!? 良香は現実の扉を開けることができるのか? 切なくキュートな等身大の恋愛小説。単行本未収録「仲良くしようか」も収録!
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Posted by ブクログ
表題作の勝手に震えてろは
ほんとうに自分のこだわり拗らせ人間の感情の言語化がよくされてて、こういうところ自分にもあるなと共感もあってすらすら読めた。そして不器用な主人公が拗らせからまさかの嘘の産休を取ろうとする。このまさかの行動はもう目を覆うばかりながらも、どうなってしまうのか続きが気になって一気に読んでしまった。二彼は優しいなあ。仲良くしようか?は上級向けすぎてまだまだ私には理解できず…解説求む。読解できるようになりたい。
Posted by ブクログ
ずっと昔に買ったまま読まずじまいでいた本、面白かった
中学の同級生イチにずっと片想いをしたまま、会社でタイプではないニという人にめちゃくちゃ好きになられる
やっとイチと話すことができて、なんだか2人で心が通じ合ったように見えたのに名前すら覚えてもらえていなかった、そんな時にニの顔が思い浮かんで…という話
思いを募らせて、共通点のようなものを見つけて心躍らせて、でも実はかなり一方通行で、結局自分を好きになってくれる人を選ぶという、一見地に足ついたストーリーながらとても面白く描かれていた
Posted by ブクログ
▼メモ
・江藤ヨシカさんの妄想癖は好き。
・抽象度上げると、綿矢りささん独特の世界観に引き込まれる。
▼好きな個所
・「どうして私のこと“ きみ”って呼ぶの」
イチは私が大好きな、恥ずかしそうな笑顔になった
「ごめん。なんていう名前だったか思い出せなくて」
江藤さんについて聞かせてと言ってきたときのニの顔が思い浮かんだ。江藤さんのこと聞かせて。私が胸に赤い付箋を付けていただけで、私を見つけてくれた人。
・もういい、想っているいる私に美がある。イチはしょせん、ヒトだもの。しょせん、ほ乳類だもの。私の中で十二年間育ち続けた愛こそが美しい。イチなんか、かってにふるえてろ。
Posted by ブクログ
モモコグミカンパニーさんのYouTubeを見て、読んでみたくなった。
突飛な嘘をついたり、皮肉がすごく的確だったり、するする読めて、よかった。
最後に、ニを名前で呼ぶシーンは痺れた。
著者の他の作品も読んでみたくなった。
Posted by ブクログ
核心の部分はすごくふむふむって読めたけど
江頭良香の頭の中なのか、夢の中なのか
時より唐突に出てくる物語についていけない。
ヲタク気質を表しているのでしょうか。
"恋心の火は火力を調整できないから尊い。"
確かにそうだな、尊いなと思いつつ
調整できないから厄介とも思ってしまう。
"好きな人と結婚したいけど、好きすぎる人とは結婚しない方がいい。"
これ、「激しく煌めく短い命」でも言ってる登場人物がいたなあ。
綿矢りささんが思っていることなのか、はたまた逆を思っているのか。
好きな人と結婚したいと思うあまり、結婚時期を逃して
結局子孫繁栄を逃している。っていう感覚も面白くて。
結婚や、出産の際に妥協したくない!って願えば願うほど
欲望は叶わないっていうのわかる気がする。
人間がみんな欲深かったら、もしかしたら人間の絶滅理由は
「だいすきすぎる人と結婚したすぎて」なのかもしれない、おもろい。
この感覚味わってほしいから、この作品読んでほしい。
Posted by ブクログ
永遠の命題、『追う恋か、追われる恋か。』オタク気質な主人公の、憧れの同級生イチと、自分を好いてくれた会社の同僚ニの間で揺れる感情を描いている。
オタク女子らしい感情と不器用さに、学生時代の自分を重ねて、なんとも苦い気持ちになった。また女性の好きな人とそうでない人への感情の描写が、とても生々しい。
主人公は最終的に、イチが自分のことを全く覚えていなかった事実にショックを受け、ニを選ぶ。追う恋より追われる恋を選んだのである。
でもきっとニはハンター気質なので、主人公が振り向いたことで、遠くないうちに興味を失うかもしれない。だからこそ個人的には、イチと大人同士改めて仲良くなっていけばいいんじゃないかとも思うが、こちらもきっとお互いの不器用さや子どもっぽさが災いして、踏み込めないままお友達止まりなのかも。
結局は主人公は、いずれの男性も手に入れられないのだろうと思ったら、なんとも苦々しくリアルなストーリーだった。