綿矢りさのレビュー一覧

  • 意識のリボン

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    なんとなく手に取る機会がなかった
    はじめての綿矢さん作品。

    リボンモチーフのものが好きなわたしは
    ただ単純にタイトルに惹かれ
    装丁のイラストのタッチも好みだったから
    パッと目についたのがきっかけ。


    独身女性、母、妻、娘…女性が主人公の短編集。
    「こたつのUFO」「怒りの漂白剤」そして
    タイトルにもなっている「意識のリボン」が
    好きだった。


    ここしばらくの自分と重なるものが多すぎて
    ちょっと苦笑いしてしまう場面も。

    怒りは、ちょっと厄介だ。
    そのまま放置していればどんどん膨れ上がり
    いつか爆発、暴走しかねない。
    かといって、ないものにはできない。
    そこのところのさじ加減

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    2022年04月03日
  • 意識のリボン

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    不思議で、どこか怖さのある短編集。
    昔読んだのを読み返してるけど、全然覚えていなかった。

    ●履歴のない女
    娘と自分が、肺炎をきっかけに剥がれる。
    病気になったのが自分じゃなくてよかった、と思ったと。
    妻や母の役割が剥がれて、自分になるきっかけがわたしにも訪れるのかも。不思議な読後感。

    ●履歴のない妹
    妙に魅力的な、裸の写真にまつわるお話。
    本物の、生の、写真なんて私にはいらない。笑顔でピースしてる写真さえあれば良い。って言い切る潔さ、自分にはまだ無い。

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    2022年03月17日
  • 私をくいとめて

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    以前に読んだもので、詳しく覚えていないけれど、なにはともあれ整体?に行くシーンが細かく描写されてて、気に入ってそこだけ何度も読んだ覚えがある。

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    2022年02月03日
  • 100万分の1回のねこ

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    その絵本の内容を忘れてしまったが、
    これだけの作家達に、これだけのお話を作らせるんだから、すごい絵本なんだな、と思う。

    大人になって楽しむ本があることに、幸せを感じる。

    挿絵を描いていたという方の話が、一番、絵本に近いんだろうな、という予感。

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    2021年12月26日
  • 私をくいとめて

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    友達でいることに居心地がよく、それ以上発展させようとしない主人公みつ子。周りから見ればどう考えても好きに思えるのに、本人からしたらそこまで好きではないと思い込んで、さらに踏み込もうとしない恋愛。
    じれったく思いながらも、みつこの気持ちについつい感情移入してしまう自分もいた。
    傷つくのが怖くて本音が言えない最近の人たちを描いているようだと解説を読んで理解できた。

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    2021年12月23日
  • 100万分の1回のねこ

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    絵本「100万回生きたねこ」のアンソロジー本。途中、あれ?猫出てきたっけ?っていう作品もあったけど、基本、要所要所に猫が登場。でも、猫飼い的に胸が痛くなるような描かれ方もあって、さすが100万回生きたねこだな。
    そういえば、100万回生きたねこは幸せなのかどうかって論争もありましたね。きっと、そんな流れから出てきた本なんだろうけど。これ。

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    2021年12月10日
  • 私をくいとめて

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    ネタバレ

    脳内会話をしてしまう。わかる。
    でも、ここまで自分と切り分けた人物としての会話はないかな。

    共感できる部分もあるけれど、私とは違うなと思う。
    みつ子のこと、嫌いではないけれど特に好きにもなれない。

    Aとの別れは良かったのか?
    まぁ、自然な流れでそうなるよね、としか。

    心に響くわけでも、魅力的なキャラクターがいるわけでもないけど、惹かれる。やっぱり綿矢りさ好きだな、と思う。

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    2021年11月20日
  • 意識のリボン

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    みなさんおっしゃってる通り、エッセイなのか小説なのか分からない不思議な短編ばかりだった!
    「こたつのUFO」にあったように、書いたものからその筆者の人柄を判断してしまうのは多かれ少なかれあるなあ、と思った
    何ならその人がどういう文章を読むかでも判断してしまうこともあるし
    相手のことを知りたいと思ったときに、相手がどういうものを作るか・好むかから知ろうとするのってよくないのかな

    とか言いつつ「怒りの漂白剤」を読んで、そうか綿矢さんの文章から感じるエネルギーって根底には怒りがあるのかなって納得してしまった

    「意識のリボン」は、ちょうど同じタイミングで読んでた
    全然雰囲気の違うような2作だけど、

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    2021年11月17日
  • 私をくいとめて

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    久々に本を読んだ・・・
    本当に、最近全然本を読んでいなかったので、感性がおかしくなっていたかもしれないけどそれでも
    「いい本だったな」
    と思えた。
    少し前だったら、みつ子のこともノゾミさんのことも理解できなかったかもしれないけど、今の私にはものすごく理解できたし共感できた。
    私もカーターみたいな人が好きかもなぁ。
    やはり私は、綿矢りさと人生を歩みたい。
    映画を先に観ていたので、情景がちゃんと映像で脳内再生できたのも良かった。

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    2021年10月14日
  • 意識のリボン

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    超久しぶりの綿矢作品は短編集。エッセイなのかと思わせる小説、独特の捻くれた視線が鮮やかな小説、どれも面白かった。

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    2021年09月30日
  • 私をくいとめて

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    こじらせ女子は、外と内をはっきり線引きしてるところがあるから、どうしても人に介入される状況を拒んでしまう。そんな人間の繊細な心理を描いた作品だと思った。現状のままでいていいはずがないことはわかってるんだけど、なかなか人間は変われない。何がきっかけで自分を出せるようになるのか人それぞれだなぁと感じた。

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    2021年09月20日
  • ウォーク・イン・クローゼット

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    ネタバレ

    ストーカーの話は終盤どんどん盛り上がっていくのに、オチが尻すぼみな気がした。
    ウォークインクローゼットは、20代女性の話。共感できると面白いと思う。

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    2021年08月01日
  • 蹴りたい背中

    ネタバレ 購入済み

    ハツが自分に向ける感情に気づいていながらも、それを何でもないことのように受け止めるにな川の感じがいいですね。

    #感動する

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    2021年06月24日
  • 意識のリボン

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    エッセイ集のような短編小説集。
    「こたつのUFO」の突拍子もなさに笑いながら、姉妹の話に心当たりがあってすこし気分を害しながら(それだけ巧みだということ)。だけど「意識のリボン」表題作で、それまでのちまちまとした感情を突き抜けてしまった。
    ずっと読んできた綿谷りさによる、魂と肉体とひかりの話を読めるなんて最高としかいえない…この1篇があるから手放せない1作になりました。

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    2021年04月06日
  • 意識のリボン

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    綿谷りさの表現力には脱帽。この話は小説というより、 名前の知らない女性たちの日記を読んでいるかのよう。だから、面白いではなく、共感できるといった感想が沸く。 頭の中で渦巻くもやもやに形を与えてくれた。
    特に好きなのは、怒りの漂白剤。

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    2021年03月29日
  • インストール

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    不登校の高校生・野田朝子は、自身の友人で担任の恋人である光一に頼み、母には事実を知られることなく日常生活を送れていた。部屋にある物を発作的に捨てた朝子は、亡き祖父から贈られたが電源が入らなくなったコンピューターを、通りかかった住人の小学生(12歳)・青木かずよしに譲り渡したことをきっかけに二人の関係は始まる。

    ネット上では身分を偽り、いわゆる「ネカマ」であったかずよしが、1年に渡り連絡を取り合っていた子持ちの売春婦・雅の紹介により、二人は文字のみで相手をもてなす「風俗チャット」で働くこととなる。
    .
    厄介な客が一人の少年に手のひらで転がされた挙句、“落ちる”。

    青臭くて、でも決して稚拙な文

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    2021年03月04日
  • 夢を与える

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    ネタバレ

    スゲエ淡々としている。ビックリするほどに淡々だ、、、と思いながら読んでました。で、なんというか。正直に言いますと、読んでいて、面白味はないなあ、ってね、思いました。うん。なんだか、正直。だが、何故かその中に、不思議と惹かれる何かがあったのも、間違いなく事実。

    「物語としては面白くないのに、作品としてはなんだか面白い」という、不思議な違和感を感じながら読み終えた次第です。うーむ。不思議な感じだった。で、結論としては、やっぱ俺は綿矢りさは好きだなあ~、というまあ、結局贔屓の引き倒しの結論に至った訳ですが笑。

    綿矢りさ
    インストール 2001年
    蹴りたい背中 2003年
    夢を与える 2007年

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    2021年02月01日
  • ウォーク・イン・クローゼット

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    ネタバレ

    うーむ。好きです。やっぱ好きです綿矢りさ。ええなあ~、ってね、思いますね。

    いなか、の、すとーかー
    最初は、正直、あんまオモロないなーって思って読んでまして、最初は、というか、中盤も終盤も、正直、あんまオモロないなーって思って読んでまして、うーむ。こりゃちょいハズレか?とか思ってたんですが。

    物語の最後の最後、ホンマの最後の最後で、ビックリするほど話が動く。話が動く、というか、主人公の石居透の気持ちが、というか意識が、途轍もなく一気に動く。その動きっぷりの凄さが凄い。

    ある意味、ウルトラご都合主義的な、デウス・エクス・マキナ的な、「え?なにこの無理やりな纏め方?」的な、ちょっと無茶苦茶こ

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    2021年01月27日
  • 憤死

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    綿矢りさのセンスが爆発している。いい意味で、もの凄く気味の悪い文章だなあと思いました。

    解説より、
    あのときの「こども」が置き去りにされた場所に今もなおぽつんと立って「おぼえていますよ」と永遠に呼びかけている

    まさにそんな感じ。奇妙すぎる。

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    2021年01月09日
  • 憤死

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    ネタバレ

    かなーりよかった。
    トイレの懺悔室は、常につきまとう不穏な雰囲気と、ラストの狂気になだれ込んでいく感じが良い。
    表題作の憤死は、いかにも綿矢りさというかんじで、しかし語り手の、振り回されながらも自分の中にある佳穂のエネルギーに惹かれる気持ちに気付いた瞬間が、すごくよかった。
    人生ゲームは、不思議なお兄さんがかっこいい。そして良い読後感だった。

    森見さんの解説もよい。この解説があることでこの小説群がひとつにまとまって、完成している感すらあるな〜

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    2020年12月04日