【感想・ネタバレ】夢を与えるのレビュー

あらすじ

その時、私の人生が崩れていく爆音が聞こえた──チャイルドモデルだった美しい少女・夕子。彼女は、母の念願通り大手事務所に入り、ついにブレイクするのだが……夕子の栄光と失墜の果てを描く初の長編。

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Posted by ブクログ

ところどころゾッとするポイントがあった
cmが半永久契約だったり事務所が商品としてゆーちゃんを扱う部分などまあお金が絡んでいるから仕方ないのかもしれないが彼女には酷なのではないかと感じた

また幼い頃から職業を親が押し付けるのはどうなのか
もうゆーちゃんは戻れないところまで来てそこでスキャンダルを起こしてしまった
少しそこは彼女に対して同情した

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2025年11月26日

Posted by ブクログ

5.0/5.0

人間の汚さや社会の醜さを、少し引いた視点から抉るように描き出す、シニカルな綿矢りさ作品はいつも痛快。

自分が一番腹が立ったのは、夕子の母親だった。
娘を自分の自己顕示欲を満たす道具としてしか見ておらず、全てが利己的。小説を読んで、ここまで腹が立ったのは初めてかも。

芸能界なんて、消し飛べばいいのに。

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2025年11月10日

Posted by ブクログ

内容が残酷でいいんです。
私的な朝ドラのようにも感じました。
真っ直ぐなんて進めないし、着くはずのゴールなんてわからない。
そんなことを考えさせられました。

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2025年02月08日

Posted by ブクログ

あなたは「夢を与える」仕事をしているでしょうか?

このレビューを読んでくださっているみなさんは何かしら仕事をされている、もしくは仕事をされてきたと思います。それはもう千差万別です。しかし、共通しているのはそれが誰かのためになるものだということでしょうか。無人島で一生一人暮らしをしていますという特殊な方以外、仕事とは誰かのためにあるものであり、その仕事によって誰かに何かをもたらすものだとは言えると思います。

そんな仕事のあり方について「夢を与える」仕事という言い方をする時があります。あなたなら、そこにどんな仕事をイメージするでしょうか?『たとえば農業をやるつもりの人が”私は人々に米を与える仕事がしたいです”』とは言わないと思います。では、『お米は無理で夢だけが堂々と”与える”なんて高びしゃな言い方が許されて』良いものでしょうか?「夢を与える」という言葉はなかなかに定義付けの難しい極めて特殊なものなのかもしれません。

さてここに、『将来について訊かれると「夢を与える人になりたいです」と答える』一人の少女を描く物語があります。幼少期から『衣料品の通販カタログのモデル』をはじめた少女を描くこの作品。そんな少女が一気にスターダムにのし上がっていく様を見るこの作品。そしてそれは、「夢を与える」という思いの先に栄光と失墜を見る少女の物語です。

『今日、私は六年間付き合った男に別れ話を持ち出される。そして私の答えは、「ぜったいに別れない。」』という思いの中、家を後にしたのは幹子。『二人で何度か行ったことのある喫茶店』でトーマに会った幹子は、『あのとき君が結婚のことを言い出して、正直驚いた』、『これ以上付き合って君の時間を奪う権利は僕にはない。別れよう』と切り出されます。そんなトーマの台詞に『私が予想外のことを言えば、混乱して弱気になるだろう。そこを追いつめる』と考えを持ってきた幹子は、『就職先が決まったの』とトーマの不意をつく台詞を口にすると、部屋が見つかるまでトーマの部屋に居させてくれるよう懇願します。そして、『トーマの部屋に住み始め』た幹子は、『肉の関係を復活させ』ると、『避妊具に細工し続けて妊娠』し、結果子どもが産まれました。そんな子どもは『天性の可愛さでもって、二人をまるで変えてしま』います。『現実離れして可愛いらしい完璧な赤ん坊』という二人の子どもに夕子と名をつけた両親は『幸せな夫婦関係』を送ります。そんなある日、『雑誌社に勤めていた友人』に『あの子本当に可愛いわよね。チャイルドモデルになれるんじゃない?』と言われたことをきっかけに『衣料品の通販カタログのモデル』になった夕子。幹子は夕子を連れて『月二回の撮影所通いを続け』ます。そして、撮影が終わった後、スタジオ関係者に『広告代理店の人が今来てる』ので会って欲しいと言われた幹子。そこには『阿部夕子さんを我が社のCMのキャラクターに起用したいと思い、本日は参りました』と話す『有名な食品会社の』関係者が待っていました。『発売から三十周年にな』った『スターチーズ』の広報にこの先夕子の『成長していく様を撮り続け』たいというその申し出。契約書を見る幹子は、そこに『半永久』という文字を見て驚きます。『私たちは夕子ちゃんが”将来性のある”女の子だと考えてい』るとその契約期間の考え方を聞いた幹子は契約を決めます。『夕子の顔が全国に知れ渡るのだ』と思う幹子。一方で『無名の夕子はテレビや雑誌に出ることはほとんどなく、CMのなかだけで成長し、愛らしさを増していく不思議な存在』となっていきます。やがて、『CMの放映が重なるにつれ、ゆーちゃんは一体何者なんだという電話や仕事の依頼が広告代理店のほうに頻繁にかかってくるようになり、個人では対応しきれ』なくなります。そして『小学六年生にな』った『夕子は両親に連れられて、契約の話を熱心に持ちかけてきたS事務所を訪れ』ました。案内された社長室に『おお、ゆーちゃんだ』と現れた社長は、夕子を眺め回すと『うちに任せてください、ゆーちゃんを芸能界の荒波から守りながらどんどん成長させていきますよ…この子は日本で一番きれいに咲き誇ることのできる花です…』と話します。そんな場に同席した『制作部の部長』は『受ける仕事、スケジュール管理、売り出しの方針はすべて我が事務所に委託してもらいたい』と補足します。それに、『私はこれからも夕子の仕事の相談相手として、夕子の芸能活動を支えていくつもり』と宣言する幹子。そして、『夕子はS事務所と契約を結ぶことにな』りました。沖島という男性マネージャーが夕子の担当になり、『事務所に毎週決まった日時に通い、簡単な演技指導、カメラ前での表情の作り方、歩き方、目上の人間に接したときの礼儀正しい挨拶の仕方などを習』いはじめた夕子。そんなある日、幹子の実家で催された新年会へと出かけた三人に、『なんだかかわいそうな気がするね。こんな小さい頃から働いて、人目にさらされて』と心配そうな目で見る伯母に、『一番信頼できそうな事務所に決めたんだもの。夕子のこれからの活躍を支えてくれるわ』と返す幹子。そんな幹子に『幹子、ゆーちゃんに自分の夢を押しつけすぎたらいけないよ』と語る伯母。『大手芸能事務所』へと入り、ブレイクしていく夕子とそれを支える幹子の姿が描かれていきます。

“幼い頃からチャイルドモデルをしていた美しく健やかな少女・夕子。中学入学と同時に大手芸能事務所に入った夕子は、母親の念願どおり、ついにブレイクする。連ドラ、CM、CDデビュー…急速に人気が高まるなか、夕子は深夜番組で観た無名のダンサーに恋をする。だがそれは、悲劇の始まりだった”と内容紹介にうたわれるこの作品。2004年に「蹴りたい背中」で芥川賞を受賞された綿矢りささんが前作から3年半の期間を空けたのちに刊行された”芥川賞受賞第一作”となります。早稲田大学に在学中という当時の史上最年少記録での芥川賞受賞は綿矢さんにとって当然大きな出来事だったはずです。そんな偉業の後のプレッシャー、これは想像を絶するものがあったのではないかと思います。そして、そんな綿矢さんが送り出されたのがこの「夢を与える」という作品であり、2015年に小松菜奈さん主演でドラマ化もされています。

そんなこの作品は三人称で書かれています。誰かの視点ということではなく、主人公となる夕子と幹子を第三者的に見る視点です。そこに描かれていくのが『大手芸能事務所』に入りスターダムにのし上がっていく夕子の姿です。物語は、夕子が幼き日に『衣料品の通販カタログのモデル』になったことからスタートします。ということで、芸能人・夕子のプロフィールを簡単にまとめてみましょう(笑)。

 ● 阿部夕子さんの略歴
  ・本名: 阿部夕子(あべ ゆうこ)
  ・両親: 父・トーマ(フランス人)、母・幹子
  ・生い立ち: 山も海も川もある自然にあふれた町で典型的なベッドタウンでもある昭浜で育つ
  ・学歴および芸歴
   - 昭浜の幼稚園に入園
    衣料品の通販カタログ(月刊)のモデル
   - 昭浜の小学校に入学
    衣料品の通販カタログ(月刊)のモデル
    有名食品会社のスターチーズのCMに出演(1年に2回新CM、半永久契約)(『ゆーちゃん』という決まり文句が定着)
    『大手芸能事務所』のS事務所と契約
      ※ マネージャーは沖島(男性)
   - 昭浜の中学校に入学
    ワイドショーの”期待の新人、あの子はだれ?”といったコーナーへの出演
    雑誌のグラビア撮影
    中高生向けの腕時計のイメージモデル
    一日郵便局長
    RQ刹那ギャルズクラブ(レースクィーン)に妹分として参加
   - 都内の私立M高等学校に入学
     ※ 幹子と都内のマンションに二人暮らし
    ホームドラマの初出演が決定、主人公の妹役
    バラエティ番組への出演
    AMラジオのパーソナリティ
    献血キャンペーンのイメージキャラクター
    ファッション誌専属モデル年間契約
    一月期の連続ドラマに準主役として出演
    CMタイアップ曲の制作、録音、インストアライブ

…といった感じでしょうか?いかにも典型的な『子役』としてブレイクする芸能人という経歴そのものだと思います。物語は、そんな夕子の成長と、両親、特に母親・幹子との関係性に光を当てていきます。

そんな作品は三人称で書かれた作品ならではの登場人物たちの心の動きが絶妙に描写されていくところが最大の読みどころではないかと思います。では、この作品一番の読みどころとも言えるスターダムにのし上がっていく夕子が見る芸能界の裏側を抜き出して見ましょう。

 『夕子は自分が芸能界を気に入っているかどうかも分からない…未来は見えず、ただ走り続けていた』。

忙しさを増していく日々の中で落ち着いて現状を考える時間もなく、ただただ走り続けるしかない夕子を見る視点です。そこに、他の芸能人を第三者的に見る夕子の心持ちがこんな風に描かれます。

 『なんとかこの世界に生き残ろうと必死な芸能人たちは独特のオーラを放っているからすぐ分かった。明るい笑顔に”明日にでも使い捨てられるかもしれない”という不安が見え隠れしているからだ。また、いきなりもてはやされて、舞い上がってしまい、周りが見えなくなっている人も分かった。一度舞い上がるともう誰も止めてくれる者はいない』。

なんだかとてもリアルです。芸能界という特殊な世界ならではの独特な雰囲気感を絶妙に言い表していると思います。また、あまりの忙しさの中に夕子はこんな高みへと足を踏み入れます。

 『疲れが極限に達すると一種の気持ちよさを体感する。二時間しか寝ずに飛び回っているときは、虹色の電光板でできたトンネルを走ってワープしている気分、トンネルから一歩出れば外は果てしない闇、トンネルの電気が明るすぎて外の様子なんて見えない』。

私も一人の会社員として忙しい時間を過ごすことがありますが、ここまでの経験はないです。睡眠時間も十分に取れない極限状態に『一種の気持ちよさを体感する』というこの記述。それを具体的にこんな風にも記します。

 『学校に行ったら眠るだけ、放課後スタジオに直行し、マンションに帰るのは明け方。少し前のことがもうまるで思い出せず、世界がどのくらいの速さで回っているのか想像もつかない』。

学業と芸能界の二足の草鞋を履く芸能人の皆さんの日常は必然的にこうなってしまうのだと思いますが、私にはとても務まりそうにないです。また、そんな光が当たる日々の感覚を絶妙に表現します。

 『スポットライトの光は熱いほどまぶしくて、当たらなくなってからも、まぶたを閉じても残像が消えない。強い光であればあるほど、舞台から降りたときの客席の暗闇は濃い』。

これも舞台に立つ者の感覚を上手く表現していると思います。幼少期からフラッシュを焚かれ、CMでTVに登場し、芸能界を一気に駆け上がっていく夕子の姿が描かれるこの作品。それは、ある意味で成功者の歩む道であり、幼き日を知る読者だからこその感情移入もあって、そんな彼女の輝きが我がことのように感じて来ると思います。

一方で、夕子はいつも帯同してくれる母親の幹子のことをこんな風に感じています。

 『夕子にとって母親はよく言われるステージママなどというものではなく、戦友だった』

幹子への強い信頼感がそこに見え隠れします。そして、実際に、さまざまな悩み苦しみを幹子に相談し、共有していく夕子。そもそも夕子を芸能人への道に進ませたのは幹子ですし、有名食品会社とCM契約を結んだ時も『夕子の顔が全国に知れ渡るのだ』と一番喜んでいるのも幹子です。しかし、夕子の大人への成長は、そんな『戦友』であったはずの母親との関係性に変化をもたらしていきます。内容紹介にうたわれる”急速に人気が高まるなか、夕子は深夜番組で観た無名のダンサーに恋をする。だがそれは、悲劇の始まりだった”というその先の物語、親子の関係性に大きな変化が生じてもいく中に物語は大きく動いていきます。そんな中にこの作品の書名でもある「夢を与える」という言葉が浮かび上がってきます。マネージャーの沖島からのアドバイスもあって、夕子は自分の将来を訊かれるとこんな風に答えるようになります。

 『将来はテレビを見ている人に夢を与えるような女優になりたいです』

いかにも優等生然とした答えです。さらには、『夢を与える瞬間』をこんな風に具体的に落とし込んでもいきます。

 『阿部夕子が本当に人に夢を与える瞬間は、出演している役を演じているときじゃなくて、私自身の人生で、普通の理想の人生を歩んでいるときなんだから。私は私の人生自体で人に夢を与えてるの』

『人に夢を与え』続ける夕子が歩んでいく道のり。しかも、それが役作りの場ではなく、自らの『人生自体で人に夢を与える』という考え方は自身に対して非常に高いハードルを課しているとも言えます。十代にしてこんなある意味崇高な目標の下に生きる夕子。その一方で大人への階段を上がる中で、誰もが通る悩み苦しみを感じてもいく夕子。物語は後半に入って一気にスピードが上がっていきます。そして、その先に待つなんともやるせ無い結末、『人に夢を与えるような女優になりたい』と語った夕子の言葉がいつまでもあとを引く中に本を置きました。

 『夢を与えるとは、他人の夢であり続けることなのだ。だから夢を与える側は夢を見てはいけない。』

芥川賞を受賞された綿矢りささんが受賞後第一作として送り出されたこの作品。そこには、芸能界をスターダムにのし上がっていく者の栄光と失墜の物語が描かれていました。まさしく芸能界の光と闇が描かれたこの作品。そんな物語の中に綿矢りささんらしく青春のほろ苦さを絶妙にブレンドしたこの作品。

幼き日の夕子を知るからこそ、読者の心を激しく揺さぶり続ける物語の中に、「夢を与える」という言葉がいつまでもあとを引く素晴らしい作品でした。

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2024年01月22日

Posted by ブクログ

どうなるんだろと気になり一気読みした。
綿矢さんは、血なまぐさい情景の表現がうまいなぁとつくづく思いました。言葉の限りを尽くしグロを表現する感じ。偉そうですが称賛してます。

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2023年12月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

顔と運に恵まれ、順調に芸能界で活躍していた女の子が男によってダメになってしまう。恋愛は人間をおかしくしてしまう、なのにまた恋愛をしてしまう。本能なんだろうと思う。私自身、会いたくて仕方がないとか冷められているのを分かっていても離れたくないという気持ちは共感してしまった。大人になった今は、冷静に恋愛ができるようになった気がするが、まだ高校生の夕子からしたら初めての恋でその上仕事や受験の重圧もあり、恋愛にのめり込んでしまったんだろうなと思った。母のようにはなりたくないと思いつつ、やはり親の影響は大きく受けてしまう。小さい頃から母と親友のようにずっとにいたことによって余計にだと思う。母の勝手にやってきたことを押し付けがましく、あなたのために生きてきたと言ったシーンはすごく嫌な気持ちになった。毒親だと感じるし、そもそもの元凶は母だと思った。父が最後まで手に入らなかったように、他人はどうあがいても、自分のものにはならないし、思い通りには動かせないところが印象的だった。

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2023年10月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

1人の女優のデビューからブレイク、そして墜落、いわゆる「干された」になるまでが書かれた物語。
テレビの前にいる私たちは簡単に「干された」と言う言葉を使うが、その裏にはたくさんの涙や苦労、絶望があるのだと分かった。
ゆーちゃんは、良くも悪くも母親にそっくりだった。自分は好きな人の前で母親のような顔をしたくない、母親のようにはなりたくないと言っていたが、結局は親子。ゆーちゃんが正晃に異常にこだわるところは、母親譲りでもあるし、本当に何も知らないまま育ったからこそ得てしまったものなのだと思った。
ゆーちゃんはこれからどうなるのだろうか。最後の取材をした記者が言っていたことはある程度予想できるが、ゆーちゃんは本当にその道に進んでしまいそうでぞくっとした。言い終わり方ではないが、読む手が止まらず面白かった。

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2023年09月24日

Posted by ブクログ

綿谷りさ作品はとにかく読みやすいのと、人の描き方がすごく好き
この作品もとても面白かった、、ただ、ちょっと他の作品よりは私には刺さらなかったけども
今だと、ちょうどめいちゃんと重なってしまう部分があって勝手に心境を想像してしまった、、なかなか苦しいね

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2025年06月07日

Posted by ブクログ

綿谷りささんの著作が最近気になり久しぶりに文庫本で読書。主人公の夕子ちゃんのキャラクターが気になってページが進んだ。

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2024年09月14日

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ネタバレ

宮沢りえさんを思い浮かべて、(私は世代ではないので、YouTubeでCMを観たのですが)造形の美しさに魅了され、CMを何本も観漁り、婚約会見から婚約破棄会見まで観てしまいました…
人気絶頂期にヌード写真集を出したり、激痩せして表舞台から消えたり、wiki読むだけでも壮絶な経歴…
近年のインタビュー動画で、「母親」という言葉について思いつくことを聞かれて、「私の母を指すなら、一番敬愛する人」と回答していてグッと胸に来ました。
そのインタビューの中で、30代前まで辛いことたくさんあったけど経験してよかった、経験していなければ今の自分はなかった、というようなことを仰っていて、またグッと来ました(;_;)

本の感想じゃなくて宮沢りえさんの話になっちゃってますが(^^;

本の中では主人公の再起までは描かれていないのですが、このあと、スキャンダルも糧にして乗り越えて行くのだと私は解釈しました。

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2024年05月03日

Posted by ブクログ

確かに読んでいて辛くなる失墜の物語ではあるけど、まさに人生という感じがしました。
淡々と進む幼少期からの成長も、瑞々しい感情が伝わってくるようで引き込まれました。

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2023年09月04日

Posted by ブクログ

多摩に会えなかったシーン、すごく寂しかった。
もし、二人が再会してたらどんな話をしたんだろう...。

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2023年04月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

p46
夕方と夜の境目に、川にかかっている赤い鉄橋にライトが点く瞬間が夕子は好きで、橋がぼうっと光り出すと、遊びの手を止めて目を奪われた。

p59
「阿部ぇ、梅雨の日の学校の手すりは半魚人のにおいがするぞ」

p67
「そう、嘘ばかりだ。だから夢なんだよ」

p104
もし泣いたり悲しんだりしている人を見つけたら、今日の多摩がしてくれたように元気づけられるようになりたい。

p262
ふしぎ、大好きなのにいつか逃げ出せる日を夢見てる。

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2022年11月06日

Posted by ブクログ

夢を与えるとは、他人の夢であり続けること。
チャイルドモデルから芸能界入りした少女が成長していく様が、無情なまでに淡々と描かれていた。
最初はあまりにも良い子だったが、後半は多忙に身を崩しながらも人により縋る姿が痛ましかった。
夕子のその後も知りたくなる作品だった。

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2022年10月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

まだ色んなことを自分で判断できない年齢で芸能界に入り、母や事務所の言う通り仕事をこなした結末がこれか、、、
清純派で売ってた子のハメ撮り流出はそりゃあ信頼も失いますよ。馬鹿な子、と一言で済ましてはいけないんだろうけど、本当に馬鹿だよ。

いま、私の推しが芸能活動を続けていられるのは、事務所がスキャンダルを揉み消してくれているのか、普段から疑われないような行動をとるようにしているのかは分かりませんが、できるだけ長い間夢を見させてほしいな。

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2022年08月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

スゲエ淡々としている。ビックリするほどに淡々だ、、、と思いながら読んでました。で、なんというか。正直に言いますと、読んでいて、面白味はないなあ、ってね、思いました。うん。なんだか、正直。だが、何故かその中に、不思議と惹かれる何かがあったのも、間違いなく事実。

「物語としては面白くないのに、作品としてはなんだか面白い」という、不思議な違和感を感じながら読み終えた次第です。うーむ。不思議な感じだった。で、結論としては、やっぱ俺は綿矢りさは好きだなあ~、というまあ、結局贔屓の引き倒しの結論に至った訳ですが笑。

綿矢りさ
インストール 2001年
蹴りたい背中 2003年
夢を与える 2007年
勝手にふるえてろ 2010年

夢を与える、前で4年、後で3年の空きがあるんですよね。「勝手にふるえてろ」以降は、比較的コンスタントに作品発表されてますし。

ネット上の情報も含めての、勝手な分析ですが、「夢を与える」を執筆していた時期は、色んな模索期、というかスランプ期?みたいな感じだったの、、、だろうか、、、?だからこんな暗いダークな重い作品、書いちゃったのだろうか?とか、ま、勝手なことを想像してしまいますね。

すごーく単純に話をまとめると、芸能界の光と闇、、、というものを描いたのだろう、という感想になるのですが、なんというか、こんな物語、リアルにめっちゃありそうですな、って感じ。芸能界に一切縁のない生活をしていても「ああ、、、芸能界って、、、こんな感じなんだろうなあ、、、」って想像できちゃう感じが見事にリアル。実際はまあ、芸能人も十人十色で、一人一人の芸能人生は、全然違うのかもしれないのですが。っていうか違って当然なのでしょうが。

映画で、近いテイストを感じたのは、ダーレン・アロノフスキー監督の「レクイエム・フォー・ドリーム」でしょうか。なんか、アレに近い感じを、勝手に感じました。ただ、「レクイエム~」の方が徹底的に救いの無い感じで、あっちの方が鬱度合いは断然高いですし、ま、個人的好みでいうと「レクイエム~」の方が圧倒的に好きですね。綿矢さん、すまん。

こっちの「夢をあたえる」の終わり方、なんか、なんかね。希望を感じたんですよ。俺は。「え?あの終わり方で希望を感じるの?おれ、アタマ大丈夫?」という気もするのですが、いやもう、なんか、希望感じちゃったんだからしょうがない。読み方間違ってるよ、って事かもしれませんが。

あの最後の、主人公の夕子は、何故か個人的に「この子は今後は大丈夫」ってね、思えちゃったんですよね。あんなヒドイ終わり方なのに。本当にヒドイ言いかたしますけど、夕子のあの転落の悲劇は「芸能界では良くある事じゃねえの?」とまで思ってしまう。俺は酷い人間なのだろうか?

ま、正晃は間違いなくクソ野郎でしたが、どうしようもなく魅力のあるクソ野郎なのでしょう。そういう人間って、絶対いるでしょうし。で、夕子がそれに捕まっちゃったのも、言いかた悪いですが「しょうがない」って事ですよねえ。正晃には、なんらかの魅力は、絶対にあった訳でしょうから。

「夕子。しょうがないよ。それすらも飲みこんで、生きて行くしかないんだよ」ってね、、、思うんだよなあ。ま、夕子にとっては、今後、正晃は、絶対に許さなくていいっすよ、って事したから、許すなよ、って思いますけど、でもきっと夕子は正晃のこと、それはそれでずっと好きなんだろうなあ。「しゃあないよね。だってそれが感情だし」としかなあ、、、言いようがないなあ、、、

ま、とにかく。
「物語としては面白くないのに作品存在としては面白い」
というね、中々に稀有な感じの読書体験でした。やっぱ、綿矢りさ、好きだなあ~。

あ、スターチーズの企画
「一人の主人公の幼少時代からリアルタイムでCMを撮り続けて、主人公の成長するとなりに常にスターチーズがあると宣伝し続ける」商法は、ちょっとスゲエな、って思いました。企画としてマジで凄い。日本で、ここまでの超長期CMって、、、実現してないですよね?ある意味究極やんか。とか思った。

契約期間「半永久」とかね、おっとろしいなあ~、ってね、思いました。このCM企画の狂いっぷりこそが、夕子を縛りつけ歪ませたのではないのか?とも思ったりもした。いやあ、おっとろしい契約ですねえ。契約「半永久」って、マジ怖いですよ。

あ、犬童一心監督が、WOWOWで、連続ドラマ化されてるみたいですね。犬童監督はすげえ好きなので、これはちょっと、是非とも観てみたい。うーむ、観てみたいですね。

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2021年02月01日

Posted by ブクログ

夕子が恋に落ちるまでを長く感じ、読んでいる当初は苦痛に感じることもあった。しかしながら、裏を返せば人生は基本的には淡々とした毎日の繰り返しであり、ある日突如崩れゆくものなのだということを表していると思うと、前半部の夕子の幼少期から中学生までの期間がいかに大切だったかを読後に感じた。特に自然に囲まれた中でのびのび成長していく夕子と多摩のお互いまだ恋心とも自覚しないような関係性の可愛らしさと美しさがが際立つ。
また、「夢を与える」という言葉に違和感を持っていた夕子が自らが夢を与える側になったという際に、その違和感を失ってしまっていたことが切ない。そして、最後に「夢を与える」とはどういうことか、自分の芸歴や人生が崩れ落ちた後に気づいたということも印象に残る。

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2023年06月30日

Posted by ブクログ

夢を与える仕事。煌びやかだけれど苦しいなとも思った。小さい頃からそういう環境にいるといろいろ麻痺しそう。若かりし頃は恋愛が全てだったり周りが見えなくなったりあるよなぁ、でもそれはタブーな世界。
いつか多摩に会えるといいな。

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2025年08月31日

Posted by ブクログ

初めて綿矢りささんの本を読んだけど、繊細な文章がとても好みで、この人の文章を読みすぎたら心地よくて他の人の文章(特にミステリーとか)を読めなくなる気がしました。

夢を与えるという題名の通り、夢を与える仕事というものに焦点を当てて書かれていて、芸能界には入りたくないなとシンプルに思ったし、ゆうちゃんの行動と心理を追いかけている中で、そりゃそうなるやろって感じで、報われて欲しいと思いました。

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2025年08月18日

Posted by ブクログ

夕子のお母さんはパパを取り戻そうと必死になればなるほど怖い顔になってパパは離れて行った。強引に手に入れようとしたものほど去っていくという夕子の結論に少し納得した。友達がいない夕子はお母さんに何でも話して受け止めてもらっていて、お母さんはお母さんで夕子を芸能界で生き残れるように策略を立てていて、、お互いで利用し合っていたのだと夕子が気付いたところが印象的。カッコつけで悪ぶってる男にハマっちゃうところが若くて可愛い女の子がよく通る道って感じだったが、このくらいの恋愛もしてみたかったなとも思った。

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2025年08月17日

Posted by ブクログ

最近あった女優と俳優の不倫を思い出した。
芸能人はいつでも誰かに見られていて、何かを与える存在にならないといけない。成長の過程でゆーちゃんはそれに違和感を感じてしまったんだなと思った。お母さんもゆーちゃんも、お父さんもその周りも、なんだかあんまり理解できなかった。特にお母さんは、娘を大切にしているのか、自分の理想の娘を大切にしているのか、分からなかった。

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2025年07月19日

Posted by ブクログ

綿谷りさ先生の特徴でもあるむき出しの無垢さが傷付いて萎れていく様は辛くも切なくてとても好き。
言葉選びにある優しさが生々しくて普通に生きてる人の不幸を実感させられる。

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2024年03月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

感想
芸能界は大変だなぁ。子供の頃にすべてを手に入れてしまうと色々勘違いしてしまう?のかもしれない。ただ、一度きりの人生でジェットコースターのように体験できないことややりたいことをやっているのは貴重なのかもしれない。

夢を与える。与えるという言葉が傲慢なのかもしれないと言ったゆうちゃんの感覚が正しかったのかもしれない。

あらすじ
幹子は、付き合っていたフランス人ハーフのトーマから別れを切り出され、回避すべく、色々努力し、夕子が生まれる。

夕子は、幹子の熱心な活動で雑誌モデルをしていたが、ある日チーズのCMに半永久的に出演することになり、成長と共に有名になる。

高校までは順調に仕事をこなしてきたゆうちゃんだったが、TVで見たダンサーに入れ込み、深夜遊びをする中で、情事を撮った映像がインターネットに流れてしまい、一気にその地位を失うことに。残されたのは何だったのか。

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2024年02月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

はじめが長々としんどかった。
最後まで読んでそこの恵まれていた感じが必要なものだったのかもとは思った。
正晃とのところも先の読める展開で
やるなよ、やるなよ、という
親と事務所、そして読者の思いを
夕子が綺麗にぶったぎっていく。
夢を与える側の人間の自業自得のお話。
思春期の失敗がここまでのことにな
芸能界大変やなぁ…

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2023年07月21日

Posted by ブクログ

前半はだらだらと長ったらしい印象でした。
ただ恋をしてからの展開は、予想できつつも次が気になり読み進めていました。
若いときの恋の失敗は、大小はありますが多くのひとにあると思います。頭の片隅でやめなければならないとわかっていても、実際は流されてしまう。昔の自分と重ね合わせて、なんだか恥ずかしいような、また祈るような気持ちで読んだ作品でした。

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2023年04月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「ゆーちゃん壊れてきたなあ、なんか」っていうセリフ、所詮商品でしかないのだなと思った。
前半は、芸能人ってこんなものかあ、と思うだけで長ったらしくてくどいなぁと思いながら読んでた。綿矢りさの片思いの描写が好きだから、正晃と出会ったところから面白くなった。最後(たぶん)仕事も好きな人も失って「今はもう、何もいらない」と言った主人公は見ててすごくつらくなったけど、変にハッピーエンドにしなかったのはリアルでよかった。他の作品みたいにぶわーっと一気に読めるような作品ではなかったけど、結末はすごく綿矢りさらしい。

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2022年11月19日

Posted by ブクログ

初めから終わりまでずーっとあるモヤを最後に晴らしてくれる作品でした。
ゆーちゃん、なんだか終始かわいそう。

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2022年09月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

芸能界に入った夕子が成功し転落するまでの話
恋人に大切にされたいのにされなくてつらくてどうしようもなくなる夕子をみるのが苦しい

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2020年05月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ゆーちゃんが忙しくなってきた頃(高校生)から、すごいスピード感で一気に読んだ。
ゆーちゃんが高校生の頃のあたりは、本を置いてちょっと家事をしていたときにぐったり疲れていて、どうしてこんなに疲れてるんだろうと思ったけど、この本を読んで、私の心がぐったりしていることに気がついた。
さらに、最後の場面、悪夢だ。作者が「起きながらにして見る悪夢をかきたかった」と書いたのを後になってネット上で読んだが、まさしくその通り悪夢だった。
早くこの悪夢から醒めたくて、小さな頃に怖い映画を見るときに早送りにしてざっと見てから戻ったように、今回この本も、パラパラとめくり、最後結局救いようの無いまま終わってしまうことをざっと確認して、戻った。
どうしてこの作者は、こんなひどい本を書いて、何をしたかったのかと思った。

でもすごいインパクトだったし、読ませる感が半端なかった。この人の本を(内容があまりひどそうじゃ無いものを)もっと読んで見たいと思った。

ところで、救いようのない小説といえば、半年前くらいに三浦しおんの「光」がやばかったけど、あっちの方がまだ救いようがあったのかな。
本当にこの本は、ひどかった。
星の数は迷った。内容は最悪だけど結局引き込まれて何日も引きずったことを考えると、インパクトが極大だったので星三つにしておく。

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2024年06月12日

Posted by ブクログ

フランス人のクオーターの女の子、夕子は、
幼い頃からその優れた容姿を活かすモデルの仕事やCMの仕事をこなしていた。
その夕子と彼女をささえる母や父の家族関係が絡みつつ、
中学生、高校生…と芸能界の中で成長していくさまを描いた作品。

書きだしからの最初の章の文体といったら、
才気あふれ、読む者の目を捉える、
鋭く、貪婪ともいえるようなエネルギーに満ちた感じでしたが、
中盤くらいになると、なんだか個人的に冗長に感じてきてしまいました。
それでも、中盤からラストに書けて、
とても引きつけられ、
ぐっとくる面白い作品だったという感想になって読書は終わる。

作品のテーマは難しいものだし、
触れたがる人もいないというか触らぬ神にたたりなし的に
あまり考えずにいるようなものですが、
率直な気持ちで正面から見たまま、
そらさずに、でも、考え事の世界にいってしまわず、
現実を忘れずに取り組んだような作品。

僕には夕子の、恋の熱い気持ちはわからない。
というか、きっと遠い彼方に置き忘れてしまった気持ちなんだろう。
あそこまで愚かになって傷つくことができるかどうか、恐怖感すらある。
夕子のは血の通った、それも人間としての血のリアルな濃さを感じさせる稚拙さだと思った。
否定、とか馬鹿に、とかしたくなるけれど、これは受容すべきものだ。

『夢を与える』の表題になっている
「夢を与える」という言葉自体にもきちんと考えたその意味が、
物語の他方でのひとつの落としとなっている。

この著者の本は読み通した分だけきちんとリターンがもらえる経験があったので、
今回もそうしました。
中盤で飽きてきそうにはなるんだけど、信じて読んだら信じたぶんのリターンがある。

また、
沈黙は爆音よりも怖いものだ、というような比喩。
なぜなら、爆音の後、いつまた爆音に見舞われるか
構えて緊張していないといけなくて、疲弊するから。
これは個人的な家庭環境でこそ言えることだよなあ、と
著者の綿矢さんだって楽な人生じゃないんだなと思わせられた。
若くしてデビューし、芥川賞を獲っても、
祀り上げられることに気づき、拒否し、
楽には生きないんだね。
そこらへん、またひとつ、作家だな、という気がしました。
(勝手な考察ですが)

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2025年07月14日

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