あらすじ
その時、私の人生が崩れていく爆音が聞こえた──チャイルドモデルだった美しい少女・夕子。彼女は、母の念願通り大手事務所に入り、ついにブレイクするのだが……夕子の栄光と失墜の果てを描く初の長編。
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初の綿矢りささんの作品
チャイルドモデルからブレイクして売れっ子になった女の子が落ちていく物語。
淡々と進んでいくようでどんどん惹きつけられていくストーリー展開がさすがだと思った。
あまりスッキリする終わりかたじゃなかったけど綿矢さんの他の作品も読んでみたいと思った。
多摩と夕子の中学時代の絡み合いがなんだか堪らなく甘酸っぱくて胸の奥がこそばゆくって仕方なかった。
スキャンダルの後夕子には多摩に会わせてあげたかったけど会わせちゃダメだったんだろうなぁ。
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ところどころゾッとするポイントがあった
cmが半永久契約だったり事務所が商品としてゆーちゃんを扱う部分などまあお金が絡んでいるから仕方ないのかもしれないが彼女には酷なのではないかと感じた
また幼い頃から職業を親が押し付けるのはどうなのか
もうゆーちゃんは戻れないところまで来てそこでスキャンダルを起こしてしまった
少しそこは彼女に対して同情した
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5.0/5.0
人間の汚さや社会の醜さを、少し引いた視点から抉るように描き出す、シニカルな綿矢りさ作品はいつも痛快。
自分が一番腹が立ったのは、夕子の母親だった。
娘を自分の自己顕示欲を満たす道具としてしか見ておらず、全てが利己的。小説を読んで、ここまで腹が立ったのは初めてかも。
芸能界なんて、消し飛べばいいのに。
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内容が残酷でいいんです。
私的な朝ドラのようにも感じました。
真っ直ぐなんて進めないし、着くはずのゴールなんてわからない。
そんなことを考えさせられました。
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どうなるんだろと気になり一気読みした。
綿矢さんは、血なまぐさい情景の表現がうまいなぁとつくづく思いました。言葉の限りを尽くしグロを表現する感じ。偉そうですが称賛してます。
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顔と運に恵まれ、順調に芸能界で活躍していた女の子が男によってダメになってしまう。恋愛は人間をおかしくしてしまう、なのにまた恋愛をしてしまう。本能なんだろうと思う。私自身、会いたくて仕方がないとか冷められているのを分かっていても離れたくないという気持ちは共感してしまった。大人になった今は、冷静に恋愛ができるようになった気がするが、まだ高校生の夕子からしたら初めての恋でその上仕事や受験の重圧もあり、恋愛にのめり込んでしまったんだろうなと思った。母のようにはなりたくないと思いつつ、やはり親の影響は大きく受けてしまう。小さい頃から母と親友のようにずっとにいたことによって余計にだと思う。母の勝手にやってきたことを押し付けがましく、あなたのために生きてきたと言ったシーンはすごく嫌な気持ちになった。毒親だと感じるし、そもそもの元凶は母だと思った。父が最後まで手に入らなかったように、他人はどうあがいても、自分のものにはならないし、思い通りには動かせないところが印象的だった。
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1人の女優のデビューからブレイク、そして墜落、いわゆる「干された」になるまでが書かれた物語。
テレビの前にいる私たちは簡単に「干された」と言う言葉を使うが、その裏にはたくさんの涙や苦労、絶望があるのだと分かった。
ゆーちゃんは、良くも悪くも母親にそっくりだった。自分は好きな人の前で母親のような顔をしたくない、母親のようにはなりたくないと言っていたが、結局は親子。ゆーちゃんが正晃に異常にこだわるところは、母親譲りでもあるし、本当に何も知らないまま育ったからこそ得てしまったものなのだと思った。
ゆーちゃんはこれからどうなるのだろうか。最後の取材をした記者が言っていたことはある程度予想できるが、ゆーちゃんは本当にその道に進んでしまいそうでぞくっとした。言い終わり方ではないが、読む手が止まらず面白かった。
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テーマがアイドル、舞台女優である朝井リョウさんの「武道館」「スペードの3」を読んだ後に、本書を読みました。古本屋で何気なく選んだ3冊が偶然全て芸能関係物で、この短期間で華々しい世界の裏側に少し詳しくなった気がしました、絶対気のせいですが。
芸能界の栄光と挫折、理想と現実のコントラストを描いた3冊ですが、比較したとき、最も生々しく、最も救いがなかったのが本書です。多摩くんと一緒に魚を洗うシーンだけが、この物語の光でした。最後、全てを失い今から確実に生きづらい人生が待ってると思われる夕子ですが、多摩くんに再会できればきっと失ったものを取り戻せるはず。もう一度会えることを切に願って、本書を閉じました。
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綿谷りさ作品はとにかく読みやすいのと、人の描き方がすごく好き
この作品もとても面白かった、、ただ、ちょっと他の作品よりは私には刺さらなかったけども
今だと、ちょうどめいちゃんと重なってしまう部分があって勝手に心境を想像してしまった、、なかなか苦しいね
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宮沢りえさんを思い浮かべて、(私は世代ではないので、YouTubeでCMを観たのですが)造形の美しさに魅了され、CMを何本も観漁り、婚約会見から婚約破棄会見まで観てしまいました…
人気絶頂期にヌード写真集を出したり、激痩せして表舞台から消えたり、wiki読むだけでも壮絶な経歴…
近年のインタビュー動画で、「母親」という言葉について思いつくことを聞かれて、「私の母を指すなら、一番敬愛する人」と回答していてグッと胸に来ました。
そのインタビューの中で、30代前まで辛いことたくさんあったけど経験してよかった、経験していなければ今の自分はなかった、というようなことを仰っていて、またグッと来ました(;_;)
本の感想じゃなくて宮沢りえさんの話になっちゃってますが(^^;
本の中では主人公の再起までは描かれていないのですが、このあと、スキャンダルも糧にして乗り越えて行くのだと私は解釈しました。
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確かに読んでいて辛くなる失墜の物語ではあるけど、まさに人生という感じがしました。
淡々と進む幼少期からの成長も、瑞々しい感情が伝わってくるようで引き込まれました。
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p46
夕方と夜の境目に、川にかかっている赤い鉄橋にライトが点く瞬間が夕子は好きで、橋がぼうっと光り出すと、遊びの手を止めて目を奪われた。
p59
「阿部ぇ、梅雨の日の学校の手すりは半魚人のにおいがするぞ」
p67
「そう、嘘ばかりだ。だから夢なんだよ」
p104
もし泣いたり悲しんだりしている人を見つけたら、今日の多摩がしてくれたように元気づけられるようになりたい。
p262
ふしぎ、大好きなのにいつか逃げ出せる日を夢見てる。
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夢を与えるとは、他人の夢であり続けること。
チャイルドモデルから芸能界入りした少女が成長していく様が、無情なまでに淡々と描かれていた。
最初はあまりにも良い子だったが、後半は多忙に身を崩しながらも人により縋る姿が痛ましかった。
夕子のその後も知りたくなる作品だった。
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夕子が恋に落ちるまでを長く感じ、読んでいる当初は苦痛に感じることもあった。しかしながら、裏を返せば人生は基本的には淡々とした毎日の繰り返しであり、ある日突如崩れゆくものなのだということを表していると思うと、前半部の夕子の幼少期から中学生までの期間がいかに大切だったかを読後に感じた。特に自然に囲まれた中でのびのび成長していく夕子と多摩のお互いまだ恋心とも自覚しないような関係性の可愛らしさと美しさがが際立つ。
また、「夢を与える」という言葉に違和感を持っていた夕子が自らが夢を与える側になったという際に、その違和感を失ってしまっていたことが切ない。そして、最後に「夢を与える」とはどういうことか、自分の芸歴や人生が崩れ落ちた後に気づいたということも印象に残る。
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はじまりは、三十過ぎの女が、六年間交際している年下の、フランス人ハーフの男が切り出す別れ話に、絶対了承しないという意気込みを語るシーンから。女は避妊具に細工をして妊娠をし、結婚を迫る。それで生まれたのが、この話の主人公、夕子。「虹から生まれ落ちたかのような、現実離れして可愛らしい完璧な赤ん坊」だった夕子は、友人の紹介で始めた子供服のモデルから、スターチーズのCMタレントに起用される。夕子の成長とともに、毎年新しいCMが撮られ、夕子はスターチーズの「ゆーちゃん」として、国民が成長を見守る女の子となり、高校入学を機に、ブレイク。本格的に芸能活動を始めた夕子は、三年生の時に、初めての恋をする。
『激しく煌めく短い命』を読んで、なんとなく読み返したくなって、引っ張り出してきた古い文藝(2006年冬。20年前!)。当時もすごいものを読んだという気持ちになったが、今回も。その後綿矢さんの小説に出てくる、ぶっとんだキャラなんかは出てこなかったけれど、母の、父への執着とか、大人の世界に対して、子供が抱く好奇心なんかが、とてもリアル。勝手にアイドルにされてしまったけれど、夕子は、本当に素朴で、素直な、普通の女の子。大人の顔色を窺って、求められている虚像を演じながら、両親の不和に傷つく。男の子の気持ちが性欲に支えられているだけのものと、うっすらわかりながら、それでも自分を肯定してくれるものだと信じる、それで、相手の要望を飲んでしまう気持ちも、初めて恋した女の子としてとてもリアル。「ふしぎ、大好きなのにいつか逃げ出せる日を夢見てる。」
「夢を与える」側の人間は、夢を見てはいけない。つらく、重たい話だった。たんに、恋をしただけなのにね。中学時代の男の子との交流が、唯一安らぐシーン(『激しく煌めく短い命』の中学自体にも似た)。綿矢さん自身、自分で言われている通り、流行を追いかけ、恋バナに花を咲かせるような、ごく普通の子供だったんだろう。でも、大学生でこれを書いたなんて、やっぱ天才だな。
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子役から活躍する容姿端麗な女性が堕ちていく。
なんかリアルというか…あるんだろうなこういうこと。
自分を投影して入り込むタイプではなく。
物語として純粋に面白い。
主人公はカワイソウだった。打算で「こうしなくては」という時も含めて、ずっと純粋だったのだろうと思う。
ラストだけ少し物足りなく感じてしまった。
ほんの少しだけ。
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夢を与える仕事。煌びやかだけれど苦しいなとも思った。小さい頃からそういう環境にいるといろいろ麻痺しそう。若かりし頃は恋愛が全てだったり周りが見えなくなったりあるよなぁ、でもそれはタブーな世界。
いつか多摩に会えるといいな。
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初めて綿矢りささんの本を読んだけど、繊細な文章がとても好みで、この人の文章を読みすぎたら心地よくて他の人の文章(特にミステリーとか)を読めなくなる気がしました。
夢を与えるという題名の通り、夢を与える仕事というものに焦点を当てて書かれていて、芸能界には入りたくないなとシンプルに思ったし、ゆうちゃんの行動と心理を追いかけている中で、そりゃそうなるやろって感じで、報われて欲しいと思いました。
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夕子のお母さんはパパを取り戻そうと必死になればなるほど怖い顔になってパパは離れて行った。強引に手に入れようとしたものほど去っていくという夕子の結論に少し納得した。友達がいない夕子はお母さんに何でも話して受け止めてもらっていて、お母さんはお母さんで夕子を芸能界で生き残れるように策略を立てていて、、お互いで利用し合っていたのだと夕子が気付いたところが印象的。カッコつけで悪ぶってる男にハマっちゃうところが若くて可愛い女の子がよく通る道って感じだったが、このくらいの恋愛もしてみたかったなとも思った。
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最近あった女優と俳優の不倫を思い出した。
芸能人はいつでも誰かに見られていて、何かを与える存在にならないといけない。成長の過程でゆーちゃんはそれに違和感を感じてしまったんだなと思った。お母さんもゆーちゃんも、お父さんもその周りも、なんだかあんまり理解できなかった。特にお母さんは、娘を大切にしているのか、自分の理想の娘を大切にしているのか、分からなかった。
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綿谷りさ先生の特徴でもあるむき出しの無垢さが傷付いて萎れていく様は辛くも切なくてとても好き。
言葉選びにある優しさが生々しくて普通に生きてる人の不幸を実感させられる。
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感想
芸能界は大変だなぁ。子供の頃にすべてを手に入れてしまうと色々勘違いしてしまう?のかもしれない。ただ、一度きりの人生でジェットコースターのように体験できないことややりたいことをやっているのは貴重なのかもしれない。
夢を与える。与えるという言葉が傲慢なのかもしれないと言ったゆうちゃんの感覚が正しかったのかもしれない。
あらすじ
幹子は、付き合っていたフランス人ハーフのトーマから別れを切り出され、回避すべく、色々努力し、夕子が生まれる。
夕子は、幹子の熱心な活動で雑誌モデルをしていたが、ある日チーズのCMに半永久的に出演することになり、成長と共に有名になる。
高校までは順調に仕事をこなしてきたゆうちゃんだったが、TVで見たダンサーに入れ込み、深夜遊びをする中で、情事を撮った映像がインターネットに流れてしまい、一気にその地位を失うことに。残されたのは何だったのか。
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はじめが長々としんどかった。
最後まで読んでそこの恵まれていた感じが必要なものだったのかもとは思った。
正晃とのところも先の読める展開で
やるなよ、やるなよ、という
親と事務所、そして読者の思いを
夕子が綺麗にぶったぎっていく。
夢を与える側の人間の自業自得のお話。
思春期の失敗がここまでのことになる
芸能界大変やなぁ…
Posted by ブクログ
前半はだらだらと長ったらしい印象でした。
ただ恋をしてからの展開は、予想できつつも次が気になり読み進めていました。
若いときの恋の失敗は、大小はありますが多くのひとにあると思います。頭の片隅でやめなければならないとわかっていても、実際は流されてしまう。昔の自分と重ね合わせて、なんだか恥ずかしいような、また祈るような気持ちで読んだ作品でした。
Posted by ブクログ
「ゆーちゃん壊れてきたなあ、なんか」っていうセリフ、所詮商品でしかないのだなと思った。
前半は、芸能人ってこんなものかあ、と思うだけで長ったらしくてくどいなぁと思いながら読んでた。綿矢りさの片思いの描写が好きだから、正晃と出会ったところから面白くなった。最後(たぶん)仕事も好きな人も失って「今はもう、何もいらない」と言った主人公は見ててすごくつらくなったけど、変にハッピーエンドにしなかったのはリアルでよかった。他の作品みたいにぶわーっと一気に読めるような作品ではなかったけど、結末はすごく綿矢りさらしい。
Posted by ブクログ
ゆーちゃんが忙しくなってきた頃(高校生)から、すごいスピード感で一気に読んだ。
ゆーちゃんが高校生の頃のあたりは、本を置いてちょっと家事をしていたときにぐったり疲れていて、どうしてこんなに疲れてるんだろうと思ったけど、この本を読んで、私の心がぐったりしていることに気がついた。
さらに、最後の場面、悪夢だ。作者が「起きながらにして見る悪夢をかきたかった」と書いたのを後になってネット上で読んだが、まさしくその通り悪夢だった。
早くこの悪夢から醒めたくて、小さな頃に怖い映画を見るときに早送りにしてざっと見てから戻ったように、今回この本も、パラパラとめくり、最後結局救いようの無いまま終わってしまうことをざっと確認して、戻った。
どうしてこの作者は、こんなひどい本を書いて、何をしたかったのかと思った。
でもすごいインパクトだったし、読ませる感が半端なかった。この人の本を(内容があまりひどそうじゃ無いものを)もっと読んで見たいと思った。
ところで、救いようのない小説といえば、半年前くらいに三浦しおんの「光」がやばかったけど、あっちの方がまだ救いようがあったのかな。
本当にこの本は、ひどかった。
星の数は迷った。内容は最悪だけど結局引き込まれて何日も引きずったことを考えると、インパクトが極大だったので星三つにしておく。
Posted by ブクログ
フランス人のクオーターの女の子、夕子は、
幼い頃からその優れた容姿を活かすモデルの仕事やCMの仕事をこなしていた。
その夕子と彼女をささえる母や父の家族関係が絡みつつ、
中学生、高校生…と芸能界の中で成長していくさまを描いた作品。
書きだしからの最初の章の文体といったら、
才気あふれ、読む者の目を捉える、
鋭く、貪婪ともいえるようなエネルギーに満ちた感じでしたが、
中盤くらいになると、なんだか個人的に冗長に感じてきてしまいました。
それでも、中盤からラストに書けて、
とても引きつけられ、
ぐっとくる面白い作品だったという感想になって読書は終わる。
作品のテーマは難しいものだし、
触れたがる人もいないというか触らぬ神にたたりなし的に
あまり考えずにいるようなものですが、
率直な気持ちで正面から見たまま、
そらさずに、でも、考え事の世界にいってしまわず、
現実を忘れずに取り組んだような作品。
僕には夕子の、恋の熱い気持ちはわからない。
というか、きっと遠い彼方に置き忘れてしまった気持ちなんだろう。
あそこまで愚かになって傷つくことができるかどうか、恐怖感すらある。
夕子のは血の通った、それも人間としての血のリアルな濃さを感じさせる稚拙さだと思った。
否定、とか馬鹿に、とかしたくなるけれど、これは受容すべきものだ。
『夢を与える』の表題になっている
「夢を与える」という言葉自体にもきちんと考えたその意味が、
物語の他方でのひとつの落としとなっている。
この著者の本は読み通した分だけきちんとリターンがもらえる経験があったので、
今回もそうしました。
中盤で飽きてきそうにはなるんだけど、信じて読んだら信じたぶんのリターンがある。
また、
沈黙は爆音よりも怖いものだ、というような比喩。
なぜなら、爆音の後、いつまた爆音に見舞われるか
構えて緊張していないといけなくて、疲弊するから。
これは個人的な家庭環境でこそ言えることだよなあ、と
著者の綿矢さんだって楽な人生じゃないんだなと思わせられた。
若くしてデビューし、芥川賞を獲っても、
祀り上げられることに気づき、拒否し、
楽には生きないんだね。
そこらへん、またひとつ、作家だな、という気がしました。
(勝手な考察ですが)