あらすじ
その時、私の人生が崩れていく爆音が聞こえた──チャイルドモデルだった美しい少女・夕子。彼女は、母の念願通り大手事務所に入り、ついにブレイクするのだが……夕子の栄光と失墜の果てを描く初の長編。
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
顔と運に恵まれ、順調に芸能界で活躍していた女の子が男によってダメになってしまう。恋愛は人間をおかしくしてしまう、なのにまた恋愛をしてしまう。本能なんだろうと思う。私自身、会いたくて仕方がないとか冷められているのを分かっていても離れたくないという気持ちは共感してしまった。大人になった今は、冷静に恋愛ができるようになった気がするが、まだ高校生の夕子からしたら初めての恋でその上仕事や受験の重圧もあり、恋愛にのめり込んでしまったんだろうなと思った。母のようにはなりたくないと思いつつ、やはり親の影響は大きく受けてしまう。小さい頃から母と親友のようにずっとにいたことによって余計にだと思う。母の勝手にやってきたことを押し付けがましく、あなたのために生きてきたと言ったシーンはすごく嫌な気持ちになった。毒親だと感じるし、そもそもの元凶は母だと思った。父が最後まで手に入らなかったように、他人はどうあがいても、自分のものにはならないし、思い通りには動かせないところが印象的だった。
Posted by ブクログ
1日で一気読み!
なんとなく母の勢いに為されるがまま業界色に染まってしまうのかと思いきや、母の危機管理能力は素晴らしくて驚いた。愛するトーマを手に入れないことにずっとずっと苦しみながら、若い頃に自ら課した「望んだ人生を自分の力で手に入れる」という強い理想と戦いながら、夕子一色の人生を歩み、そして最後に夕子と散った、幹子の想いはどんなものだっただろうか。強い母、幹子、かっこいい。
そしてその教育のおかげもあり、業界の中でも真っ直ぐな夕子が愛おしくて、悪いものに呑み込まれませんようにと願いながら読んでいた。結局悪いものに呑まれたのも、夕子は誰よりも真っ直ぐ純朴だったからだった。誰かを一途に愛してゆえの行為が、穢いとされる社会ってなんなんだろうなと思った。周りの大人たちは十分優秀でしっかり止めた。だからこそたしかに夕子は「世界一ばかな子」だった。でもひとりの少女が普通に望んでおかしくないことだったはずで、辛い。
中学時代なんかは、多摩のお家にお邪魔した後も「もし泣いてたり悲しんでたりする人を見つけたら、今日の多摩がしてくれたように元気づけられるようになりたい」と思うのも、運動会の全体練習で多摩の隣を代わってもらうのも、マクドナルドで色んな人に受験勉強の邪魔をされても「テレビに出ると話したこともないいろいろな人といつのまにか顔見知りになれていてうれしい」と思えるのも、あまりにも素直で、昭浜の地が治安がいいのだろうなと安心するなどした。
めぐるましい高校生活の最中にいる描写がこっちまでチカチカと疲弊してくる感じがして、表現とても好きだったな。
週刊誌やネットの悪口を見つけてしまってからの夕子の混乱具合も、恋を知ってしまってからの「お熱」で聞かん坊状態、そして落ちて落ちて落ちていく感じも読んでいて辛い。
だからこそ、むしろ映像が流出した直後のみんな茫然としていて逆に「滑稽」で「平和」な状況に拍子抜けしたり。あくまで客観視しているこちらの方がバクバクしてしまう。
めぐるましさに釣られて深夜に勢いづいて読み切ってしまうような小説だった。大袈裟じゃなく「人権」を奪われているようなすべての「業界人」を尊敬する。
Posted by ブクログ
子どもの自己決定って難しい
少しだけ見目のいい子どもが広告になんて言われたら親はうれしいに決まってる
そこから始まった活動がエスカレートして、自我が育つ前に他人の期待に答えるようになってしまったらどう自我を目覚めさせればいんだろうな
Posted by ブクログ
宮沢りえさんを思い浮かべて、(私は世代ではないので、YouTubeでCMを観たのですが)造形の美しさに魅了され、CMを何本も観漁り、婚約会見から婚約破棄会見まで観てしまいました…
人気絶頂期にヌード写真集を出したり、激痩せして表舞台から消えたり、wiki読むだけでも壮絶な経歴…
近年のインタビュー動画で、「母親」という言葉について思いつくことを聞かれて、「私の母を指すなら、一番敬愛する人」と回答していてグッと胸に来ました。
そのインタビューの中で、30代前まで辛いことたくさんあったけど経験してよかった、経験していなければ今の自分はなかった、というようなことを仰っていて、またグッと来ました(;_;)
本の感想じゃなくて宮沢りえさんの話になっちゃってますが(^^;
本の中では主人公の再起までは描かれていないのですが、このあと、スキャンダルも糧にして乗り越えて行くのだと私は解釈しました。
Posted by ブクログ
感想
芸能界は大変だなぁ。子供の頃にすべてを手に入れてしまうと色々勘違いしてしまう?のかもしれない。ただ、一度きりの人生でジェットコースターのように体験できないことややりたいことをやっているのは貴重なのかもしれない。
夢を与える。与えるという言葉が傲慢なのかもしれないと言ったゆうちゃんの感覚が正しかったのかもしれない。
あらすじ
幹子は、付き合っていたフランス人ハーフのトーマから別れを切り出され、回避すべく、色々努力し、夕子が生まれる。
夕子は、幹子の熱心な活動で雑誌モデルをしていたが、ある日チーズのCMに半永久的に出演することになり、成長と共に有名になる。
高校までは順調に仕事をこなしてきたゆうちゃんだったが、TVで見たダンサーに入れ込み、深夜遊びをする中で、情事を撮った映像がインターネットに流れてしまい、一気にその地位を失うことに。残されたのは何だったのか。
Posted by ブクログ
ゆーちゃんが忙しくなってきた頃(高校生)から、すごいスピード感で一気に読んだ。
ゆーちゃんが高校生の頃のあたりは、本を置いてちょっと家事をしていたときにぐったり疲れていて、どうしてこんなに疲れてるんだろうと思ったけど、この本を読んで、私の心がぐったりしていることに気がついた。
さらに、最後の場面、悪夢だ。作者が「起きながらにして見る悪夢をかきたかった」と書いたのを後になってネット上で読んだが、まさしくその通り悪夢だった。
早くこの悪夢から醒めたくて、小さな頃に怖い映画を見るときに早送りにしてざっと見てから戻ったように、今回この本も、パラパラとめくり、最後結局救いようの無いまま終わってしまうことをざっと確認して、戻った。
どうしてこの作者は、こんなひどい本を書いて、何をしたかったのかと思った。
でもすごいインパクトだったし、読ませる感が半端なかった。この人の本を(内容があまりひどそうじゃ無いものを)もっと読んで見たいと思った。
ところで、救いようのない小説といえば、半年前くらいに三浦しおんの「光」がやばかったけど、あっちの方がまだ救いようがあったのかな。
本当にこの本は、ひどかった。
星の数は迷った。内容は最悪だけど結局引き込まれて何日も引きずったことを考えると、インパクトが極大だったので星三つにしておく。