綿矢りさのレビュー一覧

  • ウォーク・イン・クローゼット

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    「いなか、の、すとーかー」と「ウォーク・イン・クローゼット」
    どちらも主人公が一つの事件をきっかけに自分の生き方を見直す物語
    しかし、それ以外にもう一つの要素が必要だ
    「いなか、の、すとーかー」は仕事
    「ウォーク・イン・クローゼット」は衣服
    最初はあまり共感できないな、と思っていた主人公がラストシーンではすっかり見違えた姿を見せてくれます
    時には滅茶苦茶に重い雰囲気を持つこともある綿矢りさ作品ですが、本書はコメディタッチなところもあり非常に読みやすいです
    (私はその滅茶苦茶に重い雰囲気が著者の一番の魅力だと思っていますが)
    ホラー、ミステリ、冒険活劇など様々な要素が花を添えているのも本書の魅力

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    2026年02月28日
  • ひらいて

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    こな描写は凄いなぁ、と感じ入る場面が多々あった。
    なかなか言語化出来ない感覚というか、感性というか、人の感情や性格的な側面、関係性などを、絶妙な比喩を用いた、うーんなるほど、まさしく、と違和感なく受入れる事の出来る描写が心地良い。
    例えば、心情とは全く異る自分の作られた笑顔のことを「ちょうどいま穿いているソックスの刺繍。表側の真白い生地には、四葉のクローバーの刺繍が施されているが、裏返せば緑色の糸がなんの形も成さず、めちゃくちゃに行き交い、ひきつれているだけ。」とか。
    たとえ君をめぐる愛と美雪の、3人の恋と嫉妬の青春物語は、其々の内面がぶつかり合い183pの小編ながら読み応えがあった。

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    2026年02月25日
  • 生のみ生のままで 上

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    ネタバレ

    ここだけの話、私は一度だけ女の子に恋をしたことがある。別の子には友達として好きという感情しか湧いてこなかったけれど、その子に対しては、仲良くなりたての時から、タイプだと思ってしまったし、たとえ恋愛関係でなくとも、この子がいれば他の誰もいなくていいし、私はこの子と一緒になら生きていけると思った。
    この感情を自覚し始めた時から、このままではだめだ、こんな感情早くどこかへ放ってしまわないと。と思った、その気持ちを思い出した。そして、そんな気持ちこそを放って突き進んだ2人の関係がとても羨ましく感じた。

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    2026年02月22日
  • しょうがの味は熱い

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    同棲中の恋人がいて結婚をしたがっている女である姉から、同棲中の恋人がいて結婚をしたがっている女の私に送られた本。

    主人公のねっとりした視線やポエミーなところがユーモラスというよりも怖い。
    主人公の彼氏の潔癖さや冷淡な部分が誇張しすぎているように見えてリアル。つまり怖い。
    この本はかなり怖い本だった。

    20代後半の主人公は子どもが欲しいかどうか、という点には触れていない。それよりも「同棲したし、次のステップである結婚をしたい」というぼんやりとした理由から結婚を迫る。彼氏の方は「そんなぼんやりした感じで始まって大丈夫なわけがない」と考える。

    そもそも結婚ってなんでするんだろう。
    「好き同士で、ずっと一緒にいたいから」という理由だけでは結婚はできないということに改めて気付かされる。
    むしろ「2人がずっと一緒にいるために」結婚をするんじゃないかと思う。離れたくても離れられないように。これはロマンチックな意味じゃない。相手がいないと困る自分になる、自分がいないと相手が困るようになる、そんな呪縛の掛け合いだ。
    こんなおどろおどろしく書いてしまったが、それでも人は結婚をする。これを読んでも私自身も結婚をしたいという気持ちは変わらない。なぜか。
    ひとりで生きていくのも楽しいのだろう。だが1度くらいはつらくて苦しくて幸せな「結婚」というひどい目にあってみたい。究極にしがみつきたくなるような他者がいないと成り立たない、この呪縛にかかりたいのだ。この本を読んでそう思った。

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    2026年02月22日
  • 生のみ生のままで 下

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    ネタバレ

    女性同士の恋愛は、許されるのか。それは異常なことで、直されるべきなのか。
    そこで生まれてくる戸惑い、苦悩、ためらい、覚悟、情熱。
    恋愛というのが軸に話は進むが、それを超えた、人生の歩み方に通ずるような、人間の普遍性が散りばめられている。核心を突いた洞察がさらっと出てくるから気を抜けない。

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    2026年02月14日
  • 蹴りたい背中

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    p140
    「川の浅瀬に重い石を落とすと、川底の砂が立ち上って水を濁すように、あの気持ちが底から立ち上ってきて心を濁す」

    この比喩がとても気に入った。ゆっくりじわじわと砂が立ち上ってくるようなそんな気持ちってすごくわかるんだけど、こんな比喩思いつかない…

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    2026年02月14日
  • 私をくいとめて

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    ひとりが好きな私には共感することが本当に多かった。飛行機に乗っている時の描写がリアルで、読みながら私も飛行機に乗った時のことを思い出してひやりとした。

    ひとりでいることは心地がいいし、ストレスもないし、最高だけれど、人と関わることでしか得られないこともある。たくさんじゃなくても色んな人と関係を築いて、なにより1番の味方である私自身のことも大切にしながら生きていきたいと思った。

    映画も気になるので観てみよう。

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    2026年02月14日
  • 生のみ生のままで 下

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    ネタバレ

    7年も愛する人と会えない中で、想い続けられるだろうか
    上巻から続いていた危機的状況は、現実化し最悪な流れの展開で始まった下巻だったけど、ラストは胸熱でした。風の神様に愛を誓うって素敵。

    上手くいきすぎ、リアリティがない
    こんな声もあるとは思う作品だったけど、リアリティ云々より純愛を感じさせてくれた素敵な作品でした

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    2026年02月10日
  • しょうがの味は熱い

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    自分も長く付き合っている人がいるが、所々
    わかる自分もいた。

    二篇で構成される物語の書き方も違うので面白かった。
    綿谷りささんの他の作品も読みたい

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    2026年02月09日
  • しょうがの味は熱い

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    読み終わって、胸の奥がじんじんするような感覚が残った。
    とてもリアルで、ヒリヒリする物語だった。

    奈世の弦への愛は、「好き」というよりも依存に近くて、弦がすべてになってしまっている感じが少し怖かったところもあった。
    一方で弦は、関係を客観的に見ていて、考え方に共感できる部分もあった。

    印象に残った言葉
    「あともう少しがんばれば、幸せになれるかもしれない。でも、愛や結婚は、あともう少し、と努力するものなのでしょうか?」

    読みながらずっと頭から離れなかった。
    努力が必要な関係と、努力し続けないと保てない関係は、同じなのだろうか。

    「お互いがお互いを好きだという点が奇妙にも一致しているのだから、その最初で最後の一致点だけは大切に守っていきたいものです」

    この一文を読んで、切なさとあたたかさが同時に押し寄せてきた。価値観も、生活も、未来の見え方もズレているかもしれない。
    それでも「お互いが好き」という一点だけが、奇跡みたいに重なっている。
    簡単に手放していいものじゃないし、雑に扱ってはいけない気持ちなんだと思った。
    恋愛や結婚では「合う・合わない」がよく語られるけれど、好きという気持ちが同時に、同じ方向を向いて存在していること自体、本当はとても尊くて、儚いものなのかもしれない。

    弦のお父さんの言葉も強く刺さった。

    「ほんとに合っている2人ならもっと、自然に、とてもスムーズに結婚まで至るものなんだ。」

    正論だと思う。でも同時に、少しだけ疑問も残った。合わない部分があっても、お互いに愛情があるなら、分かり合おうと努力したり、妥協点を探したり、どうにか折り合いをつけて一緒にいる道はないのだろうか、と。

    何が正解かはわからない。
    この物語は答えをくれないからこそ、こんなにもヒリヒリする。
    自分の恋愛観や「一緒に生きる」ということについて深く考えさせられる一冊だった。

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    2026年02月06日
  • ウォーク・イン・クローゼット

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    どちらの話でも人間観察に優れた表現力で、各キャラや掛け合いの感じが小気味いい。

    そういえば著者の男性目線の話読むのはじめてだ。

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    2026年02月05日
  • インストール

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    綿矢りささんの作品を初めて読んだ。
    まず、感情の比喩に当てはめる単語がとても独特だけどなぜかしっくりきました。これを17歳が書いたとは到底思えないほど。
    小学生のかずよしの感性がどこで少しづつ周りと距離をとっていったのか考えさせられます。
    朝子に関しても「何者かになりたい」というような誰もが1度は抱いたことがあるであろう感情をバネに寄り道をして、その世界でコツを掴んだり息苦しさを感じたり、はたまた現実に戻って自分の核心に触れた。
    良い作品でした。

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    2026年02月01日
  • しょうがの味は熱い

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    読後、くるしい。
    奈世の悪足掻きが痛々しいのだけど、痛いほど分かる気もする。
    綺麗すぎない恋愛ものが大好きだ。

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    2026年01月31日
  • ひらいて

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    綿矢りさという人は、恋愛小説を書かせると本当に天才的な手腕を発揮する人だと思う。
    この作品は、あまりにも突拍子もない展開を突き進む。
    私は最初、恐ろしく下種な主人公の心の声にツッコミを入れたり、声を立てて笑ったりしながら読んでいた。
    しかし、徐々に主人公の感情の起伏が私のそれと繋がり、共振していくのを止められない。
    決してハッピーエンドとは言えないこの本を読み終わったとき、私のメンタルは疲弊していた。
    それでも読み進むのを止められない。
    そんな魔力が綿矢りさの恋愛小説にはあると思う。

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    2026年01月27日
  • 二周目の恋

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    群を抜いて一番面白かったのは
    「深夜のスパチュラ」

    手先不器用&料理苦手族の方は大共感してくれると思う笑。

    双子の「兄弟以上恋人未満」の話だったり
    同性愛の話もあったりするので
    単調な「純粋な異性愛」の話だけじゃないのもおすすめポイント。

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    2026年01月18日
  • しょうがの味は熱い

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    あともう少しがんばれば、幸せになれるのかもしれない。でも愛や結婚は、あともう少し、と努力するものでしょうか。

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    2026年01月16日
  • しょうがの味は熱い

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    ネタバレ

    ストーリーに関してはよくありそうなものだけれど、綿矢りさの文才が凄まじい。
    弦への愛情が、どこか狂気じみていると気づき初めてから、段々とそのズレた愛情にぞわぞわしてくる。
    第二章では急に丁寧な口調になり、達観した風に感じられる。
    弦への結婚をしつこく迫る場面では、本当に血の通った人間なのかと思うほど恐ろしい人間に感じられる。
    傍から見れば彼氏に一途で愛情深い人間に見えるが、奈世の心情を知ると狂気に満ちた人間にしか感じられない...。
    口では説明し難い気持ち悪さを孕んだ本だと思う。

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    2026年01月15日
  • 手のひらの京(新潮文庫)

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    姉妹が三者三様で面白い。自分も三姉妹なので、どこか重なる。そして、京都について少し深く知れるのも面白い。特に、「いけず」文化は、京都を象徴するような、近寄り難さを示すものと思ってきたが、何だか可愛く思えるのが、著者の腕と思う。

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    2026年01月20日
  • 私をくいとめて

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    映画も良かったけど、主人公と「A」との会話は活字で読む方が面白い

    ​主人公の鋭すぎる洞察力は、見ていて小気味いい反面、生きにくさに繋がっているのが切ない

    最後は自分自身と「きちんと折り合いがつきそう」な予感を感じさせて、スッキリする読後感でした

    ​考えすぎて空回りしちゃう人に刺さる一冊です

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    2026年01月04日
  • 手のひらの京(新潮文庫)

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    兄弟がいると、どうしても近くでそれぞれの人生が見えて、比較して焦る。それぞれ目標をしっかり持って進んでいきたいよね。

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    2026年01月03日