綿矢りさのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
恋愛で悩んだときに読みたい本だった。
あらすじを見たときに、今の自分の状況と似ていると感じ、本の中に答えを見つけ出したくて、この本を選んだ。
自分が大好きな人を選ぶか、自分を好きになってくれる人を選ぶか。どちらの選択が正しく、そして幸せになれるのかが余計にわからなくなった。しかし、現実的に考えることが大切と読み取れた。絶対に叶わないものに向かうよりも、実現可能な未来を想像してそこに幸せを見出すべきな気がする。
主人公が大好きなイチと主人公のことを好きなニの対照的な描かれ方が印象に残った。でも、大好きな人のことは良い面しか見なくなってしまうものである。自分もそのようになっているのではないかと振り返った。
最後の部分で主人公がニの良さに気づく部分が好きだった。その人がなぜ自分のことを好いてくれるのか、恋愛や結婚とはどういうことなのかを考えたときに、人は相手を選ぶことができると考えた。 -
Posted by ブクログ
文章も感情もキレキレで、ふと笑ってしまうくらい面白かった。彼の呼び方をイチとニで分けているところもそうだし、例え方も独特で、クセになる作家さんだと感じた。
個人的には、自分に当てはまる部分も多くて、私もヨシカと同じく妄想好きの厨二病気質だなと思ってしまった。淡い恋に期待するのは、もうやめよう…笑
「追う恋」と「追われる恋」、どちらが女性を幸せにするのかという論争には、そろそろ決着をつけたい。でも結局、オタク気質のある女の子(自分も含めて)は、追わないと燃え上がらないというか、恋に発展しにくい気もする。
なんだかんだで、ニとヨシカはお似合いだった。イチがヨシカの名前を覚えていなかった場面でニのことを思い出したり、最後にニじゃなくて本名になっていたのも印象的で、素敵だった。
映画化もされているみたいなので、そちらも気になっている。時間を見つけて観てみたい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ主人公・ハツの心の弱さを描いた作品だと思った。
グループ行動する高校の同級生を低レベルだと決めつける。部活動をうまくサボる陸上部を軽蔑する。クラスメイトに迎合していると思われないために笑いをこらえる。
全ては自分が特別でありたい、上位の存在でありたいと思う故の行動なのではないかと思う。
自分が異種であるかもしれないという可能性を意識的に排除している。にな川に同級生が低レベルであることを告げるシーンがそれを表してると思った。
でも、やっぱり心の隅では自分は高いレベルの人間なのではないと考えてしまうときがあるのだろう。そこで明らかに自分より下位のにな川に目をつけた。
自分よりも下位の存在の彼が悲しむ姿を見たい。痛ぶられてる姿が見たい。そしてそんな彼の背中を蹴りたい。そんな話なのだと思った。
高校生らしい捻くれ方を丁寧に描いた作品。下位のグループに染まってしまった親友との決別、にな川への依存が高まるラスト。この作品を締めくくるのに美しいラストだと思った。 -
ネタバレ 購入済み
生々しい作品
物凄く長いと聞いていたので覚悟して読み始めました。
もっと読んでいたい…終わってほしくない…という気持ちと、早く次のページを読みたい!という気持ちがせめぎあって大変でした。
パッキパッキ北京を読んですぐ本作を読み始めたので、綿矢りさの振り幅大きさに驚きました。
中学生時代のパートが想像上にボリューミーでしたが、中学生ならではの残酷さのようなものが物凄く生々しくて、当時の空気感が文字になると、懐かしさ以上に切なくなります。
再会のパートは展開が目まぐるしかったですが、橋本君がいい清涼剤になっていて救われました。
久乃はかなり危ういし、最後の最後まで結局しっかりと謝れていない所にもどかしさも感じましたが、それが人間かなぁとも思いました。
久乃の母方のおばあちゃんは若い頃に亡くなった、と書いてあった気がするけれど。これを指摘するのは野暮かしら。
女性同士の恋愛云々が特別ということではなく、結局みんな人と人、人生なんだなと思います。
差別意識は自分自身の中にある、ということにもハッとしました。
人は周りの空気感、時代の流れ等に流されてしまう、弱い生き物であるということも。
人間臭さの漂う綿矢りさ作品が私は好きだなぁ。