綿矢りさのレビュー一覧

  • オーラの発表会

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    想像以上にさわやかな終わり方で明るい気持ちで読み終わった。
    人とズレた主人公、人と関わる場面で一瞬も戸惑わない思い切りの良さが縁を繋いでいくんだろうな。
    何が不安になって人と同じものを選んで正解にしたくなるけど、自分の良さまで変えなくていいし、歪なところはそのまま愛そうとしていく海松子たちが愛しい。

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    2025年10月03日
  • 激しく煌めく短い命

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    綿矢さんの新作は634頁、重量636gの超大作。

    寝転んで読もうものなら、手を滑らせた瞬間に凶器に成り得る分厚さ。

    だが内容は軽やかで、久乃と綸、二人の恋の行方を見守る様にゆっくりと3日掛けて読み進めた。

    出逢いは中学校の入学式。
    LGBTQなどの言葉が世間に認知されていない時代に惹かれ合った二人は周囲からの偏見に苦しめられる。

    まだ中学生、純粋さと幼さゆえの攻撃性も併せ持つ彼女たち。
    ある事がきっかけで亀裂が生じたが、二人の17年ぶりの再会に心躍った。

    一度きりの人生、ソウルメイトの様な二人を心から祝福したくなる。

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    2025年10月03日
  • 激しく煌めく短い命

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    本音痴の私が言うのは僭越ながら私が綿谷りささんに抱いていたイメージ通りの作品だった。なにしろ600ページを超える大作ゆえなかなか進むのに骨が折れるが久乃さんの思いに引きずられ読み進めて行ってしまった。ふたりのこれからに幸あれ。

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    2025年10月02日
  • 激しく煌めく短い命

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    つ、疲れた…めちゃくちゃ大作でパワー感じまくる一冊なんだけど、こちらも読んでて体力消費する感じが。面白いんだけどね、同世代なのもあってその当時、同じ時代を生きたってだけでなんか懐かしくて。(まぁでも私はルーズソックス世代ではギリないのだけども)
    自然と惹かれあって女の子と付き合うシーンがよかった。

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    2025年10月01日
  • パッキパキ北京

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    綿矢りささんの小説は初めて読みましたが、面白かった!
    私もコロナ禍に中国に住んでいたので、その頃の北京の様子も楽しめたが、なんといっても主人公の超ポジティブな何も恐れるもののない強気な性格が良かった。
    続きを読みたい、と思っていたら、「満を持して、続編準備中!」とのこと。楽しみ♪

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    2025年09月27日
  • かわいそうだね?

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    海外と日本ではこんなにも文化が違うのかと、自分は狭い世界で生きてるんだなと思った。
    それにしてもアキヨは奇天烈な女すぎる。
    最後に大阪弁で捲し立てる主人公、飾らない姿がかっこよくてとてもよかったしスッキリした。
    ありのままの自分を好きと言ってくれる人って貴重で大切だと思った。
    いつまでも自分のアイデンティティを大切に生きたいものですね〜
    おもしろかった!!

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    2025年09月25日
  • パッキパキ北京

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    著者初読み。初めてのタイプの小説。北京の生活&観光ガイド。だけではなく、ほんと正直に強くやりたい事をして生きる、というお話。率直コメント&対応面白すぎ。素敵な強い人の物語。

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    2025年09月24日
  • かわいそうだね?

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    綿矢りささんの『かわいそうだね?』、とても面白く引き込まれた。

    日常ではなかなか遭遇しない修羅場や出来事を追体験している感覚があり、先が気になってどんどん読み進めてしまった。特に「対女性との関係性の悩み」が的確に描かれていて、自分にも心当たりがある分、読んでいて苦しくなる場面も多かった。

    一方で気になったのは、タイトルの「かわいそうだね」という言葉が誰に向けられているのかという点。物語は、周囲に頼らず自分の意思をはっきり持って進んでいく強い女性と、外見や甘え上手さによって人に守られる女性、その二人を対比させながら展開していく。最初は「強く誰にも頼らない女性」に向けた孤独への同情の意味かと思

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    2025年09月22日
  • かわいそうだね?

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    私は彼女たちみたいな人生を送っているわけではないんだけど、似通った経験は全然ないはずなんだけど、共感というのともちょっと違う、なんとなく知った手触りの感情がくっきり描かれていた。あまりにもくっきりしているから手のひらが痛いくらいだった。

    【読んだ目的・理由】人に勧められたから
    【入手経路】買った
    【詳細評価】☆4.1
    【一番好きな表現】もちろん私は落ちない。でも代わりに、買ってもらったばかりのリカちゃん人形のさらさらの髪を、はじめて指でなでるときに似た、美しいものに触れられる純粋な喜び、心のふるえがある。(本文から引用)

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    2025年09月21日
  • 蹴りたい背中

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    人の背中を蹴りたい、という思い、相手と関わりたいだけど、普通の関わり方が分からなくて、少し暴力性を持って、絶対に反応してもらえる方法を選ぶ感じ、めっちゃ分かるな〜と思ったりした。

    私はそれを恋人に対してやるけれど、このような友達?の距離感の人にやるのは意外な気もした。

    でも、この気持ちを丁寧描き切ってくれたことを嬉しい、と思った

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    2025年09月19日
  • 勝手にふるえてろ

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    ネタバレ

    ▼メモ
    ・江藤ヨシカさんの妄想癖は好き。
    ・抽象度上げると、綿矢りささん独特の世界観に引き込まれる。

    ▼好きな個所
    ・「どうして私のこと“ きみ”って呼ぶの」
    イチは私が大好きな、恥ずかしそうな笑顔になった
    「ごめん。なんていう名前だったか思い出せなくて」
    江藤さんについて聞かせてと言ってきたときのニの顔が思い浮かんだ。江藤さんのこと聞かせて。私が胸に赤い付箋を付けていただけで、私を見つけてくれた人。

    ・もういい、想っているいる私に美がある。イチはしょせん、ヒトだもの。しょせん、ほ乳類だもの。私の中で十二年間育ち続けた愛こそが美しい。イチなんか、かってにふるえてろ。

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    2025年11月15日
  • かわいそうだね?

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    初の綿矢りさ作品だけど面白くて一気読み。
    綿矢りさの作品って、女にしかわからない独特な空気感をうまく表現してて、本当にリアル。
    もしかしたら男性の読者は読んでていまいちピンとこないところもあるのかも?と思ったけど、女性からしたらあの微妙な空気感とか、あるあるすぎる。


    表題作の「かわいそうだね?」すごく面白かった。
    樹里恵が封印していた大阪弁でまくしたてブチギレれるシーンは痛快で、思わず「よぅ言うた!」と拍手を送りたくなる。樹里恵、スカッとさせてくれてありがとう。
    隆大にはアキヨがお似合いですよ。2人ともまじで気色悪。


    亜美ちゃんよりも、亜美ちゃんのおまけとしてぞんざいに扱われるさかきち

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    2025年09月09日
  • パッキパキ北京

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    この本自体がイメージする中国人の感じ。
    言わなくていいことも、そんなふうにネガティブに考えなくていいことも全部、制御が効かなくなって出てきてる感じ。笑
    海外旅行にいくと気持ちが大きくなるからか、声が大きくなったり適当な服でも気にならなかったり、とにかく周りの目を気にしないようになる感覚と同じものをこの本から感じた。

    スカッと爽快で、クセになる本。

    人と比較して勝つじゃなくて、自分で勝ってると思ったら勝ち!って感覚好きだなぁと思った。

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    2025年09月05日
  • パッキパキ北京

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    とにかくまず表紙が本当に可愛い。
    はらわたちゅん子さん好き

    お話、主人公の菖蒲ちゃんの強さ最高に憧れるし、彼女が過ごす北京の暮らし(夫の赴任先!)の細かな描写が面白い!何もブレなさそうなのに柔軟なんだよな…。まだまだ最強になりそうな終わり方、参考にしたいです!

    主人公が30代半ばなのも共感しやすくていいのかも。
    "良きにつけ悪しきにつけ、結論がもうほぼ出てるのに悩んだりする人って不思議。""心から悩むなんて、なんの意味ある?"
    ほんとそう

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    2025年09月13日
  • ひらいて

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    ヒリヒリする美しい文体。
    主人公の愛の心と体が分離していると表現していたが、その分離しているところと、かろうじて繋がっている部分の織り交ぜの表現が美しくて鮮烈で、すごく心を刺してくる。

    自分を卑下し、相手を特別視し合う関係。
    そこを壊してひらいて結んでひらいて。
    自分が見る景色を、自分の心に立つ感情を信じたい。
    言葉にしないまま持っておきたい感情がある。
    整理したくない。
    このまま生きていきたい。
    でも大事にしてしまうと、それはまた変容してしまう。
    なにもわからないまま生きたかったな。
    でも今は今でいいのかもしれない。
    わかった気にだけはなりたくない。

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    2025年09月04日
  • かわいそうだね?

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    なんとも言えない毒が含まれてるように感じたが、リアルで痛みがひしひしと伝わる。私の中では、小池くんの発する言葉がどれも的確で一つ一つ驚かされた。共感できる話だった。

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    2025年09月03日
  • かわいそうだね?

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    可哀想という言葉の残酷さの本質に迫る__

    綿谷さんの作品のファンになって、2作目を読んでみた

    この本も人間のイヤーな部分、リアリティあって
    超面白い!とくに綿谷さんは会話のリアリティさへの追求心がすごいと思う。

    2作の短編だけどすぐ読み終わります。
    かわいそうだね? 亜美ちゃんは美人
    両方選べないくらい面白かった。

    かわいそうだね?は少し現実離れしたお話だけど
    あみちゃんは美人は日常の女たちの合間で
    普通にありそうなお話

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    2025年09月02日
  • ウォーク・イン・クローゼット

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    初めての綿矢さん作品。
    収録されている2作品とも好きでした。良い意味で心地よくサーっと話が進んで行くんだけど、登場人物の個性や芯にあるグツグツした強い感情・思考の面に惹きつけられたんだろうな。

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    2025年08月28日
  • 生のみ生のままで 下

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    7年もの時間が過ぎたのに、お互い結局ずっと想い合っていたところが本当に運命の2人って感じで憧れた。病気になって弱ってしまった彩夏を強引に引き取って看病していく中で徐々に2人の仲が以前と同じように深まっていくところがすごく良かった。

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    2025年08月17日
  • 生のみ生のままで 上

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    高校の頃から憧れだった男の先輩と付き合っていたのに、女である彩夏からのアタックによって惹かれていくことなんてあるんだと思った。颯と付き合ってたときの逢衣は本来の自分の性格を隠して女性らしい控えめな彼女を演じていたのに、彩夏と付き合ってからは自然体でいられるようになったところも良かった。

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    2025年08月17日