綿矢りさのレビュー一覧
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ネタバレ少女同士の恋愛、そして彼女らが大人になって再会する…。古い言い方をすれば百合小説、レズ物語なのだが、淫靡とか耽美とかそういうイメージで括れるようなものではない。
とんでもなく純愛小説なのである、久乃と綸の二人が幸せそうに語り合ってじゃれあってデートして睦みあって、揉めてケンカして…その一つ一つが愛おしくて可愛らしくて羨ましい。
お互いがとても愛し合っているのであれば、性別とか年齢とかどうでもエエやんか。部外者がどうこう言うてわり込んでいく野暮は愚の骨頂。という当たり前のことを今更ながらに気付かせられた。
600Pの大作だが、初めから終わりまで隙のない良質の恋愛小説である。 -
Posted by ブクログ
もうすぐ33歳独身女が自分の脳内にいるAとあーだこうだ言いながら、平凡でつまらないと思ってた人生における正解を少しずつ見つけていく姿をコミカルに描いている。
読み終える頃には、少し勇気を出して明日は一歩踏み出してみようと前向きな気持ちになれる。
特に、主人公のみつ子の焼肉屋でもカフェでも電車でも人の会話が気になって所謂人間観察をしては"他人"に疲れてる姿はとても共感した。
あの子はあの子にマウントされてるけどやり返さなくて偉いなぁとか、あのセクハラジジイを退治しに行きたいけど行く勇気ないなぁとか、そういう小さいことに敏感に反応しては毎日疲れるよなあ。
恋愛や結婚や子供への葛藤と、1人で居ることの居心地の良さの狭間にゆれながら
苦手な飛行機に乗ってイタリアにいる友達に1人で会いに行ったり、久しぶりに恋人ができたり、みつ子は色んな気持ちを経験する。
自分の1番の理解者は自分だし、無理に人といなくたって自分で自分を幸せにすることは出来る。
たしかに他人と関わるのは酷く疲れるし怖いけれど、そこに飛び込めばそれはまたそれで1人では味わうことできない幸せもある。
その踏み出した先で傷つく事はあるかもしれないけど、どんな時も"自分"という味方がいるから独りじゃない。
何があっても脳内のAという話し相手が居てくれるから大丈夫。
「私にとっての自然体はあくまで独りで行動している時で、孤独に心はゆっくりと蝕まれていって。その矛盾が情けなくて。」
「相手の心に自分の居場所を作るのは楽しいですよ」
「他人との距離は一万光年より遠くても、求めるのは他者の存在なんです」 -
Posted by ブクログ
数々のレズ小説を書いてきた作家さんだと聞いて、読むことにした。
私自身が同性と付き合った経験があることもあって
同性同士の恋愛を描いた小説やドラマにはどこか現実味がなく上辺だけを描いているように感じてしまう部分があり、正直、あまり期待はしていなかった。が、読んでみるとびっくり。傑作だった。
序盤はごく普通の学生生活の出来事のあれやこれやが描かれていて、いつになったら恋愛要素が始まるんだ?と思いながら読み進めたが、その後の展開は想像以上に中身が濃かった。恋心が芽生えてからのストーリーはページをめくる度に、どきどきして、引き込まれてしまう
ちょっとした仕草に心を揺さぶられたり、同性の友達にこんな感情を抱いてはいけないと葛藤しながらも、どうしようもなく自分のものにしたいと強く焦がれる昂ぶり。胸がぎゅっと締め付けられるような密かな高揚感。付き合ってからも愛おしさゆえ、触れたくても触れられず最後までは手を出せないもどかしさ
そのどれもがあまりにも見事で、自分の学生時代を重ねずにはいられなかった。あの頃の甘酸っぱい感情をもう一度鮮やかになぞるような体験が心地よく、夢中で読み進めた。
感情の描き方が秀逸で、読んでいるこちらまで心臓の鼓動が早くなるようだった。
後々気づいたけど、「ひらいて」の原作もこの人だったのか〜スゴ〜〜 ガチモンの天才だ
PS:この本に付いている栞の赤い紐は、作中足につけていた紐と同じなのかなって考察している人がいて、感動した -
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京都で過ごしている人、京都から離れた人。どんな年代でも、「京都での大学時代」は共通言語のようなところがある。
私たちはいつも四条に出かけ、河原町で楽しみ、鴨川に助けられてる。時に行く寺社仏閣の歴史には驚かされるし、四季折々に見せる都の姿は言葉を失う美しさ。
これが京都かと圧倒される。
・大企業に勤めながらのんびり過ごしていたが、
結婚に焦る長女。
・入社した会社で恋愛のいざこざに悩む次女。
・理系の大学院に進学し京都を出たい想いで
東京就職を目指す三女。
誰もが持つ悩みと、京都での最高な日々と、美しい街と…とっても共感できる、大切な時間が詰まっている!
私が京都を離れてから読んだらきっと涙してしまう…
これからも大切にしたい一冊。 -
Posted by ブクログ
なかなかの長編小説で本自体が重いので、比較的在宅時間が長い夏休みの課題図書にしました(勝手に)
主に、京都で過ごした中学時代と大人になり東京で働く現在の様子が鮮明に描かれています。
前半は、子ども特有の狭い世界での苦悩が読んでいる側にも、しんどさが伝わってきました。まだまだ広く世界を知らない子どもだからこその大変さって、、本当辛い。
後半になれば、今度は大人らしい大変なことがたくさん描かれているけれど、人は皆それぞれ、精一杯もがきながら生きていく意味とかを探していくんだろうなーと思いながら、読みました。
ページ数も少し多めで、
ドラマに例えたら一話から最後までフルで堪能できる
色々な場面を味わえるような充実した本でした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ【あらすじ】
恋という言葉では到底つつみきれない、たくさんの感情と人生のシーン。
第一線の現代人気作家たちの手で紡がれる、繊細で豪華なアンソロジー!
島本理生 『最悪よりは平凡』特別な名を持つ平凡な容姿の私。唯一無二の存在になるにはどうすれば。
綿矢りさ 『深夜のスパチュラ』バレンタインに手作りチョコを!壮絶な一夜の奮闘の結果は?
波木銅 『フェイクファー』大学の手芸サークルで知った着ぐるみの魅力。数年後……
一穂ミチ 『カーマンライン』日米で分かれて育った双子のケントとアサミが19歳で再会した。
遠田潤子 『道具屋筋の旅立ち』容姿に関して隠したい過去を持つ優美は、初めての彼氏の言いなり。
桜木志乃 『無事に、行きなさい』アイヌの人気デザイナー・ミワと、シェフの男。レストラン改装を境に二人は。
窪美澄 『海鳴り遠くに』夫を亡くし海辺の別荘地ですごす私は、彼女に出会ってしまった。
【個人的な感想】
島本理生 『最悪よりは平凡』
綿矢りさ 『深夜のスパチュラ』
窪美澄 『海鳴り遠くに』
の3作が好きだった。
それ以外の話はよく分からなかった。