綿矢りさのレビュー一覧
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ネタバレ綿矢りさの短編小説集、私小説と言えばいいのか?中には主人公を男性にしてフィクション感を出している掌編もあるが、限りなくエッセイに近いと思える作品が多い。
例えば冒頭作の「岩盤浴にて」なんて、掘り下げる深さと位置が面白くて一線を画しているが、一つ間違えたら日常系コミックとかに出てきそうな話。
表題作にして収録最後の作品である「意識のリボン」は、死後の世界観があるので小説風味は高いが、エッセイに寄せた表現で書かれていて、それが独特の雰囲気を出している。
意識があって外界があるという順番なんだろうな。勿論現実が内面に作用する事実はあるにせよ、主観的には自分の意識が、外の世界に対する感じ方を変えて -
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ネタバレハードカバーではなく、文庫本バージョンで!
たとえの 「まずしい笑顔だな 」という言葉に出合ってから、私は、「笑顔がまずしくならないように生きること」 を 目標に据えている。
今回、前読んだ時と別のところでいえば、
美雪の愛ちゃんへの手紙がささったな。美雪の手紙はとても文学的で、本筋ではない、とりとめのない文章まで素晴らしい。
「あまりにも自分のために生きてきた」のところは、本当にすごく刺さった。
映画はかなり小説を忠実に描いてたように思ったけど、それでもないセリフとか、
たとえば、卒業式の日にたとえが「お前も一緒に来い」なんて映画では言わないのに気づいて、
そのセリフがない方が確かにい -
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今まで読んだ綿矢りさ作品の中でいちばんのお気に入りになった。京都という土地の四季の描写と共に感情の移ろいが描かれているからか、綿矢作品の中では比較的穏やかな作品だなとも感じた。波のように荒ぶる感情の「お腹いっぱい!」感がないので個人的にはとても好みだし、もう一度繰り返して読みたいとも思った。
綿矢りさ作品に時折出てくる「毒」のあまりの生々しさに、私は読むたびに時に胃もたれを起こしそうになったり時に大笑いしたりしている。いずれにせよこの「毒」は良いも悪いも作品の中の特に印象に残るシーンとして記憶に残されている。今回この作品を読んで、なるほどこの毒は京都という土地が生み出したものなのだな、と思わ -
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恋愛小説のアンソロジー。
著者ラインナップが『一穂ミチ・窪美澄・桜木紫乃・島本理生・遠田潤子・波木銅・綿矢りさ』こんなの全員海老の天ぷらじゃん。海老天しかない天丼じゃん…。
私はれんこんの天ぷらが一番好きだけど。文芸誌の恋愛特集のために書き下ろされた作品をまとめたもの。
どれもほんとーーーによかった。全部好き。
なんか恋愛ってどうしても自分の生きてきた環境から受け取った価値観がインストールされて、それがよくも悪くも作用してるよなあと読んでいて思うのだった。
あとけっきょく他人と深く向き合うことは自分と深く向き合うことでもあって、そらつらいわあ…。
ヒリヒリしてて苦しくて、でも文字からそれを体感 -
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上巻のまだ半分ほどまでしか読んでないのですが、自分がバイだからなのか、主人公の感情もさいかちゃんの言葉に伴う感情も、どちらもものすごく共感できる感情だったことが感動的で、誰かに伝えたくてここへ記しに来ました。
私は自身をバイと自覚したのが社会人以降で、今は交際中の彼女がいるんですが、さいかちゃんが主人公に初めて会ったときの感覚の表現が、私が彼女に初めて会ったときの感情とあまりにも同じで、驚きました。そう、男も女も関係なくその人やから好きになったのよね、今まで同性のタイプとかなかったのに、その人を一目見た途端、異常なまでに綺麗に見えて、『あ、この人私のタイプや』ってなるよな、視線が吸い込まれるよ -
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読んでみたいけど、なかなか手が伸びなかった作家さんばかりのアンソロジー。思わず買ってしまった。
『最悪よりは平凡』 島本理生
主人公の和田魔美ってどんな女性なんだろうか?会ってみたいと思った。とても魅力的らしい。読んでて、真面目でしっかりとした女性だと思うんだけど、なぜか下心がある男ばかり寄ってくる。本人はそんなつもりは全くないのに。身体が魔性の女みたいに言われてるし。最後はいい感じに終わって良かった。
『深夜のスパチュラ』 綿谷りさ
バレンタインデーは恋する女子にとっては戦いだねって改めて思った。主人公の可耶ちゃんがチョコを買いに行くところから渡すまでの奮闘が読んでて面白かった。ガトーシ -
購入済み
仏の顔も? 片頬をぶたれたら?
自分の食い扶持は自分で。
その上で彼氏を持つのは
ご褒美のはずなのに。
食い扶持も稼げない子に彼氏を
可哀そうだからって譲れってこと?
我慢はいつまでできるか。
我慢だなんて思うのは人間ができていないってこと?
可哀そうなのか図々しいのか。
生身の人間が仏になりきれるのか。
日本人だけでなく、西洋の人の考え方まで
世界が広がって面白かった。
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ネタバレ顔と運に恵まれ、順調に芸能界で活躍していた女の子が男によってダメになってしまう。恋愛は人間をおかしくしてしまう、なのにまた恋愛をしてしまう。本能なんだろうと思う。私自身、会いたくて仕方がないとか冷められているのを分かっていても離れたくないという気持ちは共感してしまった。大人になった今は、冷静に恋愛ができるようになった気がするが、まだ高校生の夕子からしたら初めての恋でその上仕事や受験の重圧もあり、恋愛にのめり込んでしまったんだろうなと思った。母のようにはなりたくないと思いつつ、やはり親の影響は大きく受けてしまう。小さい頃から母と親友のようにずっとにいたことによって余計にだと思う。母の勝手にやって
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ネタバレ1人の女優のデビューからブレイク、そして墜落、いわゆる「干された」になるまでが書かれた物語。
テレビの前にいる私たちは簡単に「干された」と言う言葉を使うが、その裏にはたくさんの涙や苦労、絶望があるのだと分かった。
ゆーちゃんは、良くも悪くも母親にそっくりだった。自分は好きな人の前で母親のような顔をしたくない、母親のようにはなりたくないと言っていたが、結局は親子。ゆーちゃんが正晃に異常にこだわるところは、母親譲りでもあるし、本当に何も知らないまま育ったからこそ得てしまったものなのだと思った。
ゆーちゃんはこれからどうなるのだろうか。最後の取材をした記者が言っていたことはある程度予想できるが、ゆー -
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2004年第130回芥川賞受賞作
初版は2003年、丁度20年前。
芥川賞受賞19歳という最年少記録はいまだに破られていない。
冒頭の「さびしさは鳴る。」という一文は有名だが、時期を逃して未読のまま時は過ぎ…。
いやー、語彙力なくて申し訳ないが、すごい。
19歳かよ、本当かよ。
まだスクールカーストなどという言葉もなかった頃に書かれたこの『蹴りたい背中』。
入学したばかりの高校で、クラスの序列から外れ、どのグループにも属さない少女の葛藤…脳内でずーっと独り言を呟き続ける気持ちや、たまに口を開くととんでもなく鋭い言葉が出てしまうところなど、もう場面が目に浮かんでくる。
にな川と絹代との関