【感想・ネタバレ】蹴りたい背中のレビュー

ユーザーレビュー

Posted by ブクログ 2014年03月17日

芥川賞にありがちな「大して興味もなさそうな人が、話題になっているし、きっと全方位的に素晴らしい作品に違いない、という先入観を抱きつつ読む」という悲劇に見舞われているが、高校生の心象を描き出す筆力は10代と思えないほど素晴らしい。今読んだほうが作品の面白さを冷静に味わえるのではないか。

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Posted by ブクログ 2020年04月21日

1行目からわかる表現力の深さと感受性の豊かさ。
なんて素敵な描写をする人だろうって、引き込まれます。
尊敬する人から勧められた私にとってとても大事な思い出の1冊です。

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Posted by ブクログ 2017年01月13日

第130回芥川賞 史上最年小19歳での受賞。
今でも覚えているが受賞時、「へぇー、自分と同い年の女子が芥川賞か」と本屋で数ページ読みあまりにも自分の才能のなさに惨めな感覚をした記憶が残っている。それから12年越しで中古を100円で購入し集中して読むに至ったのだがやはりあの時に感じた衝撃は嘘ではなかっ...続きを読むたようだ・・・。私は10代前半の感覚が頭の中に綺麗に蘇った。憎しみと愛が入り混じった感覚が芽生えうまく言葉に出来ないし体で表現も出来ない・・・。他者(友人・家族)に対しての特有なモヤモヤとイライラがこの作品には絶妙に描かれている。もっと極端に言えば「さびしさは鳴る」のド頭1ページの最初のこの言葉が素晴らしい。
作者の死後も重版され続けていく名作の一つだろう。

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Posted by ブクログ 2014年12月20日

まわりの人が話すこと、やっていることが馬鹿みたいに思えて仲間に入ろうとしない姿が自分を見ているようだ。軽蔑しているくせに思わず、彼らの面白い話に笑いを堪えてわざと難しい顔をしてみせたり、寝ていもいないのに寝たふりをしたり。友達がいないのににな川の背中を蹴りたくなるとか。見方を変えれば、にな川だけでな...続きを読むくてハツも不良よりもタチが悪くて面倒くさい。アップランで自分だけ本気になってしまうとか、すごくわかる。ほんとは誰かにわかってもらいたいだけ。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2014年02月02日

あまりにもリアル、です。
自分は男ですが学校で阻害される感じ。似た経験があり、
「あー、こういう風に思ってた!」と頷いてしまいました。

主人公の冷めたもののとらえ方は、そのまま弱い立場にある若者の
意見のようにも感じます。
女子高生とオタク青年の交流。思っていた以上にハッピーな物語で、
不思議な爽...続きを読む快感を覚えました。

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Posted by ブクログ 2015年11月21日

高校に進学して二箇月。クラスメイトの蜷川と私=長谷川ハツは、どうやら仲間。特定の仲良しグループを無理して維持しようとしない仲間。
しかし、それは正義感やポリシーではなく、無理して繕う人間関係の面倒くささから。
一方蜷川は、我が道を行くアイドルオタク。
私が、蜷川が追っかけるアイドル(ていうかモデル)...続きを読むと中一の時に会っていることが判明し、二人の奇妙な交際?が始まります。

2003年下半期第130回芥川賞を金原ひとみ「蛇にピアス」(集英社2004/1)とともに、史上最年少で受賞した作品。一箇所を除いて、前作同様主人公の主観に徹したインナーハードボイルドですが、本作で描かれるのは、奇妙な彼と、彼に対するハツの奇妙な感情。

コミック版インストール(みづき水脈と共著。講談社コミックデザート二一一巻2003/3/13)の巻末著者対談で当時執筆中だった本作を「黄ばんだ青春モノ」と自ら語っているように、いわゆる普通の恋愛小説ではありません。いわゆる普通の恋愛小説と言うのは、出会いとトキメキがあり、感情の葛藤やちょっとした行き違いの後にデートをしたり、その他のことをしたりして、別れるというような恋愛小説。
本作は、もっと本能的な……ていうか、間違った本能的なというか(汗)……「おしゃべりをしたい」とか「手をつなぎたい」など、今まで当たり前として語られていた異性への恋愛感情ではなく、タイトルの通り、「彼の背中を蹴ってみたい。」相手にしてみれば、迷惑な感情。
しかし、それを受け止める(または気付かぬふりをする。または本当に気付いていない)蜷川のオタクっぷりが微笑ましい。もしかして、本当は懐が深いのでは?と勘ぐってしまいました。
打算的な大人の恋愛とは異なる、正直な(しかし奇妙な)恋愛感情が逆にすがすがしく感じられた一冊でした。

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購入済み

むき出しの自意識

びーへー 2013年12月04日

オサーンになってしまうとリアルに感じることは難しいけど、たしかにこういう自意識のかたまりみたいな時期もあったような。
思い出すとこそばゆい。
このストーリーに反発を覚える人の気持ちもわかる気がする。

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Posted by ブクログ 2020年02月21日

大学生がこれを書いたのかと思うと、その描写力と鋭敏な比喩表現に非凡さを感じざるを得ない。簡潔な文体にして的確。

僕も高校時代はハツと似たような面があったから、共感できる要素が多かった。ハイティーンに差し掛かる年齢の、クラスのアウトサイダーになりつある少年少女のメンタリティ。自己とその他を区別し、グ...続きを読むループ化していくその他を冷めた視線で捉え、嫌悪感すら抱いていく。個性と没個性を強烈に意識するがゆえの不器用さを抱えながら膨らむ自我が揺れ動く。10代の頃に自意識過剰が振り切れる、あの体験に近いかなと。

そして、にな川というアウトサイダーでありながら全くハツとは異質な思考を持つ異性。思考は違うけれども、どこかでハツと情緒が繋がってしまうのだと思う。ステレオタイプな恋愛感情を飛び越した嗜虐心なのか、彼の背中を蹴りたい衝動が生まれるけれども、その正体はやはり単純な理性では掴めない、ハツの内側から呼び覚まされるプリミティブな暴性とイビツな愛おしさ、その他微細な感情の複合物なのだろうと思う。気になったのは、ハツのにな川への感情の中に性的衝動が微妙にあるのか無いのか分からないない点だ。有無のどちらともとれる表現はあったように思うけれど、明確には示さないという意図なのか、僕の感性では読み取れないだけなのか……。

アイドル的な人気モデルに入れ込むにな川の生態は、キモオタそのもので笑えた。ハツはそのキモオタ性を気持ち悪いと思っているだろうし、馬鹿にもしているけれど、一方でそこに、にな川のパーソナリティと結合した強烈な個性として愛おしさを感じてしまっているという点で、没個性側(クラスの仲良しグループ)とやはり峻別できてしまう。

大人びたシニカルな目線と対比的に感情を持て余すハツの未成熟さが顕れるところや、経験の無さゆえに外出時の服や履き物のチョイスに失敗するところなどに10代のリアリティを感じたし、そこはこの作品の情緒的な味わい深さだと思う。

純文学に重厚さを求める向きには軽い作品かもしれないけれど、年齢性、時代性、感性、情緒性、など、いずれにおいても鋭く過不足なく描き抜く筆力は非凡だと思う。

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Posted by ブクログ 2019年11月06日

クラスのあぶれ者同士が起こす化学反応。今をきらめく人気モデルに陶酔するにな川とそれを目で追ってしまうハツ。特ににな川の「にな」の字が平仮名で表現されているなど、ハツ視点ということがわかる細かな工夫がなされており、感情移入しやすかった。また、中高生にありがちな人生を達観した気で「私はお前らと違う」感を...続きを読む醸し出すハツの脳と心の非接続感が面白かった。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年08月28日

クラスで鎧を着ている女の子と、モデルさんの追っかけオタクの男の子。自分のことがちょっとずつ好きになって行くのがいいね。

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Posted by ブクログ 2019年05月14日

学生時代に特有の自意識のあり方を、とても豊富な比喩表現や語彙で的確に表現されていて、自分にも身に覚えがある気持ちをすごく新鮮な目線で再確認したような気分になった。
高校時代に読んでいたら更に衝撃が大きかったろうな..,。

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Posted by ブクログ 2019年03月05日

10代特有の仲間意識やカッコつけ感、ヒリヒリした感じがよく描かれていました。タイトルもいい。
読みやすく短めな作品ですが、孤独やイライラを暗くなり過ぎずに読ませてくれます。良かったです。

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Posted by ブクログ 2017年02月07日

やっと読めた本。最初のページが結構ハードルが高かった。
何のことやらさっぱりわからん状態。
それを通り過ぎると、高校生の何とも言えない感情のわだかまりが伝わってくる...と思います。
残念ながら「背中」を「蹴りたい」という気持ちになったことはないですが、「何とかしろよ」という気持ちはよく伝わってきま...続きを読むす。
国語の問題で、主人公はなぜ背中を蹴りたいと思ったのですかと問われると、答えられないですけれども。

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Posted by ブクログ 2016年12月22日

実は芥川賞受賞のニュースを観たときから気になっていたけど、こんなに間が空いてしまった。
始めは無気力系主人公っぽくて読むのが苦痛だったけど、主人公もコミュ障なことが分かってくるとどんどんおもしろくなっていった。
にな川は主人公のちょっかいをどう思ってるんたろうね

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Posted by ブクログ 2016年01月22日

なんだか、こう、ジメジメした感じの、高校生の女の子が男の子に寄せる想い。真夏の蒸し暑い空気の中で語られている。
冬に読むより、真夏に読むともっと雰囲気が伝わるのかもしれない。真冬のカラッとした空気には少しそぐわない。

にな川の背中、一緒に蹴りたくなる。その蹴った感触、感情を共有してみたいと思った。

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Posted by ブクログ 2015年02月16日

まあ面白い。気持ち悪いにな川より何よりも気持ち悪い、主人公の幼い自意識が的確に描かれてて、吐き気がする。作者の最近の作品と比べると圧倒的に文章が下手くそだけど、それでもよくまとまっていたと思う。よい。
中学くらいの頃読んだ時はエッチだー!と思ってちゃんと正視できなかった記憶があるけど全然エッチじゃな...続きを読むかった。どんだけ純朴だったのだ僕。

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Posted by ブクログ 2014年09月15日

あかん、こら名作や。
どうも話題性先行だったような、そんな当時の印象がおぼろげにある。しかし、これ本当に凄い作品。
結構王道なテーマ扱ってるのね。もうびっくり。疎外感と共感とディスコミュニケーションとほんの少しの成長がまた見事に描かれてて、確かになあと思わせる質感。
内容はまあよくあるので、きっと評...続きを読む価点は感性と描写の瑞々しさでしょう。
たとえば『さびしさは鳴る』っていう文頭。ぱねえ。もう誰も使えなくなってしまったわけです。それだけのインパクト。このレベルの表現、何を表してるんだか一瞬わからないけれど読者に感覚で無理矢理わからせてしまうような絶妙かつ的確な表現を、しかも連発する。もうね。
ぱねえ。19歳、ぱねえ。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2014年05月26日

主人公の気持ちがよく分からなかった。
昼休みとかのはよく分かって、高校に不安をおぼえたけど、にな川を「蹴りたい」という気持ち、物を盗んだ時の気持ちは分からなかった。
あと、にな川と一緒でも気にしない絹代もよく分からなかったけど、性格とか、好きだなあと思った。     
ハツの部活のシーンはすごく好き...続きを読む
「八ミツドロップス」という本みたいだった。

いい感じの終わり方だったのでよかった。

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Posted by ブクログ 2013年12月06日

多分これが青春。
「爽やか」の気配くらいはあるけど、基本的にはうまくいかなくて恥ずかしくて強がって、そういう死にたくなる類の、ある種のかわいらしさ。

今回は再読。
初めて読んだのは多分高校生の時で、震える程共感して、涙まで流して読んだ大切な本だったはずなのに、今読んでみたら思ったより普通だった。
...続きを読むただ心にぼんやり愛情のような虚しさのようなでも充実したなにかが残ったのは同じだ。
あの頃世界だったものが過去になったから、渦中にいないから、こんなに冷静に読めてしまったのかな。
歳をとるってこういうことかな。今しか感じられないことをもっと感じたい。

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Posted by ブクログ 2018年05月13日

クラスにも部活にも馴染めず、「私は趣味がいいから人を選んでるんだ」と強がるハツ。
同じようにクラスで浮いているニナガワは「それって悪趣味」だと笑う。
ニナガワも絹子も妙に大人で、ハツの幼さが印象的。

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