綿矢りさのレビュー一覧
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面白かったー。痛快!愉快!!
20代の頃に読んでたら、菖蒲のこと理解できなかったかもしれないし、むしろ嫌悪感を抱いたかもしれない。でも、自分も大人になったことと、コロナによるパンデミックを経験して、人生楽しまないともったいない!時間と体力とチャンスは有限であることをつくづく実感させられた今、自分の価値観とかマインドがだいぶ変化したと思う。今やりたいことできることを、お金がかかってもやっていこうって思うようになった。だから菖蒲の気持ちにすごく共感したし、だからといって菖蒲のようにはなかなかやりたい放題できなくて、読んでいて自分の代わりに楽しんで人生を謳歌している菖蒲を見てとても爽快な気分だった。 -
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偶々出くわした落雷から始まる二人の恋。彩夏のあまりに突然過ぎる告白に当惑しつつも、最後には本能で受け容れる逢衣の姿が印象的でした。
異性愛を前提とした旧態依然な社会の常識や世間体から解放され、自ら快楽の海に堕ちることを選択した二人。これは正に、18世紀を代表する哲学者ルソーが唱えた『自然に帰れ』の考えを端的に示しているのではないでしょうか。社会化によって失われた人間本来の感性・直感・本能を回復することを目指す。同性愛、マイノリティという枠組みを越え、生の欲求を人間本能の回復にまで昇華させた描写はどれも美しく、綿矢りさの圧倒的な筆力にただただ感動した一冊です。 -
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コロナ禍の中、夫56歳のいる中国北京へ行く。
隔離期間を経て北京を堪能する菖蒲(あやめ)36歳の話。
夫は3年も北京にいるのにいまだに馴染めず、憔悴。
菖蒲は観光、ショッピング、夫婦ともコロナになりヨロヨロだったり、春節を遊び尽くしたり、珍しい食を楽しんだり、大学院生の男の子にちょっかいだしたり、と忙しい。
菖蒲は自由で、何にでも慣れて、すぐに順応するし、何でも受け入れる懐の深さがあるし、観察眼もあって、言うことは言うけど、簡単に怒らない忍耐強さも持ち得てて、なんか勇ましくて痛快。読んでいておもしろかった。
北京話がちょうど良いいい塩梅で繰り広げられているのもよかった。
私は菖蒲のようなタイプではないので、こういうタイプの人を羨ましいと思ってる。
続編があるなら読みたいし、菖蒲にまた会いたい。
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ネタバレ少女同士の恋愛、そして彼女らが大人になって再会する…。古い言い方をすれば百合小説、レズ物語なのだが、淫靡とか耽美とかそういうイメージで括れるようなものではない。
とんでもなく純愛小説なのである、久乃と綸の二人が幸せそうに語り合ってじゃれあってデートして睦みあって、揉めてケンカして…その一つ一つが愛おしくて可愛らしくて羨ましい。
お互いがとても愛し合っているのであれば、性別とか年齢とかどうでもエエやんか。部外者がどうこう言うてわり込んでいく野暮は愚の骨頂。という当たり前のことを今更ながらに気付かせられた。
600Pの大作だが、初めから終わりまで隙のない良質の恋愛小説である。 -
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ネタバレ世界99を読んだ後だったので、何か軽めで明るい本が読みたい…と思い、手に取った。帯の文句と装丁のウェイウェイ感を信じて読み始めたけど、最初から最後まで期待を上回るウェイウェイ感ですごく面白かった。まず最初の女子会のシーンから楽しい。ほぼ嫌味だけで構成されたマウント合戦で、いいぞもっとやれという気分になる。主人公の菖蒲は、2人からの嫌味をものともせず、ちゃんと嫌味でやり返して、颯爽と北京に出発。中国というアクの強そうな国での生活、しかもコロナ禍という結構な状況でも、そんなの関係ねぇウェーイみたいな感じで、豪快に遊び尽くしていく。面白くて、読んでると勝手に元気になってくる。途中のSNSでの誹謗中傷について持論を展開している場面など、軽々しいように見えて的を得たことを言っていて、名言がたくさんあった。菖蒲からしてみれば、私が日頃思い悩んでることもきっとバカバカしいんだろうな〜と思うと、すごく心が軽くなった。心にイマジナリー菖蒲を住まわせたい。仲里依紗主演とかで映画化されないかな。しんどい時にまた読み直そうと思った。
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もうすぐ33歳独身女が自分の脳内にいるAとあーだこうだ言いながら、平凡でつまらないと思ってた人生における正解を少しずつ見つけていく姿をコミカルに描いている。
読み終える頃には、少し勇気を出して明日は一歩踏み出してみようと前向きな気持ちになれる。
特に、主人公のみつ子の焼肉屋でもカフェでも電車でも人の会話が気になって所謂人間観察をしては"他人"に疲れてる姿はとても共感した。
あの子はあの子にマウントされてるけどやり返さなくて偉いなぁとか、あのセクハラジジイを退治しに行きたいけど行く勇気ないなぁとか、そういう小さいことに敏感に反応しては毎日疲れるよなあ。
恋愛や結婚や子供への葛藤と、1人で居ることの居心地の良さの狭間にゆれながら
苦手な飛行機に乗ってイタリアにいる友達に1人で会いに行ったり、久しぶりに恋人ができたり、みつ子は色んな気持ちを経験する。
自分の1番の理解者は自分だし、無理に人といなくたって自分で自分を幸せにすることは出来る。
たしかに他人と関わるのは酷く疲れるし怖いけれど、そこに飛び込めばそれはまたそれで1人では味わうことできない幸せもある。
その踏み出した先で傷つく事はあるかもしれないけど、どんな時も"自分"という味方がいるから独りじゃない。
何があっても脳内のAという話し相手が居てくれるから大丈夫。
「私にとっての自然体はあくまで独りで行動している時で、孤独に心はゆっくりと蝕まれていって。その矛盾が情けなくて。」
「相手の心に自分の居場所を作るのは楽しいですよ」
「他人との距離は一万光年より遠くても、求めるのは他者の存在なんです」 -
Posted by ブクログ
数々のレズ小説を書いてきた作家さんだと聞いて、読むことにした。
私自身が同性と付き合った経験があることもあって
同性同士の恋愛を描いた小説やドラマにはどこか現実味がなく上辺だけを描いているように感じてしまう部分があり、正直、あまり期待はしていなかった。が、読んでみるとびっくり。傑作だった。
序盤はごく普通の学生生活の出来事のあれやこれやが描かれていて、いつになったら恋愛要素が始まるんだ?と思いながら読み進めたが、その後の展開は想像以上に中身が濃かった。恋心が芽生えてからのストーリーはページをめくる度に、どきどきして、引き込まれてしまう
ちょっとした仕草に心を揺さぶられたり、同性の友達にこんな感情を抱いてはいけないと葛藤しながらも、どうしようもなく自分のものにしたいと強く焦がれる昂ぶり。胸がぎゅっと締め付けられるような密かな高揚感。付き合ってからも愛おしさゆえ、触れたくても触れられず最後までは手を出せないもどかしさ
そのどれもがあまりにも見事で、自分の学生時代を重ねずにはいられなかった。あの頃の甘酸っぱい感情をもう一度鮮やかになぞるような体験が心地よく、夢中で読み進めた。
感情の描き方が秀逸で、読んでいるこちらまで心臓の鼓動が早くなるようだった。
後々気づいたけど、「ひらいて」の原作もこの人だったのか〜スゴ〜〜 ガチモンの天才だ
PS:この本に付いている栞の赤い紐は、作中足につけていた紐と同じなのかなって考察している人がいて、感動した -
Posted by ブクログ
京都で過ごしている人、京都から離れた人。どんな年代でも、「京都での大学時代」は共通言語のようなところがある。
私たちはいつも四条に出かけ、河原町で楽しみ、鴨川に助けられてる。時に行く寺社仏閣の歴史には驚かされるし、四季折々に見せる都の姿は言葉を失う美しさ。
これが京都かと圧倒される。
・大企業に勤めながらのんびり過ごしていたが、
結婚に焦る長女。
・入社した会社で恋愛のいざこざに悩む次女。
・理系の大学院に進学し京都を出たい想いで
東京就職を目指す三女。
誰もが持つ悩みと、京都での最高な日々と、美しい街と…とっても共感できる、大切な時間が詰まっている!
私が京都を離れてから読んだらきっと涙してしまう…
これからも大切にしたい一冊。