綿矢りさのレビュー一覧
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これこれこれ!こんな本を求めていた。いかにも身の回りにいそうな人達の内面。性格の悪い人たちの内面にフォーカスしたこんな本。
自分が悪いのに被害者面する感じ、一点に着目すると他が見えなくなってしまう感じ、そして、自分の責任を感じそうになるや否やそこに紐づく他責を心中で**辿り、**逃げようとする感じ、ものすごいリアル。私が私を嫌になる時、というか性格悪いなーと思う時、それは自分の中でこうした側面があることを見出してしまう時だけど、この本の人達はそれを受け入れて開き直っている。
表現も美しい。例えが日常生活に組み込みたくなるような秀逸さに溢れている。一生読んでいたい本だ。
ストーリーではなく -
Posted by ブクログ
日本人的な考えとしては特に強いのかも知れないが、年齢関係なく女性なら共感しかない中編小説がニ編が収録されている。
全女性に読んでほしい。
それぐらい面白く、登場人物に共感すればするほど感じる痛みを胸に懐きながら、最後は女性として人間として成長した姿を晴々として見せつけてくれるので、主人公と自分が一緒に成長した気分になった。
綿谷りささんは久しぶりだったけど、女性の揺れ動く心情を描く才能は天才的だと改めて思った。
自分と女友達を比べて悩む。
あの頃の自分よりも、今の自分が好きだけれど、悩んだ分だけ成長出来たのだろうと気付かされた一冊でした。 -
Posted by ブクログ
636P
綿矢りささんの『生のみ生のままで 』って第26回島清恋愛文学賞受賞したんだ。この本は450ページだったけど、『激しく煌めく短い命』は600ページの長編でどんどん長くなっていって凄いなと思った。罪と罰とかアンナ・カレーニナレベルの長編という。
綿矢りさの史上最年少芥川賞の時も思ったけど、綿矢りさの細かい性描写いいなと思う。インタビューで性的な場面を省略して、次の朝からの二人を書く方が上品だと思うけど、激しさの中の魂を描きたいからそこを省略すると生気が無くなりそうだから書いてるって言ってた。
政治はレズの俺を救ってはくれないけど、芸術とか文学は救ってくれるんだと改めて思いました。
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Posted by ブクログ
ネタバレお気に入りの小説を読み返そう週間!(「生きてるだけで、愛。」と二作連続でヒロインが全裸になっていた)
登場人物の"たとえ"が好みすぎたっていう程度の記憶しかなかったけど、読んでるうちにみるみる思い出してきた。
ステレオタイプな陽キャJKだった愛が、属性の異なるたとえにうっかり(&どっぷり)恋をしてしまい、どんどんどんどん欲望を剥き出しにして、向こうみずの狂気で暴れていく姿を美しいと思った。
愛はたとえの彼女である美雪のことを妬んで酷いことをするのに、美雪はどこまでも優しくて素直で可愛らしい。
たとえと美雪。二人のかけがえのない関係(百パーセントの相手だな)は、愛が介入して