綿矢りさのレビュー一覧

  • 私をくいとめて

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    『あなたは自分のこと』を『おひとりさま』って思ったことはありますか?

    『おひとりさま』という言葉をいろんな場面で見かけるようになりました。人はどうしても他人の目を意識するものです。『ひとりカフェ』はカフェが待ち合わせの場所と考えると、ひとりで入るのになんの躊躇もないと思います。しかし、『ひとりファミリーレストラン』、ひとり焼き肉、そして『ひとりディズニー』となるとどんどんそのハードルが上がっていくようにも感じます。しかし、『おひとりさま』という『明らかな接待用語』がそんなハードルを下げてもくれます。

     『女一人という、ともすればみすぼらしくなりがちな状況でも、”自分はおひとりさまだ”って自

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    2024年01月20日
  • 生のみ生のままで 上

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    上巻のまだ半分ほどまでしか読んでないのですが、自分がバイだからなのか、主人公の感情もさいかちゃんの言葉に伴う感情も、どちらもものすごく共感できる感情だったことが感動的で、誰かに伝えたくてここへ記しに来ました。
    私は自身をバイと自覚したのが社会人以降で、今は交際中の彼女がいるんですが、さいかちゃんが主人公に初めて会ったときの感覚の表現が、私が彼女に初めて会ったときの感情とあまりにも同じで、驚きました。そう、男も女も関係なくその人やから好きになったのよね、今まで同性のタイプとかなかったのに、その人を一目見た途端、異常なまでに綺麗に見えて、『あ、この人私のタイプや』ってなるよな、視線が吸い込まれるよ

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    2024年01月06日
  • 夢を与える

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    どうなるんだろと気になり一気読みした。
    綿矢さんは、血なまぐさい情景の表現がうまいなぁとつくづく思いました。言葉の限りを尽くしグロを表現する感じ。偉そうですが称賛してます。

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    2023年12月28日
  • 二周目の恋

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    読んでみたいけど、なかなか手が伸びなかった作家さんばかりのアンソロジー。思わず買ってしまった。

    『最悪よりは平凡』 島本理生
    主人公の和田魔美ってどんな女性なんだろうか?会ってみたいと思った。とても魅力的らしい。読んでて、真面目でしっかりとした女性だと思うんだけど、なぜか下心がある男ばかり寄ってくる。本人はそんなつもりは全くないのに。身体が魔性の女みたいに言われてるし。最後はいい感じに終わって良かった。

    『深夜のスパチュラ』 綿谷りさ
    バレンタインデーは恋する女子にとっては戦いだねって改めて思った。主人公の可耶ちゃんがチョコを買いに行くところから渡すまでの奮闘が読んでて面白かった。ガトーシ

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    2023年12月21日
  • 手のひらの京(新潮文庫)

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    面白かった。三者の視点で描かれているため飽きずに最後まで楽しめた。
    三姉妹がバラバラの性格だからこそ「この子の視点では、そういう考え方をするのか」と3人から人生を教えてもらった気分。

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    2023年12月21日
  • かわいそうだね?

    購入済み

    仏の顔も? 片頬をぶたれたら?

    自分の食い扶持は自分で。
    その上で彼氏を持つのは
    ご褒美のはずなのに。
    食い扶持も稼げない子に彼氏を
    可哀そうだからって譲れってこと?
    我慢はいつまでできるか。
    我慢だなんて思うのは人間ができていないってこと?
    可哀そうなのか図々しいのか。
    生身の人間が仏になりきれるのか。
    日本人だけでなく、西洋の人の考え方まで
    世界が広がって面白かった。

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    2023年12月15日
  • 生のみ生のままで 下

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    再会シーンはめちゃ泣いた。
    最初から最後まで何もかも良かった。
    幸せそうな2人がみれて良かった( ; ; )

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    2023年12月01日
  • 手のひらの京(新潮文庫)

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    ネタバレ

    普段の綿矢さんとは少し違ったテイストでおもしろかった。私も京都に住んでいることから、物語の中に出てくる街並みや様子が頭の中に浮かび、よりリアルに感じられた。特に京都はクリスマスはこぢんまりで正月の方が豪勢だというところはその通りだと思った。
    大阪や兵庫はクリスマスマーケットやイルミネーションなど、クリスマスに力を入れているが京都はあまり聞かない。なぜなのか考えたこともなかったが、確かに京都はクリスマスツリーよりしめ縄のほうが似合う。

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    2023年11月25日
  • 夢を与える

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    ネタバレ

    顔と運に恵まれ、順調に芸能界で活躍していた女の子が男によってダメになってしまう。恋愛は人間をおかしくしてしまう、なのにまた恋愛をしてしまう。本能なんだろうと思う。私自身、会いたくて仕方がないとか冷められているのを分かっていても離れたくないという気持ちは共感してしまった。大人になった今は、冷静に恋愛ができるようになった気がするが、まだ高校生の夕子からしたら初めての恋でその上仕事や受験の重圧もあり、恋愛にのめり込んでしまったんだろうなと思った。母のようにはなりたくないと思いつつ、やはり親の影響は大きく受けてしまう。小さい頃から母と親友のようにずっとにいたことによって余計にだと思う。母の勝手にやって

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    2023年10月20日
  • 夢を与える

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    ネタバレ

    1人の女優のデビューからブレイク、そして墜落、いわゆる「干された」になるまでが書かれた物語。
    テレビの前にいる私たちは簡単に「干された」と言う言葉を使うが、その裏にはたくさんの涙や苦労、絶望があるのだと分かった。
    ゆーちゃんは、良くも悪くも母親にそっくりだった。自分は好きな人の前で母親のような顔をしたくない、母親のようにはなりたくないと言っていたが、結局は親子。ゆーちゃんが正晃に異常にこだわるところは、母親譲りでもあるし、本当に何も知らないまま育ったからこそ得てしまったものなのだと思った。
    ゆーちゃんはこれからどうなるのだろうか。最後の取材をした記者が言っていたことはある程度予想できるが、ゆー

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    2023年09月24日
  • 蹴りたい背中

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    2004年第130回芥川賞受賞作

    初版は2003年、丁度20年前。
    芥川賞受賞19歳という最年少記録はいまだに破られていない。

    冒頭の「さびしさは鳴る。」という一文は有名だが、時期を逃して未読のまま時は過ぎ…。

    いやー、語彙力なくて申し訳ないが、すごい。
    19歳かよ、本当かよ。

    まだスクールカーストなどという言葉もなかった頃に書かれたこの『蹴りたい背中』。
    入学したばかりの高校で、クラスの序列から外れ、どのグループにも属さない少女の葛藤…脳内でずーっと独り言を呟き続ける気持ちや、たまに口を開くととんでもなく鋭い言葉が出てしまうところなど、もう場面が目に浮かんでくる。
    にな川と絹代との関

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    2023年08月22日
  • 蹴りたい背中

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    「若さ」は大人になるにつれて、良い感情、良いイメージしか抱けないものだ。しかし、真っ只中にその身を置いている人間にとっては、決して明るいものばかりではない。クラスで孤立している少女が、同じ立場の少年と交流を持つことによって生まれた感情を丁寧に綴っているこの物語は、あまりにも刺々しく、痛々しい。決して触れて欲しくない、それでも誰かに分かって欲しいという反発し合う感情を抱える主人公に、自分の過去が重なる部分も多かった。なにより、心に秘めるもやもやを的確に表す描写が素敵。

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    2023年08月03日
  • 生のみ生のままで 下

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    同性愛の話かなと思って購入しましたが良い意味で裏切られました。

    逢衣と彩夏の純愛の物語。
    作者の美しい文章の表現力に読んでいて心を奪われました。

    男とか女とか関係なく、
    逢衣だから好きになった。
    彩夏だから好きになった。

    人を愛せることって素敵ですね。
    そう思える作品です。

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    2023年07月22日
  • 蹴りたい背中

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    表現はとても上手だと思った。現代日本語を上手に使って、なんとも言えない心情や情景を美しくもリアルに描かれていた。異性感での「好き」「嫌い」ではない感情。ハツがにな川に対して抱いていそれは、恋でもあり嫉妬でもあり友情でもあり嫌悪でもあり優越感でもあり劣等感でもあり。。ハツ自身無駄に頑張る友人関係には飽き飽きしている一方独りは嫌だというなかなか難しい想いを持っており、にな川に対して非常に複雑な感情を持ってしまったのだろうか。蹴りたい背中、そういうことねー。

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    2023年05月06日
  • 生のみ生のままで 下

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    上巻と併せて。
    面白かった
    自分の愛を貫きながらそれぞれ生きる2人がかっこよくて
    周りの人に受け入れられない場面はすごく胸が苦しかった

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    2023年01月18日
  • 生のみ生のままで 下

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    ネタバレ

    p131
    なんかさ、上手く言えないけど、"その身体が何をして来たか"が分かるのってすごいセクシーじゃない?

    p132
    彼女の話で思い出したのは、私たちが離ればなれになる前に、彼女が自分に傷痕を、一生消えない傷をつけてほしいと懇願したことだった。

    p252
    なんでもいいから自分たちの愛の証を刻みつけて、見えないものから見えるものへ変化させ、そんな儚いやり方で永遠を見つけていこうと必死なのだ。

    p253
    私たちを見守る風が、空が、海が、永遠の証人となった。

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    2022年11月23日
  • 憤死

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    ネタバレ

    ホラー系な感じが多かった。憤死が1番好きだった。怒りが原因で死ぬってすごく面白い。
    ・「人生はゲームみたいなものなのさ、どれだけシンケンに生きても、結局運しだい。ゲームと変わらないほどにバカバカしいのさ」

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    2022年10月17日
  • 生のみ生のままで 下

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    綿谷りささんは、わたしに一気読みをさせる天才なんだ。あらためてまずそこを実感。

    同性愛とはつまり同じ性をもつ人間同士の繋がりなのであって、ことばや思想はさまざま行き交っているけど、
    頭のうえを行き交っているだけで、
    嫌悪感だったり理解し難いで片付けてしまったり、
    わたしはまさしくその側の人間だった。

    つまりちがう性をもつ人間同士の繋がりだけが
    きれいなのか。当たり前なのか。ただしいのか。すばらしいのか。

    そこだけじゃない。上手く言えないけど、文章で泣ける物語は、テーマだけではない深いふかい部分があることの証明なんだと思わされる。

    いちばんは、生のみ生のままで このタイトルだと思う。

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    2022年09月18日
  • Yuming Tribute Stories(新潮文庫)

    購入済み

    豪華なアンソロジー

    まずは参加している作家陣の豪華さです。そして、ユーミンの楽曲のとのコラボということで、面白くないわけがありません。個人的には綿矢りささんの「青春のリグレット」が好きでした。読んだ後で、楽曲を聞きなおしたくなるような一冊でした。

    #泣ける #切ない

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    2022年08月14日
  • 生のみ生のままで 上

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    めっちゃ面白い。

    あらすじを読んで内容を知っていたから「退屈などしていなかった。」という出だしだけで、ぐっと心を掴まれた。

    そのあとはポップなのにみずみずしい文体でぐんぐん読み進める。人や情景の描写が上手だから、繰り広げられている光景が自然と思い浮かぶ。たまに出てくる比喩もわかりやすくてユーモアがある。

    下巻が楽しみ。

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    2022年08月11日