綿矢りさのレビュー一覧
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ネタバレ▼メモ
・絃(ゆずる)
▼好きな個所
P136
・この三カ月のあいだ、奈世は常にいなかった。なのに急に、奈世がもう本当に僕から離れてしまっていたのだと実感した。(中略)走るスピードをゆるめずに、道端にあった公衆電話ボックスに入った。走るのに邪魔だから形態は持ってきていない。百円玉を入れ暗記している奈世の携帯電話の番号をプッシュするけれど、つながらなかった。家に帰ったあとも、携帯から何度も何度もかけなおしたけれど、僕の声はどこにも届けられない。
∟同棲してる時は当たり前の環境に、塩対応だったのに、奈世ちゃんの携帯番号覚えてたんだ、内には熱いとこあるじゃん。そして、この人間の変化と一心不乱の時に -
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初版から22年程経っていることを知り、時の流れの速さに愕然としつつ初めて読みました。
長谷川と絹代と、にな川の3人の高校生が、アイドルのライブに行く。出来事はそれぐらいしかない。
高校生活が始まり、少なくとも馴染めているとは言い難い長谷川と友達グループを見つけ活発的な絹代、クラスどころか家族とも馴染めないにな川。
中学とも大学とも違う、狭間の時代。
大人から見ると、不器用が過ぎる2人と、背伸びをしたがる普通の高校生。自己管理はできないが欲情を発散したいと感じていた頃。
私も昔を思い出し、つい当時の後悔と懺悔が頭をもたげそうになる。
当時は史上最年少の芥川賞受賞者ということで、メディアで随分取 -
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ヒリヒリする美しい文体。
主人公の愛の心と体が分離していると表現していたが、その分離しているところと、かろうじて繋がっている部分の織り交ぜの表現が美しくて鮮烈で、すごく心を刺してくる。
自分を卑下し、相手を特別視し合う関係。
そこを壊してひらいて結んでひらいて。
自分が見る景色を、自分の心に立つ感情を信じたい。
言葉にしないまま持っておきたい感情がある。
整理したくない。
このまま生きていきたい。
でも大事にしてしまうと、それはまた変容してしまう。
なにもわからないまま生きたかったな。
でも今は今でいいのかもしれない。
わかった気にだけはなりたくない。
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ネタバレ綿矢りささんのエッセイ。
エッセイというか2020年(コロナ禍)に書かれた日記です。
液体石鹸から固形石鹸に変えたり、安売りされてるオリンピックグッズを見て切なくなったりは共感。
あと遅まきながら五木寛之さんの大河の一滴は読もうと思いました。
あとがきが凄く良かったです。特に最後のところ。
引用。
とりあえず、くつろぐ。難しいけれど、今必要とされるスキルかもしれない。暴風で前髪がぼさぼさになりほとんど前が見えなくても、飲んだ紅茶に風で飛んできた砂ぼこりがいっぱい入ってても、のどかに飲んでいる体を失わずにリラックスする。やせ我慢と紙一重の、のんびりしたひとときだ。一度泣いたらもう立てないと直 -
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最後まで一気に読み切り、解説を読んで、同じことを考えてくれていた人がいて安心した。
これは同性愛の物語ではない、という書評が多かったのは自分も認識している。でも、実際物語の登場人物たちが窮する立場に置かれているのは当人同士が同性同士だからに他ならない。ふたりが同性愛者かどうかと、社会の中で同性同士のカップルであることは、全く別の次元の話ということに気づいている人はまだ少ないのだと感じた。
同性愛の物語ではない、愛の物語なのだと語ってしまうことが、むしろ問題を矮小化してしまう。漂白されてしまう。愛の物語であることは否定しないし、ふたりにとってただ世の中で唯一の関係性なのはその通りだと思う。で