綿矢りさのレビュー一覧

  • 手のひらの京(新潮文庫)

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    ホント言葉のチョイスが上手いというか、表現力が凄いと感じる。柔らかくも的確で巧みな比喩表現が琴線に触れて、心地よく入り込める世界が提供されてクセになる感じ。
    よくまぁこんなうまい言い回しが出来るもんだと冒頭から感じてしまう。「京都の空はどうも柔らかい。頭上に広がる淡い水色に、綿菓子をちぎった雲の一片がふわふわと浮いている。鴨川から眺める空は清々しくも甘い気配に満ちている。春から初夏にかけての何か始まりそうな予感が、空の色にも溶け込んでいる感じ。(p.5)」「意識を手放せないまま、すうっと夜が明け、カーテンを開けるとかさかさの心に朝焼けが差す。薄い光は傷に塗る消毒液みたいに少し心にしみて涙がにじんだが、純粋に朝が来たのがうれしかった。(p.240)」とか。

    このところ、セクシャル•マイノリティだったり、虐待だったり、生きづらさが描かれる物語が多い中で、本作はその様なテーマには触れず、これまでの王道というか、普通とういか、マジョリティな女性目線での京都に暮らす3姉妹家族の物語で、実に愛おしく、懐かしさも感じながら読んだ。

    京都出身作者ならでは、と感じる表現も。
    •なんて小さな都だろう。まるで川に浮いていたのを手のひらでそっと掬いあげたかのような、低い山々に囲まれた私の京。(p.162)

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    2026年04月21日
  • 勝手にふるえてろ

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    綿矢さんってやっぱり天才、!

    なぜ綿矢さんの様なお綺麗な方が、こんな良い具合にキモめな女の子を描くことができるのか。笑
    本当に恐ろしいです。

    主人公ヨシカは、最初の下りで彼氏が二人いることが明かされていましたが、蓋を開けてみるとなんだか思っていたのと違くて、とても拗らせていて…

    本作はヨシカの妄想を中心に話が進められる形ですが、読んでいてすごく心がザワつきます。

    拗らせ女子や、自分にコンプレックスを抱えている人には特に読んでみてほしいです。

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    2026年04月05日
  • 蹴りたい背中

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    ネタバレ

    令和の推し活文化がすっかり浸透した現代に読んだわけだが、当時のオタクってこんなに肩身狭かったのかぁと思いながら読んでいた。

    とにかく人と群れていないとこちらが変わってる人扱い。そこは現代も当時も変わらないところかもしれない。多少受け入れられるようにはなったが…

    主人公のハツちゃん、孤独こそ感じるが、レベルの合わないクラスメートに合わせるよりも一人でいることを選べるしっかりした芯のある子という印象を受けた。
    にな川に対して感じるそれは今でいうところの、キュートアグレッシブなのだろう。
    フェチが開花するお話なのかと思いながら読んだが、見当違いでした。





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    2026年04月04日
  • 蹴りたい背中

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    初めての綿矢作品。
    今思えば、発刊当時に読まなかったのは、賞まで獲ってしまうような同い年の人への嫉妬からだろうなw

    やっと他人のすごさを認められる年齢になって読んでみて、高校生時代の激しく揺れ動く感情を言葉にするとこんなにも印象的な文章になるものなのか!?と驚いています。

    昔の自分を見ているような気持ちにもなり、少しざわついたけど、それも受け入れられる年齢でよかった。

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    2026年04月02日
  • 勝手にふるえてろ

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    クラスのいじられ役のイチが昔から大好きで発展しそうにない恋愛を取るか、職場の自意識過剰のニに好かれつまらない恋愛で初彼氏を作るか乙女心の葛藤が良かったです
    イチとニとそれぞれ男の子をそう呼んで物語りを作ってるところなども
    個人的には新しい傘を使って持ち手のビニールをどうするかの例えの発想が凄いと思いました
    最終局面で自分主義のニとの絡みも凄く好きな感じでした

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    2026年04月01日
  • 蹴りたい背中

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    高校生特有のクラスで1人で居る時の孤独感が、読んでいて恥ずかしさもあり、懐かしさもあり、不思議な気持ちになった。にな川へは、自分と同じ孤独を味わっていて、一歩引いてクラスメイトを見ている仲間だと思ってたけど、オルちゃんという自分の世界を持っていて、それに対する憧れや嫉妬みたいな気持ちがあったのかな?だから蹴りたいのかな?と思った。

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    2026年03月31日
  • ひらいて

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    愛の言動や行動にはとにかく衝動的なものが多く、僅か180ページほどの物語を読み進める中でハラハラさせられたり、クスッとなったり、イライラ(いい意味で)させられたりと感情が右往左往に振り回された。
    思春期の人間あるあるとないないがコミカルに、けれどシリアスに文章を構成していて、こういった作品をもっと読みたいと思わせる読後感だった。

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    2026年03月28日
  • ひらいて

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    高校生の恋愛モノかと思いきや、えげつない内容で仰天。 けれども、とんでもないことをしていく主人公に共感してしまった。

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    2026年03月27日
  • 夢を与える

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    最初から、読むのが止まらないほど引き込まれた。主人公やその親、周辺人物など、それぞれの想いに共感できてしまい、誰に一番共感するか悩ましいと思った。

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    2026年03月27日
  • 勝手にふるえてろ

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    ネタバレ

    自分のことが好きな人を好きになれない気持ちが痛いほど伝わってきて、それでも今までと違う愛し方ができるか、という主人公の葛藤もありながらも前に進むラストが素敵だった。また、主人公のぶっとんでる行動も踏まえて面白かった。

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    2026年03月25日
  • ひらいて

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    想像を超える大胆な言動がいくつもあり衝撃的でした。「たとえ」という人物名が出てくるたびに副詞の「たとえ」と勘違いしてしまいとても苛つきました。

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    2026年03月22日
  • 二周目の恋

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    恋愛アンソロジー。

    どの作品も、一筋縄ではいかないけれど読後に希望の残る。こういうアンソロジーでは珍しく、どの作品も何かしら心に残る箇所があったのでとても得をした気持ち。

    特に「深夜のスパチュラ」のとりとめがないけどキュートな読み味や、「道具屋筋の旅立ち」のラスト、「海鳴り遠くに」のタイトルの意味が分かった瞬間が特に心に残った。

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    2026年03月21日
  • しょうがの味は熱い

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    隣にいるのに分かっているようで何も分かっていなくて、近くにいるのに分かろうとし合えない絶妙な関係性。わかる、わかりすぎるこの痛み、、

    弦が感じている一緒に過ごす時間が長いだけでは溶け合わないこだわりや価値観も、奈世が漠然と感じているこんなにも長くいるのに結婚することの覚悟すら固められないのねという大きな失望感も。奈世の両親の感じも痛いほど身に覚えがあるからこそ、なんだかこの小説は刺さりすぎました、、

    弦と奈世、果たして本当に結婚することはできるのでしょうか?わたしは、お父さんが言った通りこのままでは上手くいかないだろうな、って思ったな、、

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    2026年03月19日
  • ひらいて

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    19.11.24
    愛とたとえ、美雪の恋模様を描いた作品、作者自身の物事の考え方がまず圧倒的に少数派で物語に出てくる人物のそれぞれの心理描写がそこから来る訳だから他の作家と違う深みのある文章が多かった。特に愛と美雪の絡みの描写は秀逸だった。

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    2026年03月17日
  • 生のみ生のままで 上

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    ネタバレ

    綿谷りさは本当に読者の情緒をぐちゃぐちゃにするのがお上手ですね(褒めてる
    でも、途中の断絶とぐちゃぐちゃがあってこその、再び結ばれた絆の強さ、とも思います。
    青春小説を読んだような、爽やかな読後感でした。
    2人が、2人でずっとしあわせに生きていけますように。

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    2026年03月15日
  • 蹴りたい背中

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    綿矢りささんの著書は本当に早く読める。不思議なくらい。本作も1時間ちょっとで読み切った。
    たまにティーンズ文学に分類されていることがあるけど、ティーンズを題材にした成人向け小説だと思った。ハツの蹴りたい衝動に共感はしないけど、キュートアグレッションに近かったりするのかな。
    中学高校ならではの、自我と周囲との差を痛くも気持ちよく思う感覚がこんなに具体的に表現できるなんてさすがです。プールの着替えの喩えとか、男性は共感できるかわからないけど女性には刺さる気がする。

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    2026年03月14日
  • ひらいて

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    利己的で暴力的な愛の行動に嫌悪感を抱くひとは多いだろう。しかし、欲望に忠実で、己の保身を顧みず傷つきながらもたとえと美雪に接触する彼女は、残酷なほど煌めいて見えた。虚しく朽ちていくとわかっていながら、破滅に向かう彼女の姿に目が離せない。若さゆえの危うさと瑞々しいエネルギーに満ち溢れた彼女を追っていると、まぶしくて目眩がする。終盤の怒涛の展開から静謐で叙情的な情景へと移りゆく過程は、心にぽっかり穴が空いたような気持ちになった。桜井幸子さんと真田さんが演じたドラマ『高校教師』の最後のシーンを思い出した。

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    2026年03月09日
  • しょうがの味は熱い

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    我が家の方針は同棲反対だった。
    母曰く、同棲は女に妻の真似事をさせておきながら男の決心を鈍らせるものだそうだ。「同棲するくらいなら結婚しろ」と口酸っぱく言っていた。

    きっと母は同棲に対して苦い経験があるのだろう。
    でも、同棲は相手が自分にとって必要なのかどうか、その先の将来を考える上で重要な期間だと思う。きっと相手は母を選ばなかったのだ。


    「煮え切らない男と煮え切った女」という表現がぴったりな2人。奈世(「なせ」じゃないんかい)のねっとりした、ややテンパった愛情、弦のやや神経質な面倒くさい男感がリアル。

    私も将来結婚するからと努力(転職活動)もせず、後先考えず仕事も辞めたので、奈世の事をとやかく言えない…。

    弦視点での話で奈世と暮らしていた日々を「あのささやかな努力と忍耐の積み重ねの毎日」と表現していたのを見て「あぁ、このカップルはダメだな」と思った。

    多分この先もお互いを押し付けあって上手くいかないんだろうな。奈世は都合のいい時だけ両親を頼るんだろうな。いや、そうであってほしいと思う。
    どうも読んでいて応援したくなる2人ではないのだ。

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    2026年03月08日
  • 蹴りたい背中

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    特に何がいいたいとかはわからなかった。
    だけど、今まで誰にも話していない、誰からも聞いたことのない話や感情が綴られていて、好感持ちました^_^

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    2026年03月02日
  • ひらいて

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    綿谷りさの作品は必ず後味がある。想定通りのストーリーにならない。人間の醜い部分がどこかあって、後半に目掛けて晒し出される。思春期特有の頭と行動の乖離にずっとついていけてない愛と、育つ中での環境で一足早く大人に近づいてる2人。
    自己肯定感まっくすでと自己中心的な行動を続ける愛と、自分のことには興味がない彼女。愛が変だと思っていた前半、この年齢でこの考え方をする彼女に対して普通ではないと思う。教室にいる地味な男の子を好きになる青春恋愛小説かと思ったが、突然脱線してみるみる堕落していく少女に見入ってしまった。この後味の悪さが綿谷りさを表しているのかと、どんな思考回路してんねんです。

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    2026年03月01日