綿矢りさのレビュー一覧

  • 二周目の恋

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    綿矢りささんの「深夜のスパチュラ」は、現代っぽくて入ってきやすい。でも文章が続いていて読みにくい。主人公がかわいい。
    一穂ミチさんの「カーマンライン」は、表現できないけれど良さがあって好きだと思った。双子って素敵だなあ。
    遠田潤子さんの「道具屋筋の旅立ち」は、いかにも昭和的な男と、女の話で最初は嫌だなあって読んでた。でも、八角魔盤空裏走(はっかくのまばん、くうりにはしる)という言葉を聞いてからの優美の自分自身と向き合っていく姿が清々しかった。最後の誠とのシーンがなんかいいなあって。
    窪美澄さんの「海鳴り遠くに」は、紡がれている物語の雰囲気がなんだか好きだなあ。最後ちゃんと結ばれてよかった。

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    2025年12月02日
  • 蹴りたい背中

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    ハツはにな川のこと好きだったのかな
    それとも自分より惨めな人を見てたかったのかな
    どっちもなのかな

    蹴るという行動は好きな人に意地悪するという思春期特有のものなのかな
    それとも自分がいじめる側になってるような感覚を得るためのものなのかな
    どっちもなのかな

    こんなに行間たっぷりな本、久々に読んだや

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    2025年11月28日
  • 嫌いなら呼ぶなよ

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    登場人物の感性がやや常識からずれており、そのぶん戦闘力が高く、読んでいて気持ちよかった。

    「常識からずれていること」と「生き物として魅力的であること」はまた別の話である。

    霜月という造形美の男が、不倫で責められている最中ですら、自分の美しい顔に惚れ惚れしている描写がある。
    呆れちゃうけど、垢抜けない夫婦よりも魅力的だよね(^^;;

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    2026年03月23日
  • 手のひらの京(新潮文庫)

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    京都で生まれ育った似てない三姉妹のお話。
    長女・綾香の恋愛模様が可愛いし、次女・羽依は自分を持ってる強い女でかっこいいし、三女・凜の選ぶ道がとても気になったし、京都の四季の移り変わりを感じてじーんときた素敵なお話でした。
    自分も京都で生まれ育ったので、わかるわ〜ってなる箇所が多くて楽しかった。綿矢先生の京都の表現が的確で面白いし文学的。

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    2025年11月20日
  • 私をくいとめて

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    「ストレスは目に見えない煙草の煙みたいだ。たくさんの言いたいことを毎日文句も言わず噛み潰してきたしかめ面を、灰色の煙が覆っている。」

    「真夜中の沈黙に身を浸すのは危険です。漆黒が身体の芯に染み込んで、取れなくなります。夜にはっきり感じた孤独は忘れられません。孤独は、人生につきものです。誰かと居ても、癒されるものではありません。ふわふわと周りに漂っている時は、息をひそめて吸うのを避けるのです。」

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    2025年11月07日
  • しょうがの味は熱い

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    ネタバレ

    絃と奈世の恋愛では、p164に出てくる「あともう少しかんばれば、幸せになれるかもしれない。でも愛や結婚は、あともう少し、と努力するものでしょうか。」これが、全ての答えなんだろうなーとかなり感じました。

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    2025年11月05日
  • 生のみ生のままで 下

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    ぐんぐん加速していった下巻。一目会うことさえ叶わなかった7年をはさんで、二人が一度クロスし、そして再び一本のラインとして交わりあっていく様子が、鮮やかに描かれていた。一方がむかし言っていたことをもう一方がずっと覚えていたり、現在と過去がシンクロしたりと、このふたりの長い年月を読者としてずっと追ってきた喜びが感じられた。
    一度固く閉ざされてしまった彩夏の心がほぐされていった直接的なきっかけや、逢衣と両親のその後など、はっきりとは書かれていない。納得いかない読者もいるだろうが、現実って実際はこんなものだろうなと、むしろ自然に思われた。なにもすべてにおいて、はっきりした出来事をきっかけに心が動いてい

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    2025年10月16日
  • 生のみ生のままで 上

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    ずっと読んでみたかった一冊。しっとりねっとりした感じを勝手に想像していたが、現代的でスピード感もありぐんぐん読ませる感じだった。お互い彼氏のいた逢衣と彩夏が付き合うようになった経緯もなかなか急なのでびっくりしたけど、それは読者にとってわかりきった展開なのでこれくらいでいいのかも。とはいえ元彼氏の颯と琢磨があまりに物分かりがよすぎて不憫……。
    ところどころ文章が荒っぽい感じがするのに引っかかりつつも、先が気になりあっという間に読み終えた。もともと素朴な印象だった逢衣が、彩夏と一緒にいるうちにどんどんあか抜けていくような様子にわくわくした。女性が女性と交わることではじめて得る気づきが丁寧に綴られて

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    2025年10月14日
  • しょうがの味は熱い

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    ネタバレ

    ▼メモ
    ・絃(ゆずる)
    ▼好きな個所
    P136
    ・この三カ月のあいだ、奈世は常にいなかった。なのに急に、奈世がもう本当に僕から離れてしまっていたのだと実感した。(中略)走るスピードをゆるめずに、道端にあった公衆電話ボックスに入った。走るのに邪魔だから形態は持ってきていない。百円玉を入れ暗記している奈世の携帯電話の番号をプッシュするけれど、つながらなかった。家に帰ったあとも、携帯から何度も何度もかけなおしたけれど、僕の声はどこにも届けられない。
     ∟同棲してる時は当たり前の環境に、塩対応だったのに、奈世ちゃんの携帯番号覚えてたんだ、内には熱いとこあるじゃん。そして、この人間の変化と一心不乱の時に

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    2025年11月15日
  • 意識のリボン

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    僕たちは、普段感情を表す際、簡潔で単純な言葉でまのめてしまう。本来は、複雑なレイヤーがあるものをしまったものを引き出しから出すように。

    本作は、感情を行ったり来たり迷ったりで親密な口調僕らに話しかける。大きな解決もないが少し背筋が伸びただけで良いのでは?そこが新鮮で面白い。現在の僕たちの心のひだに、何かしら言葉を届けてくれる。それが小説なのかもしれない。

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    2025年10月08日
  • 蹴りたい背中

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    初版から22年程経っていることを知り、時の流れの速さに愕然としつつ初めて読みました。
    長谷川と絹代と、にな川の3人の高校生が、アイドルのライブに行く。出来事はそれぐらいしかない。
    高校生活が始まり、少なくとも馴染めているとは言い難い長谷川と友達グループを見つけ活発的な絹代、クラスどころか家族とも馴染めないにな川。
    中学とも大学とも違う、狭間の時代。
    大人から見ると、不器用が過ぎる2人と、背伸びをしたがる普通の高校生。自己管理はできないが欲情を発散したいと感じていた頃。
    私も昔を思い出し、つい当時の後悔と懺悔が頭をもたげそうになる。

    当時は史上最年少の芥川賞受賞者ということで、メディアで随分取

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    2025年10月04日
  • オーラの発表会

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    想像以上にさわやかな終わり方で明るい気持ちで読み終わった。
    人とズレた主人公、人と関わる場面で一瞬も戸惑わない思い切りの良さが縁を繋いでいくんだろうな。
    何が不安になって人と同じものを選んで正解にしたくなるけど、自分の良さまで変えなくていいし、歪なところはそのまま愛そうとしていく海松子たちが愛しい。

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    2025年10月03日
  • 蹴りたい背中

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    人の背中を蹴りたい、という思い、相手と関わりたいだけど、普通の関わり方が分からなくて、少し暴力性を持って、絶対に反応してもらえる方法を選ぶ感じ、めっちゃ分かるな〜と思ったりした。

    私はそれを恋人に対してやるけれど、このような友達?の距離感の人にやるのは意外な気もした。

    でも、この気持ちを丁寧描き切ってくれたことを嬉しい、と思った

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    2025年09月19日
  • ひらいて

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    ヒリヒリする美しい文体。
    主人公の愛の心と体が分離していると表現していたが、その分離しているところと、かろうじて繋がっている部分の織り交ぜの表現が美しくて鮮烈で、すごく心を刺してくる。

    自分を卑下し、相手を特別視し合う関係。
    そこを壊してひらいて結んでひらいて。
    自分が見る景色を、自分の心に立つ感情を信じたい。
    言葉にしないまま持っておきたい感情がある。
    整理したくない。
    このまま生きていきたい。
    でも大事にしてしまうと、それはまた変容してしまう。
    なにもわからないまま生きたかったな。
    でも今は今でいいのかもしれない。
    わかった気にだけはなりたくない。

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    2025年09月04日
  • ウォーク・イン・クローゼット

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    初めての綿矢さん作品。
    収録されている2作品とも好きでした。良い意味で心地よくサーっと話が進んで行くんだけど、登場人物の個性や芯にあるグツグツした強い感情・思考の面に惹きつけられたんだろうな。

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    2025年08月28日
  • 生のみ生のままで 下

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    7年もの時間が過ぎたのに、お互い結局ずっと想い合っていたところが本当に運命の2人って感じで憧れた。病気になって弱ってしまった彩夏を強引に引き取って看病していく中で徐々に2人の仲が以前と同じように深まっていくところがすごく良かった。

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    2025年08月17日
  • 生のみ生のままで 上

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    高校の頃から憧れだった男の先輩と付き合っていたのに、女である彩夏からのアタックによって惹かれていくことなんてあるんだと思った。颯と付き合ってたときの逢衣は本来の自分の性格を隠して女性らしい控えめな彼女を演じていたのに、彩夏と付き合ってからは自然体でいられるようになったところも良かった。

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    2025年08月17日
  • ひらいて

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    気が強く、自分の可愛さを自覚してて打算的な性格の愛が、嘘や策略を見破ってくるような簡単には落ちない男の子を好きになっちゃうところが恋愛って感じがした。美雪とたとえ君の絆が尊くて良いなぁと思う反面、そこに入る余地がない愛の敗北感の方にも共感して苦しかった。綿矢りさの描く、怖いもの知らずで狂気を持ち合わせてる可愛くて我の強い女の子が大好き。ほぼ映画と同じだった。

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    2025年08月17日
  • しょうがの味は熱い

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    これ、アラサー女子には刺さる人多いのでは?

    奈世と弦、うまくいってるようでうまくいってない。
    好きなのに噛み合わない感じとか、将来のことを考えすぎて空回りしちゃう感じとか…

    奈世の気持ちも、弦の気持ちも、両方の視点で描かれてて「そうそう、わかる…わかるよ…」ってなる。
    自分も誰かと過ごしてきた時間や、モヤモヤが全部思い出されるような読書時間だった。

    ハッピーエンドじゃないけど、それもまたリアルで、だからこそ胸に残った。

    学生時代の恋愛とは違う、「大人の恋愛」の不器用さにぐっとくる一冊だったな、友だちにも勧めたい。

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    2025年08月02日
  • あのころなにしてた?(新潮文庫)

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    ネタバレ

    綿矢りささんのエッセイ。
    エッセイというか2020年(コロナ禍)に書かれた日記です。

    液体石鹸から固形石鹸に変えたり、安売りされてるオリンピックグッズを見て切なくなったりは共感。
    あと遅まきながら五木寛之さんの大河の一滴は読もうと思いました。

    あとがきが凄く良かったです。特に最後のところ。
    引用。
    とりあえず、くつろぐ。難しいけれど、今必要とされるスキルかもしれない。暴風で前髪がぼさぼさになりほとんど前が見えなくても、飲んだ紅茶に風で飛んできた砂ぼこりがいっぱい入ってても、のどかに飲んでいる体を失わずにリラックスする。やせ我慢と紙一重の、のんびりしたひとときだ。一度泣いたらもう立てないと直

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    2025年07月31日