綿矢りさのレビュー一覧

  • 二周目の恋

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    初めてでもなくて、2度目でも最後でもなくて「2周目」。ひと通りの経験を積むとこういう大人になるのかな。
    普段、恋愛小説は読まないけれど、人気作家が色々な角度から描く恋愛小説は面白かった。
    特に「カーマンライン」が好きだなと思った。

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    2023年10月31日
  • しょうがの味は熱い

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    はじめは絃くんこだわり強すぎじゃない?本当にこんな人と暮らしていくの?と思いながら読むけど、だんだん奈世ちゃんも奈世ちゃんでやばいな…と察しがついてくる。
    解説で「変な女」と断言されていてちょっと面白かった笑
    綿矢りささんが描く、どことなく危ういところのある女性像が好き。

    奈世ちゃんとご両親の喧嘩のシーンはつらかった。。
    優しいご両親のもと愛情を受けて育ったんだろうなと思いつつ、大学を卒業した娘が一度もていしょくについてないことをわりと受け入れてるところ、誕生日プレゼントの相談をするところは、なんだか甘やかしてるなあと感じた。

    自室で泣いている奈世の気配を察知する両親に関する描写が好きだっ

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    2023年09月29日
  • Yuming Tribute Stories(新潮文庫)

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    松任谷由実さんの楽曲をテーマに各作家さんが書いた短編集。
    個人的には「春よ、来い」が一番好きだった。3人の視点から描かれるストーリーで、一見全く設定のない3人がどう関わってくるのか楽しかったし、ちょっとファンタジー的要素もあって(読んだ人にはわかる「あれ」)、なんだかあったかい作品で素敵だった。そして、ちゃんとユーミンのことが書かれてた。

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    2023年09月20日
  • 二周目の恋

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    二周目の恋ってなんでしょ。
    人気作家さんお揃いのアンソロジー。

    「最悪よりは平凡」島本理生
     妖艶な名前を持つ女の子は平凡を目指す

    「深夜のスパチュラ」綿矢りさ
     勝負のバレンタイン。彼氏は凄腕。

    「フェイクファー」波木銅
     着ぐるみ同好会。

    「カーマンライン」一穂ミチ
     アメリカと日本。離れて育った男女の双子の擬似恋愛。

    「道具屋筋の旅立ち」遠田潤子
     かわいいを振り切った女子は、カッコよく生きるのだ。

    「無事に、行きなさい。」桜木紫乃
    アイヌ語で アパンノ パイエ 「さよなら」がない民族

    「海鳴り遠くに」窪美澄
     程良い年齢の百合。

    二度目ではなくて二周目ってキーワードが難

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    2023年08月27日
  • 蹴りたい背中

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    一気に読み切ってしまった(苦笑)

    学生時代の痛い思いが蘇る。

    あぁそうだ、自分もこんなだった。
    充実してない青春してない学生時代だった。

    学生時代ってともすれば、思い通りにならない、一番生き苦しい時代だよなー。

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    2023年08月07日
  • 生のみ生のままで 下

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    ネタバレ

    わたしにとって綿矢りさは合う合わないが極端に分かれる作家なのだけどこれは合わない方の綿矢りさだった。
    物語の展開はシンプルというか何かのテンプレートか?と思うくらいにお決まりのものばかりで、まあ、あるよねこういう物語…という感想。劇的な恋の落ち方、彼氏との別れと反発、同居、見え見えな感じで入ってくる邪魔、そこからの別れ、からの復縁、などなど…
    ただ、逢衣のモノローグはとても鮮やかで、綿矢りさの力はここに表れているのだなと感じた。抑えめながらも情緒的で情熱的。すばらしいと思う。
    そして彩夏が逢衣の存在を周囲に明かさないと選ぶこと、逢衣の家族の反応など、読者に夢を見させない展開も綿矢りさの意図する

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    2023年07月23日
  • 夢を与える

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    ネタバレ

    はじめが長々としんどかった。
    最後まで読んでそこの恵まれていた感じが必要なものだったのかもとは思った。
    正晃とのところも先の読める展開で
    やるなよ、やるなよ、という
    親と事務所、そして読者の思いを
    夕子が綺麗にぶったぎっていく。
    夢を与える側の人間の自業自得のお話。
    思春期の失敗がここまでのことになる
    芸能界大変やなぁ…

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    2023年07月21日
  • 意識のリボン

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    読みやすかったけど、エッセイなのか小説なのか混沌して作中に入り込めなかった。
    (綿矢りさに高校生の娘いたっけ?あたりで小説だと気付いた)
    でも「意識のリボン」と「履歴の無い妹」は面白いというか考えさせられることが多く読み応えあった。
    特にこの一文はとても好き。

    “本物の”“生の”写真なんて、私はいらない。嘘っぱちでもいいから、笑顔でピースしている写真さえあればいい。人生で残しておく思い出は、安心で、たいくつな方がいい。

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    2023年07月03日
  • 私をくいとめて

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    今までの綿谷作品とは一味違うように感じた本作。相変わらず自分の世界に閉じこもり気味な主人公ではあるものの、お一人様を満喫しながら、周りのみんながなんだか憎めず、毎週楽しみにしている30分ドラマを観ている感覚に陥った。
    2020年の作品だし、何か心境の変化でもあったのかな。表紙センスは相変わらず素敵

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    2023年07月02日
  • 夢を与える

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    夕子が恋に落ちるまでを長く感じ、読んでいる当初は苦痛に感じることもあった。しかしながら、裏を返せば人生は基本的には淡々とした毎日の繰り返しであり、ある日突如崩れゆくものなのだということを表していると思うと、前半部の夕子の幼少期から中学生までの期間がいかに大切だったかを読後に感じた。特に自然に囲まれた中でのびのび成長していく夕子と多摩のお互いまだ恋心とも自覚しないような関係性の可愛らしさと美しさがが際立つ。
    また、「夢を与える」という言葉に違和感を持っていた夕子が自らが夢を与える側になったという際に、その違和感を失ってしまっていたことが切ない。そして、最後に「夢を与える」とはどういうことか、自分

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    2023年06月30日
  • Yuming Tribute Stories(新潮文庫)

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    あまり歌詞リンクしている感じはしなかった気がする(あまりユーミン詳しくないのもあるかもだけど)

    綿矢りささんの青春のリグレットは綿谷さんらしいぶっとんで振り切った感じの主人公で面白かったし、歌詞と相まって忘れられない恋がある人には刺さると思う。
    「尽くされるより尽くす方が好き、自分が心から愛せる相手と一緒になることん夢見ていた20代のころ」

    春よ、来い
    「合コンが苦手じゃない男や女ってあんがい少ないんだよ」合コンって結局、互いを値踏みしてアピールする競技でしょうそんなのが好きな人間ってスポ根マンガに出てくるようなタイプの人間だけだから。

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    2023年05月31日
  • 生のみ生のままで 下

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    一昔前に比べたら、多様性が叫ばれるようになって、ずいぶん生きやすい時代にはなったけれど、
    好きになった相手が同じ性別だから、家族になることを諦めざるを得ない状況、なんとかならないか。
    場合によっては未だに同調圧力が凄まじいことも多く、マイノリティは蔑ろにされがち。
    ただ、心の性を偽るのはいかがなものかと思う。
    心の性がどうであれ、性別でトイレや更衣室の使い分けることには特に何の思い入れもないし、それをありがたく享受しているわけでもない。それらに対して強い拘りを持っている時点で…とは思う。
    いくら心の性が女性だからって、男の外見をした人が入ってくるのはこわいし、同性ならそれがわかるはずなんだけど

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    2023年05月30日
  • 生のみ生のままで 下

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    ネタバレ

    かわいそうだね?を読んでみて、同じ作家の他の本も読んでみたくなり手に取った本。
    同性愛についての話で結構読んでいて辛くなることも多かったけど、想定よりは世間から貶められることなく(本人たちはかなり傷付いてはいたけど)幸せな結末を迎えられてよかった。
    彩夏は頭の中では今田美桜のイメージ。

    人生の短いひととき、なんで自分を、もしくは誰かを、むげに攻撃する必要があるだろうか。同じ時代を生きているだけでも奇跡のような巡り合わせの周りの人を。
    がほんとそのとおりだなと。

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    2023年05月27日
  • 生のみ生のままで 上

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    性別や立場を超えた愛のお話。
    誰かを好きになるとは、こういう感覚のことを指すのだろうか。
    やや中弛みはあったが、下巻が気になる終わり方。

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    2023年05月27日
  • 夢を与える

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    前半はだらだらと長ったらしい印象でした。
    ただ恋をしてからの展開は、予想できつつも次が気になり読み進めていました。
    若いときの恋の失敗は、大小はありますが多くのひとにあると思います。頭の片隅でやめなければならないとわかっていても、実際は流されてしまう。昔の自分と重ね合わせて、なんだか恥ずかしいような、また祈るような気持ちで読んだ作品でした。

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    2023年04月16日
  • Yuming Tribute Stories(新潮文庫)

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    ネタバレ

    ユーミンを聴きながら読む、曲を小説に合わせて読むのは初めての体験。音からも世界の広がりが感じられて面白かった。

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    2023年04月03日
  • 100万分の1回のねこ

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    長くかかってようやく読み終わった。絵本「百万回生きたねこ」をもとに書かれた短編集。
    個人的に好きだったのは
    江國香織、岩瀬成子、井上荒野、町田康の作品。江國香織はやっぱり私の好みドンピシャだ〜。

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    2023年03月25日
  • Yuming Tribute Stories(新潮文庫)

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    ユーミンの名曲と作家が紡ぐ6編のストーリー。

    ○あの日にかえりたい〜小池真理子
     ちょっとした嘘で気まずくなった友、苦い思い出。
    ○DESTINY〜桐野夏生
     規則正しい生活の中に運命の人だと感じた出会い。
    ○夕涼み〜江國香織
     老女たちの沈黙の中に見えてくる感情。
    ○青春のリグレット〜綿矢りさ
     身勝手な主人公はどうするのだろう。
    ○冬の終わり〜柚木麻子
     女たちの感情のやりとりがあるある。
    ○春よ、来い〜川上弘美
     願いを叶える能力があれば、どう使うのか。
     きっと春は来る…という結末。

    ユーミンの歌は、どことなく哀愁があって心にじんわり沁みてくる。
    それに合わせて物語もありふれた日常

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    2023年03月24日
  • ウォーク・イン・クローゼット

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    ストーカーの方は共感出来る人物もいなくて、イライラした。なぜ警察に届けないのか、ずっとイライラしっぱなし。最後もモヤっとした終わり方。

    表題作のウォークイン・クローゼットの方がスッキリ。早希の洋服好きは読んでいて清々しい。買って着るだけではなく、ちゃんと手入れをして保管もしている。付き合う男性に合わせて洋服を選ぶ徹底ぶり。
    一方だりあは、幼い頃からから母親に着せ替え人形の様にかわいい洋服を着せられて、現在も自信がないからとスタイリストが選んだモノを買い取っている。でも洋服には興味が無いというのも皮肉だ。
    それでもお互いを軽蔑する訳でもなく、良い関係を続けている。最後だりあの洋服たちも洋服好き

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    2023年03月18日
  • Yuming Tribute Stories(新潮文庫)

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    毎週末スキー三昧だった20代の頃。クルマでユーミンの番組をラジオで聞きながら帰路に着くのが常だった。ラジオからはユーミンの曲とリスナーから寄せられた葉書がオーバーラップしてた。

    50周年記念のアルバムから6つのストーリーが作られている。ユーミン、全曲聴きながらストーリーを妄想したくなる。
    「あの頃に帰りたい」帰れないけど、思い出にはひとり帰ることはできる。せつない。

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    2023年03月07日