綿矢りさのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
不登校の高校生・野田朝子は、自身の友人で担任の恋人である光一に頼み、母には事実を知られることなく日常生活を送れていた。部屋にある物を発作的に捨てた朝子は、亡き祖父から贈られたが電源が入らなくなったコンピューターを、通りかかった住人の小学生(12歳)・青木かずよしに譲り渡したことをきっかけに二人の関係は始まる。
ネット上では身分を偽り、いわゆる「ネカマ」であったかずよしが、1年に渡り連絡を取り合っていた子持ちの売春婦・雅の紹介により、二人は文字のみで相手をもてなす「風俗チャット」で働くこととなる。
.
厄介な客が一人の少年に手のひらで転がされた挙句、“落ちる”。
青臭くて、でも決して稚拙な文 -
Posted by ブクログ
ネタバレうーむ。好きです。やっぱ好きです綿矢りさ。ええなあ~、ってね、思いますね。
いなか、の、すとーかー
最初は、正直、あんまオモロないなーって思って読んでまして、最初は、というか、中盤も終盤も、正直、あんまオモロないなーって思って読んでまして、うーむ。こりゃちょいハズレか?とか思ってたんですが。
物語の最後の最後、ホンマの最後の最後で、ビックリするほど話が動く。話が動く、というか、主人公の石居透の気持ちが、というか意識が、途轍もなく一気に動く。その動きっぷりの凄さが凄い。
ある意味、ウルトラご都合主義的な、デウス・エクス・マキナ的な、「え?なにこの無理やりな纏め方?」的な、ちょっと無茶苦茶こ -
Posted by ブクログ
少し前の新聞に中村文則の「掏摸」が紹介されていた。中村さんは今や海外でも名を知られた作家だが、そのきっかけになったのが大江健三郎賞を受賞した本作が、賞の特典として翻訳されたからだ、という内容だった。
大江健三郎賞は聞いたことがあったが、選考委員は大江健三郎さんひとりで、賞金の代わりに海外に翻訳されて紹介される、賞は八年続いて既に終了しているということも知らなかった。
で、その賞の始めから終わりまでの受賞作の紹介とそれぞれの著者との対談を収録されているのが本作。
なかなか手ごわい本だったがおもしろかった。
受賞作のどれも読んだことが無いが、長島有の本は読んでみたいと思った。対談も一番楽しかった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「私、毎日みんなと同じ、こんな生活続けてていいのかなあ。みんなと同じ教室で同じ授業受けて、毎日。だってあたしには具体的な夢はないけど野望はあるわけ。きっと有名になるんだ。テレビに出たいわけじゃないけど。」
初っ端から痛々しさの漂う、受験を控えた高校生の女の子。クラスメイトに唆され登校拒否することに。ついでに全てを捨て(物理的に)、小学生の男の子とエロチャットのアルバイトを始める。
胸の膨らんだ身体に慣れて、生理ナプキンの交換にも手なれてきはするけど、17歳ってやっぱりまだ子どもだった。自分なら何にでもなれるんだっていう選民思想と、自分はこんなもんだっていう諦観がせめぎ合う。無理してはしゃ -
購入済み
むき出しの自意識
オサーンになってしまうとリアルに感じることは難しいけど、たしかにこういう自意識のかたまりみたいな時期もあったような。
思い出すとこそばゆい。
このストーリーに反発を覚える人の気持ちもわかる気がする。 -
Posted by ブクログ
綿矢りさの作品を初めて読んだのは中学生の時で『蹴りたい背中』でした。
そのときに「この人の書く文章ってすごくかっこつけてて、あぁ、最年少受賞ってこういうことなのか」なんてことを生意気にも思いました。
それから立て続けにこちらの「インンストール」も読みました。当時は個人的にはインストールのほうが話が単純で入り込みやすくて好きでした。これを17歳で書いたかと思うとやっぱりすごい!
今になって綿矢りさの本を読むと、このかっこつけた言い回しや、どや顔感は、主人公の女子高生の、ちょっとひねくれてて『自分は周りとは違うんだ』
って思って毎日を過ごしてる感じを出したいが為のものなのかもなあと思う(ことにし -
Posted by ブクログ
主人公がまったく自分とは違うタイプの人間なので、俯瞰して物語を楽しむことができた。帯に悪女と書かれていたのでどんなに悪女なのかと期待していたが、悪女と評されるほどの悪事は働いてはいないと思う(※未遂はある)
良くも悪くも自分に正直で勝気で程よく嘘を吐きながら生きている様は小気味よくさえ見える。情弱のくだりと阿Q正伝のくだりは興味深く読んだ。阿Q正伝を引用しながら語る夫側の主人公への評は、的を得ている部分もありながらどこか主人公を見下している考えが透けて見えてきたので不快だった。
ブランドのくだりはわかりきった帰着ではあるが、この主人公にとって必要な思考だったのだと思う。このままメンタル最強を目 -
Posted by ブクログ
ネタバレテンポがよく、イッキ読みできる小説。
文体も軽く、もはや菖蒲のエッセイを読んでいるような気分。
今が楽しければいい。人生エンジョイ勢。
自分とは少しかけ離れているキャラクターで、どこか羨ましくもあるような性格。
ただ、将来、菖蒲の「食いぶち」が無くなり、エンジョイ出来なくなった時、税金に頼って菖蒲が生きていく姿を想像してしまい、やるせない気持ちになってしまった。
そんな状態でも、「勝ち」と思って生活されてたら、あまりにも世の中の大半を占めるであろう「人生エンジョイ勢」ではない側の、真面目に生きてきた人間が可哀想。
そんな余計なことを考えてしまう精神状態じゃなければ星5もありえたかも?