綿矢りさのレビュー一覧

  • 手のひらの京(新潮文庫)

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    読んでいる途中で「これ京都の人じゃないと書けない内容なのでは?」
    と思う内容だった。
    作者の出身地とか調べることなんてめったにないのに調べたら京都出身だった。
    ただ京都の町を描くんじゃなくて、住んでいた人にしかわからないような特別な空気感がずっと漂うような小説に感じた。

    ところどころにクスっとくるような場面も度々あったりして
    「分別ある大人同士の会話として、ところどころ相手を褒めながら和やかに会話は進むが、その一方で綾香は、自分たちはまるでお互いのお尻の匂いを嗅ぎあってる、散歩の道でばったりでくわした犬同士みたいだ、という思いもあり、気恥ずかしさを抑えるのが大変だった」
    こういう感覚を持てるなんてすごいなあと思ってしまった。

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    2025年12月17日
  • 私をくいとめて

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    主観の客観性

    Aのような存在がいたら、私ももっとマシな人間だったろうか
    わからないけど、Aの母体は結局自分だった。だから信じられるのは、自分なのだろう最後には。

    自在に操れるのなら、頭の中に平安貴族とゴリオネエがいてほしい

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    2022年12月04日
  • 憤死

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    「トイレの懺悔室」のうひー!って感じのラストがいい
    憤死での考え方や楽しみ方、
    人生ゲームは深くて、全体的に読みやすかった。

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    2022年11月22日
  • 私をくいとめて

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    ネタバレ

    p120
    山羊のにおい

    p230
    根本的に必要じゃなくても、生活にあるとうれしい存在はたくさんあるんです。というか、私たちはそういうものばかりに取り囲まれて生きていますよ。根本的に、なんて思いつめなくていい。

    勝手に揺れてろ、

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    2022年11月19日
  • 憤死

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    明るい表紙とは対照的な短編集。
    特に「トイレの懺悔室」は子供時代特有のじわっとした後ろめたさを感じながらも、最後の描写には思わず息を呑んだ。

    「おとな」は実体験なのだろうか。
    "彼らはいつも笑顔だった"という最後の一文は、映像で想像できそうなくらい気持ち悪かった。うわぁ。

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    2022年09月25日
  • 憤死

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    いろんな意味でゾッとして楽しかった。
    たしかに「憤死」ってすごい言葉。映像で見たわけじゃないのに怒りのダンスの映像が頭から離れない。

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    2022年09月08日
  • 私をくいとめて

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    私はこの小説で面白いと思ったことは自分の中に存在していたAが最後に消えてしまったことです。最後まで主人公の中にいていつものように支えています。という終わり方だと思っていたので想像の逆をいって面白かったです。このラストで主人公がAがいなくても生活できるとAが判断したからだと気づくことが出来ました。aとの掛け合いも面白かったです。

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    2022年08月04日
  • 憤死

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    自分好みの全体的に少し後味の悪い、人間の負の部分に焦点を合わせた話が多かった。特に「トイレの懺悔」は人の狂気じみた一面が強調されていた。まるで実体験のように書かれた「おとな」も同様、消化不良な気分にしてくれた。もう少しポジティブな終わり方の「憤死」も好奇心とマウントで出来た表面的な友情の描き方が良かった。

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    2022年04月11日
  • ウォーク・イン・クローゼット

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    2話収録。『いなか、の、すとーかー』田舎にUターンした新進気鋭の陶芸家にストーカーがつく話。展開が予想できたので面白さ度はやや下がった。『ウォーク・イン・クローゼット』常に男ウケを意識した洋服選びをしている早希。デート三昧の日々を送りつつもこれといった彼氏は見つからず。そんなある日、幼馴染でタレントのだりあがスキャンダルに巻き込まれそうになる、という話。こちらは軽い読み心地だけど楽しめた。早希はモテを意識しつつもしっかりした一面もあり等身大の女の子という感じがして好感が持てた。ラストも好き。

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    2022年04月06日
  • 意識のリボン

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    なんとなく手に取る機会がなかった
    はじめての綿矢さん作品。
    ⁡
    リボンモチーフのものが好きなわたしは
    ただ単純にタイトルに惹かれ
    装丁のイラストのタッチも好みだったから
    パッと目についたのがきっかけ。
    ⁡
    ⁡
    独身女性、母、妻、娘…女性が主人公の短編集。
    「こたつのUFO」「怒りの漂白剤」そして
    タイトルにもなっている「意識のリボン」が
    好きだった。
    ⁡
    ⁡
    ここしばらくの自分と重なるものが多すぎて
    ちょっと苦笑いしてしまう場面も。
    ⁡
    怒りは、ちょっと厄介だ。
    そのまま放置していればどんどん膨れ上がり
    いつか爆発、暴走しかねない。
    かといって、ないものにはできない。
    そこのところのさじ加減を
    見つめるきっかけになったし
    いまの自分の受け止め方や対処の仕方を更新。
    ⁡
    ⁡
    “意識”については、まだまだ大人になりきれていない年頃からぼんやりと考えてた。
    心ってなに?どこにあるの?
    意識って?意識と無意識のさかいは?
    ⁡
    この本のなかに、その答えのようなものがあった。
    ⁡
    父が逝ってしまったときから、“この世”も“あの世”も自分とぜんぶが一体化したように思う。
    安心したくて、そう思いたいのかもしれない。
    でも、そこから見守られながら
    わたしの意識とわたしは結ばれているんだと思うと
    安心感で包まれる。
    ⁡
    ⁡
    綺麗事ではなく
    人間臭い負の感情と呼ばれるであろう
    怒りや情けなさ…
    そういう部分に蓋をすることなく
    まっすぐでリアルな感情むき出しの描写に
    とても共感したし、好感が持てた。
    なんだかホッとできた作品だったな。

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    2022年04月03日
  • 意識のリボン

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    不思議で、どこか怖さのある短編集。
    昔読んだのを読み返してるけど、全然覚えていなかった。

    ●履歴のない女
    娘と自分が、肺炎をきっかけに剥がれる。
    病気になったのが自分じゃなくてよかった、と思ったと。
    妻や母の役割が剥がれて、自分になるきっかけがわたしにも訪れるのかも。不思議な読後感。

    ●履歴のない妹
    妙に魅力的な、裸の写真にまつわるお話。
    本物の、生の、写真なんて私にはいらない。笑顔でピースしてる写真さえあれば良い。って言い切る潔さ、自分にはまだ無い。

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    2022年03月17日
  • 100万分の1回のねこ

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    その絵本の内容を忘れてしまったが、
    これだけの作家達に、これだけのお話を作らせるんだから、すごい絵本なんだな、と思う。

    大人になって楽しむ本があることに、幸せを感じる。

    挿絵を描いていたという方の話が、一番、絵本に近いんだろうな、という予感。

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    2021年12月26日
  • 100万分の1回のねこ

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    絵本「100万回生きたねこ」のアンソロジー本。途中、あれ?猫出てきたっけ?っていう作品もあったけど、基本、要所要所に猫が登場。でも、猫飼い的に胸が痛くなるような描かれ方もあって、さすが100万回生きたねこだな。
    そういえば、100万回生きたねこは幸せなのかどうかって論争もありましたね。きっと、そんな流れから出てきた本なんだろうけど。これ。

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    2021年12月10日
  • 意識のリボン

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    みなさんおっしゃってる通り、エッセイなのか小説なのか分からない不思議な短編ばかりだった!
    「こたつのUFO」にあったように、書いたものからその筆者の人柄を判断してしまうのは多かれ少なかれあるなあ、と思った
    何ならその人がどういう文章を読むかでも判断してしまうこともあるし
    相手のことを知りたいと思ったときに、相手がどういうものを作るか・好むかから知ろうとするのってよくないのかな

    とか言いつつ「怒りの漂白剤」を読んで、そうか綿矢さんの文章から感じるエネルギーって根底には怒りがあるのかなって納得してしまった

    「意識のリボン」は、ちょうど同じタイミングで読んでた
    全然雰囲気の違うような2作だけど、フランクルの「それでも人生にイエスと言う」と同じようなメッセージを感じたところがあった(愛に関するところとか、その人なりの実りある人生だったっていう記述とか、意味/超意味みたいなところとか)

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    2021年11月17日
  • 意識のリボン

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    超久しぶりの綿矢作品は短編集。エッセイなのかと思わせる小説、独特の捻くれた視線が鮮やかな小説、どれも面白かった。

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    2021年09月30日
  • ウォーク・イン・クローゼット

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    ネタバレ

    ストーカーの話は終盤どんどん盛り上がっていくのに、オチが尻すぼみな気がした。
    ウォークインクローゼットは、20代女性の話。共感できると面白いと思う。

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    2021年08月01日
  • 蹴りたい背中

    ネタバレ 購入済み

    ハツが自分に向ける感情に気づいていながらも、それを何でもないことのように受け止めるにな川の感じがいいですね。

    #感動する

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    2021年06月24日
  • 意識のリボン

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    エッセイ集のような短編小説集。
    「こたつのUFO」の突拍子もなさに笑いながら、姉妹の話に心当たりがあってすこし気分を害しながら(それだけ巧みだということ)。だけど「意識のリボン」表題作で、それまでのちまちまとした感情を突き抜けてしまった。
    ずっと読んできた綿谷りさによる、魂と肉体とひかりの話を読めるなんて最高としかいえない…この1篇があるから手放せない1作になりました。

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    2021年04月06日
  • 意識のリボン

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    綿谷りさの表現力には脱帽。この話は小説というより、 名前の知らない女性たちの日記を読んでいるかのよう。だから、面白いではなく、共感できるといった感想が沸く。 頭の中で渦巻くもやもやに形を与えてくれた。
    特に好きなのは、怒りの漂白剤。

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    2021年03月29日
  • インストール

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    不登校の高校生・野田朝子は、自身の友人で担任の恋人である光一に頼み、母には事実を知られることなく日常生活を送れていた。部屋にある物を発作的に捨てた朝子は、亡き祖父から贈られたが電源が入らなくなったコンピューターを、通りかかった住人の小学生(12歳)・青木かずよしに譲り渡したことをきっかけに二人の関係は始まる。

    ネット上では身分を偽り、いわゆる「ネカマ」であったかずよしが、1年に渡り連絡を取り合っていた子持ちの売春婦・雅の紹介により、二人は文字のみで相手をもてなす「風俗チャット」で働くこととなる。
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    厄介な客が一人の少年に手のひらで転がされた挙句、“落ちる”。

    青臭くて、でも決して稚拙な文章というわけではなく 当時 現役高校生の綿矢さんにしか書けない、これぞ等身大のお話だった。

    私の初綿矢作品が『勝手にふるえてろ』だったためか、綿矢りさ=恋愛小説のイメージが定着していたから このデビュー作には意外性を感じた。

    自分が学生である“今”、読めて良かった…

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    2021年03月04日