綿矢りさのレビュー一覧

  • パッキパキ北京

    Posted by ブクログ

    その場しのぎで生きられる、正真正銘の根から明るい女が、旦那さんの駐在に帯同して中国で過ごす物語。
    怖いもの知らずの人ってこんなふうに考えてるんだ!と思った。私とは真反対のタイプなので興味深かった。

    ただ、
    “大体日本はカワイイを全力でやる女子に対して、ブリッコとかあざといとか年考えろとかモブのひがみ根性からの横やりが入りすぎるのだ。可愛くてうるうるでちゅるちゅるなのが好きなんだからどんなカッコでもいいじゃねえかうるせえ、と批判をはねつける強さがあれば、もともと可愛いものが好きな日本女子の感性は中国よりももっと細密に発展するだろう。カワイイと相性が良いのはカヨワイとオサナイだけじゃない、カワイ

    0
    2025年10月13日
  • 蹴りたい背中

    Posted by ブクログ

    陰キャと陽キャ。

    陰キャと陽キャは決して交わらない。
    自分の自意識過剰さ加減は自分では気づけない。

    いろんな感情が入り交じって「蹴りたい」気持ちに繋がるのだけど、そういった鬱屈した感情ってなかなか人には理解されないかな。

    気持ちは少し分かる気がするけど、まぁ、背中は蹴らないよね。

    0
    2025年10月13日
  • Yuming Tribute Stories(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ユーミン、中学生の時、同級生女子からアルバム借りたな。思春期だな、嫁がファンじゃ無いから疎遠になったけど、ホントはこんな世界観が自分にはあってたかもね。

    0
    2025年10月11日
  • 蹴りたい背中

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    高校1年生の初美(ハツ)とにな川を中心に展開していく。主人公ハツには中学からの友達だった絹代が同じクラスメイトだが、すでに絹代は他の仲間を見つけ、その対比が切ない。自分と合わない人間と馴染む気はないが、一匹狼にはなりきれないハツからは未熟な感じが伝わる。一方で、にな川は推しのオリちゃん以外に関心がなく、同じクラスの余り者のハツとは対照的で、そこにハツも興味を持ったのだと思う。思春期特有のもどかしさを感じつつ、蹴りたい気持ちは理解しきれなかった。ただ、それくらい衝動的な心の動きがあったということかな。

    0
    2025年10月11日
  • 激しく煌めく短い命

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    本筋を補強するような脇道の細かいエピソードが丁寧なのだが、読んでいてこれ本当に必要? と思ってしまうことが多々あった。
    地の文の描写の美しさはさすが。

    0
    2025年10月11日
  • パッキパキ北京

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    シャネルも持たないで女も磨かずに、この私のままで、永久に世界に完全勝利するの。
    というフレーズで、最近辞めた職場の派遣社員を思い出した。彼女は1週間当欠を繰り返し、しまいには月に4日しか働かない人だった。実家暮らしでさぞ甘やかされて育ったのだろう。
    私は彼女が嫌いだったし、人手不足の職場で彼女を好きだった同僚は居ないだろう。
    だけれど、彼女の毎日欠かさず嘘だとわかる嘘をついて休みの連絡を入れてくるあたりや、職場の置いてある薬を飲み散らかしたり、最小限の仕事しかしないのに福利厚生を最大限に利用しようとする図太さ。
    彼女は完全勝利女だったのかもしれない。

    マインドは見習うべき点もあるし、本で読ん

    0
    2025年10月11日
  • 蹴りたい背中

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    まだ力がなくて不安や劣等感に押し潰されそうなのに、妙にプライドが高くて弱さや自分の置かれている立場を上手く認められない絶妙な思春期の心情を上手に表していると思った。
    可愛いとは昔、かわいそうから来ていた言葉だったらしい。可哀想と相手を見下しているのに、それが可愛いというような肯定的?な感情を巻き起こしてしまったのかなーと。そしてそんな可哀想で好きな彼をいじめたくなるような感情が生まれてしまったのかなと。
    可愛いものをいじめたくなる、分かるような気がする。

    0
    2025年10月07日
  • しょうがの味は熱い

    Posted by ブクログ

    読み始めはただよくあるカップルのすれ違い程度に思っていた。弦は毎日仕事に勤しみながら、プライベートの時間を阻害されてる気分に、自分の気持ちを察してくれない奈世にうんざりしていた。奈世はその少しそっけない弦に振り向いてもらう方法がもう結婚以外に見つからず、結婚さえすれば魔法がかかるかのように2人の関係が修繕されると信じてた。
    だけど、ストーリーが進むにつれ、奈世の異常なまでの弦への執着や感覚の違いを感じる。時間が経過し弦は奈世を迎えに行きプロポーズするが、両親は猛反対。結婚を断ればもう先はないかもしれないというその揺らぎこそ、結婚という事への執着を表すのかもしれない。
    綿谷りさの文章は、とても比

    0
    2025年10月05日
  • 蹴りたい背中

    Posted by ブクログ

    主人公はどこか周りと馴染めずにいる女子高生の絹代。そんな彼女はクラスメイトの所謂陰キャラの男の子と仲良く?なる。
    絹代はその男の子の家に何度か遊びに行ったりするうちに、色んな意味で気になる存在になっていく。
    彼には推しが居た。ファッションモデルのオリチャン。絹代が部屋に遊びにきていても気にせずにオリチャンオリチャン。今からオリチャンのラジオ聞くから、って絹代は放置されて、彼の背中を見つめていると「蹴りたい」という感情が芽生えてほんとに蹴飛ばしてしまう(´∀`)

    好きとか嫉妬とかムカつくとか気持ち、そういうの全部ひっくるめての「蹴りたい」だったのかな?

    絹代は一度も彼のことを好きと認識してい

    0
    2025年10月04日
  • ひらいて

    Posted by ブクログ

    突拍子もないシチュエーションがいくつかあってそこはちょっと冷めるのだけど、愛の心情、欲求には身に覚えがありすぎた。自分の心を体を支配している激烈な感情に身を任せてなりふり構わず振る舞う身勝手さはかなり私と重なる。
    時間の経過で色褪せるだろうことは薄々わかっていても、今この瞬間に爆発的な存在感を得ている激情をなんとかしないと、生きていたって意味がない。絶対的に不正解だとわかっていても、素直に自分の心に従って、何とか期待しているものを手に入れないと、それができないのであれば何とかこの手でぐちゃぐちゃにしないと生きていてもどうしようもない。そんな焦燥感、大丈夫でない時に大丈夫じゃかくても大丈夫と一旦

    0
    2025年10月02日
  • 激しく煌めく短い命

    Posted by ブクログ

    女性を恋愛対象とする方がいとも簡単に枕営業なんてしちゃうかな。
    第一部の中学時代も別になくても良いようなエピソードが多いなと思った。もっと10代後半から20代の話が欲しかった。中学時代は子供っぽかった久乃がどういう経験を経て大人になっていったのか。

    0
    2025年10月03日
  • パッキパキ北京

    Posted by ブクログ

    中国って行ったこと無いけど、こんな感じなんやぁってイメージできた(´∀`)

    菖蒲みたいにどこに行っても楽しく過ごせる人っていいなって思いながら読んでたけど、20歳上の旦那から子作りの提案されて、断ったら離婚するって脅されて涙が出そうになるのを、飲み込んで強気に振る舞おうとする一面もあったり、とっても人間らしい描写だなと思いました。

    中国にはたくさんの赤があったり、話す人の声が大きかったり、とてもエネルギッシュな国なんだな。
    日本人は親切みたいなイメージあるかもしれないけど、出国前に菖蒲に会った女友達みたいな「他人の不幸は蜜の味」タイプの嫌な人も結構多い。つまり、腹黒い人たち。、、、まぁ、自

    0
    2025年09月27日
  • 手のひらの京(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    3姉妹の物語というとすぐに手にとってしまう。だいたいが性格が全く違ってそれぞれの生き方に自分はどのタイプかと重ねたりする。今回のお話では3女タイプかな〜など自己分析。京都という特別な土地柄もありその情景が目に浮かび楽しめた。3姉妹のその後も知りたくもなるけれどこういう話はこんな感じで終わるのかな。

    0
    2025年09月19日
  • 勝手にふるえてろ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    永遠の命題、『追う恋か、追われる恋か。』オタク気質な主人公の、憧れの同級生イチと、自分を好いてくれた会社の同僚ニの間で揺れる感情を描いている。
    オタク女子らしい感情と不器用さに、学生時代の自分を重ねて、なんとも苦い気持ちになった。また女性の好きな人とそうでない人への感情の描写が、とても生々しい。
    主人公は最終的に、イチが自分のことを全く覚えていなかった事実にショックを受け、ニを選ぶ。追う恋より追われる恋を選んだのである。
    でもきっとニはハンター気質なので、主人公が振り向いたことで、遠くないうちに興味を失うかもしれない。だからこそ個人的には、イチと大人同士改めて仲良くなっていけばいいんじゃないか

    0
    2025年09月19日
  • インストール

    Posted by ブクログ

    著者が 17歳の頃の文藝賞受賞作。その後、「蹴りたい背中」が金原ひとみ「蛇とピアス」との芥川賞同時受賞で当時はずいぶんと話題を攫った覚えがあるが、それももうかれこれ 20年も昔の話かと思うと歳をとったものだ。いかにも若書きの駄作で、今読むと面白くも何ともないな。

    0
    2025年09月18日
  • パッキパキ北京

    Posted by ブクログ

    私的には3.5というところ!
    伊藤亜和さんのような口語のようなnoteの文章見たいな書き方はどうもスッと入ってこないらしい。あれ、川内有緒さんは別だな。
    とにかくそれが主に1.5下がった要因だけど、スピリチュアルビクトリーは心から共感できた!まだ季節が変わったら新しい洋服が欲しかったり眉毛のメイクが上手く行った時はハッピーだから考え方だけでスピリチュアルビクトリーを手に入れる域には到底辿り着けてないけど、非常にエコだし自分の機嫌は自分で取るの極みな気がする。
    アメリカからこの本をお勧めしてくれた花に感謝!

    0
    2025年09月14日
  • Yuming Tribute Stories(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    個人的に好きな女性作家ばかりのアンソロジー。
    ユーミンの曲を主軸に描かれる物語は、柔らかい表現だが女の「業」というものを彷彿させる。

    私が好きだったのは『あの日にかえりたい』貧乏暮らし学生の青春謳歌がきれいだった。
    壊れた後の関係値も儚くてうつくしい。

    空想と現実が入り交じるのがユーミンに沿っていてる人選だった。

    0
    2025年09月14日
  • かわいそうだね?

    Posted by ブクログ

     女の感情、女の世界、女にしか描けない小説。
    亜美ちゃんは美人は、確かに、美人は女の世界でも、もてはやされ、美人というだけで、一目置かれ。そして、この話でもテニスサークルの、美人とそうでない子への男子の扱い方が露骨。ありがちでムカつく。
     でも、期待してこないさかきちゃんや、新しい彼にしか心開けない、亜美ちゃんも、かわいそうな人なのかな。
     結婚して苦労してうまく行かずにもしかして離婚するのも、いい人生経験。それを後押しする、さかきちゃんは正解だと思う。
     

    0
    2025年09月10日
  • 勝手にふるえてろ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    主人公のヨシカには、「最愛だけれど、添い遂げられない」イチ彼と、「まったく愛していないにもかかわらず、将来結婚するかもしれない」二の二人の彼氏が存在する。言わば、追われる恋か追う恋かの究極の2択である。それに伴ったヨシカの拗らせ思考がとにかく面白く、易しい文章で読み進めやすかった。また、最終的にヨシカの「想っている私にこそ美がある」と結論付けする考えには腹を抱えた。

    0
    2025年09月08日
  • Yuming Tribute Stories(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    シンガーソングライターというのは物語を音に乗せて紡ぐ人なのだなと思った。
    ユーミンの曲にちなんだ短編のすべてよりユーミンの曲の方が何かを伝える熱量がある。

    これを読んでからあらためてこの6曲をSpotifyのプレイリストにして聴いてみた。
    その後もう一度読んでみたけど、やっぱり同じ気持ちだった。

    ユーミンが歌う情景は現実よりくっきりしている。

    本を読んだのに何故かユーミンの凄さを再認識した不思議な体験。

    0
    2025年09月07日