綿矢りさのレビュー一覧
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控えめな清楚系妻が妊娠をきっかけにファンキーに変身…なかなかの悪夢である。
どこぞの界隈の言葉だかも分からぬ口調に珍妙なファッション。
産前…紫坊主にヤンキーファッション
産後…角刈りにペーズリー柄の男物スーツ
お題「こんな妻は嫌だ」の良き解答になりそうだ。
もし自分が夫の立場なら、この変化を受け入れるのは難しい。どれほどの理由があったとしても、戸惑いは拭えないだろう。
軽やかなコメディとして楽しむべき作品なのかもしれないが、夫の不憫さだけが増して行き、素直にハッピーエンドとも受け取れず笑えなかった。
彼女はこのまま突き進むのか。続編が出たら、やはり気になって手に取ってしまいそうだが。 -
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綿矢りさ氏の新刊ですが、フォントや文字サイズの変化が特徴的すぎてSNSで話題になってましたね。
実際に自分の目で読んでみて、あの文字がバーンと出てくるとやっぱり笑ってしまった。妊婦も小説も、このぐらい自由でいいいのかもしれない。
「ヨウセイダーーーーーーッッッ!」はもうほとんど紅なのよ。
しとやかな女性であったはずが、表紙絵のようにキャラ変を遂げた由依のマタニティライフはさすがに強烈すぎて、セリフはところどころ寒さを感じるまであったけれど、総合すると面白かった。グレたというより、真面目に不真面目な妊婦だった。
一連の変化は、つらい不妊治療をやめようとした矢先に妊娠し、産まれてくる子を守るために -
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この主人公、銀座のホステス上がりの菖蒲姐さん、なかなかぶっ飛んでるというか、吹っ切れちゃってる人で、コロナ禍からそれが明ける頃の北京ライフをエンジョイしている様をにんまりしながら読んだ。
自分も北京で3年半暮らした経験から、「そうそう」と感じた(女性は大体の人が髪を伸ばしてロングヘアを背中の中央位まで垂らしてる人が多く、男性は短髪で側頭部が剃り込まれてて、性差がはっきりしてる、クラクションがひっきりなしに鳴り響く、きれいな近代的ビルと汚く匂う埃被った様な古く貧しい街が隣りあってる、街のあらゆる場所の細かいところで働いてる人が多い、市内の公園の池がパキパキに凍ってる、などなど)り、「あ〜懐かしい -
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ネタバレ綿矢りささんの独特な世界観が面白いときいて読んでみて、なるほどなと思った。たしかに、皮肉めいた表現とか独特な言い回しはスルーせずにはいられなかった。ハマる人はハマりそう。
こじれた人間関係のふたつの話、結末は痛快で面白かった。
特に後半の亜美ちゃんは美人の話。
亜美が選ぶ対人関係に違和感を抱いていたが、最後、その真理が明らかになったところ、ぐっときた。誰からも愛されて肯定されて羨ましがられる環境が逆に彼女を孤独にさせてしまっていたこと、だから自分に興味がない人、好きではない人を好きになってしまうということ、周りから見たら想像もしない悲しい人生でもあると思ったけど、それが彼女にとって本当に幸せな -
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クラスメイトのレベルが低いと見下し、部員のおしゃべりや顧問への媚売りをくだらないと軽蔑し、孤立は怖いくせにイキがっている主人公ハツは、拗らせ、まさに中二病。
思春期特有のもどかしい感情がみずみずしく描かれており、衝動に駆られて抱く「背中を蹴りたい」という不思議な感情こそ、第二次性徴を表現しているのかな。
その表現力すごいなぁ19歳綿矢りさ!!
ハツが観察する、にな川に対する気持ち悪さ、
口から唾をとばして話してくる、
着古して襟ぐりの内側が垢で汚れて茶色くなってるシャツ、
しゃぶりかけの飴を口から落とす、切符を噛む…
これらの気持ち悪い描写は、性への目覚め的なエロさを感じるし、背中を蹴る行 -
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平たく言ってしまえば、同性同士の愛と結婚…なんだけれど、なかなかの力作。引き込まれました。634ページの大作で、前半は京都での中学時代の久乃と綸。活発で、ちょっと不良っぽい仲間たちとつるんでいる綸。家庭科部に所属する勉強ができる久乃。家庭環境も友達関係もまったく違う2人は、ひっそりと付き合い始め派手な喧嘩で別れていく。
後半は、30代になり東京でトップ営業ウーマンとして暮らす久乃が、綸と再会したことから、二人の関係が動き始める。
中学時代の部分は一気読みしてしまったが、社会人になった東京での久乃のスタイルは、あまりに昭和っぽくて閉口した。それでも、最後に二人が選んだこれからに、ちょっと救われ -
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なかなかの長編で、読み終えるのにけっこう時間がかかりました。
女性2人の関係性を、中学の3年間と30代になって再会してからの2部構成で描いています。
同性同士の恋愛がメインとはいえ、毒親との関係、京都にある差別、女性が第一線で活躍するために払う犠牲など、多くの問題が盛り込まれていて、まぁまぁ重い感じで読み進めました。
主人公は子供の頃から、考えすぎるほど考えてしまうタイプで、それで動けなくなったり、咄嗟の判斷を誤ったりするのだけど、最後はなんとなくその殻を破ろうという意志が感じられ、ちょっと期待がもてたかも。
ただ一見虐待とまではいかない毒親の言動によるダメージを他人に理解してもらう難しさと、 -
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表題作の『かわいそうだね?』は
恋人である隆大が元カノのアキヨを
1人暮らししてる自分の家に居候させる話。
恋人が元カノを家に入れるなんてありえない。
その上、寝泊まりさせるなんて。
かわいそうだから、なんて言ってるけど、
じゃあ彼女である私は可哀想ではないのか?
悪いとは思わないのか?
自分がされたら嫌ではないのか?
アキヨが大変だから、という優しさで
そうしていたとしてもそんな優しさはいらない。
そんな断れない、優しくない優しさをもっている隆大に終始イライラした。
主人公もなんだかんだ許していたのにもイライラした。
もっと強く嫌がってもいいのに。
主人公がどんどん友達に隆大の話をできな -
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人を好きになる気持ちが分からないと言い切ってしまう海松子のキャラがとにかく強烈でした。お洒落にも恋にも興味がなく、脳内で失礼なあだ名をつけたり、口臭から食べ物を当てようとしたりする発想がいちいち可笑しいです。でも笑っているうちに、周りとうまくやりたいのに空回りしてしまう不器用さがじわっと伝わってきました。幼馴染やイケメン社会人に好意を向けられても、恋のスイッチが入らない感じも妙にリアルでした。特に海松子と萌音の会話がテンポよくて、少しズレたやり取りに何度も笑ってしまいました。二人の掛け合いがあるからこそ物語が軽やかに進み、読んでいて楽しかったです。