綿矢りさのレビュー一覧

  • 手のひらの京(新潮文庫)

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    京都を舞台とした、三姉妹の物語というところに惹かれ、迷わず手に取った。なかなかストーリーに入り込めず、読み進めるのに時間がかかってしまったが、後半あたり、お正月をみんなで過ごす場面から、奥沢家の空気感がリアルに想像できるようになり、読み入ってしまった。全くタイプの違う姉妹たちの仲の良さや、家族のやり取りに、自分が生まれ育った実家を重ね合わせて、温かい感覚に包まれた。姉妹で、同じ環境で生まれ育っても、全く違う性格で、人生になっていくのは当たり前のことなのだな、それでいいんだなと、控えめで心地良い幸福感、安心感に包まれて読み終えた。

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    2024年01月26日
  • 二周目の恋

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    一穂ミチの作品が1番好き。島本理生と綿矢りさも面白かった。
    窪美澄の話は私に合う合わないが結構はっきりしてて、この本に収録されてる話は面白かったけど合わなかった。最初の方の展開が急に感じた。特に2人が自己紹介してるところ。浮いてるように感じた。

    でもどうしてもセックスがえもいみたいな雰囲気苦手だな

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    2024年01月19日
  • 手のひらの京(新潮文庫)

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    正確には星3.6。
    三姉妹それぞれ個性豊かで、どの話も読んでいて面白かった。
    次女の羽依の話は、このタイプで京都弁で言い返すタイプは珍しく、笑ってしまった。でもしっかり現実は全部がうまく行かないと言うことも書いてあり、さすが綿矢さんだと思った。
    そして三女の凛の話。この展開にしておいて最後がああくるかと思ったけど、まぁ現実か。
    故郷を離れてみたい気持ちは分かる。京都に住んでいるわけではないけど、京都の閉塞感はわかる気がした。

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    2024年01月14日
  • 生のみ生のままで 下

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    上巻の(官能小説のような)俗っぽさが抜けて、恋愛文学作品としてとても楽しめました。
    逢衣と彩夏のもつそれぞれの自我(愛)はなかなか相寄らない振り子のように、でもときにリズムを合わせて仲良く時を刻むように、、
    2人の織りなす独特のリズム感がそのまま物語の抑揚として胸を躍らせてきました。
    対外的にも内面的にも、苦しみながら、真実の愛を築き上げていく姿が美しくて微笑ましくて、
    最後どういう結末なのかなぁとハラハラしながらも内心は安心感もあったり。
    心が洗われる作品でした。

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    2024年01月06日
  • 二周目の恋

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    ネタバレ

    「二度目の恋」でらなく、「二周目の恋」って何? と思いながら手にとった。
    恋愛小説のアンソロジー。

    同じ人にもう一度恋をする、というより、過去の恋の色んなものを乗り越えて、振り出しに戻って新しい恋をスタートさせる、というイメージかな。だからといって、すべての話がそうとは決まっていない。
    もうすでに「付き合ってる」ような感じだけど、明確にするために頑張る女子大生や、結婚を経験したのちに自分らしい恋愛をする女性。脱皮して一回り大きくなった人たちが出てくることは間違いない。
    昔は居心地が良かったけど、新しい世界で生きていると、なんだか昔のことを違う視点から見られるようになっている、なんてことはよく

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    2024年01月06日
  • 二周目の恋

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    オール讀物2023年2月号に掲載された女性作家による短篇をまとめたアンソロジー。タイトルの「二周目の恋」は雰囲気で付けましたという感じかな。
    お初の作家・波木銅さん「フェイクファー」は、ちょっと特殊な設定の作品で興味深く読んだ。
    綿矢りささん「深夜のスパチュラ」は、4回のデートを重ね明日のバレンタインデーはどうしようかと悩む女子大生の、告ったほうが負け(?)な話で笑えた。
    一穂ミチさん「カーマンライン」は、国際結婚で生まれた男女の双子が父親の死後離れ離れとなり、14年振りに再会するが……。断トツによかった。

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    2024年01月05日
  • しょうがの味は熱い

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    どこかですれ違って、それも分かっていて、でもどうしようもなく好きで。

    察してくれよと、分かってるでしょうと、相手に理解を求める。

    お互いに勝手だけど思いやりも持っている。

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    2024年01月02日
  • インストール

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    最近読むことが増えている綿矢りささんのデビュー作。

    月並みな言葉選びしかできないのが残念だけど、表現力が本当に豊か。
    例えば
    P. 12 私の中で不意に目覚めたずるい完璧主義が、塵一つない完璧な、シャープに四角い部屋をいたずらに欲しがる。
    とか、
    P. 14
    マンションの中にいた時は健やかに息づいていた物も、ポリ袋に包まれてここに落とされた途端、光を失い音楽を失い、淋しく死ぬ。
    など。

    新鋭の表現力のある作家の登竜門である芥川賞の受賞は納得。
    一方で、ストーリー性に面白みを感じられるかといわれれば、はっきりとうなずけるかは個人的に微妙で、最近の綿矢さんの作品の歳を重ねて人としての厚みがわか

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    2023年12月31日
  • 二周目の恋

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    初めて読んだ
    アンソロジー。
    やっぱり作家さんによって文や物語の雰囲気が違くて一冊読んでる感覚がなかった!
    でも素敵な方にたくさん出会えるのはいいことだね。
    一つ一つ本当に色が違うから感じたこともそれぞれだけど、恋愛の形って本当に色々あるなってのが所感。
    実ったものも実らないものも実らせちゃいけないものも心に秘めておくだけのものも全部恋。愛。
    正しい形に囚われすぎなくたっていいんだって思わせてくれた。
    お気に入りは大好き島本理生さんの作品「最悪よりは平凡」と一穂ミチさんの「カーマンライン」

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    2023年12月27日
  • 手のひらの京(新潮文庫)

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    京都育ちの人からみた京都ってこんなところなんだろうか。知らない風習などあって楽しめた。

    綿矢さんの作品は、「蹴りたい背中」が良くて、「夢を与える」がそこまででそれ以降読んでなかったのだが、こういう作品の幅もあるのだなと思った。

    一人っ子の自分にはあまりに理想すぎる三人姉妹像で、実際はどうなの?って思った。親でもない、他人でもない兄弟ってどういう関係なのだろうか…。

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    2023年12月24日
  • 100万分の1回のねこ

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    佐野洋子さんの『100万回生きたねこ』をオマージュして名だたる作家さん達が紡ぐ短編集。
    私は多分、来世もあると思っている。前世もそして。
    それは決して愛する人がいなかったからではないけれど。

    それぞれの物語も勿論面白かったけど、そこまでの想像力や価値観の広がりを与えてくれた原作の素晴らしさに改めて気付いた。
    姪っ子への誕生日プレゼントに決定。

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    2023年12月23日
  • 意識のリボン

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    エッセイっぽい小説。

    割とサクサク読めたけどノンフィクションっぽい表現が多々あってイマイチ物語に入りこめず。
    綿矢りささんの女性描写は本当に美しくて好きです。

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    2023年12月19日
  • 手のひらの京(新潮文庫)

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    3姉妹3者三様の青春。
    恋っていいなあ。
    若いっていいなあ。

    そうそう、若い時ってこん風に色々悩むよね!

    京都という歴史やブランドある街に翻弄されながらも、自分の道を自分で見つけて生きていく彼女たちの強さがいい。

    その京都独特の幻想の様も描かれていて、綿矢さんも京都出身なんだね。

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    2023年12月12日
  • 100万分の1回のねこ

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    著名な作家さんが「100万回生きたねこ」にオマージュした物語を創作。
    頭の中に、あのねこのお顔が浮かぶような、そんな物語が多く綴られていた。
    ねこの気持ちに寄り添ったり、ねこの方が何倍も人間より理解していたり。
    読後、ねこがより一層可愛く見えてしまった。
    かわいい。とってもかわいい。

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    2023年12月05日
  • Yuming Tribute Stories(新潮文庫)

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    ユーミンの曲をモチーフにした短編集。

    どれもほろ苦い、大人の作品集かな。
    綿矢りささんのは、ちょっと怖かった。多くは読んでいないのだけど、ちょっと危うい女性を描くのが得意な作家さんなのかなと感じた。
    川上弘美さんの作品は、辛い描写もありつつ、それでも希望を持たせる終わり方でよかった。女の子がしあわせであるようにと、私も願った。

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    2023年12月05日
  • 意識のリボン

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    短編小説の集まりで読みやすかったが、話の内容がイマイチ理解しにくかった。
    各話の最後にあとがきを読めば、内容の理解が深まると感じる。

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    2023年11月28日
  • 二周目の恋

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    やっぱり好きな作家さんの話が面白かった
    島本理生さん 綿矢りささん 遠田潤子さん

    波木銅さんは初めての作家さんだったけど 内容がイマイチ私には入ってこなかった

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    2023年11月25日
  • 意識のリボン

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    一見まとまりのない短編集に見えるが、収録されている作品にはさまざまな女性が語り手として登場する。独身女性、女性作家、元カノ、妻、姉、妹、母、娘。人生において私たちの呼び名は変わるけど、「私は私」ということを忘れずに生きていこうね、というようなメッセージを感じました。

    特に好きだったのは最初に収められている「岩盤浴にて」。岩盤浴でリラックス&デトックスしようと思って来た語り手が、周りの人の様子や会話に気を取られて、逆にいろんなことをグルグル考えちゃう感じ、わかるなあ〜って思いながら読みました。

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    2023年11月23日
  • 手のひらの京(新潮文庫)

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    現代にしても京都にはあちら側を想像させる空気や、閉塞感があるのだなぁ。ストーリーは全くないが、京都に住む人々、という描写は良かった。

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    2023年11月12日
  • 私をくいとめて

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    ネタバレ

    黒田みつ子
    脳内のAと会話する。

    多田くん
    取引先の営業マン。

    ノゾミさん
    会社の先輩。

    カーター
    片桐直貴。誰が見ても真性のイケメン。

    中畑遼
    スマイル歯科の院長。

    皐月
    大学時代の友達。ローマに住んでいる。

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    2023年11月02日