綿矢りさのレビュー一覧
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ずっと読みたかった本。ようやく入手。
●江國香織「生きる気まんまんだった女の子の話」
……世界観がそのまんま。いいねえ。
生きる気まんまんだった女の子は、なんだかんだで幸せな人生を送ったのだろうな。
●岩瀬成子「竹」
……よく分からなかった。児童文学の作者なのに、やや難解。
●井上荒野「ある古本屋の妻の話」
……夫婦は仲良くありたいね。分かりやすく。誤解を招かずにすむくらいに。
●角田光代「おかあさんのところにやってきたねこ」
……いろいろ深読みしたくなってしまう短編。
飼い猫の幸せ?野生の幸せ?
親の子知らず、子の心親知らず。
人生の因果、幸福とは?
そして、元絵本でねこが、王様や船乗りやおばあちゃんや女の子を大きらいだった理由も。
………中略…………飽きたから?むつかしいハナシが多いから?………
●町田康「百万円もらった男」
……意味不明。「ねこ」はいずこ?
●綿矢りさ「黒猫」
……綿矢りさは「インストール」だけ読んだことアリ。なかなか面白い作品だったから機会が合えば他の作品を読んでみたいと思っていたので丁度良かった。
……今回の短編集では一番好きかも。綿矢りさ、よし、「蹴りたい背中」を読んでみよう。
それと、元ネタの「黒猫」も読んでみたいとも思った。
●川上弘美「幕間」
と
●広瀬弦「博士とねこ」
……それぞれ、「白いねこ」との出会いの直前をイメージして描いたのだろうと思われる。
……「博士と・・」が、原作の文体で書かれているのが心地よし♪
●谷川俊太郎「虎白カップル譚」
……こちらは逆に「その時」と「その後」か?
ラストを飾るのが谷川俊太郎さんだというのが、しみじみくる。原作のテーマにも通ずるような・・・。
★3つ、7ポイント。
2019.10.15.新。
※芥川賞だとか「●●賞」だとかの受賞者たちによるアンソロジー。
「直木賞」だとか「本屋大賞」だとかではなく・・・。
↓
読んでいていまいち熱くなれずにいたこと、「むつかしい…」「意味わからん…」「つまらん…」と思えてしまった作品が多かったのは、
エンタテイメントではなく“ブンガク”系の作家さんによる物語だったから?
・・・と考えたら、自分で自分が「ちょっと残念なやつ」に思えてしまった(苦笑)。 -
購入済み
リズミカルな文章
前半でどのように展開するのか見えてくるのでわくわく感は感じないが逆に安心して読める。
またリズミカルな文章は心地よさを与えてくれて一気に読ませてくれました。 -
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掌編「おとな」からはじまる、
こども時代を取り扱う全4編の短篇集。
三つ目の表題作「憤死」は喜劇だし、
最後の「人生ゲーム」もじんわりくるものがありますが、
二作目の「トイレの懺悔室」が、純文学調の文体で進行しながら、
内容がこれまたなかなかエグくて、
年末に読むには失敗したかな、と思ってしまったくらいでしたが、
全体を通してだと、おもしろい読書になったなあという気持ちです。
本書を読んでいると、
自分の子ども時代の悪いところや友人たちの悪いところ、
それもあまり意識していなかったり、
もうほとんど忘れてしまい相当薄らいでいる気持ちだったりが
薄いベールのように音もなくこころに降りかかってきて、
でも直視しようとするとふっと消えてしまうみたいな感覚になる。
綿矢さんは、用いるのはやんわりした感じの文章だけれど、
気骨というか敵を作る覚悟があるというか、
そういった気構えで格闘している感はありますね。
本書の表題作なんかは、
さっきも書いたように喜劇ですが、
作者の綿矢さんに対して、
こいつ悪いな、
と思いながら苦笑いしてしまうくらい踏みこんでいる。
その前の「トイレの懺悔室」も意地悪だった。
最後の「人生ゲーム」、これはよかったです。
これを書いた時の年齢で、
これだけのことがわかっていたか、と思うと、
すごいなあと吐息がもれる。
ある意味で、諦めがいい人なのかもしれない。
でも、執念深さはある人だ。
『憤死』は、
人間関係のなかで自然となあなあになっていく
人間のしょうもなく悪いところ、
それも無邪気に悪いところを、
書くことであぶり出すというのも近いのだけれど、
見逃さず忘れさせず野暮といわれようがしっかと捕まえる感じで書きあらわす
といった姿勢のほうに真実味を感じる作風に思えました。
解説で森見登美彦氏が書いているように、
綿矢さんに本書の人物をあらわすような感じで自分を意地悪く描写されたら、
その華麗で上手な表現のために、
一年くらい立ち直れなくなりそうです。 -
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ネタバレゆーちゃんが忙しくなってきた頃(高校生)から、すごいスピード感で一気に読んだ。
ゆーちゃんが高校生の頃のあたりは、本を置いてちょっと家事をしていたときにぐったり疲れていて、どうしてこんなに疲れてるんだろうと思ったけど、この本を読んで、私の心がぐったりしていることに気がついた。
さらに、最後の場面、悪夢だ。作者が「起きながらにして見る悪夢をかきたかった」と書いたのを後になってネット上で読んだが、まさしくその通り悪夢だった。
早くこの悪夢から醒めたくて、小さな頃に怖い映画を見るときに早送りにしてざっと見てから戻ったように、今回この本も、パラパラとめくり、最後結局救いようの無いまま終わってしまうことをざっと確認して、戻った。
どうしてこの作者は、こんなひどい本を書いて、何をしたかったのかと思った。
でもすごいインパクトだったし、読ませる感が半端なかった。この人の本を(内容があまりひどそうじゃ無いものを)もっと読んで見たいと思った。
ところで、救いようのない小説といえば、半年前くらいに三浦しおんの「光」がやばかったけど、あっちの方がまだ救いようがあったのかな。
本当にこの本は、ひどかった。
星の数は迷った。内容は最悪だけど結局引き込まれて何日も引きずったことを考えると、インパクトが極大だったので星三つにしておく。 -
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フランス人のクオーターの女の子、夕子は、
幼い頃からその優れた容姿を活かすモデルの仕事やCMの仕事をこなしていた。
その夕子と彼女をささえる母や父の家族関係が絡みつつ、
中学生、高校生…と芸能界の中で成長していくさまを描いた作品。
書きだしからの最初の章の文体といったら、
才気あふれ、読む者の目を捉える、
鋭く、貪婪ともいえるようなエネルギーに満ちた感じでしたが、
中盤くらいになると、なんだか個人的に冗長に感じてきてしまいました。
それでも、中盤からラストに書けて、
とても引きつけられ、
ぐっとくる面白い作品だったという感想になって読書は終わる。
作品のテーマは難しいものだし、
触れたがる人もいないというか触らぬ神にたたりなし的に
あまり考えずにいるようなものですが、
率直な気持ちで正面から見たまま、
そらさずに、でも、考え事の世界にいってしまわず、
現実を忘れずに取り組んだような作品。
僕には夕子の、恋の熱い気持ちはわからない。
というか、きっと遠い彼方に置き忘れてしまった気持ちなんだろう。
あそこまで愚かになって傷つくことができるかどうか、恐怖感すらある。
夕子のは血の通った、それも人間としての血のリアルな濃さを感じさせる稚拙さだと思った。
否定、とか馬鹿に、とかしたくなるけれど、これは受容すべきものだ。
『夢を与える』の表題になっている
「夢を与える」という言葉自体にもきちんと考えたその意味が、
物語の他方でのひとつの落としとなっている。
この著者の本は読み通した分だけきちんとリターンがもらえる経験があったので、
今回もそうしました。
中盤で飽きてきそうにはなるんだけど、信じて読んだら信じたぶんのリターンがある。
また、
沈黙は爆音よりも怖いものだ、というような比喩。
なぜなら、爆音の後、いつまた爆音に見舞われるか
構えて緊張していないといけなくて、疲弊するから。
これは個人的な家庭環境でこそ言えることだよなあ、と
著者の綿矢さんだって楽な人生じゃないんだなと思わせられた。
若くしてデビューし、芥川賞を獲っても、
祀り上げられることに気づき、拒否し、
楽には生きないんだね。
そこらへん、またひとつ、作家だな、という気がしました。
(勝手な考察ですが)