綿矢りさのレビュー一覧
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あまり歌詞リンクしている感じはしなかった気がする(あまりユーミン詳しくないのもあるかもだけど)
綿矢りささんの青春のリグレットは綿谷さんらしいぶっとんで振り切った感じの主人公で面白かったし、歌詞と相まって忘れられない恋がある人には刺さると思う。
「尽くされるより尽くす方が好き、自分が心から愛せる相手と一緒になることん夢見ていた20代のころ」
春よ、来い
「合コンが苦手じゃない男や女ってあんがい少ないんだよ」合コンって結局、互いを値踏みしてアピールする競技でしょうそんなのが好きな人間ってスポ根マンガに出てくるようなタイプの人間だけだから。
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Posted by ブクログ
一昔前に比べたら、多様性が叫ばれるようになって、ずいぶん生きやすい時代にはなったけれど、
好きになった相手が同じ性別だから、家族になることを諦めざるを得ない状況、なんとかならないか。
場合によっては未だに同調圧力が凄まじいことも多く、マイノリティは蔑ろにされがち。
ただ、心の性を偽るのはいかがなものかと思う。
心の性がどうであれ、性別でトイレや更衣室の使い分けることには特に何の思い入れもないし、それをありがたく享受しているわけでもない。それらに対して強い拘りを持っている時点で…とは思う。
いくら心の性が女性だからって、男の外見をした人が入ってくるのはこわいし、同性ならそれがわかるはずなんだけどなあ…
自分がマイノリティだと公言するのは、まだ少し憚られるような気がする。
いろんな人が胸を張って、それぞれの人生を生きられる時代が来ることをただただ願うばかり。 -
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ユーミンの名曲と作家が紡ぐ6編のストーリー。
○あの日にかえりたい〜小池真理子
ちょっとした嘘で気まずくなった友、苦い思い出。
○DESTINY〜桐野夏生
規則正しい生活の中に運命の人だと感じた出会い。
○夕涼み〜江國香織
老女たちの沈黙の中に見えてくる感情。
○青春のリグレット〜綿矢りさ
身勝手な主人公はどうするのだろう。
○冬の終わり〜柚木麻子
女たちの感情のやりとりがあるある。
○春よ、来い〜川上弘美
願いを叶える能力があれば、どう使うのか。
きっと春は来る…という結末。
ユーミンの歌は、どことなく哀愁があって心にじんわり沁みてくる。
それに合わせて物語もありふれた日常の中でおこる出来事に、きっと春は来るよ、という明るい先を予感できる。
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ストーカーの方は共感出来る人物もいなくて、イライラした。なぜ警察に届けないのか、ずっとイライラしっぱなし。最後もモヤっとした終わり方。
表題作のウォークイン・クローゼットの方がスッキリ。早希の洋服好きは読んでいて清々しい。買って着るだけではなく、ちゃんと手入れをして保管もしている。付き合う男性に合わせて洋服を選ぶ徹底ぶり。
一方だりあは、幼い頃からから母親に着せ替え人形の様にかわいい洋服を着せられて、現在も自信がないからとスタイリストが選んだモノを買い取っている。でも洋服には興味が無いというのも皮肉だ。
それでもお互いを軽蔑する訳でもなく、良い関係を続けている。最後だりあの洋服たちも洋服好きな人の元へ渡り、良い結果になった。早希もだりあもユーヤも幸せになると良いな。 -
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どこにでも居そうな
「おひとり様」を満喫している
30代のOLのみつ子は
心の中のもうひとつの声
(冷静に物事を考えたり、時には
大胆になったり、悩んだ時は答えをくれたり)
に「A」という名前を付けている。
(性別は男性)
そんな心の声とのやりとりを中心に
久しぶりの恋心に戸惑ったり
苦手なものと向き合ったりしながら
自分の世界を広げて成長していく、
というお話…。
映画化もされていて、
主人公のみつ子は「のん」さんが、
心の声、「A」を中村倫也さんが
演じています。
私は、みつ子が慕う会社の先輩、
ノゾミさんの恋がユニークで新鮮でした。
ノゾミさんらしさ、貫いて欲しいです。
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いなか、の、すとーかー
若くして注目を浴びる陶芸家の青年とその幼なじみの男女と、青年を追ってやってきたストーカーの女性の話。
幼馴染の男、すうすけがとにかく最初から最後までイライラする。実家でニートをしながらヘラヘラフラフラして、他人の男女関係に興味津々、無意識に女を見下しているのが透けて見えて、気持ち悪い。
女性の凶暴性や恋愛に狂うところは、リアルにあることをしってるから笑えない。
ウォーク・イン・クローゼット
最近流行りのシスターフットを思わせる作品。
美人で気が強い売れっ子タレントのだりあと、その幼なじみの婚活中のOL早希の話。
ふたりとも魅力ある女性だけれど、初対面の頃にだりあが早希にバラとイラクサとひっつき虫を強引に握らせて嫌がらせをしてきた場面は印象的で、そんな事をされたのに何故仲良くなれたのか、それは作中でも語られずに、不思議が残った。
子供ってそんなものなのだったか。 -
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近未来の日本。未曾有の大地震が起こり、大きな被害を受けたのち、さらにまた同規模かそれ以上の大地震が一年以内に起こると警告されている時代。大地震以来、被災地の大学内で暮らす学生たちのひとりである女性の主人公と、その混乱に乗じて頭角を現してきたリーダーと呼ばれる男性の学生。リーダーは彼独自の思想をもって学生らを魅了していく。主人公もいつしか、その一派に属するようになっている。
90%の確率で訪れるとされる二度目の大地震に怯えながら暮らす学生たちは、まず一度目の地震と、それに派生したある事件などによって、大きなカルチャーショックを受け、生き方が危ういほうへと変容している。それでも行われる学祭に向け、リーダーは渾身の演説を段取りながら、自らの台頭を目論んでいる。破局へ向けた残酷な猶予期間に蝕まれながら、主人公を含め、半壊したような生活と精神性をなんとか保ちつつ、それぞれがそれぞれの極限の生のなかにいる様子を読むような小説でした。
以下、ネタバレがあります。ご注意を。
学生たちは早い話、制御がきかなくなってきているのです。大学生という年代の人たちは、子どもでもないし、大人としてもまだまだ経験が足りないのだけれど、頭は回るわけです。浅薄だったり、考える範囲が狭かったりしながらも、それでも固定観念や先入観がないぶん、大人たち以上にすぐれた新しい考え方や発見が出来たりもしますし、高い「安定性」よりもアンバランスな「突破力」を持っていると考えたほうがしっくりきたりします。
そんな年代の彼らに襲いかかった大地震。その災厄によって、かれらは身体や環境、生活などとともに、心までも根本から揺さぶられている。幼さだってまだまだ色濃く残る彼らに、その衝撃が背中を押すことで、自暴自棄のような行動と衝動を発現させている。そこには、先ほども書いたように、自分たちの頭が回ることからくる過信も大きくあるでしょう。そんな賢い自分たちが考えても答えが出ない状況への絶望。それは人生の経験値が低いからこその早計な絶望でもあるのですが、そこはまあ若者に「ダメ」と叱るのは酷というものかもしれない。また、その自暴自棄の出口はなにか、と考えると、変化や変革なのかなという気がします。スマートに、理性的に変化や変革を創っていくということが、傑物でもなければ若者にはうまくできないのかもしれない。そこを、リーダーは成そうとしているようなところがあります。
リーダーの説く持論は、自助と共助ですが、まあ僕もそこは頷ける部類の話でした。それ以上に、ミステリアスで蠱惑的なのに可憐な感じのあるキャラクター・マリがその少ないセリフの中で発した言葉のほうに、共感するところがありました。
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「受け止めがたい辛いことは、生きているうちに何度か起こるよ。でも起っちゃったあと、どれだけ元の自分を保てるかで、初めてその人間の本当の資質が見えてくるんじゃないの。なにも起こらなかったときは良い人なんて情報は、なんの役にも立たないよ」(p107)
「強くなんかない。でも予想外の不幸を、免罪符のように振り回す人間には、ちゃんと自分の考えを言いたくなる」(p108)
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そんなマリは、リーダーとくっつくのですが、主人公の世界からは彼らの世界にはほんのちょっとしか入ることはできない。この小説の文学的深みを握るのは、見方によってはリーダーとマリにあるというように考えられるのですが、そこは住まう世界が違う主人公のほうに、この物語の軸はあるのでした。ただ、それでこそ、よりマスに近い物語になったのだと思います。
小説を読みながら、その技術的な部分というか、緩急や抑揚みたいなところを気にしていました。激しさのあるシーケンスを多用する試みがなされているなあ、なんて思いました。表現の幅を広げるための想像力の使い方だと僕は考えますが、僕自身もそういうところを試したいと考えているところなので、なるほどなあ、とある部分ではちょっと冷静な自分としてこの小説を読みました。それでも、最終章のカタストロフィーの部分は引き込まれてしまって、分析だとかよりも物語自体の味わいのほうに気を取られてしまいました。ただまあ、それはそれで、真っ当な「物語の享受」なのだと思います。
震災の記憶が生々しい方にはつらいかもしれませんが、そうじゃなければ、読むことで読者が自分なりに物語から引き出すことができるなにかが宿っている小説だといえる作品でした。
久しぶりの綿矢りささんの作品でしたが、またそう遠くないうちに別の作品を手に取ろうという気になりました。 -
Posted by ブクログ
久々の綿矢りささん。
「いなかのすとーかー」と「ウォークインクローゼット」の二篇でなる中編集。
「いなかのすとーかー」は、実家である田舎町で生活する若手の陶芸家・透がストーカー被害に悩まされる、ちょっとしたミステリー要素のある物語。
終盤は、少しびっくりする展開に。
窯のシーンなど、制作風景も結構しっかり描かれており、私の好きだった朝ドラの「スカーレット」を思い出した。
「ウォークインクローゼット」の主人公は28歳のOL早希。男子とのデート用に洋服で着飾り、休日は1日かけてそれらを丁寧に洗濯していく。一方、幼馴染のだりあは、オシャレにさほど興味がないが、芸能の仕事をしているため、自宅のウォークインクローゼットには自動的に沢山の洋服が。
洋服を軸とした、友情や恋愛をめぐる物語。
早希の歳下の男友達のユーヤが個人的にお気に入り。
手軽に読める中篇集です。