綿矢りさのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
8篇の短編のうち、7篇は女性の語りですすむ。
「岩盤浴にて」は、見知らぬ中年女性の会話を聞きながら、色々思う話である。
外は秋の風だというのに、なんとも湿度が高く、汗が吹き出そうな、そんな気持ちにさせた。
まあ…岩盤浴は行ったことないし、汗もあまりかかない性質なので想像力とはげにおそろしげなり、なのだが。
「怒りの漂白剤」は、短気な私はよくわかる。
クーパー靭帯に例えられた時は面食らったが、わかる気がする。
舌打ちされると腹立つよね、わかるわかる。
怒りの沸点、というか、私はチャッカマン(これ、登録商標だっけか、あとで情報プラットフォームで調べてみよう)なみに火が簡単につく。
だからおっさん -
Posted by ブクログ
二篇の作品による連作短編です。
同棲から結婚へという、
ある意味で瞬間的でもあるだろう経過上で、
こじれてしまい間延びしたような状況が本小説の舞台。
あえてそこを書くのが小説らしく、著者らしいとも言えます。
小品を読んでいる感覚でしたが、
終いにはしっかり読み終えた満足感がありました。
そういった、話の締めくくり方の力というか技術というかは、見習いたい。
心理面もさることながら、
脳の構造的なぶぶんであろうところであって、
日常ではあまり意識したりしないような点にも注意を向けて書いている箇所があり、
レントゲンみたいに透過する、
作者の視線のつよさみたいなものが露わにする「人間の秘密」を目に -
Posted by ブクログ
大地震の後、再び訪れる大地震が確実な中で大学に残った人たちの学生運動のようなお話
首都で起きた夏の大地震の後、政府から届くものはバーガーと炭酸アルコール飲料という状況の中、大学に備蓄された物品を開放した事をきっかけに学生運動のリーダーと呼ばれるカリスマ的存在とその周囲のいざこざ
主要な登場人物は4人
私、リーダー、私の男、マリ
綿矢りさの過去作でもありがちな女性視点での男性批評のような描写がありつつの三角四角関係
近未来なところとか、学生運動をテーマにしてるのが新機軸かな
でも、それを描いている作品は他の人もいっぱい書いてあるし、描かれているものが軽い
この要素入れる必要あった?
リー -
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ずっと読みたかった本。ようやく入手。
●江國香織「生きる気まんまんだった女の子の話」
……世界観がそのまんま。いいねえ。
生きる気まんまんだった女の子は、なんだかんだで幸せな人生を送ったのだろうな。
●岩瀬成子「竹」
……よく分からなかった。児童文学の作者なのに、やや難解。
●井上荒野「ある古本屋の妻の話」
……夫婦は仲良くありたいね。分かりやすく。誤解を招かずにすむくらいに。
●角田光代「おかあさんのところにやってきたねこ」
……いろいろ深読みしたくなってしまう短編。
飼い猫の幸せ?野生の幸せ?
親の子知らず、子の心親知らず。
人生の因果、幸福とは?
そして、元絵本でねこが、王様や船 -
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購入済み
リズミカルな文章
前半でどのように展開するのか見えてくるのでわくわく感は感じないが逆に安心して読める。
またリズミカルな文章は心地よさを与えてくれて一気に読ませてくれました。 -
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掌編「おとな」からはじまる、
こども時代を取り扱う全4編の短篇集。
三つ目の表題作「憤死」は喜劇だし、
最後の「人生ゲーム」もじんわりくるものがありますが、
二作目の「トイレの懺悔室」が、純文学調の文体で進行しながら、
内容がこれまたなかなかエグくて、
年末に読むには失敗したかな、と思ってしまったくらいでしたが、
全体を通してだと、おもしろい読書になったなあという気持ちです。
本書を読んでいると、
自分の子ども時代の悪いところや友人たちの悪いところ、
それもあまり意識していなかったり、
もうほとんど忘れてしまい相当薄らいでいる気持ちだったりが
薄いベールのように音もなくこころに降りかかってき -
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ネタバレゆーちゃんが忙しくなってきた頃(高校生)から、すごいスピード感で一気に読んだ。
ゆーちゃんが高校生の頃のあたりは、本を置いてちょっと家事をしていたときにぐったり疲れていて、どうしてこんなに疲れてるんだろうと思ったけど、この本を読んで、私の心がぐったりしていることに気がついた。
さらに、最後の場面、悪夢だ。作者が「起きながらにして見る悪夢をかきたかった」と書いたのを後になってネット上で読んだが、まさしくその通り悪夢だった。
早くこの悪夢から醒めたくて、小さな頃に怖い映画を見るときに早送りにしてざっと見てから戻ったように、今回この本も、パラパラとめくり、最後結局救いようの無いまま終わってしまうこと -
Posted by ブクログ
フランス人のクオーターの女の子、夕子は、
幼い頃からその優れた容姿を活かすモデルの仕事やCMの仕事をこなしていた。
その夕子と彼女をささえる母や父の家族関係が絡みつつ、
中学生、高校生…と芸能界の中で成長していくさまを描いた作品。
書きだしからの最初の章の文体といったら、
才気あふれ、読む者の目を捉える、
鋭く、貪婪ともいえるようなエネルギーに満ちた感じでしたが、
中盤くらいになると、なんだか個人的に冗長に感じてきてしまいました。
それでも、中盤からラストに書けて、
とても引きつけられ、
ぐっとくる面白い作品だったという感想になって読書は終わる。
作品のテーマは難しいものだし、
触れたがる