綿矢りさのレビュー一覧
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その場しのぎで生きられる、正真正銘の根から明るい女が、旦那さんの駐在に帯同して中国で過ごす物語。
怖いもの知らずの人ってこんなふうに考えてるんだ!と思った。私とは真反対のタイプなので興味深かった。
ただ、
“大体日本はカワイイを全力でやる女子に対して、ブリッコとかあざといとか年考えろとかモブのひがみ根性からの横やりが入りすぎるのだ。可愛くてうるうるでちゅるちゅるなのが好きなんだからどんなカッコでもいいじゃねえかうるせえ、と批判をはねつける強さがあれば、もともと可愛いものが好きな日本女子の感性は中国よりももっと細密に発展するだろう。カワイイと相性が良いのはカヨワイとオサナイだけじゃない、カワイ -
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ネタバレシャネルも持たないで女も磨かずに、この私のままで、永久に世界に完全勝利するの。
というフレーズで、最近辞めた職場の派遣社員を思い出した。彼女は1週間当欠を繰り返し、しまいには月に4日しか働かない人だった。実家暮らしでさぞ甘やかされて育ったのだろう。
私は彼女が嫌いだったし、人手不足の職場で彼女を好きだった同僚は居ないだろう。
だけれど、彼女の毎日欠かさず嘘だとわかる嘘をついて休みの連絡を入れてくるあたりや、職場の置いてある薬を飲み散らかしたり、最小限の仕事しかしないのに福利厚生を最大限に利用しようとする図太さ。
彼女は完全勝利女だったのかもしれない。
マインドは見習うべき点もあるし、本で読ん -
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読み始めはただよくあるカップルのすれ違い程度に思っていた。弦は毎日仕事に勤しみながら、プライベートの時間を阻害されてる気分に、自分の気持ちを察してくれない奈世にうんざりしていた。奈世はその少しそっけない弦に振り向いてもらう方法がもう結婚以外に見つからず、結婚さえすれば魔法がかかるかのように2人の関係が修繕されると信じてた。
だけど、ストーリーが進むにつれ、奈世の異常なまでの弦への執着や感覚の違いを感じる。時間が経過し弦は奈世を迎えに行きプロポーズするが、両親は猛反対。結婚を断ればもう先はないかもしれないというその揺らぎこそ、結婚という事への執着を表すのかもしれない。
綿谷りさの文章は、とても比 -
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主人公はどこか周りと馴染めずにいる女子高生の絹代。そんな彼女はクラスメイトの所謂陰キャラの男の子と仲良く?なる。
絹代はその男の子の家に何度か遊びに行ったりするうちに、色んな意味で気になる存在になっていく。
彼には推しが居た。ファッションモデルのオリチャン。絹代が部屋に遊びにきていても気にせずにオリチャンオリチャン。今からオリチャンのラジオ聞くから、って絹代は放置されて、彼の背中を見つめていると「蹴りたい」という感情が芽生えてほんとに蹴飛ばしてしまう(´∀`)
好きとか嫉妬とかムカつくとか気持ち、そういうの全部ひっくるめての「蹴りたい」だったのかな?
絹代は一度も彼のことを好きと認識してい -
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突拍子もないシチュエーションがいくつかあってそこはちょっと冷めるのだけど、愛の心情、欲求には身に覚えがありすぎた。自分の心を体を支配している激烈な感情に身を任せてなりふり構わず振る舞う身勝手さはかなり私と重なる。
時間の経過で色褪せるだろうことは薄々わかっていても、今この瞬間に爆発的な存在感を得ている激情をなんとかしないと、生きていたって意味がない。絶対的に不正解だとわかっていても、素直に自分の心に従って、何とか期待しているものを手に入れないと、それができないのであれば何とかこの手でぐちゃぐちゃにしないと生きていてもどうしようもない。そんな焦燥感、大丈夫でない時に大丈夫じゃかくても大丈夫と一旦