天野純希のレビュー一覧

  • もののふの国

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    「螺旋」プロジェクトの7冊目。今回もまた初読みの作者さん。
    描くは平将門の乱から西南戦争まで、武士たちの千年に亘る戦いの物語。

    歴史をなぞりながら進む話は日本史をおさらいしているようで楽しく、海族と山族の対立という趣向が取り入れられたことも含めて通説とは異なる人物像や脚色も施されていて面白く読める。
    勝ち負けや生死が分かっている話の中で、とりわけ虚実入り混じった書き振り(鬼仙島が出て来た)がなされ、“長老”の言葉に間違ったほうに後押しされた、大塩平八郎の乱の件りが出色。幕末維新の章のまず最初にこの事件が置かれたところも興味深い。

    対峙する相手の大きな耳や蒼い目を見て心がざわつく展開が重ねられた物語は、終盤での『この世に人がある限り対立がなくなることはない』という“声”の言う通りであったが、一方、だからこそ「対立」や「分断」について考え行動し続けようという、このシリーズで一貫して語られてきたことが思い起こされたのだった。

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    2023年07月15日
  • 読んで旅する鎌倉時代

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    それぞれの作者によって書かれた短編作品なので、色んな視点と手法で新鮮な気持ちで読むことが出来る。歴史的解釈はそれぞれなので、大河ドラマ鎌倉殿の13人とセットで見るための付録的な立ち位置で読むと面白い。

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    2023年07月12日
  • もののふの国

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    もののふの国
    螺旋プロジェクト6作品目
    天野純希さんの作品も初。
    この螺旋プロジェクトを全部読んでみようと思わなかったら、天野さんの作品を手に取ることがなかったかも。
    さて、武士の対立を海山に分けて様々な戦をなぞっている感じ。普段時代物?的なものを読まないので、歴史の勉強のような感じがしてました。
    次はコイコワレへ

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    2023年03月30日
  • もののふの国

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    螺旋プロジェクト(私の中で)5冊目。

    私がこれまで読んできた螺旋プロジェクトの中では一番海族山族の対立に真っ向から立ち向かった小説、という印象。
    これだけの長い時代をほぼ全て網羅して書けるのがすごい。「もののふ」の時代として鎌倉時代から西南戦争辺りまで、まさに「螺旋」を感じることができた本だった。

    ただ、時代が長すぎるせいか、事実をひたすら追ってる駆け足感みたいなものが否めず、ちょっと「漫画日本の歴史」を読んでるような感覚に陥った。それも自分の歴史の知識が乏しい故かもしれない。

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    2023年03月01日
  • もののふの国

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    螺旋プロジェクトのひとつ。私の読んだ順番ではふたつめ。
    天野先生の作品にしては伝奇のような要素もある構成。
    対立を描くために選ばれた人物、場面が絶妙。
    ただ、あからさまな描かれ方な印象もある。
    その点、描き下ろしで追加された一篇は非常に良かった。

    こりゃ他の螺旋プロジェクトも読まざるをえない。

    ※評価はすべて3にしています

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    2023年01月18日
  • 決戦!賤ヶ岳

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    とても好きなシリーズだ。
    今回は登場人物が限定されていて各作家の描き方が違い過ぎて、本全体としては何となくしっくりとこなかった。
    でも歴史物に長けている作家の面々で個別としては面白い。

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    2022年11月05日
  • 雑賀のいくさ姫

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    NHK「ブラタモリ」の対馬で蒙古襲来時に
    三万の軍勢と船体のCGを見て、
    コレだったのね!とぞーとしました。



    林鳳が頭の中で「ラオウ」に変換されて困りました。---ケンシロウは居ないのに---



    孫一が
    「鶴。お前に一つ、教えておく。人は
    海の上だけでは生きてはいけん。帰る港、拠って立つ大地があってこそ、人は人でいられる」
    --------

    「なににも縛られることなく、思うままに生きろ。だがこれだけは忘れるな。お前は俺の娘で、お前の帰る港は雑賀だ。」


    もう!孫一に惚れてまうじゃない‼️




    それに兵庫もいいけど、左近!
    左近~!がんばれー!と応援したいなぁ~。
    ジョアンはしおれた茄子よ。(笑)



    久々の海戦もので、面白かったです。



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    2022年10月23日
  • 読んで旅する鎌倉時代

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    大河ドラマに合わせて書かれた短編小説
    ドラマも終盤になった今、逸話の違いが面白い。歴史上の事実だけは変えず、具体的な物語にするなら同じ逸話も印象が真逆な話にもなる。大河ドラマと小説とのコラボ、面白かったです

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    2022年10月19日
  • 戦国 番狂わせ七番勝負

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    甲斐の虎武田信玄の初陣。
    本能寺をめぐる信長の首の行方。
    父の跡を継いだ政宗の総大将の心得。
    側近の立場から見た信玄の深慮遠謀。
    浅井家滅亡への最期の戦い。
    九州の桶狭間島津義弘の木崎原の戦い。
    津軽為信の独立への戦い。

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    2022年09月07日
  • 雑賀のいくさ姫

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    紀州雑賀水軍の「いくさ姫」と呼ばれる鶴は、操船と射撃の名手で男まさりの19歳の少女。イスパニアのイダルゴ(栄誉ある戦士の末裔)の家系に生まれ、ジパングにやってきたものの、難破し囚われの身になっていたジョアンを救い、家来にする。
    鶴は、ジョアンの乗ってきたカラベルという型のイスパニア船を修復した「戦姫丸」で異国に向け商いの航海に出るが、瀬戸内海で、村上水軍に捕まる。さらには、毛利、大友、島津と戦国の西国大名オールスター水軍と、日本を狙う明国の強大な海賊・林鳳との海戦に巻き込まれていく。
    終盤の奄美大島周辺での壮絶な海戦シーンはボリュームをたっぷり取り息もつかせぬシーンの連続。ただ、日本水軍と林鳳率いる水軍、時折立場を変え、それぞれの視点から描かれているため、「敵」、「味方」が入れ替わり、少し分かりづらかった。
    主人公・鶴はとにかくワンマンだが、複雑な生い立ちも持っている。また、島津の姫・巴、林鳳の手下だが怪しげな月麗と、強い個性と魅力を持った女性を登場させ、物語に彩りも持たせている。
    全体的にテンポと歯切れの良い文章で書かれ、夢を抱きながらも臆病なところがあるジョアンや鶴を追いかける許嫁の左近に滑稽さがあり、読みやすく、楽しませる海洋冒険小説になっている。

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    2022年06月25日
  • 読んで旅する鎌倉時代

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    大河ドラマと合わせて読みました。
    歴史は勝者が作るとはよく聞く話ですが、正史はそうなのだろうなとつくづく思います。そして、それだけではなく、歴史とは解釈なのだなと深く思います。特に歴史小説を読んだ後には。そして、このようなアンソロジーを読むと、一編ごとに少しずつ変わっていく(あるいは観点を変えていく、ずれていく)解釈が実に面白いものです。
    一冊の長編を読み通すのも面白いのですが、これはある観点からの物語を深くしていくことだと思います。アンソロジーには多観点から読み解いていく、そして、一編ずつを積み重ねて一冊の流れを読み解いていく楽しみがあります。
    私は背表紙に「高田崇文ほか」とあったので購入しました。さすがに高田崇文、掉尾を飾るにふさわしい面白さです。しかし、そこに至るまでの一編一編が良い味を出していました。
    「実朝の猫」(砂原浩太朗)が異色な感じでお気に入りになりそうです。
    結構、はやく読み進めます。すいすい読みました。その中で、「実朝の猫」と「修善寺の鬼」はじっくりと読みました。
    アンソロジーは誰が編んだのかが気になります。
    雑誌に載ったものを文庫化したようなので、アンソロジーという見方をしないのかもしれません。しかし、編者の視点を意識しながら、この1冊を読みました。
    今年が旬の本でしょう。

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    2022年05月01日
  • 燕雀の夢

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    2022.2.2完了
    短編が進むにつれて少々の繋がりを見せているのでホントの短編と言う感じでもない。竹阿見の話は少々面白かった。
    日吉が実はホントの息子となれば面白い話でもあるしね。

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    2022年02月02日
  • サムライ・ダイアリー 鸚鵡籠中記異聞

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    軽いテンポでなかなか楽しかった。江戸時代の市井を描いているが、特に大きな事件も起きず少し不幸な日常が繰り広げられる。江戸時代の武士は本当に生産性のない暇な職業だったのだなと感じた。

    そして実に清々しく綺麗な終わり方。日記中ではぼやき節だった文左衛門だが、最後は多くの友や家族に看取られ、笑顔の最期を迎えられるのは彼の広い人脈の成せる技。流行りに乗って始めた鉄砲に皆がやめた後も一人通い続けたり、全く理解できない文会にで続けたりと、だらしなくとも決して人を裏切らないところが愛される理由かなと感じた。

    だらしない一人称、日記という共通点では森見登美彦の『恋文の技術』を思い出した。

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    2021年12月12日
  • 信長嫌い(新潮文庫)

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    天野純希さんの戦国武将達の短編集。
    全七話
    今川義元、真柄直隆、六角承禎、三好義継、佐久間信栄、百地三太夫、織田秀信のストーリー。
    どの作品も戦国武将好きには刺さる内容で楽しめました。
    豪胆なイメージを覆されたり、イメージ通りだったりしますが、飽きずに楽しめました。
    ですが印象的な作品はありますが特に気に入った作品はなく評価はこうなりました。


    2021/10

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    2021年10月23日
  • 蝮の孫

    ネタバレ 購入済み

    骨肉の争いに塗れた斎藤家の末路

    祖父が下克上で簒奪した国主の座を世襲した斎藤龍興。人間の獣性に満ちた時代に翻弄された彼が最後は一個の人間として生きていこうとするストーリーには救われる。
    本書は織田信長への敵視を基軸にストーリーが展開していくが、斎藤家から正室として嫁いだ帰蝶の視点で信長の人生を是非描いてみてほしい。斎藤道三から明智光秀、豊臣秀吉、徳川家康など豪華絢爛なメンバーで、記録のほとんど残されていない帰蝶が縦横に生きる様を常日頃想像している。

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    2021年08月26日
  • 有楽斎の戦

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    決戦シリーズの4作品と書き下ろしの2作品。
    そういう中身とは知らず、織田有楽斎の生涯を描いたものと思って購入したので、違和感。有楽斎の生涯を読める、と期待してしまった分、読み進めるのが難しくなってしまいました。切り替えでいないのは、自分よくない。

    有楽斎、島井宗室、小早川秀秋、松平忠直を主人公にした作品。通じるのは、権力への反骨心なのか。反骨ではあるな。それが向いているのは、権力とは限らない。
    己の意を通したい、貫きたい、という精神かな、通じていたのは。

    やはり、この時代の人物は「花の慶次」と「へうげもの」の影響が強い。
    あの有楽斎の物語。と期待した分、構成に違和感があったのでしょう。決戦シリーズで、単発として読んだ時は感じなかったと思うのだけど。面白かったという記憶がある。だからこそ、天野純希作品を買うようになったのだから。
    うぅむ。頭が固くなってきているのかなぁ。

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    2021年05月20日
  • 燕雀の夢

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    日本でも特に有名な6人の父親についての物語というのが、まずとても新鮮だった。そして、所々で息子とのつながりも描かれており、それぞれの人物を違う面から見ているように感じた。
    また、適度に脚色も加えられており、とても読み応えのある作品だった。

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    2021年03月07日
  • 紅蓮浄土 石山合戦記

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    戦国物は元々好きで、でも本願寺絡みはあまりよく知らなかったので手に取った本。
    なかなか引き込まれる感はあったけど、最後がちょっとなぁ… 終わり方が若干急ぎすぎ、安っぽい感じになっちゃってるのが残念な感じ。締め方って重要ですね。

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    2021年01月13日
  • 決戦!本能寺

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    緊急事態宣言の中、令和二年のGWに読んだ歴史小説です。何も活動のできなかったGWでしたので、読書だけが楽しみでした。

    この本は有名な本能寺の変を題材にしていますが、7人の武将の立場から見た形でストーリーが展開しています。新しい歴史小説の形で楽しいです、事件現場の空から中継を見ている感じです。

    以下は気になったポイントです。

    ・源頼朝の鎌倉幕府も、足利尊氏の室町幕府も、どちらも憎悪と野心をたぎらせた親族と家臣達が互いに憎しみ合いながら敵と戦っていた。だからこそ彼らは幕府を開けた(p67)

    ・肩衝(かたつき)とは肩の部分が尖った茶入れで、楢柴は初花肩衝、新田肩衝と並び「天下三肩衝」と称される逸品である、初花と新田はすでに信長の手中にあり、楢柴を手に入れれば天下三肩衝が揃うことになる、信長は手柄を立てた家臣に領地の代わりとして名物茶器を与えている(p140)

    ・博多の湊は南蛮船が来航して賑わっていたが、南蛮交易の拠点は肥前の平戸や長崎に移りつつあった。代わりに武士の姿、軍船が博多には多くなった(p142)商いの特権を持つ座を廃し、船が入る際の税である津料も免除すればさらに人と物が集まってくるだろう(p178)

    ・家康が武田信玄に決死の覚悟で挑んだ三方ヶ原合戦では、結果的に敗れはしたが信長も宿老筆頭の佐久間信盛に3000の兵を授けた(p202)

    ・信長、家康、秀吉といった諱は、本来、その死後に言う忌み名である。存生中は、特に目下の者などが口にして良いものではない(p221)

    ・信長の元では手柄を上げるほど危地へと送り込まれ、より強大な敵と戦わなければいけない。それが織田の家老の宿命である(p258)

    ・木綿は絹よりも高価な繊維だが、硝石やかねで加工することで水に強い雨火縄となった(p267)

    ・正親町天皇の弟である覚恕法親王を主とするなど朝廷の加護厚く、地理においては陸路の要衝をなし、軍事において数万の兵をおいている坊舎、山から延びる道を支配し、政治・貿易・軍事・信仰の拠点として一帯に君臨してきたのが比叡山である。越後の上杉景虎が四宝としたものを全て持っていた(p381)

    2020年12月30日作成

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    2020年12月30日
  • 決戦!本能寺

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    本能寺に関わる人の話ではあるけど、なんか距離が遠い。もっと、本能寺そのものを色んな視点から描くと面白いと思う。

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    2020年12月14日